こんにちは! ヨス(プロフィールはこちら)です。
先日、カナダのリッチモンド市にある美容室「Alpha D Hair Salon(アルファ・D・ヘアーサロン)」に行ってきました。
そしたら、切ってくださった美容師 高橋 慶一さんとお話が弾みすぎまして、後日インタビューをお願いする流れになりました(笑)。
ということで、今回はバンクーバーでは美容師不足で困っているというお話です。
目次
Alpha D Hair Salonとは
Alpha D Hair Salon(アルファ・D・ヘアーサロン)は、リッチモンドのBrighouse (ブリッグハウス)駅から歩いて3分ほどのところにある美容室です(バンクーバーにもあります)。
大きな特徴としては、日本人が運営しているお店だということ!
わたしの友達でカナダ留学アドバイザーの末永さんが行っていてオススメだということで行ってきました。
そしたら……
なんだここ! めっちゃオシャレ……。
わたしが予約した日も、予約がいっぱいでしたが、たまたまキャンセルが出てなんとかねじ込んでもらえたんですよ。
上の写真の左の方がAlpha Dのディレクター(社長)のタカさん。右の方がAlpha Dのマネージャーのケイさんです。
今回はケイさんにカットをお願いしたのですが、話が面白いんですよ。
いろんなお話をしているうちに、バンクーバー〜リッチモンドの仕事事情のお話になったんですが……
そしたらなんと、
日本人の美容師が足りなくて困っているというお話になりました。
バンクーバーのレストランでもそういうお話をよく耳にしていましたが、美容室でも同じ現象が起きていたんです!
……ということで、「これは詳しく聞かな!」と思い、後日インタビューをさせていただくことになりました!
日本で美容師として6年の経験
ケイさんはいつカナダに渡ってきたのですか?
2013年ですね。
カナダ在住6年(2019年現在)ということですね! 元々、どういう経緯でカナダに来ることになったんですか?
元々、日本で美容師を6年間やっていたのですが、スキルも自信もついてきてそろそろ独立しようか……という状況になったんですね。
おお! 自分のお店! 聞いた話ですが、日本の美容室ってコンビニや信号機より多いって本当ですか?
それ、本当です(笑)。そのため、競争率の非常に高い業種です。
ですよね。そうなると、単価を上げるか、安売りに走るか……の2択になりそうですね。
そのとおりです。でも当時の私のバックグラウンドだと、どうひいき目で見ても「安く売る」方向しかなかったんですね。
そういう方向に走るしかなくなりますよね……。
はい。それがイヤでした。当時すごく思っていたのが「もっと自分を必要としてくれるところ」で美容師をしたいという願いです。
カナダに渡った経緯
それでカナダに?
じつは、そのタイミングで幼なじみがバンクーバーから帰ってきたんですよ。
なんて神的な(← むしろ美容師だけに「髪的」な?w)タイミングですか!!
幼なじみはワーホリビザを取って、カナダで仕事をしていたんですね。で「もっと日本人美容師を求めてるところないかな?」という話をしていると「カナダ行きなよ!」と言われました。
すごいですね。その日に運命が変わったんですね! そしてワーホリでカナダに渡ったんでしょうか?
はい。決心して2ヶ月後にはカナダにいました(笑)。
2ヶ月後ですか! 行動力ありすぎ!(笑)
ありがとうございます(笑)。カナダに来て、まずは語学学校に通って、カナダの美容室で働かせてもらいました。で、今につながっています。
美容師になろうと思った理由
そもそもですが、ケイさんが美容師になろうと思ったのはなぜですか? 学生のころから興味があったんでしょうか?
実は高校生のときにやりたいことがなかったんですよ。将来の夢とかもなく……。
あれ? そうだったんですか!(わたしと同じだ)
大学にも行く意志もなかったので、親ともよく口論になっていました。
「高校卒業したらどうするんだ?」ってなりますよね(笑)。
父親に「家を出ろ」と言われ、とりあえず新宿に行こうと思いまして。
ご実家は神奈川でしたよね。
はい。で、新宿に行ったらキャバクラのお姉さんに声をかけられ、そこでアルバイトをすることになりました(笑)。
なんですか、そのマンガみたいな展開は(笑)!!
ほら、キャバクラのお姉さんって容姿が重要じゃないですか? 裏方でお姉さんの髪をセットアップしているのを見て「これ、やってみたい!」と思ったのがきっかけです。
まさかの「美容業界」との運命の出合いがキャバクラとは!
で、ヘアメイクアーティストの方に「教えて下さいよ〜♪」とお願いしたんです。
さすがのコミュニケーション力(笑)。
そのまま「ヘアメイクアーティスト」 を2年やりました。
なんでも積極的に言えると強いですね。
美容師の学校へ
で、ヘアメイクをしているうちに「美容師」という仕事に興味を持ち始めたんです。
そして、美容師の学校を卒業したんですね!
いえ、夜間の美容専門学校に入ったのですが、1年で辞めました(笑)。
ええー! 辞めたんですか(笑)!
思ったらすぐに行動してしまう性格でして……。
わたしも同じなんで、よーくわかります(笑)。
でも、そのあと山野美容専門学校に入り、無事卒業して美容師になりました。
ああ、よかった(笑)! 山野美容専門学校って美容系では有名な学校ですよね。
私の場合、スタートが遅かったので23歳での卒業でしたね。その後、地元の神奈川の美容室でアシスタントとして雇ってもらいました。
わたし、まったく知識なくてアレですが、アシスタントさんってどんなことするのでしょうか?
「髪を切る」以外のところで補助をするんです。たとえばシャンプーをするとか。
なるほど! 完全に興味本位で聞きますが、アシスタントさんてどのくらいお給料もらえるんですか?
当時は手取りで12万円でしたね。
おお……見習い期間だとは言え、なかなか安いですね。
ですよね(笑)。
カナダの美容室にはアシスタントがない?
カナダのアシスタントさんもそのくらいなんですか?
じつは、カナダの美容室だと「アシスタント」という概念がほぼ存在しないんです。ウチにはありますけど。
え? ということは、修行なしでいきなり本番なわけですね。
はい。その上、日本だと美容学校は2年なんですが、カナダの学校なら6ヶ月でOKなんですよ。
ぜんぜん違うじゃないですか(笑)。ということはOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)なわけですね。
完全に実践で学んでいくという感じです。
でも、日本でも実践で学ぶのは同じですよね? 実際に誰かの髪を切って学ぶという……。
それが違うんですよ。日本の場合、アシスタントは営業時間が終わったあと、人形相手に髪を切る練習を3年ぐらいするんです。
そのお話、聞いたことがあります! 本当なんですね。3年ってものすごい下積みですね……。
よくカナダで「日本のスタイリストの腕はスゴい!」という話を聞きますが、スタートしたときのカットの技術が日本人はレベルが高いので誇るべきかと思います。
でも、3年も下積み修行で安い給料って、あまりにも過酷すぎる気がしますね。
私もそう思います。下積み3年(+学校2年)は長すぎますね。でも逆に、カナダの学校のみ6ヶ月は短すぎますが。
なんとかならないんですかね?
チップ制度がサービスの質につながっている
日本の美容室で1年〜2年ぐらい下積みをしたらカナダに来るというのはすごく「アリ」な選択だと思います。
カナダだとさすがに月給12万円ってことはないですよね?
ありえません。カナダにはチップがあるので、カナダに来て最初にもらった自分の給料の額にびっくりしましたよ。
ケイさんの場合日本で6年間もやられていたわけですよね? それよりも多いんですね。
はっきり言いますが、チップ制度はスゴいです。
美容師だとどのくらいのチップがもらえるんでしょうか?
だいたい15%以上はもらえますね。カットが5,000円だと+750円というイメージです。
1日に5人切ったとしたら3,750円プラスになるってことですか! 20日で75,000円?!
単純に言うと、そういう計算ですね。
もしかしたら、カナダのチップだけで日本の見習い期間の給料を超えちゃいそうですね……。ゴクリ。
私にとって、チップというのは「評価」だと解釈しています。
お客さんが気に入ってくれたら、それだけチップの料金も上がるってことですね。
チップは「評価」でもありますし、ダイレクトに自分の収益になります。つまり「カット + オンブレカラー」で単価が3万円だとしたら、チップだけで4,500円になりますね。
すごいですね! しかも、チップは気に入ってもらえれば20%以上もらえることもある!
やりがいになりますよね。「チップがもらえるから」という動機でも、サービスの質が上がるのなら結果オーライと思いますし。
客側にしても「評価をできる」というのは嬉しいですよ!
ありがとうございます! 多めにチップをもらえたらモチベーションが上がる。モチベーションが上がるからさらに良いサービスが提供できる……という好循環になりますし!
ぶっちゃけ、カナダのお店で質の低いサービスって出合ったことないかも。ファーストフードみたいなチップが無いところは別ですけど(笑)。
カナダに美容師をしに来てほしい!
Alpha Dのお店についてお伺いしたいのですが、お客さんは日本人ばかりですか?
お客様には日本人もいますが、ほとんどが現地の方です。つまり英語でのコミュニケーションが必要ですね。
それはハードルが高そうに見えますが、日本から突然若者が「美容師やりたい!」って来ても大丈夫なんですか?
語学学校に少し通って、日常で困らないレベルになれば問題ありません。あとは実践でしょう!
ですね! 最後に日本で働いている美容師さんに一言お願いします!
美容師はカットする技術はもちろん大切です。これは誰でも経験を積めば身につきます。でも、お客様への気配りやコミュニケーション力は本人の意識がないと身につきません。
美容師さんに、そんなに気配りやコミュニケーション力って大切なんですか?
はい。むしろそこで差が出ると思います。お客様に座っていただいて、イスをそっと回転させるとか。こういう細やかな接客って、カナダではあまり出合えませんが、日本の美容室では自然にやっているんですよ。
なるほど! ということは、日本で見習いをするときも「技術」だけでなく「おもてなし精神」を身に着けてきてほしいということですね。
はい、まさに。あと、コミュニケーションの中でお客様のご希望に導くことも大切です。英語を使わざるを得ないので、がんばればすぐに身につくと思いますが。日本である程度見習いをしたら勢いでカナダに来てください! そして、うちで働いてください(笑)!
露骨に言うと、その方が稼げますし(笑)。
ということで、ケイさん、今回はインタビューありがとうございました!
【おまけ】ケイさんに切ってもらう前とあとの写真
さて、わたしがケイさんに切ってもらう前の写真がこちら。
で、こっちが切ってもらったあとの「AFTER」です。
帽子をいつもかぶっていることを伝えると、帽子をかぶっていい感じに見えるようにカットしてくださいました。ほんとに大満足です!
子どもたちにも「前よりええやん」と評判でした。ケイさん、ありがとうございます!
さて、今回は「Alpha D Hair Salon」のマネージャー ケイさんにお話を聞いてきました。
日本人のスタッフが足りないというのはどうやら、バンクーバーでは新しい常識になっているみたいですね。
美容師不足で本当に困っているそうなので、ぜひご連絡ください……とのことです!
ということで、こちらのお問い合わせフォームからご連絡ください。わたしの友達で、カナダのことなら何でも相談できる末永さんに直接コンタクトとれますよ♪