※2020年10月30日追記: 夫婦別姓についての電子書籍を販売いたしました!
こんにちは! 夫婦別姓を実際にやっているブロガーのヨス(プロフィールはこちら)です。
世間ではまだ「夫婦別姓は子どもにとって悪影響だ」と思っている人がいます。
実際に夫婦別姓で3人の子どもがいるわたしからすると、「ギャグかな?」と思いそうですが、皆さん真面目ですよね?
そんなことよりも、現行の日本で行われている夫婦同姓制度が子どもにとって好ましくないと思っているので、その理由をまとめます。
目次
「夫婦別姓」は子どもにとって好ましくない?!
2017年の世論調査の結果を見て驚きました。
「家族の法制に関する世論調査」の概要 | 世論調査より引用しました。
なんと、「夫婦別姓は子どもにとって好ましくない」と思っている人が62%だったというものです。
まじか?! そんなことをこんなに大勢の人がマジメに心配してんの?!
わたしは実際に夫婦別姓をしてて、3人の子持ちなんですけど、この心配事があまりにも思いすごしにすぎないことを知っているので衝撃だったんです。
人生で今まで体験したことのない事例に対して、体験したことのない人が疑心暗鬼になることは普通だと思います。
でも、まず冷静に考えてほしいんです。
そもそも、現行の「夫婦同姓制度」で全く問題点がないのか?ということを!
「とりあえず」法律では平等
現状の「夫婦同姓制度」ですが、法律上は、男性でも女性でもどちらが姓を変えても良いことになっています。
つまり「法律上」では男女平等ということ。
この平等なハズの夫婦同姓ですが、現実は違いますよね。
結婚してどちらが変更してもいいのなら、女性の姓を名乗る男性がウジャウジャいてもおかしくありません。
改めて書くまでもないですが、現実にはほとんどの夫婦(95%以上)で女性が姓を変えているということです。
そもそも男性が姓を変えているのを知ると「え? 養子なの?」という時代錯誤な反応や「男性が名字を変えてもいいの?」という始末……。
今の日本では「法律上は男性が姓を変えても良い」ことを知らない人がまだまだいるレベルなのです。
つまり「姓は女性が変える揺るぎなきもの」と思い込んでいる人がほとんどと言ってもいいかもしれません。
だって夫婦別姓に賛成の方でも「私は男性なので苦労はわかりませんが、賛成です!」とか普通に言いますからね(いや男性が変えてもイイし……)。
これのどこが「平等」なんでしょうね。
主役は男性というイメージを再生産する
そして、ここからが本題です。
現状において、わたしが一番問題だと思うのが「姓は女性が変えるもの」という認識が流通していることによる女性は男性の補助的な存在というイメージ。
もっというと、
男性が社会の主役で、女性は脇役というイメージを助長していることです。
「姓を変える」ということは、どうしても脇役的なイメージがありますよね。
極端に言うと「名前を変更させられても良い」 → 「だって脇役だもの♪」という思考で、明らかに大事にされていません。
名前を変えない男性の方が、社会の主役って感じはしませんか?
多くの男性は「自分が姓を変えること」を嫌がる
男性の皆さんにお聞きしたいです。
結婚したときに、男性のご自分が姓を変えなければならないとしたら、どんな気持ちですか?
「なんで男のオレが?」という方が多いと思うのですが、男性側が姓を変えたくない理由はそもそも何でしょうね。
おそらく「妻に支配されているみたいでかっこ悪い」のような理由じゃないですか?
「尻にひかれている」のように世間に思われることが恥ずかしいといったところでしょうか。
オイオイ、「器」が小さすぎるッ!!
つまり、姓を変えるということは「支配」と関係あるという認識ですよね。
相手の名字を自分の名字で上書き保存するわけですから……。どう考えても支配的です。
そもそも「なんで男のオレが変えなきゃダメなんだ?」と思うような嫌なことを女性にさせている……んですよね。
家事もやりたくないから「女性の仕事」てことにしてたら男性はラクですから。
どんだけ男性視点なんだ、この日本社会は……。
夫婦同姓制度が子ども与える悪影響
こんなふうに「女性は社会の主役にはなれない」という歪んだメッセージを、小さいころから刷り込まれる女の子が、日本中にいるわけです。
これを「良くない影響」と呼ばずに何と呼べばいいのか。
もちろん、こんなメッセージを女の子に刷り込んでいるのは、夫婦同姓制度以外にもたくさんあります。
そりゃあ、こんな社会で生活していると自然と女性は受動的になりますよ。
そして、その女の子が成長して社会に出ると「女はリーダーには向かない」や「女は積極性がなくて使えない」のように非難されるのです。
「社会の主役は男性だ」というメッセージをなくするだけで積極性を持った女性は増えます。
……もしかすると、それを好ましいと思わない男性が多いからそんなメッセージを意図的に発信しているのかもしれません。
「特権が奪われる!」ってノリでしょうか。器が小さすぎて涙が……
「子どもにとって好ましくない」ってのは妄想
さてここで「親の姓が別々なのは子どもにとって好ましくない」という不安を持っている方へ一言です。
ウチでは実際に夫婦別姓を実行しています(戸籍では私が変えさせられているけど)。
そしてウチの子どもたちは中学生、小学生になっているため、両親の姓が別々なことを理解しています。
ですが、ウチの子どもたちが「ウチの親は名字が違う……なんか悲しい……」なんて考えが脳裏に浮かんだことは一瞬たりともないと断言できます。
ええ。思い込みではありません。
「子どもに悪影響」って思っている人が「夫婦別姓はよくないんだよ」と否定的に教えない限り、子どもは否定的な感情なんて持ちっこないからです。
両親が夫婦別姓をしている方に家族の絆が弱いのか聞いてきたという記事も参考になりますよ。
わたしは夫婦別姓を「実行」していますからね……
もしかしたらこういう方もいらっしゃるかもしれません。
「いや、ヨスの家族ではそうかも知れないけど、一般的には子どもにとってよくないぞ!」
でも、そういう意見は説得力がゼロです。
そもそも、本当に子どもにとって好ましくないもの……例えばコンビニのポルノ雑誌とかを普通に容認している社会が、子どものことを本気で心配しているとは到底思えません。
ただ単に新しい考え方を否定したいから、こじつけをつくろっているだけでしょ?
女の子が「自分は女だから社会の主役にはなれない……」と思い込んで、希望ある未来をドブに捨てる方が有害だと思いませんか?
「強制的夫婦同姓」を継続するなら措置が必要
それでも、どうしても「(強制的)夫婦同姓制度を継続させるぞ」と日本政府は決断するのかもしれません。
でも続行させるとするなら、男女差別を防ぐという観点から「改姓する性が偏らない対策」が必須でしょう。
改姓するのが完全に男性50%、女性50%になるレベルで。法律上だけ平等な現状では男女平等ではありませんから。
実際に、日本はジェンダーギャップ指数で世界でも性差別のひどい国だと証明されています。
あ、いいアイデアがあります。
結婚しようとするカップルが婚姻届を出しに行ったときに、役所の窓口の人がくじ引きで姓を決めるんです。
そう、赤の他人が権力で決めるんです。
え?「そんなの人権侵害だ!」って思われますか?
でも現在の法律では、夫婦両方が姓を変えたくない場合でもどちらかが強制的に変えさせられていますけど?
役所にカップルが結婚する気満々で婚姻届を持って行っても、どちらかが姓を諦めない限り受理されないのです。権力によって。
まだまだ日本では「夫婦別姓が子どもに悪影響かも……」と不安を持っている方がいます。
そもそもなのですが、そんな方は夫婦別姓にしなければいいのです。
制定されるとすれば「選択的夫婦別姓制度」ですから。
現在結婚している人が強制的に夫婦別姓にされるのなら問題ですが、そうではありません!
世の中は多様性に溢れています。いろんな考えがあります。
それなのに一方の立場だけを優遇するのはオカシイと思うんです。
高校野球だけ優遇して全校生が応援に強制させられるとか、職場のコーヒー派だけ優遇してコーヒーメーカーを設置するとか、オカシイことはそこら中にあるんですけどね。
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