こんにちは! ヨス(プロフィールはこちら)です。
2021年度版の「ジェンダーギャップ指数(世界男女格差指数)」が発表になりました。
今回はこのジェンダーギャップ指数の結果、そしてジェンダーギャップ指数ってなに?ということについて紹介しますね。
2021年のジェンダーギャップ指数ランキング
では、2021年のジェンダーギャップ指数のランキングを見てみましょう。
2021年では156か国が調査の対象になっています。日本が承認している国の数は196か国なので4分の3が対象になっていますね。
2021年の日本の順位
2021年の日本のジェンダーギャップ指数のランキングは、120位でした。
前回が121位だったので、1位だけ上がっていますが依然としてひどい順位です。
つまり世界的に見て、日本は男女差別のひどい国であると言えます。
なぜ日本はランキングが低いの?
では、なぜ日本はジェンダーギャップ指数で点数が低くなって、ランキングが低くなるのでしょうか?
ジェンダーギャップ指数というのは、4つの分野での総合でつけられます。その4つというのはこちら。
- 経済活動の参加と機会(Economic Participation and Opportunity)
- 教育(Educational Attainment)
- 健康と生存(Health and Survival)
- 政治的エンパワーメント(Political Empowerment)
日本のこの4つのランキングをそれぞれ見てみましょう。
分野 | 前回(153か国中) | 最新(156か国中) |
---|---|---|
経済活動の参加と機会 | 115位 | 117位 |
教育 | 91位 | 92位 |
健康と生存 | 40位 | 65位 |
政治的エンパワーメント | 144位 | 147位 |
総合 | 121位 | 120位 |
「経済活動の参加と機会」もひどいですが、「政治的エンパワーメント」では、なんと世界の中でワースト10にランクインしています。
とにかく、「決定権のあるポジションや女性議員の数が圧倒的に少ない」という問題が浮き彫りになっていますね。
衆議院の女性議員数は2019年12月のデータでは、46人 / 465人というマイノリティです。
約10%
……ということですよね。

なんだこれ、男女平等を謳っている先進国か本当に?
逆に「10%もいるのか! すごい」と思った方、10人で森の中を歩いていたら90匹の野犬に囲まれた状況を想像するといいと思います。

いやー、勝てる気がしませんよね……。圧倒的な数の差です。
日本の周りにランクインされている国は?
では、日本の周りにランクインされている国はどんな国があるのかを見てみましょう。
115位 | マラウイ |
---|---|
116位 | スリランカ |
117位 | ガーナ |
118位 | ギニア |
119位 | アンゴラ |
120位 | 日本 |
121位 | シエラレオネ |
122位 | グアテマラ |
123位 | ベナン |
124位 | ブルキナ・ファソ |
125位 | タジキスタン |
人気のあの国や、有名なあの国は入っていませんよね……。
残念ですが、日本に住んでいるわたしたちは「そりゃ日本は差別が多いよな……」と、この順位に納得できるでしょう。

逆に「え? 日本に性差別なんてあったっけ?」と思う方は、こちらの「性差別・ジェンダーのカテゴリ」をご覧ください!
2021年の上位10か国
では、どんな国々が2021年のジェンダーギャップ指数の高い国ランキングで上位に来ているのでしょうか?
性差別の少ない国上位10か国を見てみましょう。
1位 | アイスランド |
---|---|
2位 | フィンランド |
3位 | ノルウェー |
4位 | ニュージーランド |
5位 | スウェーデン |
6位 | ナミビア |
7位 | ルワンダ |
8位 | リトアニア |
9位 | アイルランド |
10位 | スイス |
北欧の国、そしてニュージーランドが相変わらず性差別が少ないです。
アフリカのナミビアやルワンダ、東欧のリトアニアもランクインしていますね。
2021年の下位10か国
では今度は逆に、2021年のジェンダーギャップ指数の最も低い国10か国を見てみましょう。
性差別が根強い国ワースト10ということですね。
147位 | サウジアラビア |
---|---|
148位 | チャド |
149位 | マリ |
150位 | イラン・イスラム共和国 |
151位 | コンゴ民主共和国 |
152位 | シリア |
153位 | パキスタン |
154位 | イラク |
155位 | イェメン |
156位 | アフガニスタン |
やはりというか、中東の国が多いですね。
中東の女性差別関連の事件に対して「けしからん!」という意見を持っている人は多いと思いますが、日本は「性差別」に関してはそちら側に近い国だという自覚をもっとみんなが持っておくほうが良さそうです。
日本に馴染みのある国々のランキングは?
では、日本に馴染みのある国々のランキングも見てみましょう。
ドイツ | 11位 |
---|---|
フランス | 16位 |
フィリピン | 17位 |
カナダ | 24位 |
イギリス | 23位 |
オーストラリア | 50位 |
アメリカ | 30位 |
タイ | 79位 |
イタリア | 63位 |
ロシア | 81位 |
ベトナム | 87位 |
ブラジル | 93位 |
中国 | 107位 |
韓国 | 102位 |
インド | 140位 |
日本 | 120位 |
というか、東アジアの中国、韓国、日本はどの国も性差別がひどい国ということです。
そのなかでも一番性差別がひどいのが日本なんですよね。

同じアジアでもフィリピンは17位ですね。この差はすごい……。
ジェンダーギャップ指数(世界男女格差指数)について
ここまで見てきて、日本が「性差別のひどい国」というのがよく分かったと思います。
今度は「ジェンダーギャップ指数」というものについても詳しく紹介します。
ジェンダーギャップ指数とは?
ジェンダーギャップ指数(世界男女格差指数)は、自分の国では性差別の度合いがどのレベルなのかを測るための基準です。
毎年年末ごろに「グローバル・ジェンダー・ギャップ・レポート(Global Gender Gap Report)」というレポートによって、国ごとのランキング形式で発表されます。
発表しているのは、世界経済フォーラム(The World Economic Forum)です。
ジェンダーという言葉についてはこちらもご参考に。
順位は「4つの分野」での平均
このジェンダーギャップ指数は4つの分野14項目で算出されます。
4つの分野について紹介しますね。
- 経済活動の参加と機会(Economic Participation and Opportunity)
- 教育(Educational Attainment)
- 健康と生存(Health and Survival)
- 政治的エンパワーメント(Political Empowerment)
1経済活動の参加と機会
まずは「経済活動の参加と機会」です。2021年の日本は117位/156か国でした。
こちらの項目に分かれています。
- 労働力の男女比
- 類似の労働における賃金の男女格差
- 推定勤労所得の男女比
- 管理的職業従事者の男女比
- 専門・技術職の男女比
女性を「劣っている」と思い込んでいる人が多かったり、会社などの中で決定権のあるような立場に女性が圧倒的に少ない国は「経済活動の参加と機会」での評価が低くなりますね。
ほかにも、「男は外で働いて、女は家」という性別役割分業という考え方が根強い国も。

まぁ、日本のことですけど……。
2教育
そして、「教育」という分野です。2021年の日本は92位/156か国でした。
「教育」を細分化すると、こちらの項目に分かれています。
- 識字率の男女比
- 初等教育就学率の男女比
- 中等教育就学率の男女比
- 高等教育就学率の男女比
識字率、就学率などは、日本は良い得点ですが、ほかの国も良いのでランキングとしては半分以下になってます。
ただし、ジェンダーギャップ指数の点数として現れない部分で日本は性差別が存在していますよね。
たとえば、地方では未だに男の子の教育のほうに力を入れたがる傾向は残っています。
「女の子が学歴が良すぎると結婚できない」みたいな考えを持っている人もいるし、実際に自分より学歴の良い女性を嫌う男性もいます。
大学受験で「女子生徒の点数を低くして落としやすくする」のような操作が裏で堂々と行われていたり……。
3健康と生存
「健康と生存」という分野です。2021年の日本は65位/156か国でした。
「健康と生存」はこちらの項目に分かれています。
- 出生時の男女比
- 平均寿命の男女比
どこかの国で女の子が生まれたら殺す……のようなクレイジーな事件を聞いたことがありますが、このあたりは日本は問題が少ないでしょう。
ちなみに、日本は「健康と生存」で点数としては7位なのですが、同列順位の国がすごく多いので、結果的には65位になっています。
4政治的エンパワーメント
「政治的エンパワーメント」という分野です。2021年の日本は147位/156か国でした。
「エンパワーメント」というのは「権限」のような意味です。細分化するとこちらの項目に分かれています。
- 国会議員の男女比
- 閣僚の男女比
- 国家元首の在任年数の男女比
ざっくりと言うと政治家にどのくらい女性がいるか……ですけど……

これは、どう見ても日本の点数が伸びる気配がありませんよね……。
指数は「1」に近いほど良い
さて、今までランキングでしか紹介していませんが、本当は点数で公開されています。
その点数というのは、「1」に近いほど性差別がなく、「1」から離れるほど差別があることを示します。
実際に1位の国と最下位の国、日本の点数を比べてみましょう。
アイスランド(1位) | 0.892 |
---|---|
日本(120位) | 0.656 |
アフガニスタン(156位) | 0.444 |
ぶっちゃけ、ポイントで見てもよく分かりませんよね(笑)。
とりあえず、最下位のアフガニスタンとは0.212ポイント差、1位のアイスランドとは0.236ポイントという差があります。
詳細は公式データを見てくださいね。
さて今回は、ジェンダーギャップ指数というものについて紹介しました。
日本のランキングを見ると、「女性が輝く日本へ」というキャッチフレーズって一体なんだったんだろうと思うほどですよね。

女性が生きにくい社会だから、出生率も上がらないのに「女性が産まないのが問題だ!」と責任転嫁する男性政治家もいるぐらいですから……。
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