こんにちは! 効率化オタクのヨス(プロフィールはこちら)です。
今回は「効率化ツール」で最強のツールの1つであるスニペットツールについて紹介します。
「スニペットツールってなに?」という基本から、その特徴、どんなスニペットツールがあるのかについても紹介します。
スニペットツールについて
では、スニペットツールとはどういうものでしょうか?
超簡単に言うと、日本語入力をするときに使う「単語登録」をさらにパワーアップさせたものです。
スニペットツールは最強の入力ツール
言葉で書いても伝わりづらいので、実際に使っているところの「アニメーション画像」を見てください。
たぶん、はじめて見た人はこんな反応でしょう。
なんじゃこりゃーっ!!
上の画像でなにが起こったのかを解説するとこちらになります。
起こったこと
- 自分で登録した文字ka-soru;を入力
- その瞬間に「登録していた文字(というか文章)」が一瞬で入力される
- カーソルが指定していた場所に自動的に移動
後述していますが、このスニペットツールとは「英語圏の単語登録ツール」のことです。
スニペットツール = どこでも瞬間テンプレート呼び出しツール
スニペットツールは「単語登録」……と表現しましたが、次の呼び方のほうが適切です。
スニペットツールとは
どこでも瞬間テンプレート呼び出しツール
これはわたしの作った言葉なので、順を追って解説しますね。
「テンプレート」の不便さについて
たとえば、ビジネスメールでテンプレートを使っている人は多いと思います。
何度も使う次のような文章を、メモ帳やWordに保存していますよね?
テンプレート例
◆◆様
いつもお世話になっております。
ピザ・クイテーナのヨスです。
(以下省略)
そもそも、テンプレートを使っているという時点でかなりの効率化が図れているのですばらしいです。
でも、
面倒じゃないですか?
なぜなら、次のような作業が必要だからです。
必要な動作
- テンプレートを保存しているファイル(フォルダなどから)を探す
- テンプレートのファイル(メモ帳など)を開く
- テンプレートのテキストを全選択
- コピー
- メールソフト(アプリ)に戻る
- コピーしたテンプレート文章をペースト
当たり前になっているかもしれませんが、冷静に考えると手間のかかる作業ですよね……。
テンプレートは「スニペットツール」で呼び出す
こんな「テンプレートを探す」という作業は今日で最後にしましょう。
スニペットツールを使えば、登録している文字を入力して一瞬でテンプレートを呼び出せるのです!
スニペットツールは「どこでも、瞬間的にテンプレートを呼び出せるツール」ですよ!
スニペットツールの特徴
スニペットツールのすごさが伝わったところで、その特徴を紹介しましょう。
「超・長文」でも登録できる
まず、登録できる文字数が驚きです。
単語登録なら100文字という制限がありますが、スニペットツールなら
10万文字以上でも登録できます(← 数えた)。
10万文字も登録する必要があるシチュエーションはないでしょうけど……。
改行も反映される
スニペットツールの2つ目の特徴が、単語登録と一番違うところは、改行も反映されるということ。
つまり、単語登録ではできない「改行」の登録ができるというわけですね。
先ほどのアニメーションをもう一度見てください。
バッチリと改行も反映されていますよね! すごい。
これで、どんなメールのテンプレートにも対応できます。
ちなみにビジュアル的にわかりやすいメールの書き方はこちらの記事をどうぞ。
半角英数字で起動する
スニペットツールの特徴の3つ目が、半角英数字(+記号)のみで起動するということ。
つまり、スニペットツールで文字を入力する前に「全角文字」「半角文字」に変更しなければなりません。
これは少し面倒ですね。
なぜ全角文字では動かないの?
なぜ全角文字では動かないのかというと、スニペットツールがアルファベット圏(英語圏)の人向けだから。
日本語入力には「単語登録」がありますが、漢字変換がないアルファベット圏にはそれが存在しません。
「How are you ?」と入力する場合は、毎回それをタイピングする必要があります。
それを補ってくれるのがスニペットツールで、アルファベット圏の人向けの単語登録なのです。
日本語の漢字変換の特徴とは?
たとえば、日本語の単語登録で次のような登録をしているとしましょう。
単語登録例
- お疲れ様です
- おつ
この例だと、おつと入力してSpaceを押して変換し、お疲れ様ですを呼び出しますよね?
半角文字は「変換」できないのに、スニペットツールではどのように登録するのでしょうか。
たとえば「 ot; 」に登録して、ot;と入力した瞬間にお疲れ様ですが出現するという感じです。
ポイントは「トリガー」を決めること
スニペットツールで文字を登録するときのポイントは「 ; (セミコロン)」や「 / (スラッシュ)」などを「登録する文字」に含めること。
もしスニペットツール上で、otだけでお疲れ様ですを出すようにしていると、otと入力するたびにお疲れ様ですが入力されます。
たとえば「other」という英単語を打っているときにお疲れ様ですが入力されてしまうということです。
そのため、通常では絶対に並ばない文字列を「トリガー」にする必要があります。
トリガーの例
このときにくっつける「 ; 」のような文字を「トリガー(引き金)」と呼びますよ。
わたしの場合は「 ; 」を後につけて、ot;のようにするというルールにしています。
トリガーとして「 ; 」をオススメする理由
トリガーに使う半角文字は自由ですが、個人的には「 ; 」を「単語の最後につけること」をオススメしています。
その理由は次のとおりです。
「;」をトリガーにする理由
- ;が押しやすい位置にある(薬指のホームポジション)
- 単語の中に使われることがない
- 単語の最後につけていると「今から変換する」という勢いで押せて気持ちがいい
全角文字で登録できるスニペットツールもあるかもしれません。
どのアプリを使っているときも使える
そしてスニペットツールは、基本的にどのアプリを使っているときにも起動します。
たとえば、ブラウザの検索窓や、メモ帳、Wordを使っているときでもちゃんと動いてくれますよ。
IME(日本語入力ソフト)によっては使えない
ただ、スニペットツールは「IME(日本語入力ソフト)」によっては使えません。
以前、試したときには、Windowsの「MS-IME」「ATOK」では入力がうまくいきませんでした。
わたしも使っている無料のIME「Google日本語入力」なら、WindowsでもMacでも問題なく動きますよ。
2013年にATOKに直接電話で問い合わせて聞いたら対応していないとの回答でした。その後改善されているかどうかはわかりません。
Chromebookではブラウザでしか使えない
Chromebookを使っている場合は、Google Chromeの拡張機能「Text Blaze」を使うことになります。
この場合は、Google Chrome上でしか使えません。
どの端末にもスニペットツールはある
スニペットツールは、Windows、Macにかかわらず存在します(アプリは違っていたりしますが)。
パソコン版のスニペットツール
オススメのアプリはこちらになります。
Windows | PhraseExpress |
---|---|
Mac | 無料がいい場合は、「aText」がオススメ |
Chromebook | Text Blaze |
Windows版のPhraseExpressについては以下の記事で詳しく説明しています。
スマホ版のスニペットツール
あと、スマホにもあるのでぜひ使ってみてください。
オススメのアプリはこちらになります。
iOS | PhraseExpress |
---|---|
Android | Texpand |
iPhone版の「PhraseExpress」については以下の記事で詳しく紹介していますよ。
スニペットツールと単語登録の使い分けは?
さて、スニペットツールと単語登録は似ていますが、どういうときに使い分けるといいのでしょうか?
わたしのオススメする使い分け方法を紹介しますね。
【100文字以内の場合】基本的に単語登録
単語登録は100文字までなら登録できます(Google日本語入力の場合)。
そのため、基本的に100文字以内の登録なら単語登録でじゅうぶんでしょう。
単語登録例
- とつぜん「ヘイ!百文字まで単語登録できるぜ!ベイビー♪」と言われても困ると思うので、どのくらいの文を書けば百文字になるのかをお見せします。これがちょうどビンゴで百文字になっている文ですよー。どうすか?
- ひゃくもじ
あくまで「単語登録」なので、100文字でじゅうぶんすぎですよね。
【1文字で呼び出したい場合】単語登録
1文字で登録した単語を呼び出したい場合は、単語登録にしましょう。
なぜなら、スニペットツールでは1文字で登録できないからです。
たとえばsにすみませんを登録してしまうと、「 s 」のつくすべての英単語が入力できなくなります。
そこで、s;のように「トリガー」を含めて最低でも2文字にしなければなりません。
そうなると、「半角化s;全角に戻す」という4つのキーを押す必要があります。
それに対して、単語登録なら、1文字に登録できるため、「sSpaceEnter」の3つのキーですみますから。
ちなみにわたしが1文字に単語登録している例はこちらです。
【登録に「改行」を含ませたいとき】スニペットツール
登録に「改行」を含ませたいときは、スニペットツールしか選択肢はありません。
スニペットツールの素晴らしさよ……。
【もっと高度なことをしたいとき】スニペットツール
単なる単語を入力するだけでなく、もっと高度なことをしたいときはスニペットツールしかありません。
スニペットツールではこちらのようなことができます。
- 「キャレット(カーソル)」の位置を操る
- コピペを挿入
- ほかの変数を挿入
- 時間を計算して挿入
- 数字を操る
- 入力ウィンドウを出す
- 入力フォーム
- プログラムを実行
くわしくは下記をどうぞ(Windows版PhraseExpressの例ですが)。
さて今回は、スニペットツールってなに?ということについてお話しました。
正直なところ、わたしのパソコン人生が変わったほどのツールです。
ぜひ導入して、劇的に効率化を図ってください。
効率化を求める人のための書籍『光速パソコン術』
わたしは自他共に認める「効率化オタク」です。
そのわたしが、KADOKAWAさんから『効率化オタクが実践する 光速パソコン仕事術』という書籍を出版しました。
おかげさまでめちゃくちゃ好評です。この記事を気に入ってくれたなら、きっと満足していただけるはず!