写真の文字を「テキスト化」する方法とは? オススメのOCRアプリも紹介

OCRとは?

こんにちは! ヨス(プロフィールはこちら)です。

写真の中にある文字を「テキストにしたい」と思ったこと、ありませんか?

じつは、スマホのアプリで画像内の文字テキスト化させる方法があるんです。

今回は「OCRってなに?」という基本から、テキスト化することによるメリット、 オススメの無料OCRアプリまで詳しく紹介します。

写真の文字を「テキスト化する(OCR)」とは?

まずは、写真の中の文字をテキスト化するという言葉の意味をわかりやすく解説しましょう。

ネット上にある2種類の文字とは?

最初に知っておきたいのは、ネット上には、次の2種類の文字があるという事実です。

普通の「文字(テキスト)」

1つは、文章の中の「普通の文字」です。

今まさに読んでくださっているこの文字のことですね。

これは文字なので、選択することができるし、コピペもできます。

ためしに以下の文を選択してみてください。

テキストの例

スマホだったら長押しして選択してみてください

ね? 選択できますよね。

画像になった文字

そして、もう1つの文字というのが、画像になった文字のことです。

たとえばこちらを先ほどのように選択してみてください。

画像になった文字
画像になった文字

これは文字を入力しているように見えますが、画像です。

ゆえに、コピペできません。

画像の中の文字というのは、次の画像にある「STOP」の文字のような場合が多いですよね。

画像の中の文字の例
画像の中の文字の例

パソコンでもスマホでも、この写真にある「STOP」という文字は文字として認識されません

「OCR」は画像の中の文字を抽出しテキスト化する技術

そして、画像の中の文字を抽出し、普通の文字(テキスト)にする技術が存在します。

その技術を「OCR(光学文字認識)」と呼びますよ。

テキスト化とは
テキスト化とは

Optical Character Recognition(光学文字認識)」の略です。

このOCRの技術のおかげで、画像になっている文字がテキスト(文字)に変換できるというわけ。

スマホアプリで「OCR」ができる

でも「そんな高度な技術を持った機器なんて高そうだし、買えない!」と思いますよね。

大丈夫です。特に何かを買わなくても、スマホがあればOCRは無料です!

いくつかのアプリがありますが、一番手軽なのがLINEですね。

LINEの場合、送られてきた画像を開き、右上の「 A 」のマークをタップすればOK。

アプリ「LINE」でもOCRがついている
アプリ「LINE」でもOCRがついている

たったこれだけで、画像内の文字のテキスト化が完了です。

オススメの無料OCRアプリは後述していますよ。

どういうときにOCRが便利?

では、画像の文字をテキスト化するOCRがどういうときに便利なのかを例で紹介します。

印刷物にある文字をテキスト化したいとき

まずは、紙でもらう「印刷物」をテキスト化するときに活躍します。

学校や市役所などで手渡しでもらうプリントなどの配布物がテキスト化できると便利ですよね。

手渡しでもらう配布物
手渡しでもらう配布物

ペーパーレス(紙のデジタル化)のさらに上をいく方法ですね。

たとえば、こういう「市の広報誌」などはWEB版がないですよねー。

市の広報誌
市の広報誌

スマホで該当部分の写真を撮り、画像データにしたものをテキスト化します。

テキスト化とは
テキスト化とは

もう、印刷物を見ながらタイピングで入力する必要はありません!

印刷物が「活字」なら、写真をふつうに撮るだけで、精度の高いテキスト化ができますよ。

ちなみに、OCRは横組みの文字だけでなく縦組みの文字にも対応しています

日本語以外の文字を翻訳したいとき

日本語以外の文字を翻訳したいときにもOCRは大活躍です。

英語をはじめ、中国語、韓国語なども次のようにテキスト化してくれます。

日本語・英語以外の言語にも対応
日本語・英語以外の言語にも対応

前提として、日本語以外の言語にも対応しているOCRアプリを使う必要がありますが。

テキスト化された英文や中国語文を、Google翻訳にペーストすればラクラク翻訳できますね。

たとえば、こちらはカナダのホテルにあった「お部屋で喫煙したら罰金」という注意書き。

ホテルにあった説明書き
ホテルにあった説明書き

ブログで「注意書きには〇〇と書いてあります」のように書くときも、いちいち手打ち入力しなくてよくなります!

ちなみに、LINEのOCRでは、英語を文字化した瞬間に翻訳もしてくれ、便利です。

LINEなら英語のテキスト化と同時に翻訳
LINEなら英語のテキスト化と同時に翻訳

スクリーンショットをテキスト化したいとき

撮影した画像をテキスト化できるということは、スクリーンショットに撮った画面の文字もテキスト化できるということです。

ブログで、この記事のような内容を書いていると、テキストをコピーできない場面がときどきあるんですよ。

アプリ内の文字とか、エラーメッセージとか。

スクリーンショット画像の例
スクリーンショット画像の例

そういうときにでも、その画面をスクショして、OCRを使えばテキスト化できますよ。

パソコンがフリーズしたときの対策として「スマホで画面の写真を撮ってそれをテキスト化する」という技も覚えておくといいかも。

手書き文字をテキスト化したいとき

今までは「活字」ばかりに焦点を当ててきましたが、手書き文字ではどうでしょうか?

これもバッチリ、テキスト化してくれますよ。

手書き文字もテキスト化
手書き文字もテキスト化

ただし、雑に書いていると誤認識されます

「思」が「恩」になったり、「ば」が「ぱ」になったり。

当たり前ですが、手書き文字はきれいに書くほどいいですよ。

小さすぎる文字を判読したいとき

画像にある文字が小さいと、非常に読みづらいですよね。

たとえば、拡大しても次の画像のように「ガタガタ」になってしまい、逆に読めません。

画像を拡大した例
画像を拡大した例

そんな画像でも、OCRを使うとテキスト化してくれることがあります。

拡大しても読めない文字をテキスト化
拡大しても読めない文字をテキスト化

OCRでテキスト化することで、文字の判読ができた!

おそらく、アルファベットや数字のように総数が少ない文字じゃないとやってくれませんが(何千文字もある漢字では厳しい)。

この方法は「Google Keep」のOCRだけでできます。ほかのOCRだと「文字」として認識されません。

写真内にどんな文字があるか調べたいとき

最後にオマケですが、写真内にどんな文字があるのかを調べたいときに、画像内の文字を抽出して遊ぶこともできます。

たとえば、次の画像は「絵馬がたくさんかけられている画像」を使って遊んだものです。

画像内にある文字を抽出してあそぶ
画像内にある文字を抽出してあそぶ

「こんなに文字があるの?」というぐらいにテキスト化された文字が出てきました。

これができるのは「Google Keep」のOCRだけです。ほかのアプリだと「文字がない」と認識されます。

OCRのメリット

そもそも、OCRで画像の文字をテキスト化するメリットはあるのでしょうか?

コピペできるようになる

まず大きなメリットが、コピペできるようになることです。

コピペは、パソコンの機能の中でももっとも便利なものの1つですから!

訂正が簡単にできるようになる

次のメリットが訂正が簡単にできるようになることです。

もし、画像内にある文字を訂正しようとすると、画像を編集して画像データを作り直さなければなりません。

これが面倒くさい……。

でもテキスト化されていれば文字を直すだけなので、圧倒的にラクになりますよ。

検索できるようになる

テキスト化のメリットの3つ目が、検索できるようになることです。

CtrlF(MacならCommandF)を使って、簡単に探したい文字が見つけられます。

データが軽くなる

最後に紹介するメリットは、画像として持っておくよりも、圧倒的にデータとして軽いことです。

最近のパソコンは容量が多いにしても、1つのファイルのデータが軽いに超したことはありません。

OCRのデメリット

今度は、画像にある文字をテキスト化することによるデメリットを見ていきましょう。

文字の変換が間違っていることもある

まず、文字の変換が間違っていることがあるというデメリットです。

OCRの精度が上がっているとはいえ、元のデータの状態によって変換ミスも起こりえます。

特に手書き文字をテキスト化するときなどは、ミスが出る確率が上がりますよ。

ただ、これは文字を見ながら人間が手入力するときも同じですよね!

ひと手間かかる

そして、もう1つのデメリットが手間がかかることでしょう。

ただ、手入力することを考える手間と比較すると、圧倒的に速いです。

オススメの無料OCRアプリ

では最後に、オススメの無料OCRアプリを紹介しましょう。

iPhoneとAndroidのどちらでも使えるものばかりですよ。

LINE

まず今日から使えるOCRとしてオススメしたいのがLINEです。

アプリ「LINE』
アプリ「LINE』

使い方が簡単

LINEをオススメする理由は、ほとんどの人がすでにインストールしていて使い慣れているから!

ほかのOCRアプリと比較して、使い方もわかりやすいです。

次の画像のように、送られてきた画像を開き右上の「 A 」のマークをタップするだけですよ。

アプリ「LINE」でもOCRがついている
アプリ「LINE」でもOCRがついている

翻訳にも対応

英訳にも対応しているので、ほとんどの人はLINEだけで事足りるでしょう。

ただし、ほかのOCRアプリと違い、テキスト化できる言語に制限があります。

対応している言語

  • 英語
  • 中国語(繁体・簡体)
  • タイ語
  • インドネシア語
  • 韓国語

英語以外は、東アジアから東南アジアの言語にしか対応していません。

スペイン語をはじめ、ほかの言語をテキスト化するときは、ほかのアプリを使いましょう。

iOS版

Android版

vFlat Scan

LINEよりも本格的にOCRを使う人には「vFlat Scan」をオススメします。

アプリ「vFlat Scan」
アプリ「vFlat Scan」

フォルダ管理ができる

「vFlat Scan」なら、変換の精度も高いし、テキスト化したデータが保存されます。

さらにフォルダ管理もでき、撮影した画像データをPDFにして保存もできて便利です。

フォルダ管理ができて便利
フォルダ管理ができて便利

撮影範囲を自動認識してくれる

撮影するときに、撮影範囲を自動で認識してくれるのもほかのアプリより使いやすいところです。

「vFlat Scan」なら撮影範囲を自動認識
「vFlat Scan」なら撮影範囲を自動認識

複数の画像データを一括で取り込める

複数の画像データを選択し、一括で取り込めるのも「vFlat」だけの特徴です。

複数の画像データを一括で取り込める
複数の画像データを一括で取り込める

たくさんの画像をテキスト化するときにはかなり便利です。

変換後のテキストが読みやすい

変換後のテキストに改行が入り、読みやすいのもオススメするポイントです。

「vFlat Scan」だとテキスト化した文字が読みやすい
「vFlat Scan」だとテキスト化した文字が読みやすい

読みやすく処理されるのは「vFlat Scan」だけです!

LINEと同じで、ほかの言語の翻訳にも対応していて「万人向け」といえるのが「vFlat Scan」ですよ。

iOS版

Android版

Google Keep

最後に紹介するのは、わたしが一番気に入っている「Google Keep」です。

アプリ「Google Keep」
アプリ「Google Keep」

次元の違う「テキスト抽出能力」

「Google Keep」がほかのOCRアプリと違うのは圧倒的な「テキスト抽出能力」だと断言できます。

ほかのアプリでは「この画像には文字はありません」と出る場合でも、テキストを抽出してくれるんです。

たとえば、次の「絵馬を奉納しているところの写真」をご覧ください。

画像内にある文字を抽出してあそぶ
画像内にある文字を抽出してあそぶ

1つ1つの絵馬に手書き文字がありますが、通常のOCRアプリだと文字は認識されません。

ところが、Google Keepなら、そんな文字でも抽出されます。

小さな文字でもちゃんと読み取ってくれるということですね!

ただしテキスト抽出能力が高すぎるあまり、文字ではないものを「文字」と認識してしまうこともあります(笑)。

とにかく精度が高い

「Google Keep」は、ほかのOCRアプリよりも精度が高く、手書き文字でもばっちりテキスト化してくれます。

手書き文字のテキスト化は「Google Keep」が精度が高い
手書き文字のテキスト化は「Google Keep」が精度が高い

いろいろなアプリを比較したら「Google keep」が一番でした。

もし、ほかのOCRアプリでうまくいかなかったときは「Google Keep」を試してみてくださいね。

iOS版

Android版

さて、今回はスマホのアプリを使って、画像の中の文字をテキストにする方法を紹介しました。

この方法を知っているかどうかで、効率がかなり変わってきます。

日常的にパソコンで文字を入力する人はぜったいに知っておいてくださいね!