こんにちは! ヨス(プロフィールはこちら)です。
都会の電車には「女性専用車両」がありますよね。はじめて日本で登場してから今年で24年になるそうです。
本記事では「女性専用車両は男性差別なのか?」についてお話しします。
目次
女性専用車両の目的は?
世界的にはわかりませんが、日本では電車の中で痴漢(=性犯罪者)が出没します。
主に加害者は男性で、嫌がる被害者(主に女性)の身体に触るという許しがたい行為です。
参考:学生に知ってほしい痴漢の真実 | 一般社団法人 痴漢抑止活動センター
その痴漢から被害者を守ろうということで、どちらかというと苦肉の策として生まれたのが「女性専用車両」ですね。
では、痴漢はなぜ出没するのでしょうか?
もちろん、その痴漢の思想がオカシイのが原因ですが、それでも、こぞって電車の中で出没するのにはなにか理由があるのではないでしょうか?
それは、電車が人間が近くに寄ってくることが許容される異常な空間だからでしょう。
なぜ痴漢が出没するのか?
痴漢が現れる大きな要因の1つが「通勤ラッシュ」です。
わたしも40歳を超えて、生まれてはじめて東京の「本物の満員電車」というものを経験しました。
ちなみに以前、はあちゅう さんとお会いして「満員電車に生まれてはじめて遭遇して死を感じた」と、言ったらこんなことを言われました(笑)。
香川在住ブロガーのヨスさん@yossense が今東京に来ていて、人生初の満員電車を体験したそう。そっか、日本人でも満員電車体験したことない人いるんだよねと新鮮に感じた。ちなみにヨスさんが乗ったという6時台の大江戸線はほんとの満員電車とは言えないので、8時台田園都市線にいつか乗ってみてほしい
— はあちゅう (@ha_chu) 2017年11月30日
でも、わたしは「身の危険」どころか、本能的に「死」を連想するほどの状況でした。
正直なところ、あんな状態で身体を触られても、逆に手が触れてしまっても、さらに言うと財布を抜き取られても抵抗できません。間違いなく異常な空間です。
ただ、「ラッシュがなくなる方法」が編み出されば、痴漢も減るのは目に見えています。
そうなれば、女性専用車両も不要になるのですが、解決方法が見つからないから女性専用車両が存続しているということですね。
【追記】満員電車じゃなくても痴漢は出没します。日本やばすぎ……。
女性専用車両=痴漢被害を防ぐための特別車両
つまり「女性専用車両」の目的は痴漢(=性犯罪)から被害に遭うのを未然に防ぐことです。
なので、本来は「痴漢被害を防ぐための特別車両」みたいな名称が的確なんだろうと思います。
ほとんどの方がかん違いしてそうですが、この車両は「女性を守る」のが目的ではありません。
「性別に関係なく痴漢被害を防ぐ」のが目的のはずですよね。でも被害者がほとんど女性という実情から「女性専用車両」と呼ばれています。
実際のところ、東京都の調査では約1割の男性が痴漢被害に遭っているそうです。
女性の4割超、男性の約1割が、これまでに痴漢被害にあったことがある
痴漢被害実態把握調査結果を公表|東京都
なお、女性が男性に痴漢をしていると想像しそうですが、男性に痴漢をするのも男性ですよ(もちろんレアケースでは女性痴漢もいる)。
これ、ほんとに思う。
— ヨス Yosuke Yano (@yossense) January 22, 2024
この間の痴漢被害のアンケート結果で「男性も8%が痴漢に遭っている」という結果だったけど、
あれを見て「女→男」に痴漢してると勘違いしてる男性って多そうだと思った。
違うよ。「男→男」に痴漢してるんだよ! https://t.co/ZU7PV0XQ1N
「女性専用車両」に対する違和感とは?
わたしは「女性専用車両」の名称にイヤな感じがします。「その理由はなぜ?」と考えました。
理由
「男性 = 痴漢容疑者」というくくりでゴミクズと一緒くたにされてるように感じるから
そう。痴漢のゴミ男性といっしょに「痴漢予備軍」にされているように感じるからです。
そういう意味では「女性専用車両」は一見、男性差別のように見えてしまいます。
「男性客 = 痴漢をするから一部車両には乗せない」は、「女性社員 = 結婚退職するから役職をつけない」という構図に似ていますよね。
痴漢加害者のほとんどが男性で、被害者はほとんどが女性というデータから導かれる「統計的差別」とも言えますよね。
実は、本来は「男性/女性」という境界ではなく、次のようなライン引きが要求されます。
例
痴漢/非痴漢
図にするとこちらです。
ところが、そんなゴミクズを探知する術が今の技術にはありません。
そのため仕方なく、すべての男性を痴漢予備軍としてまとめているという状況です。
女性専用車両は男性差別なのか?
では、けっきょくのところ、総合的に見て「女性専用車両」は「男性差別」なのでしょうか?
性差別とは「男性はこういうもの」と決めつけ、それによって被害を受けることを指します。
そう考えると、女性専用車両があることによって男性は被害を受けていませんよね。
女性も「女性専用車両」があることで得をしていません。痴漢被害に遭うのは圧倒的に女性なのでそれでも損害しかありません。
つまり、女性専用車両は女性にとっての「マイナス」を「ゼロ」に近づけるための苦肉の策なのです。
もちろん、女性と同じ金額を払っているのに「乗れない車両が1車両分ある」と考えると男性が被害を受けていると考えるかもしれません。
でも、こう考えてはどうでしょうか?
性犯罪を犯す確率の高い属性の男性が、女性と同じ値段で乗せてもらえている。
日本の飲食店で、男性と同一料金を払ってる女性が不利益を被っていることにたいして、
— ヨス Yosuke Yano (@yossense) January 26, 2024
「女性車両」の話を出して反論している男性を見かけたけど、
「女性が優遇を受けている」の例としていっつもアホの一つ覚えみたいに出てくるよなー。…
こう考えると、男性は感謝してもいいぐらいではないでしょうか?
痴漢を生み出す元凶は「女性蔑視思想」
もっと踏み込んで、「ラッシュ」がなくなり、電車内での痴漢がいなくなったとします。
これで解決なのかというと、そうでもありません。
『男が痴漢になる理由』の筆者である斉藤章佳 氏はこう語っています。
加害者のヒアリングで浮かび上がってきたのが、「自分より弱い存在を支配したい」「征服したい」「じわじわいじめることで優越感を味わいたい」という声でした。
「男が痴漢になる理由」なぜ女性も知っておくべきなのか。満員電車でくり返される性暴力
斎藤 氏のお話では、痴漢をする人の原動となっているのは性欲ではなく、ギャンブル依存症だそうです。
日常のストレスのはけ口を満たすために、自分よりも弱い存在を支配することで優越感を得ることなんだそうです。
その中には「男尊女卑」や「女性蔑視」という「女は弱い者」という思想ももちろんあることでしょう。
そう思うと、この痴漢問題は簡単に解決しなさそうです。
電車の中が解決したとしても、ほかの部分では生き続けるということになります。
痴漢という人たちは、電車とはまた違った場所で犯罪に走ることでしょう。日本社会に蔓延する「男尊女卑」や「女性蔑視」というガン細胞がなくならないかぎりは。
そうなると、問題はもっともっと根深いです。
子どものうちから性差別をシャワーのように受けている現状をいかになくするかが最重要課題になってきますから。
とりあえず、今回は「女性専用車両」のマークがピンク色ということは無視して書きましたが、これもすごく嫌いです(参考: 男は青、女はピンクのような色分けの問題)。
それはともかく、憎むべきは痴漢をする犯罪者です。本当はこのくらいの対策をしてほしい。
痴漢の身体にICチップを埋め込んで、改札を通るたび、電車に乗るたび、お店に入るたび、「チカン ガ ジョウシャ シマシタ マワリノヒトハ キヲツケテクダサイ」みたいな音声とサイレン(光も)が流れるようになってほしい。 https://t.co/IQFDaq5NEy
— ヨス Yosuke Yano (@yossense) January 10, 2024
犯罪者には間違いなく「女性蔑視思想」があり、こういう人を減らすためにも男性は痴漢男性を許さないと声をあげてほしいです。
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