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こんにちは! フェミニストのヨス(プロフィールはこちら)です。
日本語には結婚している女性を表す言葉がいろいろありますよね。
たとえば、こちらの4つがメジャーでしょう。
結婚している女性を表す言葉
- 嫁
- 家内
- 奥さん
- 妻
今回はこれらの呼び名の中でも「嫁」という言葉に焦点を当てます。
「ヨメと呼ばれるのがムカつく!」という女性も多い理由を浮き彫りにします!
わたしが「嫁」という言葉が嫌いな理由
わたしは
「嫁」という言葉がクソ嫌いです。
すみません……。
あえて、このブログでは普段は使わない汚い言葉を使わせてもらいましたが、そのくらい嫌いだということです。
では、さっそくわたしがこの「嫁」という言葉を嫌いな理由を紹介します。
「嫁」という漢字が嫌い
まずは「嫁」という漢字が嫌いです。
「女編」に「家」と書いて「嫁」ですよね……。
漢字「嫁」の成り立ち
女 + 家 = 嫁
漢字の成り立ちからわかりますが、男は仕事、女は家事という決めつけが見えますよね。
昔はそうだったのかもしれませんが、今は 夫婦共に共働きが通常です。
今の時代に「過去にそうであった名残」を残す表現というのは、性差別を温存する以外の役割はありませんから。
「嫁」という言葉に接続する動詞が嫌い
この「嫁」という日本語に接続する動詞がおかしいです。
接続する動詞の例
- 嫁にもらう
- 嫁に出す
なんなんでしょうね……コレ。
「もらう」とか「出す」とか、人身売買ですか?
「嫁にもらう」って日本語が世界的に悪名高い「家父長制」の滅びた現在も使われてることにみんな違和感持とうよ。
女性はアイテムかなんかかよ。
「物を出荷すること」を「嫁に出す」みたいにいう表現もやめよな。
— ヨス Yosuke Yano (@yossense) July 3, 2023
もしくは女性は「アイテム」か「もらい物」かなんかですか?
「嫁」という言葉の持つ時代錯誤感が嫌い
実は、1947年(昭和22年)より前は、結婚した女性は家を出て、夫の家に嫁ぎに行くという法律がありました。
その嫁ぎに行った人を「嫁」と呼んでいたわけです。
現在では、そんな時代錯誤な法律はありませんが、過去の言葉である「嫁」を使われるとどうでしょうか?
まるで、そんな「夫の元に嫁ぎに行く」という法律がいまだに生きているかのように感じませんか?
そのため、「嫁」という言葉にはどうしても時代錯誤感があり、過去の女性差別を温存する役割を持っています。
というか、実際にその感覚が残っているからこそ、結婚したカップルのうち96%が女性が改姓しています。
あと、知らない人が多いのですが、婿養子という制度もなくなっていますよ。
「嫁」は純粋に配偶者を指す言葉じゃないから嫌い
この「嫁」という言葉はどちらかと言うと職業的な意識があるのをご存じでしょうか?
少なくとも「妻」と同義ではありません。
たとえば、夫が「ウチの嫁が……」と言えば「嫁 = 配偶者」の意味に見えます。
でもこの「ウチの嫁」という表現は、義理の両親からも使えるのです。
「うちの嫁は出来が悪くて……」と言うこともできますよね?
義理の母が「うちの妻は出来が悪くて……」とは言えません。
「お嫁さんになりたい」というフレーズもそうです。
「妻になりたい」って聞くと「誰の??」とツッコミを入れること必至ですが、「お嫁さんになりたい」ならツッコミ無しに文章として成り立ってしまいます。
ということで「嫁」という日本語は、意味的には「お手伝いさん」とか「家政婦」に近いです(意味は変わりますが)。
そして「嫁」という言葉で表現される職業は、家に常に滞在し、家事をして、子どもの世話をする……という仕事を期待されているんです。
「嫁」って日本語を使うのがイヤになってきました? やめてもいいんですよ。
「嫁」は男性から見下している雰囲気があるので嫌い
わたしは、この「嫁」という言葉が、男性から女性を見下しているようなニュアンスに聞こえます。
少なくとも尊敬の気持ちが見当たる気がしません。
こういう感覚は、育った環境や、その人の感受性によってかなりの差が出るので、「そんなことない!」という人もいるでしょう。
でも言葉に対する感覚にはきっと理由があるはずです。
わたしが子どものころから聞いてきた「『嫁』という単語が使われるシチュエーション」や「『嫁』という単語と一緒に使われる言葉」などから、わたしはこの単語に女性を見下しているようなニュアンスを感じとってきました。
ということで、「嫁」は男性から見下している雰囲気があるので大嫌いです。
「嫁に出す」の比喩表現が嫌い
テレビなどで見ていると「嫁に出す」という言葉を耳にすることがあります。
しかも、「農作物を出荷する」という意味や、「不用品を売ったり譲ったりする」という意味の比喩として使われることがあるんです。
女性は、出荷するために育てられる「農作物」か「家畜」かよ!
「嫁に出す」という言葉は、まるで結婚したら自動的に夫側の姓の姓になることを彷彿させます。
でも日本の法律では男性側が姓を変えても、なに1つ問題ないので、「嫁に出す」という言葉は、間違った法律を広めているとも言えますね。
対応する「婿に出す」という言葉もあるにはありますが、こういう比喩では必ずと言っていいほど「嫁に出す」という言葉が使われるというのも問題の根深さを感じます。
もはや、「嫁に出す」という言葉は放送禁止用語にしてほしいです。
「嫁」に置き換わる言葉とは
さて、「嫁」という言葉に対する嫌いさをここまで書いてきましたが、「じゃあなんて呼べばいいんだ!」と思われるでしょう。
今度は、「嫁」に置き換わる言葉を見ていきましょう。
家内
まずは「家内」という言葉。これは年配の人に使われる頻度が多いでしょう。
相手を立てるような謙遜の意味合いで「うちの家内が……」というのは日本文化に合っているとは思います。
ところが、この「家内」に対応する言葉がおかしいんです。
それが「主人」という言葉……。主人という言葉がおかしいという記事にも書きましたが、女性は第三者の目前でも自分の配偶者を立てなければならないんですよ……。
あまりにもおかしすぎる!
そもそも、これも「家の内」という字面を見ればわかりますが、「嫁」と同じですよね。
「結婚した女性は家の中」という差別が見えるのでダメでしょう。
奥さん
もう1つよく使われる「奥さん」という言葉もあります。
これは、実は男性が自分の配偶者には使ってこなかった言葉で、他人の既婚女性に使う言葉でした。
「奥さんは元気ですか?」のように。でも、今では「うちの奥さんが……」と使う人が多くなっていますよね。
この「奥さん」という言葉も、女性は家の「奥」という「女性は家」という意味合いがあるので使うのをオススメできません。
ちなみに、「奥」という名字の人の配偶者を呼ぶときには「奥さんの奥さん」になってものすごく違和感があります。
実際に、「奥」という名字の方に出会ったことがあります。
女房
「女房」という日本語もあります。
元々は「宮中に部屋を賜って住んだ身分の高い女官」のことを指していたようですが、今では男性が自分の配偶者を指して使われます。
これも「家内」のように謙遜する(女性を下にする)意味合いで使っているため、オススメできません。
そもそも、この言葉は古臭いイメージですし、若い人が使うと不自然ですよね。
カミさん
「カミさん」という日本語もあります。これは語源は定かではないですが、「上様」から来たという説もあります。
「上」というと良さそうに見えますが、どうなんでしょうね。
ただ、これも古臭いイメージなので、今の時代には合ってない気がします。
配偶者
「配偶者」という言葉もありますね。
これは男性からも女性からも使える言葉ですので、差別的意味がありません。
でも、あまりにも客観的で正式すぎるため、超使いづらいです。
「配偶者が……」なんて言われたら「ええ??」となります。
妻
そして、スタンダードに使われる「妻」という言葉です。
法律の中ででも使われる、最もスタンダードな言葉でしょう。
一般的に男性が配偶者を指すときには「妻」をオススメします。
ここには「女性を下に見る」という意味合いは感じられませんから。
そもそも、男性が配偶者を下に見た表現で呼ぶことで、目の前で話している第三者を立てる……という文化がヤバいんですよね……。
女性が配偶者を第三者の前で呼ぶときは「主人」と呼んで立てるのに……。
相方
「相方」と呼ぶ方もいますよね。
この言葉も良いと思います。とくに男性からも使えるだけでなく、女性からも使えるという点で。
ただ、芸人もパートナーに対して「相方」という言葉を使うため、違和感を感じる人もいると思います。
パートナー
そして、「パートナー」という言葉です。
この言葉をわたしは使っていますが、夫婦が配偶者を指して使う言葉として最もふさわしいのではないかと思っています。
とくに、同性婚の方が使う場合も違和感なく使えるため、差別をなくするためにも向いています。
ただ、唯一の欠点といえば、外来語だということです。
まぁ、気にするまでもないのですが、外来語を借りないと、今の時代に合った「配偶者のことを指す言葉」が日本語にないということですからね……。
残念な現状です。
わたしの大嫌いな「嫁」という言葉ですが、わたしの周りの夫たちの間ではダントツで使用される頻度が高いです。
しかもすごく夫婦仲の良いカップルや、夫婦関係が対等(に見える)人たちの間でもガンガン使われています。
その理由は「妻」や「家内(← これも大嫌いな言葉)」よりかしこまってないため、使いやすいから意図的に選んでいるのかなと。
あと「嫁」には見下すニュアンスがあるので、謙遜語ちっくに使っているのかと思います。
それはともかく、わたしはこの言葉が大嫌いなので、この記事を読んで「オレも使うのやめよう……」って思ってくれる人が増えると嬉しいです。
あと、夫を「主人」と呼ぶのもやめましょう。
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