こんにちは! ヨス(プロフィールはこちら)です。
今回はカナダにあるレストラングループ「TAMARU商店」の統括マネージャーである橘高親芳さんにお話を聞いてきました。
チカさんがカナダに渡るまでの経緯や、海外で働くには人脈が大切というお話、さらにはバンクーバーでの日本人不足などについてガッツリとインタビューしましたよ!
目次
日本食レストラン「KINGYO」とは
親芳さんに取材するために行ってきたのは、日本食レストラン「KINGYO」です。
バンクーバーのダウンタウンにあります。
もちろん、「金魚」から来ていますよ。お店の看板には漢字で書かれています。
このお店、美味しいお店として有名で、こんな感じで表彰もいっぱいされています。
中はこんな感じのお店です。
この「KINGYO」ですが、実は「TAMARU商店」という会社の展開する6つのうちの1つのレストランです。
バンクーバーに4店舗、シアトル、トロントに1店舗ずつあります。
そして、その全店舗を統括するマネージャーが今回お話を聞いてきた親芳(以下、チカさん)さんです。
カナダに来たきっかけは?
まずは、チカさんがカナダに来た動機などを聞いてみましょう。
チカさんがカナダに来たのはいつですか?
24歳のときなので、2002年ですね。
もう今年(2019年)で17年にもなるんですね! なにがきっかけでカナダに来られたんですか?
じつは英語が好きだったのがきっかけなんです。大学のときは社会言語学の勉強をしていました!
英語がきっかけだったんですか! 意外とこのパターンのは珍しいですね!
実は子どものころから英会話を習いに行ってたんですよ。
チカさんはわたしと同世代なのに、小学校で英会話に習いに行ってたなんてかなり進んでますね。
今だとたくさんいると思いますが、当時は少なかったと思います。元々は友達の家がECCのスクールをやってたからですけど。
バンドマンだった高校〜大学時代
ということは、もしかして高校とかでは優等生街道を走ってたんですか?
いえいえ、英語は得意でしたが数学は大嫌いで(笑)。高校のときはバンドに力を入れてましたよ!
バンドマンだったんですか!! ああ……なつい(笑)。あの頃はバンドブームでしたもんね。
高校3年生の進路で「大学には行かない」って言っていたんです。でも先生が「英語ができるから大学は行ったほうがいい」と言ってて。
留学資金を貯めるためだけに就職
で、大学に行ったんですね。
はい。大学でも音楽をやってて、このまま就職もなぁ……って思っていたんです。
就職活動はどうされたんですか?
いくつか受けましたが、そんなに乗り気じゃなかったこともあって惨敗でした。
なんとなくそんな気がしていました(笑)。
で、そのころ、サークルの先輩がワーキングホリデービザを使ってオーストラリアに行ってきたんです。
おお! 急展開ですね。それで海外に?
いえ、お金が無かったので、就職したくなかったけど海外に行きたいので1年間だけ働こうと決心しました。
なんと(笑)。海外に行くためのお金を確保するためだけに就職をしたんですね! どんな仕事だったんですか?
どうせ就職するなら「広告業界」がよかったんですが、全部ダメでした。首都圏にある大手カメラ量販店で内定が決まり働くことになりました。
おお! 超大きなところじゃないですか!
で、入社してすぐ上司に「海外に行きたいので1年後には辞めます」と伝えました。
まじですか!! すごいですねソレ(笑)。で上司はどんな反応を?
それが理解のよい上司で「いいよ」という反応でした。人には恵まれてるんですよ(笑)。
で、本当に1年で辞めたんですか?
はい(笑)。もちろん辞めました。
わー、潔くていいですね!! 日本だとよく「3年は我慢しろ」みたいに言う人多いですから!
24歳でバンクーバーへ
そもそもですが、ワーホリで行く国としてなぜカナダを選んだんですか?
本当はアメリカに行きたかったんです! でもアメリカにはワーホリ制度がないんですよね。
アメリカは無いですよね。というか当時ってワーホリで行ける国って少なかったですよね。
洋楽が大好きで、特にアメリカの音楽が好きだったんですよね。ヨスさんはニルヴァーナってご存じですか?
はい。ん? ……もしかして、アメリカとカナダが隣だからカナダを選んだとかそんな理由ですか?!(笑)
そのとおりです(笑)。ニルヴァーナってシアトルが本拠地なんですよね。バンクーバーから近いんです。
だからバンクーバーを!(チカさん、わかりやすい人やなぁ)
飛行機の中で英語がわからなかった
チカさんは英語が得意だったので、カナダに来ても困らなかったんじゃないですか?
それが、カナダに来る飛行機の中でコケました。
え? ぜんぜんわかんなかったんですか?
はい。「Chicken or Beef ?(チキンがいいですか? ビーフがいいですか?)」すら分からず、まったく英語が分かりませんでした(笑)。
飛行機で自信が打ち砕かれ、カナダに到着したんですね。住むところはどうしましたか?
カナダに到着して3日だけYMCAに泊まらせていただくことにしてましたが、他は未定でした。
さすがですねー(笑)。
で、カナダのエージェントさんに連絡したんです。「住むところがない! 助けて」と(笑)。
当時はインターネットも今ほど普及してませんでしたからね。スマホもないし、大変でしたね。
今思い出しても大変でした。今の若い子たちがうらやましいですよね。
日本食レストランでアルバイト
バンクーバーでその後はどんなことをしていたのですか?
語学学校の体験レッスンを受けにいったときに、気の合う友達ができたんです。で、その友達といっしょに語学学校に通いました。
先ほども人に恵まれていると言ってましたが、このお友達もそんな感じですか?
そうなんです。その友達がバンクーバーの日本食レストラン「Guu」で働いていて、「ここ、条件がいいよ」とオススメしてくれたんです。
おお! つまり人脈から仕事につながったんですね!
2号店ができたときに応募して、雇ってもらうことになりました。
ついにレストランデビューですね。キッチンスタッフをされていたんですか?
それが、キッチンの枠が空いてなくて、サーバー(ウェイター)でした。ここでもスタッフ同士は本当に仲が良くて、人に恵まれましたねぇ。
チカさんのお話を聞いていると「人脈」が海外で働く上でのキーポイントなのがわかりますね。そのままワークビザをだしてもらえたんですか?
ところが、ビザが切れたので、日本に帰ることになったんです。
ここでハッピーエンドかと思ったら、そうじゃなかったんですか(笑)!
帰国しても「カナダに戻りたい」と思う毎日
日本に帰って、1ヶ月ほどアルバイトをしていましたが、カナダに戻りたい気持ちは募るばかりでした。
カナダの職場を体験したら、やっぱり日本で働くのは苦痛になるんですね。
なりますね。職場だけでなく、満員電車はヤバイです。なので1ヶ月後にはまたカナダに行きました。
カナダでの職探しですね! 見つかりましたか?
それが、簡単にはいきませんでした。当時は今と違って人手の足りないところは無かったんですね。
日本で料理の修行をすることに
ということは、また日本に帰る羽目になったんですか?
そのとおりです。でも、このとき日本に帰ったときには、カナダで働くには「料理のスキル」を身に着けないとダメだと気づいたんです。
今度は戦略を練ってカナダに行くことにしたんですね!
はい。実は子どもの頃から料理は好きだったので料理のスキルがあればカナダで働けると思ったんです。そして、そのタイミングで、カナダでお会いしたことのあるレストランのオーナーが東京でお店を出しました。
そこで働くことになったんですね! 出ましたね人脈!!
そうなんですよ。さらに、そのお店で修行している間に、以前の同僚がカナダでお店を出すから「うちで働かないか?」と誘われたんです。
それがレストラン「KINGYO」なんですね。
キッチンマネージャーを半年して、新しいお店がオープンしたときにそちらで副店長になり、今度はまた戻ってきて店長になり、今は全店舗の統括マネージャーをやってます。
人脈……最強のツールですね。
バンクーバーの日本人スタッフ需要
以前、Guuの社長さんにバンクーバーでは日本人スタッフが足りなくて困っていると聞いたのですが、KINGYOでも同じなんですか?
同じです! 本当に困っています。店舗を新しく出したいのに働く人がいないという理由で出せませんからね。
正直なところ「そんなバカな!」と思いましたが、本当なんですね。
バンクーバーでは日本食のお店がすごい勢いで増えているんです。スタッフがほしいのにちゃんと情報が届いてないのかもしれません。
では、どんな人に来てほしいですか?
将来的に飲食店でやっていきたい方、自分でお店を持ちたい方ならこれ以上なく大歓迎です。
そういう人、ものすごく多そうですね。カナダの飲食店で働くメリットってありますか? 給料が良いとか(笑)。
はい。日本の飲食店で働くのと比べると99.9%収入は増えますね! チップもあるので、最低でも2倍ぐらいになるんじゃないですかね?
2倍ですか! たとえば15万だったら、
30万ってことですよね? 日本だと、飲食店(雇われ)で月30万ってほとんど無理ゲーじゃないですか?!
とにかく日本で飲食店をやろうと思っているのと比べると、チャンスが雲泥の差です。
しかも、残業も無し、まかないもアリ(笑)。
あと、働きやすい職場ということを意識していますので、うちは働きやすいと思いますよ。自分が若い頃、人脈で助けられてきたので、うちで良い人脈を築いていってほしいですね。
※わたしの行った時間帯は男性スタッフが多かったですが、女性スタッフも同じぐらいいるそうです(笑)。
なるほど! 今度はその人脈から若い人のチャンスにつながっていくんですね。
日本の若い人に一言
最後に日本の若い人に一言をお願いします。
ぶっちゃけ英語力はこっちに来てからでも大丈夫なので、若い人にはどんどん行動してほしいです。
「ユー、とりあえずカナダ来いよ!」と(笑)。
先ほどもお話しましたが、カナダで働くことは給料もそうですが、チャンスがぜんぜん違います。日本の国の中だけでなく、外の世界もぜひ視野に入れてほしいですね。
まさに同感です。1つの選択肢として「海外」とか「カナダ」が自然に出てくるようになると幸せな人が増えると思います。
うちでは常に人手不足で困ってますので、ワーホリで来た方も大歓迎です! よろしくお願いします。
さて、今回は「TAMARU商店」の統括マネージャーチカ(親芳)さんにお話を聞いてきました。
日本人のスタッフが足りないというのはどうやら、バンクーバーでは新しい常識になっているみたいですね。
常に求人が溢れているそうなので、ぜひ興味のある方はご連絡ださい……とのことです。
ということで、こちらのお問い合わせフォームからご連絡ください。わたしの友達で、カナダのことなら何でも相談できる末永さんに直接コンタクトとれますよ♪