こんにちは! 元日本語教師のブロガー ヨス(プロフィールはこちら)です。
文章の中で「カッコ」はうまく使えていますか?
今回は、20年以上パソコンで文章を書いているわたしが、パソコンやスマホでやっている「括弧(カッコ)の使い分け」についてまとめました。
この記事内では「かっこ」という言葉が文中にあっても読みやすいように「括弧」「かっこ」ではなく、カタカナ表記の「カッコ」を主に使っています。
「括弧(かっこ)」の種類
まず最初にカッコの種類を紹介します。
よく使われるカッコ
文章の中でよく使われるカッコを表にしましたので、名称と照らし合わせてみてください。
丸カッコ | ( ) |
---|---|
カギカッコ | 「 」 |
二重カギカッコ | 『 』 |
角カッコ | [ ] |
すみ付きカッコ | 【 】 |
山カッコ | < > |
それぞれの使い分けについては、この記事の中で詳しく書いています(→ すぐに見たい場合はこちら)。
あまり使われないカッコ
今度は逆に文章の中ではあまり使われないカッコです。
二重山カッコ | 《 》 |
---|---|
二重丸カッコ | ⦅ ⦆ |
甲カッコ | 〔 〕 |
波カッコ | { } |
どれも、とくに決まったルールが無いですし、あまり使われないためこの記事ではあえて触れていません。
ちなみに、数学の計算式の中で使うときには( )を小かっこ、{ }を中かっこ、[ ]を大かっこと呼びます。
その他カッコのような記号
そのほかのカッコのような使い方をする記号もあわせて紹介します。
ダブルクォーテーション | “ ” |
---|---|
シングルクォーテーション | ‘ ’ |
波線 | 〜 〜 |
横棒 | − − |
日本語のカッコと同じ使用方法で英語のクォーテーションマークを使うこともありますよね。
英語ではこういうときに使われます。
- 引用
- セリフ
- 強調(皮肉も含む)
日本語の「カギカッコ」と使い方が似ていますね。
日本語の中にクォーテーションマークを使うのはオススメしない
日本語の中でクォーテーションマークを使っても問題ないのですが、個人的にはオススメしません。
なぜなら目立たないからです。
例文
その看板には“喫煙禁止”と書かれていた。
この場合、カギカッコを使った方がよく目立ちます。
例文
その看板には「喫煙禁止」と書かれていた。
カッコを使うときのルール
カッコの種類を見てきましたが、今度はカッコを使うときのルールを見ていきましょう。
カッコは全角で使う
これらのカッコは原稿用紙の中で使うときには1マスに書きます。
それと同じ要領で、パソコンで入力するときもほかの日本語と同じく「全角」で入力しましょう。
こちらは半角で丸カッコを使ってみた例です。
悪い例
わたしが大好きな食べ物はピザ(とくに青カビチーズのやつ)だ。
なんというか窮屈ですよね? 大きさも合っていないし……。
半角カッコを使ってる人で、前後に半角スペースを挟んでいるのを見かけますが、それだったら最初から全角を使いましょう。
良い例
わたしが大好きな食べ物はピザ(とくに青カビチーズのやつ)だ。
全角を使っていれば、半角スペースなどで調整しなくてもきれいに見えます。
もちろん、英文の中で使うときには「半角」にしますよ。
「カッコ閉じ」の前の句読点は省く
そして、もう1つ大きなルールが「カッコ閉じ」の前には句読点を打たないということです。
原稿用紙のときには、同じマスの中に「読点( 、)」と「句点( 。)」を入れることができました。同じようにパソコン上でやってしまうとどうでしょうか?
悪い例
オレは彼と河川敷で殴り合ったあと「おめェ、なかなかやるな。」と言った。
どうでしょうか? 見栄え的に余白が空きすぎますよね?
今度は、「句点( 。)」を省略してみます。
良い例
オレは彼と河川敷で殴り合ったあと「おめェ、なかなかやるな」と言った。
こっちの方がしっくりきます。
ふつうの丸カッコの場合も同じです。
悪い例
このスマホ(昨日買ったやつね。)は最高のガジェットだ。
どうですか? わたし的には果てしなく違和感があるのですが……。
良い例
このスマホ(昨日買ったやつね)は最高のガジェットだ。
「カッコ閉じの前には句読点を置かない!」ということを覚えておいてください。
あ、でも「 ! 」や「 ? 」はふつうに置きますよ。
カッコの使い分け
では、いよいよカッコの使い分けについてです。
パソコンで文章を20年以上書いているわたしが、実際にやっている「カッコ」の使い分けを紹介します。
丸カッコ ( )
まずは「丸括弧」です。カッコの中でも最もメジャーですよね。
単に「カッコ」と言ったときには「丸カッコ」を表すぐらいですから。
丸カッコは、基本的には「補足情報」を足すという使い方が多いです。
わかりやすくするための補足を入れるとき
まずは基本である「補足情報」を入れるときの使い方からです。
例文
わたしはWi-Fi専用のiPadとiPod touch(電話機能のないiPhone)を持っていて、Pocket WiFiを使って、ネット接続をしています。
「iPod touch」を知らない人が多いと思われるため、丸カッコで補足情報を簡単に足しています。
「絶対的な表現」を入れたいとき
次に紹介するのは、「相対的な表現」と「絶対的な表現」の両方を提示したいときの丸カッコです。
なんかややこしい表現だぞ!
ややこしくてすみません、簡単に言うとこういうことですね。
例文
昨日(2019年3月29日)が、わたしの43歳の誕生日だった。
「昨日」という表現は相対的な言葉なので、読んだ日によって変わってしまいます。
ぜひとも「◯年◯月◯日」のような「絶対的な表現」も入れましょう。
ほかにも、何かの手順を紹介している記事でも使えますよ。
例文
お次は、先ほどのファイル(dragonball.txt)を開いてください。
読みがな・訳を入れるとき
丸カッコは、読みがな・訳を入れるときにも使えますよね。
例文
BetterTouchTool(ベタータッチツール)というアプリがなければ、わたしはMacを使えないだろう。
一般的に「これ、なんて読むの?!」という漢字や外国語にはぜひ入れたいところ。
例文
Hello. My name is Yos.
(こんにちは。わたしの名前はヨスです)
補足ですが、HTMLを使ったネットの文章で読みがなを入れるときは<ruby>
を使うのもオススメです。
<ruby>BetterTouchTool<rp>(</rp><rt>ベタータッチツール</rt><rp>)</rp></ruby>
こんなふうに表示されますよ♪BetterTouchTool
修飾表現を少なくしたいとき
何も考えずに書いていると、どんどん修飾表現が増えていき、1つの文が長くなってしまいがちです。
修飾表現というのは、下記の例のような「どんなペンか?」をくわしく伝える表現ですね。
- 私のペン
- 1週間前に父に買ってもらったペン
ときどき、過剰に修飾しまくった残念な文章を見かけませんか? 例えばこんな文。
例文
なんと、高校のときに担任だった先生のわたしと同い年のいとこが、このブログの読者だったんです!
上の文章を分析すると、結局のところ「いとこ」が主語です。これを丸カッコを使って見やすくしてみますね。
例文
なんと、高校の時の担任だった先生のいとこ(わたしと同い年)が、このブログの読者だったんです!
情報の重要度を考えて、重要度の低いもの(補足情報)を丸カッコに入れました。
文章が長ったらしくて読みにくいときは、丸カッコに収められないか検討してみて下さい。
ただし、何でもかんでもカッコに入れるのではなく、不要な情報なら省くことも大切です。
心の中のセリフを表現するとき
あと、心の中のセリフを表現するときにも丸カッコは使われますよね。
例文
わたしはブログを書くために生まれてきたのだ!(なぁ〜んてな)
これはあまり多用するとウザいので注意が必要ですよ。
カギカッコ 「 」
今度は「鉤括弧」です。
わたしは特に大好きで、この記事の中でもバンバン使っていますよね。
では、「カギカッコ」の使い方を紹介します。
誰かのセリフを表現するとき
カギカッコと言えば、基本は「会話文」ですよね。
例文
ヨスは突然、「お願いです! この記事をSNSでシェアして下さい!! 1回でいいからバズってみたいんッス!!」と泣きながら叫んだ。
よかったらお願いっス!!
ことわざ・考え方を表現するとき
セリフだけでなく「ことわざ」にも使えます。
例文
「ズボンを履き忘れてもスマホは忘れるな!」とはよく言ったものです。
まぁ、上の例は本物のことわざじゃないですけど(笑)。
強調したいとき
そして、強調したいものに使う「カギカッコ」です。← あ、この使い方ですね!
例文
よく聞け。オレは田舎モンじゃねぇ!「超・ド田舎モン」だ!
「カギカッコ」で囲むことで「ここを強調している」というこちらの意図が伝わりやすくなりますよね。
わかりづらい固有名詞
商品名、ソフトウェア名、ブログの中のページタイトルを始めとする固有名詞には必要に応じて「カギカッコ」を付けます。
ほら、最近の固有名詞には「これって名前なの?!」というものが多いんですよね。
悪い例
いきなり!ステーキとか考えた人すごいわとか、最近のお店の名前はおもしろいなぁ。
ほら、上のように「カギカッコ」がないと、すっごくわかりづらいです。意味がわからない文になっていますよね。
そこで、お店の名前2つをカギカッコで囲むと単語と単語の境目が強調され、見やすくなります。
良い例
「いきなり!ステーキ」とか「考えた人すごいわ」とか、最近のお店の名前はおもしろいなぁ。
ちなみに「考えた人すごいわ」はパン屋さんの名前です。
注目しなくていい場所には、あえてカギカッコを使わないこともできます。
例文
iPadのお絵描きにかかせないのが「Procreate」というアプリです。
ここで注目したいのは「iPad」はカギカッコに入っていないという点です。ここで注目して欲しいのは「Procreate」だからです。
単語の境目がわからないとき
文中で、どうしてもひらがなが続かざるをえないときがあります。← あ……まさにこの文がそうですね。すっごく読みづらい!
例文
文中で、どうしても「ひらがなが続かざるをえないとき」があります。
ほかにも、記号とか数字が文章の中で埋没するときにも使っています。
悪い例
AとBのどちらが好きですか?
上の例文では「 A 」と「 B 」が文章の中に埋没してしまって見づらいです。
良い例
「A」と「B」のどちらが好きですか?
どうでしょうか? 一気に見やすくなったのではないでしょうか。
下の例のように「かぎかっこ」の内側に半角スペースを入れてやると、さらに見やすくなります。
良い例
「 A 」と「 B 」のどちらが好きですか?
いつもと違う使い方をするとき
そして、ある言葉について「通常とは違った使い方」をするときにもカギカッコを使っています。
説明が難しいので、例を見た方が早いですね。
たとえば「100%」という言葉は、普通だとこんなふうに使いますよね?
例文
その案件に関しては100%大丈夫です。
ふつうは「絶対・必ず」という意味で使いますが、こちらのような場合はどうでしょうか?
例文
右上にある数字を「100%」にすると、画面が実寸サイズで表示されます。
カッコに入れることで「100%」というのは「パーセント表示」ということが伝わりやすくなりますよ。
二重カギカッコ 『 』
カギカッコが二重になったデザインである「二重鉤括弧」があります。
これですが→『 』、ビジュアル的に普通の「かぎかっこ」より少しだけ目立ちますよね。
そのため、文の中で頻繁に使う方がいますが、わたしは特殊な場合以外はほとんど使いませんね。
では、二重カギカッコを使うシチュエーションを紹介します。
作品のタイトル
「二重カギカッコ」は映画や漫画などのような「作品のタイトル」を表記するときは必ず使います。
例文
わたしはジブリ作品の中では『魔女の宅急便』が一番好きです。
「」の中で「」を使うとき
「カギカッコ」の中で更に「カギカッコ」を使うときは必ず「二重カギカッコ」を使いましょう。
例文
ヨスは雨に打たれながら「この記事をもし、『Facebook』や『Twitter』でシェアしてもらえたら階段の踊り場でホントに踊ります!」と言っている。
「カギカッコ」の中の「カギカッコ」の中の、さらに「カギカッコ」の場合はどうすればいいのでしょうか?
うーん、[ ]とかを使えばいいのかな?
でも、そんな複雑な表現になるぐらいなら、文章を分けるなど、ほかの方法を使って避けたほうがいいです!
角カッコ[ ]
お次は「角括弧」です。わたしの場合は割と使っていますが、無理して使うこともないですね。
実際のところ、厳密なルールは決まっていないため、わかりやすく使えるように工夫するのがオススメです。
WordPressなどを使って記事を書いている場合、半角の角カッコは「ショートコード」とかぶるのでお気をつけを(参考: HTML特殊文字)。
手順を説明するとき
パソコンの使い方など、何かの手順を示すときに「→」と組み合わせて使うと見やすいです。
例文
[編集]→[塗りつぶし]→[コンテンツに応じる]→[OK]
メールなどの件名で使う
メールや記事などの件名で使用する場合もあります。
例文
[スマホ] フリック入力の泣き所!? ( )とか「 」とか : を意のままに操るコツ
音声表記・化学式などコードのようなもの
ほかにも、「コード」のようなものにはよく使われます。
たとえば英語の発音記号などですね。
例文
king [ kiŋ ]
化学式などでも使います。
例文
[ H2O ]
ネットショップをしている場合は、商品名の後ろに付ける「商品のコード」を囲んでやるのもオススメです。
例文
しましまの帽子 [ hat-00029 ]
こういうふうに、半角のアルファベットや数字を囲む場合は半角の角カッコを使いましょう。
丸カッコの中で丸カッコを使う場合
めったにありませんが、丸カッコの中に再び丸カッコを使う場合、[ ]を使っています。
例文
ヨス(タコスとピザ[日本食なら讃岐うどん]が大好物)
ごちゃごちゃするので避けるのが無難ですけどね。
すみ付きカッコ【 】
タイトルなどですっごく目立たせたいときに使う「隅付き括弧」です。
たまに、文中に「強調」として使う人がいますが、かなりウザいのでオススメしません。
文の中に【こんなふうに】使うのはやめてっ!!
文中の強調としては、カギカッコを使いましょう。
メールの件名・記事のタイトル
メール件名やブログの記事タイトルで、本当に注目してほしいときの「とっておき」として使います。
例文
【至急】コーディングの件でお返事お願いします
ブログの記事タイトルではこういう感じですね。
例文
【完全保存版】体重100kgだったわたしが42kgまでやせた画期的な方法とは?!
テキスト中にある「見出しの装飾」
「見出しの装飾」として隅付きカッコを使うのもオススメです。
例文
【1】日時
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2020年4月1日
【2】場所
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梅田のヨドバシの入り口
どうですか? わかりやすいでしょ?
ちなみにテキストメールを読みやすくするテクニックについては下記記事もどうぞ。
山カッコ< >
最後に「山括弧」です。
これは強調として使えますが、わたしは使ったことがありません。
でも、半角の山カッコはバンバン使っているんですよ。それがHTMLコードでです。
<a href="https://yossense.com/">こちらをクリック!</a>
HTMLでは< >
がプログラムの重要な記号になっています。
HTMLの中でHTMLコードをそのまんま表示したいときはHTML特殊文字を使いましょう。
山カッコ開き < | < |
---|---|
山カッコ閉じ > | > |
上のコードをHTMLで入力するとブラウザ上では「山カッコ」に変換されて見えます。
下の文章の中の「山カッコ」はHTML特殊文字を使って表示させてます。
例文
<p>HTMLの中ではこんな風に使います。</p>
これをどうやって入力しているかと言うと……
<p>HTMLの中ではこんな風に使います。</p>
ちょっとマニアックなお話になっちゃいましたね……。
「カッコ」の入力方法
ここまで紹介してきた「カッコ」ですが、パソコンやスマホではどうやって入力するのでしょうか?
パソコンで「カッコ」を入力する方法
パソコンで「かっこ」を入力する方法は簡単です。
全てのカッコ開き | Shift+8 |
---|---|
全てのカッコ閉じ | Shift+9 |
US配列のキーボードなら、Shift+9で「カッコ開き」、Shift+0でカッコ閉じとなります。
どのカッコも同じ方法で変換できます。
「カッコ」の単語登録をオススメ
これらのカッコは単語登録することで使いやすくなります。そのコツはこちらの記事をどうぞ!
スマホで「カッコ」を入力する方法
スマホで「カッコ」を入力するときは、さらに簡単です。
こんな感じでやを左右にフリックすることで入力できます。
「カギカッコ」「二重カギカッコ」をはじめ、すべてのカッコがこの方法で入力できます。
さて、今回は「カッコ」についてありったけの情報をまとめました。
この記事内にも、数え切れないほどカッコを使っているので使い方の参考にしてみてくださいね。
最後になりますが、原稿用紙で使う「カッコ」にはルールが決まっていますが、パソコンで入力するときのカッコには絶対的なルールというものは存在しません。
大切なのは相手にとって「読みやすい」ということ。わたしの使い方が絶対では決してありませんが、参考になればうれしいです。
こちらもおすすめです。
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