こんにちは! ヨス(プロフィールはこちら)です。
会社員務めをしていないわたしは、基本的に家にずっといます。
ゆえに、子どもの面倒を見るのはあたりまえで、家事育児もわたしの仕事の一部なんですよね。
そうなると、よく言われるのが次のセリフです。
イクメンですね!
でも、わたしは「イクメンと呼ばれるのが嫌い」です。
今回はイクメンと呼ばれることに違和感を持っていることについて紹介します。
目次
イクメンってなに?
「イクメン」という言葉が聞かれはじめたのは2010年ぐらいからでしょうか。
イクメンとは「イケメン(イケてるMEN[男たち]」をもじって作られた「育児する男性」を指す言葉です。
もともとは児休業基本給付金を利用して「育児休業」を取る男性を「おおー! スゲー! 進んでるー!!」という感じで使いはじめられたと思います。
ぶっちゃけ、このくらいで「スゲー」なんて終わってますけど。
ネーミングを聞いて、上手く考えるもんだなぁと感心しました。
でも、わたしみたいに育児にがっつり入り込んでいる人が、「イクメンですね」と言われると「ふぅ……やれやれ……」と思うのです。
なぜ「イクメン」という言葉に違和感を持つのか?
では、なぜわたしが「イクメン」という言葉に違和感を持つのでしょうか?
女性が家事育児をするべきという思想の裏返しだから
「イクメン」という言葉に違和感を持つ1つ目の理由は「女性が家事育児をするべき」という思想の裏返しだからです。
育児をする男性を指して「イクメンですね!!」と呼ぶということは、けっきょくは次のような構図が見えます。
どんな構図?
「育児する男」をいちいち特別視してカテゴライズしないといけないほど、まだまだ育児をする男性は少ない
逆を言うと、まだまだ家事育児は女性が軸となってやるべきものという考えが根強いということです。
そもそもですが、育児をする女性を「イクジョ(育女)」なんて呼びませんよね?
育児をするのは女性が当たり前だと思われているから、あえて呼ぶ必要がないということです。
茶色いクマを「茶クマ」と呼ばないように。
「愛妻弁当」という言葉も同じですよね。
わたしが弁当を職場に持って行くとやたら「愛妻弁当ですか?」と聞かれていましたが「弁当を作るのは女性の仕事」という共通認識があるからこそですよね。
だって女性が弁当を持っていても「愛夫弁当?」なんて聞かれないもの。
女性の「育児」と区別する危険性があるから
「イクメン」という言葉に違和感を持つ2つ目の理由は、女性の「育児」と区別する危険性があるからです。
家事育児をやっているにことに性別は関係ないですよね?
育児なんて性別関係なくするもんだから、いちいち特別視すんな!
「イクメン」という表現は「女医」とか「女流棋士」などの表現と同じで、やっていることは同じなのに性別で無意味に区別しているのです。
性別によるタグ付けは、まるで「性別によって違うように振る舞わないといけない」ようにも見えます。
「イクメン」は、女性とは違った「パワフルで荒々しい育児」をしないとダメのか?
と思ってしまいます。
「イクメン」は褒めて言っている?
わたしが「イクメン」という言葉を批判すると次のように言う人もいるでしょう。
「いや、イクメンってすごいから褒めているのに!」
でも「褒めているからなにを言ってもよい」がまかりとおれば、どんな差別も偏見も許容しろよと言っているのと同じです。
「細いね」「目が大きいね」も人によっては言われたくない言葉だし、「女性がいると華やかだ」という言葉は「女性は華やかであるべき」という足かせを作っています。
「褒めているからなにを言ってもよい」は単なる価値観の押し付けなのです。
政府の「イクメンプロジェクト」
そういえば、政府が作った「イクメンプロジェクト」というサイトがあります。
「普通に子育てをしている男性が見ると、アホくさ……」と思うようなページですが、やろうと思っていることは解りますよ。
サイトには次のような文言がありました。
イクメンがもっと多くなれば、妻である女性の生き方が、子どもたちの可能性が、家族のあり方が大きく変わっていくはず。
育てる男が、家族を変える。社会が動く。イクメンプロジェクト
確かに育児をする男性が増えることはいいと思います。でもこれは個人でなんとかなる問題なのでしょうか?
わたしみたいな仕事(ブロガー)なら、いくらでも育児に関われるでしょう。
さらに、政府のサイトにはこんなことが書かれていました。
今、育児にもっと関わりたいという男性が多くなっています。また、制度改正により男性も育児休業が取りやすくなりました。このような環境づくりに、社会全体で、より積極的に取り組んでいくため、プロジェクトを推進していきます。
育てる男が、家族を変える。社会が動く。イクメンプロジェクト
まじで!?
日本にずっと住んでいたけど、男性が育児休業を取ったという人の話はほぼ聞いたことないんですけど……。
ホントに、こういう上っ面だけの政策では日本の出生率は上がりませんよ……。
育児をしない男を、父とは呼ばない
「イクメンプロジェクト」に対して、26年前に「育児をしない男を、父とは呼ばない。」という厚生労働省のポスターが話題になりました。
話題になったのは安室奈美恵さんの元夫のSAMさんが出ていたからなんですけど。
「イクメンプロジェクト」とは違って、このキャッチコピーはすごくいいですよね。
なぜならこのキャッチコピーを言い換えると「育児をする人だけが父親」という意味だからです。
こういう公式が成り立ちます。
そう。育児をする人は特別な人じゃありません。
育児をする人はただの「父親」なんですよ。
「すごい! イクメンだ!」と本来はたたえるようなものではありません。
育児をする人のことを「イクメン」と呼んで特別扱いしているのでは、いつになっても日本の父親たちがふつうに育児をするようにはならないのです。
いつまでたっても主体性がなく、女性がやる育児の「補助」止まりです。
このキャッチコピーを見ると、今の日本は後退していると言えます。
育児休暇も問題だが「残業」のほうが問題
政府のページには「育児休暇が取りやすくなった」と書かれていますしたが、大企業・外資系企業だけの話でしょうか?
中小企業でこんなやりとりがあるとは思えません。
育児休暇とります!
育児を経験することは仕事にも新しい視点が持ち込まれて良いことだからな! 楽しんでこい!
いやー、想像できませんよね……。
そもそもですが、育児休暇で1週間そこらの休暇を取れるようになるよりも残業量を半分にでも減らすほうが大事です。
すべての男性は、わたしが専業主夫をしていたときと同じ体験をしたらいいと思いますよ。
高熱でむちゃくちゃ機嫌の悪い3歳児を、自分も高熱なのに朦朧としながらあやす経験とか。
育児は1人でやるのと2人でやるのとでは、大変さが倍違うってことに、みんな気づいてくださいね。
1×2=2倍の「2」ですから!
さて、今回はよく聞く「イクメン」という言葉に対してわたしの考えを書きました。
やはりPTAとかで学校によく顔を出していると、「イクメンですね」と言われることがあるんです。
もちろん悪意なく言っているので、それに対して噛みつくことはないです。でも疲れるんです。
ただ、なんて返したらいいのかわかりません。訳すと「育児をよくしますね~」ということですよね。
返事は「はい」が適切なんでしょうか?
いろいろな会社で残業が減って、家に帰るのが早くなった男性が、育児をあたりまえにする時代になれば、こんな妙な単語はなくなるんだろうなと思っています。
早く「イクメン」なんて言葉がなくなることを祈っています。
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