2016年8月16日

女の子は髪が長くてスカートを履いた人?「隠れたカリキュラム」から学ぶ問題

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こんにちは! ヨス(@yossense)です。

今回は、小学校のある宿題プリントに組み込まれた「隠れたカリキュラム」についてです。なんか小難しそうですが、ある宿題プリントにジェンダー的に問題があったんです。

女の子は何人でしょうか?

突然ですが、このイラストを見てください。

この絵を見て「女の子は何人?」という質問
この絵を見て「女の子は何人?」という質問

このイラストの中で女の子は何人だと思いますか?

3人? いや、4人?
それとも5人?

たぶん、出題した人の中では明確な答えがあるんでしょうけど、これだけでは女の子が何人かはわかりませんよね?

「女の子はこういうもの」という前提

……と、ここでこのプリントの本当の姿をお見せしましょう。

こちらです。じゃーん!

プリントには名前も載っていた
プリントには名前も載っていた

実は、名前が載っていたんですね。名前を出すことで、どの子が女の子かは明確になってきます。

おそらく、名前の傾向から言うと「さくら」「みさき」「ゆい」が女の子、「たける」「ひろき」「けんた」は男の子でしょう。

ということで、解答として期待されるのは「3」なのでしょうが、この問題によって「数の数え方」だけでなく、あるものを学ばされています。

それが「女の子はこういうもの」という価値観です。

「女の子はこういうものだ」という価値観

大事なのでもう一度書きますが、このプリントで一番の問題は、「女の子はこういうもの」という女の子に対する固定的な価値観も学ばされているということです。

だって、名前が描かれていないイラスト(わたしが加工して名前を消している)だと……

この絵を見て「女の子は何人?」という質問
この絵を見て「女の子は何人?」という質問

左から2番目の子は、髪が短くてズボンを履いていますが女の子にも見えます。右から3番目の子、右から2番目の子も同じです。

でも、名前を見ると髪の短い子は全部男の子です。女の子に髪の短い子はいません。いやー、超かたよっていますねぇ。

このイラストと、それに対応する名前を見る限りこんな前提がありそう……

  • 女の子はスカートを履いているものだ
  • 女の子は髪の毛が長いものだ
  • リボンをするのは女の子だけだ

っていうか、もしカラー印刷だったら、女の子はピンクの服ばっかりになってたんだろうなぁと容易に想像がつきますね……。

さらには肌の色、髪の色も女の子の方が薄く表現されていた可能性も高いですね。くわばらくわばら……。

固定的な価値観を植え付けると起こる問題

こういう固定概念が定着するとこういうことが起きます。

ちょうど今日、6歳の息子が持ってきたこんな紙製のおもちゃですが……

クマさんの2つのイラストが切り替わるおもちゃ
クマさんの2つのイラストが切り替わるおもちゃ

スライドすると2つのクマのイラストがすり替わるんですね。

で、息子は左側のクマは男の子で、右側は女の子だと言います。

なんで? と聞いてみると、右の子はお花を持っているから、色が黄色(明るい色)だからということです。

アニメなどをはじめとする、性別によるキャラクターの描かれ方から、そういう判断に至ったのでしょうが……。うーん。

そぐわない対象を否定することに繋がる

男の子でもお花が好きな子はいるし、女の子でも色黒の子もいます

つまり、こういう固定概念が蔓延すると、「お花の好きな男は男らしくない」とか「肌の白くない女はダメだ」というそぐわない対象を否定する価値観になってきます。

実際に息子に「お花が好きな男の子もいるよね? じゃあこの子は男の子かもしれないよ?」と聞くと、「そうなっているからそうなの!」とプンプンと怒りました。これはまずい。

恐ろしいのは、わたしのような親の元で育っても、外部から知らない間に価値観を学ぶことです。

とくに、メディアや教育の中に潜み、無意識のうちに「女はこういうものだ」と学ぶ「隠れたカリキュラム」の影響はスルーできません。

チェック・制作側に「ジェンダーの視点」がない

算数のプリントに戻りますが、こういう偏見は作った人の価値観に左右されています。恐ろしいことに。

もし描いた方、チェックした方の中にジェンダーの視点がある人がいたら、ここに訂正が入っていたに違いありません。

もし黒人の方がいれば、肌の色がかたよっているという指摘をしていたことでしょう。宿題のプリントをもう一度出しますが……

プリントには名前も載っていた
プリントには名前も載っていた

このプリントに触れることによって「女の子はスカートを履くべきだ!」「女の子は髪を長くするべきだ!」という価値観が強化されるんですね。

ということで、教育関係の方は特にジェンダー問題に気をつけてほしいですね。どうせ頭のかたいおっさんばっかりで作っているんでしょうねー。困ったことに。

追記: ジェンダー問題抜きにしてもこの質問はダメすぎる

このイラストの質問ですが、ジェンダー問題を抜きにしてもダメすぎます。

簡単にいうと、測定すべきものがちゃんと測定できないという問題です。くわしくはこちらを。

今回は、ごりらさんのこちらの記事に触発されて書きました。画像も使わせてくださりありがとうございます。

参考: 子どもの教育は学校任せ・他人任せにしない! 価値観を教えるのは親の仕事! | ごりらのせなか

あと、記事内では大きく扱わなかったのですが、LGBTへの差別問題にも繋がっています。

女の子はスカートを履くべきだ!……という価値観だと、心が男の子のなのに身体が女の子として生まれたトランスジェンダーの子は苦しみます。

スカートを履きたくないのに周りはスカートを履くことを求めるからです。服装なんて個人の嗜好で選ぶべきです。自分らしい服装を着ることが当たり前という世界に早くなってほしいものです。

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