こんにちは! ヨス(プロフィールはこちら)です。
テレビなどを見ていると、「男性が女性の尻に敷かれている」という構図をあざ笑うお約束がありますよね。
これに対して、わたしは子どものころからずっと嫌悪感がありました。
今回はこれが実は「ギャップ萌え」で、女性差別を温存し続けている悪癖なんだよということについてお話します。
女性は家庭内では権力がある?
今日、こんなニュースを見たんですよ(太字はヨスによる)。
「家庭内だと圧倒的に女性の方に権力がある。でも数値化できないんですよ。そこも数字に入れたら、日本って女性の方が上になると思いますよ。そういう数字を入れてないところ、先生に忖度していただきたかったなと思いますね」
そう話すとスタジオは笑いに包まれた。その後、坂上は同コーナーを「若い人たちにぜひ頑張ってもらいたい」と結んだ。
東国原英夫 性差別発言が物議「女性が主体的じゃないから」 | 女性自身より引用しました。
こういうふうに「女性は家庭内では権力がある」的なことを言って、笑いに変わる日本が正直気持ち悪いんですよねぇ……。
たぶん、わたしと同じように思っている方って性別を問わず多いと思うんだけど言語化されていないだけだと思う。
そこで、この問題について考えてみました。この笑いの元になっているのはこちらのような構図です。
この笑いの構図
- 実際に社会では女性に権力がない
- それなのに家庭内では立場が逆転してて面白い(外では偉そうにしている男性が滑稽に見える)
結局のところ、日本社会で女性に権力がないことを容認しているということを示しています。
ギャップ萌えか?
この「女性より立場が低い男性を笑いに変える」という現象を、わたしは「ギャップ萌え」だと認識しています。
ほら、こんなシーンってマンガとかで効果的に使われますよね?
ケンカばかりしている強面ヤンキーの男子生徒が家に帰ったら飼い犬(チワワ)にメロメロ
こういう「ギャップ」ってみんな好きですよね?「萌え」まではいかなくても、アハハってなりますよね?
日本における「男性が女性より下で滑稽」の図式はこれと同じカラクリなんです。
ほかの例だと、「あなたたち ふうふ は、亭主関白ですか? かかあ天下ですか?」みたいなクソみたいな質問ってありますよね。
日本ではここで、「亭主関白ですけど何か?」とか「はぁ? うちは上下関係ないんだけどなんでいちいち序列つけたがるの?」と答えることは「空気を読めない」になります。
「かかあ天下」と答えることが期待されているんですよ。つまりこういうギャップ萌えです。
会社で偉そうにしている(とみなされている)夫だけど、実は家では妻の尻に敷かれている
こんな「ギャップ」、もしくは「型」が日本では好まれているわけですね。
まぁ、この二択のどちらにも当てはまらないカップルががほとんどなのにアホみたいですよね……。これが偏見の元凶でもありますが。
この「ギャップ萌え」の問題点
「ギャップ萌え面白いじゃん!」と思う方もいるかもしれませんが、これが問題なんです。
なぜなら、「男性は女性より偉い」もしくは、「男性は女性よりも偉くあるべき」というファンタジーを共有し、共感する上で成り立つ笑いだからです。
「(イメージの中での)男性の滑稽さ」を笑うことで、女性差別問題をスルーしている構造を温存し続けていますから。
つまり、日本では笑いというオブラートに包んで女性差別を隠し続けているのです。
こんな具合で日本の女性差別問題は流され続けていますよー。
女性差別が流される図
- 女性がこんな差別を受けている!
- いやいや、男性は家ではこきつかわれているよ(笑)
- アハハハ!(笑)
(女性差別問題は流れる)
とくに日本のテレビでは、この流れが非常に多いですよね。クソすぎます……。
逆に、男性差別が見えなくなっている構図もあります。
男性差別が見えなくなる図
- 男性も差別を受けているぞ!
- 男なのにカッコ悪い! やり返せ(笑)
(声をあげるとさらに差別を受ける)
くわしくは日本の男性差別が表面化しない理由も読んでほしいですが。
今回紹介したような「ギャップ萌え」の裏には差別が隠れているということを知っておいてください。
さて、今回は子どものころから感じていた嫌悪感をがんばって言語化しました。
そもそもですが、日本では「真面目なこと」を言うと場の雰囲気が悪くなるから、なんでも笑いに変えないといけない的な空気があるますよね……。
「セクハラ」という言葉をネタで使う人が多いという現状よ……。
※ どうでもいいんですが、「ギャップ萌え」という文字の中に「サベツ」というカタカナがあるのを発見して一人で「おお!」と思いました。
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