こんにちは! ヨス(プロフィールはこちら)です。
今回はタイピングの練習ソフト「ほんとのタイピング9」のレビューです。
見るからに丁寧に作っていて、ほかのソフトとの違う個性がいろいろとあるという印象なのですが、残念なところが多々あるソフトです。
「ほんとのタイピング9」のレビュー
今回のレビューは、タッチタイピングをマスターしたい人向けのタイピングソフトです。
ジャングル の「ほんとのタイピング9」を紹介します。値段は2,000円台ですね。
「ほんとのタイピング9」の評価
では「今日からタッチタイピング」を「☆」で評価してみます。「★」が多いほどよいという意味です。
操作性・使い方の明瞭さ: ★★★★☆
このソフトはかなり丁寧に作られている印象があります。
画面はデザイン的に洗練はされていませんが、スッキリしています。
ナビゲーターのお姉さんがいて、音声で説明してくれ、それに合わせて口も動いているし、第一印象では「わかりやすそう!」と思うはずです。
ただ、ところどころが「惜しい」んですね。たとえばタイピングの仕方の説明では戻るボタンがありません。
音声だけの説明なので聞き逃したときは戻ってもう一度聞きたいのですが、それができない……という操作性の悪さがちらほらとあります。
ホームポジションの説明: ★★★☆☆
ホームポジションの説明は女性の音声付きであります。
ですが、音声だけの説明でアニメーションも凝ってないため、ちょっとわかりづらいです。
ほかにも姿勢についての説明なども丁寧にあるのですが、残念なことが。
実は音声のみの説明で聞き取れなかったとしても、戻るボタンがないため、戻れません。
それと説明の全体の長さがわからないのも不親切です。今が説明が20個あるうちの4個目……というのがわかったほうがいいですよねー。
どの指でどのキーを打つかの説明: ★☆☆☆☆
どの指でどのキーを打つかのわかりやすさですが、こちらの画面を見てください。
上のように指のイラストを描いてくれているのですが、「親指」がないんですね。これがまぎらわしいです。
ほら、右手中指だと「左から3本目の指」という認識じゃないですか? でもこのイラストだと左から2本目になるんです。
これは初心者にとってはかなり致命的です。
人差し指だけの練習なのに全部のキーの色が塗られているのも目がチカチカします。練習していないところのキーはグレーにするとかやりようはあるのに。
そして、このソフトの頑張っているところが音声でどのキーで打つかを教えてくれるところでもあるのですが……
音声がやかましすぎる!!
たとえばKを入力するときにいちいち「右中段」と言ったり、Vを入力するときには「左下段」のように1つの文字ごとに言うんですよ。気が滅入りそう……。
音声は上の画面の「スピーカーアイコン」をクリックすれば消せます。
ところがですよ。消せるのはいいのですが、声だけでなく音も消えて無音になります。これはこれでやりづらい……。
たとえば、入力ミスをしたときも音がないとわかりません。本当の本当に無音になるなんて(笑)。
練習スケジュール: ★☆☆☆☆
スケジュールがほかのタイピングソフトと比べかなり違っています。
なぜなら、スケジュールがまずは「指ごと」に割り振られているんです。こちらの画像を見てください。
これが初心者コースの一番最初の練習なんです。
なんと! 最初の最初からいきなり人差し指で入力する4RFV7UJMキーからの練習となっています。
これは難しいですね。だって、初日からいきなり数字キーを練習させられます。いろんなタイピングソフトを見てきましたが、こんなにひどいスケジュールを見たことはありません。
しょっぱなから覚えることが多すぎて脱落する人が多くなりそう……。
そもそも数字はテンキーでもOKだと思うので、これは最初から練習する必要ないでしょう。
「人差し指で入力するキー」「中指で入力するキー」「薬指で入力するキー」「小指で入力するキー」と練習が終わってから、やっとホームポジションの練習です……。
これはどう考えても逆の方がやりやすいです。
さらに、 /キーとか、右のShiftキーの隣りにある\「」^¥キーとかの練習も組み込まれているのですが、基本コースにこれは要らんでしょ……。
パソコンを15年以上使い倒しているわたしでも難しすぎる(笑)。これを初心者にやらせるのはどう考えてもハードルが高すぎです。
上の画像のように「びぇ」のような日常日本語ではほぼ使わない文字列の練習もガッツリやらされます。
ほかにも日本語の中で使われることのありえない^や\のようなキーの練習も執拗にあったり……。
タイピングソフトの目的は、全部のキーを同じレベルで使えることではなく、日本語の文章がふつうに打てるようになることだと思うのですが。
さらに言うと数字の0とOの違いもわかりづらく入力ミスが続出です。
練習のバリエーション: ★★★☆☆
基本練習でクリアした課題は過去のものとなってしまい、過去の練習に戻れない仕様です。これは残念。
ほかのタイピングソフトよりは若干長い文章練習もあります。
この練習ですが、文字が宙を舞って、見ていて気持ちがいいです。キーを押す音も気持ちが良いのですが、ナビゲーターがいちいち「その調子!」とか「すごい」とか言うのがうるさすぎて……。
あと、ほかのタイピングソフトと違う練習としては「漢字変換」も含めた文章入力の練習があります。まぁ、テストなんですけど。
これは実践的でいいですねー! ほかのソフトにないのが不思議ですけど。
ちなみに「1級」のような検定結果も出て、頑張る気にさせてくれます。
「ち」を「chi」に変更する設定: ★★★★★
「ち」を「ti」ではなく「chi」で入力する設定変更はできます。
というか上の画面はよくわかりません。右の「あなた式」というのは??
上の設定画面はともかく、ステキなことにどんな入力方式でも反応してくれます。
- 文章中の「ん」…… NでもNNでも反応する
- 「ち」の入力 …… TIでもCHIでも反応する
といった具合に! これは嬉しいですね。
飽きない工夫があるか: ★★★☆☆
このソフトには、飽きない工夫というか、継続させるためのアイデアがあります。
それがスケジュールです。
上の画像のように、「3日目にはこれをやる」というスケジュールがしっかりと決められてます。
人間、決められると「やらなくては!」というモチベーションになりますよね。それはうまく考えられています。
ですが、ほかの部分ではあんまり考えられていません。「ほんとのタイピング9」には練習の気分転換に5種類のミニゲームがありますが……
- 算数タイピング
- 記憶力タイピング
- 反射神経タイピング
- パズルタイピング
- 動体視力タイピング
ですがこれ、ほんとに気分転換だけで、いつでもできるわけでも、選んでやることもできません。
いつでも好きなゲームで練習できればいいんですけどねー。
「ほんとのタイピング9」のここがイイ!
この「ほんとのタイピング9」ですが良いところと言えば、カナ入力も練習できることでしょうか。
あと、キーボードのキーをほとんど網羅しているので完璧にすべてのキーを練習してタイピングできるようにしたい人には向いています。
ただ¥とか^や\を、ホームポジションレベルに入力できるようになる必然性が到底あるようには思えません。
タイピング検定とかそういう資格があって、それに必要なのかなぁ。本当に謎すぎる。
シリアルコードはどこ?
わたしはダウンロード版を購入したのですが、シリアルコードがどこにあるのかがわからず購入して1週間ほど何も出来ませんでした。
その間にメールでのお問い合わせをメーカーにしてました。ですが、担当の方は名前も名乗らないし、意思疎通ができなかったです。
もう何を言っているのか意味不明でした。こちらの状況が伝わらないみたいでひどい対応でした。
けっきょく担当者が何を言っているのかがわからず、Amazonの購入画面からたまたま「購入履歴」を見て、ライブラリに移動するをクリックすると運良く「シリアル番号」が見られたという超わかりづらい仕組みでした……。
これには衝撃です。担当の方もシリアル番号が当然そこにあるとわかった上で話していたんですね。それがわからないから聞いているのに。
さて、今回はタイピングソフトの「ほんとのタイピング9」のレビューでした。
すごく丁寧に作られていて、キーの網羅性はあるのですが初心者にとってはすごくわかりにくい作りになっています。はっきり言ってオススメできません。
対応OS | Windows Vista, Windows 7, Windows 8, Windows 8.1, Windows 10, Macintosh |
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操作性・使い方の明瞭さ | ★★★★☆ |
ホームポジションの説明 | ★★★☆☆ |
どの指でどのキーを打つかの説明 | ★☆☆☆☆ |
練習スケジュール | ★☆☆☆☆ |
練習のバリエーション | ★★★☆☆ |
「ち」を「chi」に変更する設定 | ★★★★★ |
飽きない工夫があるか | ★★★☆☆ |
その他入力の練習の有無 | カナ入力の練習が可能 |
総合評価 | ★☆☆☆☆ |
メリットといえば、カナ入力の練習ができること、ふつうのタイピングソフトでは練習しない^のようなキーの練習もできることでしょうか。
ダウンロード版はこちらです。
タイピングソフトの比較レビューはこちらです。
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