[書評]『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』ラストスパート志向がダメすぎることを学べます

こんにちは! ヨス(プロフィールはこちら)です。

今回は書籍『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である』を読んだので書評としてまとめます。

その中で「ラストスパート志向がダメ」ということを学んだのでそのことについて紹介します。

                                                     

著者 中島聡さんについて

この書籍『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である』の著者 中島聡さんは、マイクロソフトの元プログラマーです。

Windows95でマウスの右クリックやダブルクリックを開発した人」……と聞くと、すごそうな人ということが伝わってくるのではないでしょうか?

そんなすごい人の「仕事術」というのは気になりますよね。

ヨス

めっちゃ気になる!

日本には「ラストパート志向」がはびこっている

本書のなかでなんども出てくる言葉が「ラストスパート志向」です。

これは、「今の日本を代表するダメな働き方」とも「日本を覆っている病的な志向」とも言えるでしょう。

『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』
『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』

どういう志向なのかというと、締切のある仕事を締め切りが迫って初めてスタートさせるという、まさにラストスパートとして仕事をするというものです。

夏休みの宿題提出日の前日まで一切宿題をせずに、「前日になってやっと始めて、一気に終わらせる」という例を挙げるとイメージしやすいのではないでしょうか。

じつは、中村聡さんご自身が小学校3年のとき、「夏休みの宿題が終わっていなかったせいで海に遊びに行きそびれた」という体験をされたそうです。

その「くやしかった経験」から、翌年(小学4年のとき)は宿題を計画的に終わらせたのだとか!

つまり、「夏休みの宿題をラストスパートでやる」から脱却できたことが、本書の土台になっています。

ヨス

すごい小学生ですね!

わたしなんか、小学校から高校まで、実に12年間もかけて夏休みに「ラストスパート志向」を育んでしまいましたよ……。

「ラストスパート志向」の人がやらかすパターン

仕事での「ラストスパート志向」の話に戻して、ラストスパート志向の人のやらかすパターンを見てみましょう。

次のようになります。

  1. 仕事を依頼され「10日で終わると思います」と根拠なく答える
  2. 「10日もあるのでまだ余裕がある」と思い、何もしない
  3. 期日が迫り、やっと始める
  4. 間に合わないので「徹夜+低品質な仕事」をする
  5. 間に合わない上に、仕事の質が悪い

つまり、ラストスパートでやった仕事は質が悪く、さらに酷いことにけっきょく仕事が間に合わないのです。

仕事の目的は「締め切りを守ること」なのに、ほとんどの日本人はそこがわかっていないのです!

仕事の「目的」を見極めろ

たとえば、「渋谷駅で11:00に待ち合わせ」をしているとします。

わたしを含め、ほとんどの人は11:00に合わせて家を出るでしょう。

ヨス

え? 当たり前じゃないの?

……と思いますよね? でも、これだと電車のスケジュールが遅れたり、ひょんなトラブルに巻き込まれると遅れてしまいます。

つまり、待ち合わせの目的である「11:00に渋谷駅にいる」が達成できなくなるのです。

このエピソードについては本書をぜひとも読んでほしい!

「スラックを持つことの重要さ」や「仕事をこまかくわけることの大切さ」についても学ぶことが多いはずです。

ヨス

わたしは時間にルーズなので、かなり反省をしました……。

崖から飛び降りながら飛行機を組み立てろ!

そして、日本人の悪癖とも言える「ラストスパート志向」から卒業するために必要なのが、「ロケットスタート仕事術」と述べられています。

本書のなかで中村さんが何度も言っているこちらの言葉にすべて集約されています。

崖から飛び降りながら飛行機を組み立てろ!

もう、ものすごい例えで衝撃を受けますが、イメージできるのではないでしょうか?

飛行機を作ってから崖から飛び降りていたのでは間に合わないのです。

とりあえず飛び降りてから飛行機を組み立てる……、つまり「とにかく仕事を始めろ」ということでしょう。

すべては「ロケットスタート」がカギをにぎる

その「ロケットスタート」ですが、すべてにおいて成功するカギをにぎっています。

中島さんが「夏休みの宿題を計画的にやるようにした」という例を挙げましたが、もうひとつ勉強に関して、本書で例が挙げられています。

それが、予習の大切さについてです。

授業を受けてから復習をするのではなく、まずは「ロケットスタート」で予習をしてから授業に望む。

まず、予習をしてわからないことを明確化します。

そのうえで授業にのぞみ、授業でわからないところを理解するというパターンがもっとも少ない労力で勉強を攻略すると書かれています。

ヨス

これはすべての子どもに伝えたいっ!

じつはわたしの中3の娘は、昨年から塾に通うことで、この「予習」ができるようになり、テストの成績がグッと上がりました。

ほんとうは、自分で予習できるのが一番いいんですけどね。お金がかからないし……。

「目的を考える」という大切さ

本書を読んで、日本で育つと「目的を考える」という体験が少ないことが問題だと強く感じました。

そもそもですが、「学校で勉強する」は人生の目的ではありません。

「やりたいこと」という目標があって、それを達成させるための手段が勉強なんですよね。

英語の勉強をしている人が多いのに、話せる人が少ないのもそうです。

大学受験やTOEICで点を稼ぐことが「現在の英語の目的」になっていますから……。

わかりやすい例を挙げると、「英語を勉強すること」が目的になっていて、「なぜ英語を勉強するのか?」が抜けている人も多いです。

参考: 「英語を勉強するぞ」の前に「なぜ英語を勉強したいのか?」を明確にしよう | 英語びより

「手段」を「これが目的だ!」と勘違いすることが不幸な人を生み出している気がします。

そのためにも、学校教育からなんとかしていってほしいですね……。意味のわからない校則なんてマジでいらないでしょ。

(※ わたしは日本の学校についてのコラムもいろいろと書いています)

今回紹介した書籍『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である』ですが、インパクトのある表現と、中島聡さんの体験からくる言葉で書かれており、非常におもしろかったです。

この書評でまとめている部分だけでも本書で実際に読んでください。

そして、実践することで人生のクオリティ、仕事のクオリティが上がるはず。

       

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