「日本の接客は世界一だ!」という言葉を素直に喜べない理由

こんにちは! ヨス（プロフィールはこちら）です。

ときどき「日本の接客は世界一だ!」というセリフを耳にします。

確かに日本での接客は海外よりいい場合が多いかもしれませんが、わたしはこの状況を手放しで喜んでいません。

なぜなら、どんなに安い店に行っても接客の質がいいのが当たり前で、相対的に接客の価値が下がっているからです。

今回は、普通のお店に行くときに高度な接客を期待するのはやめようというお話です。

日本のお店の接客は質がいいのか?

そもそもの話ですが、日本のお店の接客は本当に質がいいのでしょうか?

これに関しては、ほとんどの人は「いいに決まっている」と答えるでしょう。

わたしも同感です。

ただ、個別に見ていくと、いろいろとイライラすることはありますよね。

たとえば、100円の商品をクレジットカードで買ったときに、いちいち「1回払いですか?」とマニュアルどおりに聞いてくるのはイラッとします。

100円を10回払いとかで払うわけないだろー!

丁寧すぎる「おかしな日本語」を使う店員さんにもイラっときます。

あと、タバコのニオイが服に染み付いていて臭い店員さんとか、タメ口で話しかけてくる店員さんとか、最高レベルでイライラします。

こうやって見ていくと、接客自体はよくてもイライラする場面は意外と多いかもしれませんね。

でも全般的に見て、嫌な気分になる確率は低いと言えます。

海外のお店の接客は質が悪いのか?

今度は、海外のお店での接客を見てみましょう。

わたしはスコットランド、アメリカ、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、マレーシアに行ったことがあります。

わたしの体験としてこれらの国だけでの話になってしまいますが、日本と比べると接客レベルは低い気がします。

これもあくまで
日本と比べると(・・・・・・・)……です。

日本と比較しなければ、基本的には不愉快になることはほぼありません。

日本基準で考えるのはやめましょう!

海外の接客が悪くなる店の傾向

ただし海外では、考えられないほどひどい対応を受けた経験は何度かあります。

混んでいるときにあからさまに適当な対応をするとか、ドライブスルーでメニューを決めるのに手間取ってると「早くしろ」と怒鳴るとか……。

こういう話を聞くと、「だから海外は……」と言いたくなりそうですが、待ってください。

実は、そういうお店には傾向があるのです。それは次の2つになります。

かんたんに言うと、接客をよくすることが店員さんの利益にならない店ほど接客の質は低い傾向があります（← もちろん全部じゃない!）。

逆に、客単価が高く、チップも必要なお店に行くと、日本のお店以上の接客を受けることもありますよ。

ちなみに、接客がいいともらえるチップの金額も上がりますよ〜。

お店によってはチップだけ(・・)で日本の普通のサラリーマンの数倍稼いでいる人もいますから……。

逆に、接客の向上が店員さん側にメリットがない場合は先述したような「最悪の接客レベル」に出遭う可能性が上がります。

大ざっぱですが、日本と海外のお店の対応をまとめてみました。

日本

• どの店に行っても、そこそこ対応がいい
• 高級な店ほど対応がよくなる

海外

• 安い店は対応が悪いことがある
• 高級な店ほど対応がよくなる

基本的には接客は「個人の能力」だということは前提として知っておいてください。

日本人は相手に求めすぎでは?

たとえば、日本だとファーストフード店やコンビニでも接客レベルがそこそこ高いですよね?

でも、働いている店員さんの給料は、外国と比べて決して高いとは言えないでしょう。

いじわるな言い方をすると、日本で働いている人は海外と同じレベルの給料（もしくは低い）にもかかわらず、質の高い接客をさせられているということです。

接客レベルが高いのが当たり前になりすぎているから。

これはいいことなのでしょうか? 安い賃金で必要以上に搾取されていませんか?

わたしは、次の原則は崩れないほうがいいと思ってます。

いい接客を受けたければお金をたくさん出す。
安さを求めるなら接客の質は我慢する。

日本ではお金をあまり出さなくても「いい接客」が受けられるため、接客に対する価値が低くなっている気がするのです。

「人件費」という意識を持とう

少し話が変わりますが、働いている人には人件費がかかって、仕事によって金額が違いますよね?（参考: 人件費について）

誰でもできる仕事なら時給800円ぐらいですが、スキルが求められる職なら時給換算で1万円を超える人もたくさんいます。

ここでわたしが抱いている疑問はこちらです。

「高度な接客」は誰にでもできるの?

いいえ、できるはずがありません!

接客の苦手なわたしは、がんばっても高度な接客はできません!!

つまり、高度な接客ができる人はスキルがあるからということを、日本にいる多くの人は気づいていないのです。

安い賃金で働いている人にまで高レベルな接客を期待することによって、皮肉なことにレベルの高い接客の「価値」を低くしているのです。

だからと言って、「みんな、接客の質を下げようぜ!」というのもおかしな話ですので言いません（笑）。

高級レストランなどに行くときならいいのですが、普通のお店に行くときに過剰な接客を期待するのもやめませんか?

100円ショップで、ほしい商品が普通に買えればいいわけで、「ありがとうございます」がぶっきらぼうでも別にいいじゃないですか?

あいさつされなくてもいいじゃないですか?

もっと高度な接客を受けたければ、もっと高価なお店でいっぱいお金を出しましょう!!