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こんにちは! 夫婦別姓を20年以上実践しているヨス(プロフィールはこちら)です。
夫婦別姓に反対している人のほとんどが勘違いしていることがあります。
それは、「選択的夫婦別姓」を望んでいる人が「夫婦別姓になりたい」と思っているわけではないことです。
え? どういう意味?
……と思ってしまいそうな書き方ですが、今回は選択的夫婦別姓を望んでいる人が「夫婦別姓」を望んでいる人ばかりではないというお話です。
目次
「夫婦別姓」を望んでいるわけじゃない?
さて、冒頭で意味深な書き方をしました。
じつは、「夫婦別姓が選べる社会を待っている人」=「夫婦別姓にしたいと思っている人」ではありません。
ほとんどが「夫婦は別々の姓であるべきだ!」とは思っていないという意味です。
本当は「同姓にしたい」と思っている人もたくさんいるというわけです。とくに女性に。
「同姓にしたいと思っているのに、選択的夫婦別姓を望んでいるってどういうこと?」と思いますよね?
つまり、こういう人たちがたくさんいる……ということです。
「オレが名字を変えるなんて嫌だ」と言って
夫が姓を変えてくれない。
本当は夫に姓を変えてほしいけど、
「夫に悪い」と思って言えなかった……。
ただ単に「自分の姓のままでいたかった」という女性が多い
そうなのです。
多くの女性は「夫婦で別々の名字を名乗りたい」という理由から選択的夫婦別姓を望んでいるわけではありません。
そもそも「夫婦同姓」でいいと思っていた人がほとんどなのです。
夫に名字を変えてもらい、自分が生まれたときの姓のままでいたかっただけなのです。
でも、「姓は女が変えるもの」という考え方の男性が多いため、相手が姓を変えてくれない。
夫が「自分の名字を変えたくない」と思ったら、何事もなくすんなりとその願望が通るのに、なにこの不公平さ!
こういう相談は、何度か当事者に聞いたことがありますが、「女だから」という理由で泣く泣く妥協してしまう人が多いんですよね……。
そうなると、女性が「自分の姓のままでいたい」という願望を叶えるには、夫も妻も改姓しなくてもいい「夫婦別姓」しか解決方法がないのです。
改姓したくない女性は「ワガママ」なの?
「生まれたままの姓でいたい」という女性に対して、次のように思う人もいるかもしれません。
なんてワガママな女だっ!
うーん……。そもそも、なぜ女性が「自分の姓のままでいたい」と思うことがワガママなのでしょうか?
おかしくないですか? 結婚した女性が姓を変えることに合理性なんてありません。
そもそも、日本の法律では「結婚して、男性が姓を変えてもいい」のに!
これがワガママなのであれば、女性が「結婚したら私の姓になって!」と言ったときに「嫌だ!」と言う男性もワガママだということになります。
でも、こういう場面でもなぜか責められるのは女性だけです。結婚したら女が姓を変えるのが「普通」だということになっているから。
選択的夫婦別姓は男性の問題
もしも……の話です。
もし、すべての男性がためらいなく姓を変えてくれる社会だったならどうでしょうか?
つまり、こういうやりとりが普通である社会です。
結婚したら私の名字になってね。
オッケー♪
もし、日本がこんな社会だったなら、「選択的夫婦別姓」は必要なかったのかもしれません。
そう考えると、選択的夫婦別姓が日本に必要なのは、男性側の問題だと言えるでしょう。
でも、すべての男性が「結婚したら男性が姓を変える」という社会に納得できるなんてありえません。社会にはいろいろな考えを持った人がいるからです。
「自分が姓を変えることに抵抗がない」という人もいれば、必ず「自分が生まれたときの姓のままでいたい」という人も出てくるからです。
これが多様性です!!
「選択的夫婦別姓」が必要になる元凶は男性なんだから、もっと真剣に考えるべきだと強く思います。
「結婚して姓を別々にしたい人が理解できない」という批判は的外れ
ときどき、こんな意見を言う人がいます。
- 結婚して名字を別々にしたい人が理解できない
- 改姓したくないような相手と結婚するな
いやー、本当にこういう意見は的外れですよね……。
夫婦で別々の姓を名乗りたいから選択的夫婦別姓を望んでいるわけじゃないのに……。
本当は夫婦同姓がいいけど、「夫が変えてくれない」から仕方なく両方が変えなくてもいい仕組みが必要なだけ。
たとえばですが、「結婚したら必ず男性が姓を変えなくてはならない」という法律にしたらどうでしょうか?
考えなくてもわかりますよね。「オレは自分の姓のままでいたいんだよ!」という男性が殺到します(笑)。
それが今、女性側から起こっているのですから。
現状では1つの価値観を持った人しか幸せになれない
日本の現状では、「結婚したら夫(妻)の姓になりたい」と思っている人しか幸せになれません。
「自分の姓のままでいたい」と思っている人は結婚を諦めるか、その思いを諦める必要があるからです。
「結婚して姓を変えるのは女性の幸せだろ?!」と言う人もいますが、それは視野がせますぎます。
世界にはいろんな価値観の人が存在するのです。
「結婚しても自分の姓でいたい」と思っている人も幸せになれる社会をめざしましょう!
それが多様化社会ですから。
さて今回は、選択的夫婦別姓を望んでいる人すべてが「夫婦別姓にしたい」と思っているわけではないというお話でした。
「女性が自分の姓のままでいたい」という願いは、法律がどうの……という問題ではありません。
「結婚したら女性が改姓するもの」という慣習によって封じ込められているのです。
つまり、「夫が改姓してくれない」という問題を解決するための「苦肉の策」として、「夫婦別姓」という選択肢を選ぶのです。
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