時短の極み! PhraseExpressでできる8つの使い方を厳選して紹介(Windows/Mac)

こんにちは! ヨス(プロフィールはこちら)です。

文字入力の効率化を極めるときには欠かせないのがスニペットツール

WindowsMacで使える「PhraseExpress」を使いたおしていますか?

今回はPhraseExpressでできる8つの使い方を紹介します。

「変数」を使うやりかたを紹介しているのでコピペで使えますよ!

「キャレット(カーソル)」の位置を操る

まず、1つ目に紹介するPhraseExpressでできることは、キャレットの位置を操ることです。

キャレットというのは、次のアニメーション画像でピコピコと動いている部分。

キャレット
キャレット

カーソルと呼んでもいいのですが。

次のアニメーション画像のキャレットの位置を見てください。

キャレットが指定したところに移動する
キャレットが指定したところに移動する

登録した文章がダーッと入力されたあと、キャレットが「様」の前にワープしました。

普通は、文章の一番最後にキャレットがくるのに!

このように、キャレットの位置を指定するとかなり便利ですよ。HTMLコードを書くときも<h2></h2>の間にカーソルがくるように設定するなどもおすすめです。

キャレットの位置を設定したいときは以下のコードを使います。

{#cursor}

キャレットを挿入する例

{#cursor}


いつもお世話になっております。


(株)ピザ・クイテーナのヨスです。


先日は、◆◆をお送りいただき、ありがとうございます。


お手数ですが、領収書の発行をお願いいたします。


よろしくお願いいたします。





ヨス

上の例のように{#cursor}を差し込んだ場所にキャレットがくるようになります。

クリップボードにコピーされたテキストを挿入

2つ目に紹介するPhraseExpressでできることは、クリップボードにコピーされているテキストを文章中に挿入する方法です。

説明するよりこちらのアニメーション画像をご覧ください。

クリップボードにコピーされている文字列が挿入される
クリップボードにコピーされている文字列が挿入される

あらかじめクリップボードにCtrl+Cでコピーしていた山田という文字が、3箇所にスッと入りました。

1つの文面の中の複数箇所に同じ文字を挿入するときに特に便利

2回も3回もペーストしなくてよくなります。

クリップボードにコピーした文字を出したいところに次のコードを入力すればオッケーです。

{#insertclipboard}

クリップボードの文字列を挿入する例

{#insertclipboard}


お世話になっております。株式会社ピザ・クイテーナのヨスです。


{#insertclipboard} 様にご相談したい件があり、ご連絡させていただきました。



先日お話ししていた◆◆の件について、詳細をお送りいたしますので、ご確認いただけますでしょうか。


また、{#insertclipboard}様のご都合のよい日程をお知らせいただければ、打ち合わせの調整をさせていただきます。



お忙しいところ恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いいたします。


ヨス

上のように{#insertclipboard}を入れた箇所すべてにクリップボードに入っている単語が入ります。

クリップボードに{#insertclipboard}という文字列をコピーしたまま、{#insertclipboard}が入った文章を起動させるとアプリが落ちます。

ほかの変数を挿入

3つ目に紹介するPhraseExpressでできることは、ほかのところで作った変数を、変数の中に組み込むことです。

かみくだいて説明しますね。たとえば、メールの一番下に次のようなフッターを毎回入れますよね?

フッターの例

--------------------
株式会社 ピザ・クイテーナ
代表 ヨス
電話: 012-234-4567
Eメール: info@example.com
--------------------

まずは、これをPhraseExpress「footer;」と入力すれば出るように設定します。

メールのフッターをスニペットツールで呼び出している例
メールのフッターをスニペットツールで呼び出している例

そして今度は次のように、ほかの登録画面で{#insert footer;}と入力します(一番最後のところ)。

ほかの変数を挿入する例

{#cursor} 様


いつもお世話になっております。


(株)ピザ・クイテーナのヨスです。


(以下省略)


{#insert footer;}

すると、最後の{#insert footer;}のところに、さきほどのフッターを読み込んでくれます。

つまり、{#insert 呼び出し変数}を入れることで、登録内容を、べつの登録内容の中に読み込めるんです。

1箇所で管理しておけば、メルアドが変わったとしてもすぐに直せるというわけ!

時間を計算して挿入

4つ目に紹介するPhraseExpressでできることは、パソコンの時計から今の時間を取得して、計算し、「明日」や「明後日」の日付けを出すことです。

これは使い方によってはかなり便利ですよ。

日付を指定した場所に入れられる
日付を指定した場所に入れられる

日付や時間を出すためには{#datetime}という変数を使います。

{#datetime}の例

{#cursor} 様


お世話になっております。株式会社ピザ・クイテーナのヨスです。


昨日({#datetime -f yyyy年m月d日 -s -1D})にお送りした資料について、ご確認いただけましたでしょうか。追加のご質問などございましたら、お気軽にお知らせください。


また、本日({#datetime -f yyyy年m月d日})中にご返信いただけますと、明日({#datetime -f yyyy年m月d日 -s 1D})の打ち合わせで詳細を詰めることが可能です。
1

なお、1週間後の{#datetime -f m月d日 -s 7D}には最終的な調整を行う予定ですので、それまでにご意見をいただけますと幸いです。


お忙しいところ恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いいたします。


{#insert footer;}

基本的な変数

日付を出す変数はいろいろとあるので、まずは基本の変数を紹介します。

今日の日付
(2014/09/20)
{#DATE}
今の時間
(0:02:24)
{#TIME}
※ 何時何分何秒まで出ます
今日の日付と今の時間
(2014/09/20 0:02:24)
{#DATETIME}
カレンダー{#formcalendar -f yyyy年m月d日 -variablename Calendar}
※ カレンダーが出てきて、日付を選択できる。
使える変数(基本)

微調整可能な変数(日付)

そして、今度は微調整のできる変数を紹介しましょう。

今日の日付け
(例:2014年9月18日木曜日)
{#datetime -f yyyy年m月d日ddd曜日}
yyyyが「年」で、mが「月」、dが「日」、そしてdddが「曜日」に置き換わります。
明日の日付け
(例:2014年9月18日金曜日)
{#datetime -f yyyy年m月d日ddd曜日 -s 1D}
※日付けのあとに -s 1Dをつけると、今日の日付けに1プラスされます。明後日なら -s 2Dです。なお、1か月後なら-s 1Mになります。
昨日の日付け
(例:2014年9月17日水曜日)
{#datetime -f yyyy年m月d日ddd曜日 -s -1D}
※日付けのあとに -s -1Dをつけると、今日の日付けに1マイナスされます。一昨日なら -s -2Dです。なお、1か月前なら-s -1Mになります。
微調整可能な変数(日付)

上の表のように「年」「月」「日」だけでなく「曜日」も出力されます。

Mac版PhraseExpressでは「曜日」が漢字で出ず、火曜日が「Tue曜日」と出ます。

ほかには、「250918(2025年9月18日の意味)」のようなコードも「{#datetime -f yymmdd}」のようにして出力できます。

「年」や「月」を2桁にしたいときは、yyyにするだけでOKです(「月」ならmm、「日」の場合ならddですね)。

そのほか時間に使える変数(その他)

今の時間
(例:13:55)
{#datetime -f t}
tが「今の時間」に置き換わります。日付けも合体させたいときは、{#datetime -f yyyy年m月d日(ddd)t}のように繋げるだけでいけます!
今年に入って何週目か
(例:38週目)
{#datetime -w}週目
今年に入って何日目か
(例:261日目)
{#datetime -d}日目
そのほか時間に使える変数

入力ウィンドウを出す

5つ目に紹介するPhraseExpressでできることは、「入力ウィンドウ」を出すことです。

これもアニメーション画像をご覧ください。

入力ウィンドウが出現して入力した文字列が反映される
入力ウィンドウが出現して入力した文字列が反映される

出現した入力ウィンドウに入れた文言が、指定していた場所にそのまま入力されています。

ウィンドウを出現させるには{#input}という変数を使います。

{#input}の例

{#input -single -head 会社名は?}
{#input -single -head 個人名は?}

いつもお世話になっております。

株式会社 ピザ・クイテーナのヨスと申します。

{#input -head 内容は?}


{#insert footer;}

{#input -single -head 会社名は?}という変数を設置すると、「会社名は?」という質問が書かれたウィンドウが出現します。

この中にある-singleは、1行だけの入力欄という意味です。これを入れない場合は、複数行の入力欄になります。

1行になると、入力したあと、Enterを1回押すだけで次の項目に行くようになるので、できるかぎり-singleを入れるのをオススメします!

なお、{#input -single -required -head 個人名は?} のように-requiredを追加すると「入力必須項目」になります(入力しないと次の項目にいけなくなる)。

入力フォーム

6つ目に紹介するPhraseExpressでできることは、、「入力フォーム」を出現させることです

先述した「入力ウィンドウ」となにが違うかというと、「チェックボックス」「プルダウン」なども設定できること。

こちらの日記をPhraseExpressで登録していく例をご覧ください。

入力フォームに入力していく
入力フォームに入力していく

フォームを出現させるには{#forminput}という変数を使います。

{#forminput}の例

■ 一日の評価
━━━━━━━━
{#forminput -vals 良かった|あんまり -def 良かった -items 良かった|あんまり -type 6 -text 今日はいい日だった?}


■ 昨日の睡眠の質
━━━━━━━━━━
{#forminput -vals ★★★★★|★★★★☆|★★★☆☆|★★☆☆☆|★☆☆☆☆ -def ★★★★★ -items ★★★★★|★★★★☆|★★★☆☆|★★☆☆☆|★☆☆☆☆ -type 4 -text 昨日の睡眠の質}


■今日の天気
━━━━━━━━
{#forminput -items 晴れ|曇り|雨|雪 -text 今日の天気 -vals 晴れ|曇り|雨|雪 -uncheckedvals ||| -enum | -type 7 -lastenum |}


■本日食べたもの
━━━━━━━━
{#forminput -def うどん -type 0 -text 今日は何を食べましたか?}


■本日の学び
━━━━━━━━
{#forminput -type 1 -required -text 本日の学び}

では、上で入力している変数を細かく見ていきましょう!

{#forminput -vals 良かった|あんまり -def 良かった -items 良かった|あんまり -type 6 -text 今日はいい日だった?}ラジオボタンを作る変数です。「-vals」と「 -items」のあとに選択肢を「A|B|C|D|E」のように入れていきます。「-def」の部分で最初選んでおくものを指定できます。
{#forminput -vals ★★★★★|★★★★☆|★★★☆☆|★★☆☆☆|★☆☆☆☆ -def ★★★★★ -items ★★★★★|★★★★☆|★★★☆☆|★★☆☆☆|★☆☆☆☆ -type 4 -text 昨日の睡眠の質}プルダウンを作る変数です。「-vals」と「 -items」のあとに選択肢を「A|B|C|D|E」のように入れていきます。「-def」の部分で最初選んでおくものを指定できます。
{#forminput -items 晴れ|曇り|雨|雪 -text 今日の天気 -vals 晴れ|曇り|雨|雪 -uncheckedvals ||| -enum | -type 7 -lastenum |}チェックボックス欄を作る変数です。「enum」「lastenum(最後にくる区切り)」の部分で、複数回答したときの区切り記号を変えられます(例:カンマやコロンなど)。「-uncheckedvals |||」のところを「-uncheckedvals −|−|−|−」のようにすると、チェックを入れなかったときに「−」が出ます。
{#forminput -def うどん -type 0 -text 今日は何を食べましたか?}1行テキスト入力欄を作る変数です。「 -def うどん」の部分で、入力欄にはじめから入れておきたい文字を入力できます。
{#forminput -type 1 -required -text 本日の学び}複数行を表示させる変数。最後に入れてある「 -required」を入れることで、必須入力項目になります。
フォームで使われる変数のまとめ

プルダウンやラジオボタンに変更したいときは「type」のところで変えますよ。

1行テキストtype 0
複数行テキストtype 1
プルダウンtype 4
ラジオボタンtype 6
チェックボックスtype 7
フォームで使われる変数のまとめ2

計算する

7つ目に紹介するPhraseExpressでできることは、計算することです。

たとえば、入力した数字を計算する方法があります。

たとえば、次の変数を入れると、10%の消費税を上乗せ計算してくれます。

{#calc}の例

お支払い金額は、合計で{#calc {#input -head 数字を入力してください! -single}*1.1 -thousands ,}円(税込)となります。

これを呼び出すと、ウィンドウが出現し、そこに入力した数字に1.1をかけてくれます(=消費税)。

*1.1の部分を変更して「*1.24+500」のようにすると「×1.24+500」の意味です。

「 +(足す)」「 -(引く)」「 *(かける)」「 /(割る)」を使いますよ。

プログラムを実行

8つ目に紹介するPhraseExpressでできることは、プログラムを実行させること。

ある特定のソフトを立ち上げたり、ショートカットキーを押すといったことを自動設定できます。

指定のフォルダーを開く{#openfolder D:Dropbox¥1_漫画¥1_ドラゴンボール}
指定のURLが開く{#url https://yossense.com/}
指定のキーを押す{#CTRL -chars p}
(※Ctrl+Pを押すという意味)
{#enter}
(※Enterキーを押すという意味)
{#SHIFT -chars a}
(※Shift+Aを押すという意味)
{#SHIFT {#ALT -chars s}}
(※Shift+Alt+Sを押すという意味)
少し待つ{#sleep 1000}
(※1000ミリセカンド=1秒間なにも動作をせずに待つ)
プログラムの実行例

ここまでくると、もはや文字入力ツールではありませんね(笑)。

たとえば次のように、プリントアウトのウィンドウを出してEnterキーを押すまで自動化ができます。

キーを押す例

{#CTRL -chars p}{#sleep 1000}{#enter}

これはCtrl+Pを押して、1秒待って、Enterを押すようにするプログラムです。この1秒待たせる理由は、プリントアウトのウィンドウが完全に立ち上がるのを待つため。

会社の事務をしているときに応用すると、面倒な作業が一発で完了しそうですね。

【おまけ】カンニングペーパーをどうぞ

いろいろ変数があって覚えられないと思うので、カンニングペーパーを作りました。

kanningu;」などで登録しておくと、見たいときにサッと呼び出せて便利ですよ~!

カンニングペーパー

【1】カーソル
================
{#cursor}



【2】クリップボードのペースト
================
{#insertclipboard}



【3】挿入
================
{#insert 変数}



【4】日にち
================
今日→ {#datetime -f yyyy年m月d日}
- - - - - - - - - - - - - - -
昨日→ {#datetime -f yyyy年m月d日 -s -1D}
- - - - - - - - - - - - - - -
明日→ {#datetime -f yyyy年m月d日 -s 1D}
- - - - - - - - - - - - - - -
今の時間→ {#datetime -f t}



【5】入力ウィンドウ
================
複数行欄→ {#input -head 質問}
- - - - - - - - - - - - - - -
1行欄→ {#input -single -head 質問}
- - - - - - - - - - - - - - -
必須項目→ {#input -head 質問 -required}



【6】入力フォーム
================
ラジオボタン→{#forminput -vals 回答A|回答B -def 回答A -items 回答A|回答B -type 6 -text 質問}
- - - - - - - - - - - - - - -
チェックボックス→ {#forminput -items 回答A|回答B|回答C -text 質問 -vals 回答A|回答B|回答C -uncheckedvals ||| -enum | -type 7 -lastenum |}
- - - - - - - - - - - - - - -
プルダウン→ {#forminput -vals 回答A|回答B|回答C -def 回答A -items 回答A|回答B|回答C -type 4 -text 質問}
- - - - - - - - - - - - - - -
回答例入り(1行)→ {#forminput -def 回答例 -type 0 -text 質問}
- - - - - - - - - - - - - - -
複数行(必須項目)→ {#forminput -type 1 -required -text 質問}



【7】数字
================
消費税計算→ {#CALC {#INPUT -head Number? -single}*1.08}



【8】プログラム実行
================
指定のフォルダーを開く→ {#openfolder フォルダーのパス}
- - - - - - - - - - - - - - -
指定のURLが開く→ {#url WEBページアドレス}
- - - - - - - - - - - - - - -
Ctrl+P→ {#CTRL -chars p}
- - - - - - - - - - - - - - -
Enterキーを押す→ {#enter}
- - - - - - - - - - - - - - -
Shift+Aを押す→ {#SHIFT -chars a}
- - - - - - - - - - - - - - -
Shift+Alt+Sを押す→ {#SHIFT {#ALT -chars s}}
- - - - - - - - - - - - - - -
少し待つ→{#sleep 1000}

PhraseExpressにはやれることがこんなにあるということがわかっていただけたと思います。

ぜひ、自分なりにカスタマイズして使ってくださいね。