【バセドウ病闘病記: 7 】アイソトープ後の3ヶ月間

こんにちは! ヨス(プロフィールはこちら)です。

私はバセドウ病が発覚し、最初はメルカゾールによる薬物治療をしていたのですが、アレルギーのため中止になり、急遽「アイソトープ(放射線治療)」に切り替えました。

今回はその後、アイソトープを飲んだあと3ヶ月間のお話です!

アイソトープ服用後の3ヶ月間

では、アイソトープを飲んだ後の3ヶ月間のことをまとめます。

アイソトープ服用後3ヶ月の経過

以前書いたアイソトープを飲んだあとの放射線についての記事でも書きましたが、アイソトープを飲むと、しばらくの間、私の身体から微量の放射線が出ます。

なので、アイソトープを飲んだ後一週間、病院でプチ隔離されて過ごしました。でも入院は1週間で終わりで、すぐに家に帰ったのですが、うちには幼児がいます。やっぱりちょっとでも放射線が出ていると思うと気持ち悪いですよね。

そこで、退院後2週間は余分に、隔離して違う部屋で生活しました。

アイソトープが効くまでの繋ぎ

私の服用した「アイソトープ」という放射線治療ですが、これは即効性がありません。ちゃんと薬が効いて甲状腺ホルモンが抑えられるまで、なんと3ヶ月もかかります!

でもその間、バセドウ病のしんどい状態を放置しておくわけにはいけません。かと言って、バセドウ病の薬「メルカゾール」も「チウラジール」も私の身体に合わないため、薬で繋ぐわけにはいきません。

その間ですがどうすればいいんでしょうか? でも心配無用でした。とっておきの薬があったんですよッ!

それが「ヨウ化カリウム丸」という薬です。薬というか「ヨウ化カリウム」を固めたものです。

甲状腺をだます薬?!

ヨウ化カリウム丸

この「ヨウ化カリウム丸」というのは何でしょうか?

この薬は簡単に言うとヨードの塊なんです。ヨードというのは、甲状腺ホルモンを作ってくれる大事な要素で、甲状腺でのみ、取り込まれる性質を持っています。なので、アイソトープ治療でも、このヨードに放射線を乗せて、甲状腺にのみ放射線を届けました。

この「ヨウ化カリウム丸」を飲むと、ヨードを大量に摂取することになります。これによって急激に大量のヨードが体内に入ることで、身体が「アカン!! これは緊急事態っ!」と反応して、なんと逆に甲状腺ホルモンの生産を抑えるらしいんですね。おもしろい。

つまり、本来なら、甲状腺ホルモンが増加しそうな薬ですが、逆に歯止めをかけてくれるというわけ。副作用もないし最高ですよ。

なんで最初からこの薬をくれないの??

いやね、こんなに良い薬があるんだったら、なんでこの薬を最初から飲ませてくれないのか?!と思いますよね。私なんて、メルカゾールという薬で肝臓を悪くしたんですよ! これを最初から飲んでおけばよかったやん!って思いますよ。

でも、この薬は結局のところ、甲状腺をだましているため効果が長続きしないそうです。

身体がだませなくなると、逆に甲状腺ホルモンが増えまくって、バセドウ病の症状が悪化してしまいます。まぁ、そもそも甲状腺ホルモンを作るために必要なヨードの塊を飲んでいたんですから当然です。

つまり、短期間だけ早急に甲状腺ホルモンを抑えたいときにだけ使えるんですね。例えばバセドウ病の手術をする前とか、このときの私のように、アイソトープの効き目が出るまでのしばらくの間の歯止めとしてとか。

確かにこの「ヨウ化カリウム丸」の効き目はバッチリでした。アイソトープが効く前の時期も快適に過ごせました。治ったと錯覚するほど(笑)。

3ヶ月ぐらいで「ヨウ化カリウム丸」は中止

アイソトープを飲んでからしばらくお世話になっていた「ヨウ化カリウム丸」ですが、ちょうど3ヶ月ぐらいで中止になりました。もちろん、放射線治療の効果が現れてきたからです。

経過を書くと、2月に飲み始めたときは3錠だったのですが、それが3月には2錠、4月には1錠と一ヶ月で1錠ずつ減らしていきました。

そして「ヨウ化カリウム丸」を中止するのと同時に飲み始めた薬がチラーヂンという新しい薬です。「シ」に点々の「チラージン」ではなく「チ」に点々の「チラーヂン」なんですね。どっちでもええけど(笑)。

退院してからの変化

今度はアイソトープ治療の入院から退院して、放射線が効いてくるまでの3ヶ月間に、私の身体に起こった変化をまとめてみます。

薬を飲み込みにくいという症状

まずは「薬が飲み込めない」という症状です。

私は固形の薬10粒を一気に飲むのも余裕なぐらいだったのですっごく違和感を感じました。たかだかこんなに小さな玉(ヨウ化カリウム丸)を3粒飲み込めないなんて!?

なので、次の診察で貰った薬は、薬屋さんに粉砕処理をしてもらいました。ところがこの「ヨウ化カリウム丸」ってめちゃくちゃ固い薬なんです。石みたいに。なので、うまく粉末状にならず(笑)。

困ったなぁと思っているうちに、飲み込みにくいという症状は治りましたので、よかったんですけどね。やっぱり甲状腺が腫れていたとかそういう関係で飲み込みにくくなっていたのかなと思います。1年以上経った今では、何粒でも同時に飲み込めます。

目に異常があることに気づいた

退院してしばらくして気づいたのですが、私、二重まぶたになってしまいました。生まれつきは間違いなく一重まぶただったはず。ほら、この下の写真を見比べてください。

プロフィール写真を新しく!
プロフィール写真を新しく!

左が元々の目(2012年撮影)で、右が退院後(2014年撮影)の目です。2年ぐらい経っているのでシワが増えたことはさておき(笑)。

バセドウ病が原因で二重まぶたになったとは断言できないのかもしれませんが、どう考えてもおかしいですよね。もちろん整形手術なんて、断じてしてませんよ。バセドウ病が原因で目に異常が生じるのはときどき聞く話ですし。

そうそう。バセドウ病でときどき聞く「目が飛び出る」みたいな表現ですが、あれは「眼球突出」というやつですね。

目の裏側にある「目を動かす筋肉」などに炎症が起き、それが原因で、筋肉の前にある眼球に押されるような力が加わるそうです。そして目が収まっているところから目がちょっとはみ出す感じになるんです。

本当に目が飛び出るのではありませんが、ちょっと目玉が前方に腫れてるように出る感じでしょうか。私の場合、その症状はないと言われました。

バセドウ病の患者様に突眼[とつがん]症などの目の症状が出ることは、この病気が発見された頃から知られていました。突眼症、内分泌性眼症、甲状腺眼症、甲状腺関連性眼症などと呼ばれています。バセドウ病の患者様にとって心配のひとつは「目が出る(目がとびだす)」ことです。しかし、バセドウ病の患者様全員に目の異常が出るわけではありません。臨床的に明らかな突眼は、バセドウ病患者様の約10%程度です。まぶたの異常も含めると30%位になると言われています。

甲状腺疾患専門の隈病院ホームページ|バセドウ病眼症より引用しました。

目に異常が現れるのは患者の10%程度で、私のようにまぶたやまつ毛なんかも含めると30%程度になるそうです。

病気になる前よりも疲れやすく

気になっていたのですが、退院して、薬を飲んで数値上は普通の甲状腺量になっているんです。でも、でも、病気になる前と比べると、明らかに疲れやすくなったのがわかります。

なので、主治医に相談してみたらこういうカラクリがありました。まとめてみると……。

  • バセドウ病がひどいときは、元気ホルモンとも言われる甲状腺ホルモンが過剰に出ていた
  • けど、今は健常者と同じ量しか甲状腺ホルモンが出ていない(これが普通)
  • 異常だったころと比べると激的にホルモン量が減ったので、相対的に疲れやすくなった(でもこれが普通)

とは言っても、どう考えてもバセドウ病がひどかった初期のころ(脈拍が140超えだったころ)と比べると何百倍も楽に、元気になっています。

私の場合は会社勤務じゃないのでアレですが、会社に復帰しても全然問題ないレベルに戻っていたと思います。

ときどき頭痛が……

バセドウ病の症状はかなりよくなってきたのですが、ときどき頭痛がするようになりました。

そこで主治医に聞いてみましたが「バセドウ病と頭痛は関係ないですよ(笑)」とのこと。なんかね、病気になるとなんでもバセドウ病のせいにしたくなるんですよねー。たぶん風邪とか、普通に体調を悪くしてただけだということでした。

治療費について

あ、そうそう。忘れていました。アイソトープ治療を終えてからは毎月、病院に検査に行く必要があります。

数値が安定すれば、2か月に1回になりますが、しばらくは1か月に1回が必須です。

で、その治療費が3ヶ月間はべらぼうに高いんです。たぶん通常の倍以上かかったと記憶しています。6,000円ぐらいだったかな(2年以上経った今は1,500円程度)。

理由は放射線治療の経過ということで、専門的な診療になるため、特別費用が上乗せされるそうです。

想像以上に高くてお金の用意ができてなくて、病院にツケてもらったことは内緒です(笑)。

さて、今回はアイソトープを飲んだあと3ヶ月ぐらいのことをまとめました。

基本的には薬のお陰で、甲状腺ホルモンの量が、元に戻りつつありました。でも薬でだましだましでの回復なので、アイソトープを飲んだあと3ヶ月は運動は控えたほうが良いと思います(でもここだけの話、子どものマラソン練習に付き合ったりしていましたがw)。

では次回は、「チラーヂン」と「甲状腺機能低下症」について書きます!