こんにちは! ヨス(プロフィールはこちら)です。
文章を読んでいると気になるのが文末の単調さです。
たとえば「〜です」や「〜ます」ばかりの文末が続くと単調に見えてしまうんですよね。
今回は、文末の表現を豊かにする方法について、ネットで19年以上文章を書いているわたしがくわしく紹介します。
単調な文末を避けよう
わたしが大昔に書いた文章を見ていると、気になるのが文末の単調さです。
文末はバリエーションを豊かにして、読みやすくしましょう。
文末が単調な文章の例
「文末が単調な文章」というのは、たとえばこんな文章ですね。
悪い例
今回は人件費についてお話しします。
なにかをするときには必ずあなたの「人件費」がかかっています。
テレビを見ているときも、くだらない飲み会に参加しているときも同じだけあなたの時間にはあなたの人件費がかかっています。
ぜんぶ「ます」で終わっていて、発狂したくなるんですけどっ!
過去のわたしもよくやっていました……。
今のわたしは、同じ文末が2回続かないようにしています。どんなに大目に見ても2回までかな?
同じ文末が3回続くと完全にアウトですよ!
なぜ文末が単調だといけないの?
では、なぜ文末が単調だといけないのでしょうか?
その理由についてまとめたのがこちらです。
単調な文末がダメな理由
- 飽きるから
- 稚拙に見えるから
- 信頼性が低く見えるから
飽きるから
まずは「飽きる」という理由です。
単調な文末だと、記事を読むことに飽きてしまい、続きを読むのがイヤになりませんか?
わたしは眠くなります。
稚拙だから
そして、文末が単調な文章は稚拙に見えるという理由です。
「〜です」ばかりの文章だと、子どもっぽい文章に見えてしまうのでご注意ください。
信頼性が低く見えるから
前述した「稚拙に見える」という理由から、文末の単調な文章は信頼性が低く見えます。
たとえどんなに著名な人が書いていても、稚拙な文章に見えると、こんなふうに思いませんか?
この人が言っていることって正しいのかな?
正しい文章を書いているのに、ネガティブな印象をもたれるなんてもったいないですよ!
文末のバリエーションを豊かにする方法
では今度は、「ます」「です」以外に使える文末のバリエーションを豊かにする表現を8つ紹介します。
「だ・である調」ではなく、「です・ます調」で書いていることを前提に紹介します。
文末を「質問・問いかけ」にする
最初に紹介したい簡単な方法が質問・問いかけにする方法です。
質問・問いかけの例
- ウトウトしていませんか?
- 居眠りしていないでしょうか?
これは簡単で便利な方法ですよ!
補足ですが、本来の日本語文法では「〜か」のあとは疑問符「?(疑問符)」ではなく「。(句点)」がきます。
ですが、特にネット上の文章においては、質問であることを伝えやすくするために「?」を使う場合がほとんどです。
では、先ほどの「悪い例」を改善してみましょう。
悪い例
今回は人件費についてお話しします。
なにかをするときには必ずあなたの「人件費」がかかっています。
良い例
今回は人件費についてお話しします。
たとえば、なにかをするときには必ずあなたの「人件費」がかかっています。ることをご存じですか?
問いかける文にするだけで、一気に単調さがなくなりましたね!
文末を「依頼・誘い」にする
続いて文末を「依頼・誘い」に変更する方法を紹介します。
「依頼・誘い」にする例
- 腕立て伏せもやっておきましょう。
- 腹筋もやってみてください。
- スクワットもいかがでしょうか?
ただし、「依頼」や「誘い」が多すぎると、押し付けがましく見えるので注意です。
では、先ほどの「悪い例」を改善してみましょう。
悪い例
今回は人件費についてお話しします。
なにかをするときには必ずあなたの「人件費」がかかっています。
良い例
今回は人件費についてお話しします。
まず最初に、自分が働いているところを想像してみてください。
なにかをするときには必ずあなたの「人件費」がかかっています。
「〜ください」の文を追加するだけで単調さが和らぎました。
文末を「否定」にする
文末をあえて「否定」にする方法もあります。
「否定」にする例
- そんなことやりたくありません。
- 普通はしません
否定文とはいっても「普通はしないです」だと「〜です」で終わりますよね?
これだと、「〜です」が連発する可能性が高いのです。
そこで、「〜ないです」「〜ません」という形にするだけで、文末の単調さがなくなるので、オススメですよ!
では、先ほどの「悪い例」を改善してみましょう。
悪い例
今回は人件費についてお話しします。
なにかをするときには必ずあなたの「人件費」がかかっています。
良い例
今回は人件費についてお話しします。
ふつうに生活していると、人件費という言葉は意識しません。
でも、なにかをするときには必ずあなたの「人件費」がかかっています。
否定文をあえて追加し、「〜ます」が連続するのを避けました。
最後の文を、前述した「かかっていることをご存じですか?」にしたほうがさらにイイですね!
文末を「推量」にする
文末を「推量」にする方法もあります。
「推量」にする例
- 諦めるでしょう。
- 意外に思われるかもしれません。
「推量」というのは、断言しない言いかたですね。
では、先ほどの「悪い例」を改善してみましょう。
悪い例
今回は人件費についてお話しします。
なにかをするときには必ずあなたの「人件費」がかかっています。
良い例
今回は人件費についてお話しします。
……なんて突然言うと、面倒な話を始めるように思われるかもしれません。
でも、なにかをするときには必ずあなたの「人件費」がかかっています。
断言しないため、使いどころによっては「モヤッとしてしまう」ので、その点にはご注意を!
文末を「省略」する
そして、文末を「省略」させる方法もあります。
「省略」の例
- 簡単ですから。
- 簡単なので。
- あの後味の悪さときたら。
- 失敗だったかも。
- こちらもぜひ。
- そんなバカな。
一番上の例だと、「簡単ですから」の後ろに「やるのをオススメします」などが本来入りますよね。
それをあえて省略することで、文末の単調さを避けています。
では、先ほどの「悪い例」を改善してみましょう。
悪い例
今回は人件費についてお話しします。
なにかをするときには必ずあなたの「人件費」がかかっています。
良い例
今回は人件費についてお話しします。
「なにを突然!?」と言われそうですが、このお話はすべてのビジネスパーソンに知っておいてほしいので。
たとえば、なにかをするときには必ずあなたの「人件費」がかかっています。
正式には、「から」の前では「です」が使えますが、「ので」の前では「です」は使えません。
文末を「だ・である調」にする
そして、「です・ます調」のなかに「だ・である調」をあえて混ぜる例です。
「だ・である調」の例
- 意外とできたりするのだ。
- そんな待遇、たまったもんじゃない。
- 試しにやってみる。
- 私には多すぎる。
記事を書くときには「です・ます調」で書くことが多いと思いますが、あえて「だ・である調」を入れることでアクセントになりますよね。
「だ・である調」で文章を書いている場合は、逆の「です・ます調」を混ぜます。
では、先ほどの「悪い例」を改善してみましょう。
悪い例
今回は人件費についてお話しします。
なにかをするときには必ずあなたの「人件費」がかかっています。
良い例
今回は人件費についてお話しします。
なにかをするときには必ずあなたの「人件費」がかかっている。
唐突にこんなことを言われても「え?」という反応が返ってきそうですが、重要なのです。
本来は「です・ます調」と「だ・である調」は混在しないのが正式です。
なにも考えずにやると不自然になることが多いので、使いどころにはご注意を。
文末を「会話調」にする
記事を書くときには「です・ます調」で書くと思いますが、そのなかに「会話調」をあえて入れ込む例です。
「会話調」の例
- お願いだからやめてくれよな。
- そんなわけないだろ、オイ。
- こちらが裏側ですぞ。
- 田舎モンだもん。
- アツいだろうなぁ。
- 会社の犬かいっ!
- おかしいやんけ。
- 負けないザマス。
これをやることで、執筆者の個性も表現できます。
「方言」もだれが見ても伝わるレベルのものなら、個性的になります(やりすぎるとウザいけど)。
「〜ザマス」とか「〜アル」はマンガのキャラならアリですが、実際にやるとイタいのでオススメしません(笑)。
こんな感じで、「吹き出しセリフ」にしたら効果的やでー!
では、先ほどの「悪い例」を改善してみましょう。
悪い例
今回は人件費についてお話しします。
なにかをするときには必ずあなたの「人件費」がかかっています。
良い例
今回は人件費についてお話しします。
そう、なにかをするときには必ずあなたの「人件費」がかかっているんだよ!
上の例では、かなりイメージが変わってしまいましたが、あくまで例ということで(笑)。
文末を「体言止め」にする
そして、「体言止め(文末を名詞で終わらせる表現方法)」の例です。
「体言止め」の例
- そんなにときに活躍するのが両面テープ。
- クリックすればオッケー。
- うまくいった場合。
これ、多用するとラップに見えてめちゃくちゃかっこ悪いので
「1記事につき1回まで」と思っているぐらいがちょうどいいです。
多用する人が多いけど、マジでカッコ悪いので注意してね!!
では、先ほどの「悪い例」を改善してみましょう。
悪い例
今回は人件費についてお話しします。
なにかをするときには必ずあなたの「人件費」がかかっています。
良い例
今回は人件費についてお話しします。
なにかをするときに必ずかかってくる費用が、あなたの「人件費」。
もう一度書きますが、初心者の場合はくせにならないように「禁止」ぐらいに思っていたほうがいいです!
文末に追加して表現豊かにする方法
今まで見てきた表現は、文末を変化させる方法でした。
今度は、文末に追加することで表現を豊かにする方法を2つ紹介します。
「よ・ね・よね」を追加する
まずは、「〜よ」「〜ね」「〜よね」の3つを追加する例です。
「よ・ね・よね」の例
- よくあることですよ。
- よくあることですね。
- よくあることですよね。
これらを「〜です」や「〜ます」のあとに加えるだけで、単調さを避けられますよ!(←こんな感じで)
今までに紹介した方法と組み合わせることで、さらに表現が増えます。
組み合わせの例
- こんな失敗をしていませんよね?
- うまくゲットしてくださいね。
簡単で便利ですが、これも使いすぎるとウザいので使いすぎないようにお気をつけを。
では、先ほどの「悪い例」を改善してみましょう。
悪い例
今回は人件費についてお話しします。
なにかをするときには必ずあなたの「人件費」がかかっています。
良い例
今回は人件費についてお話しします。
じつは、なにかをするときには必ずあなたの「人件費」がかかっているんですよね。
「〜よ」「〜ね」「〜よね」の3つは、ニュアンスは違うので簡単に紹介します。
〜よ
「~よ」は、「相手が知らないことを教える」というニュアンスがあります。
「ここは危ないですよ!」のように「注意喚起」という使い方もあって、連発すると「押し付けがましい」という印象になるので注意です。
〜ね
「~ね」は、相手に同意を求めるときに使うことが多いです。ですよね? ね?(←コレです)
「情報・意思受入れ要求」という意味合いになるときもあるので、こちらも連発はやめましょう。
情報・意思受入れ要求とは?
自分の発した情報を確かめながら、聞き手に もその情報を受け入れてもらうことを要求するといった働き
〜よね
そして、「~よね」は「~よ」を少しやわらげた表現です。
これも使いすぎないように。
記号などを追加する
最後に「記号」などを使う方法です。
文末に記号を入れることで、さらにバリエーションを増やせます。
記号などの例
- おもしろいっ。
- おもしろい〜。
- おもしろい……。
- おもしろい!
- おもしろい♪
- おもしろい(笑)。
それぞれ、ニュアンスが変わってきますよね。
ビックリマークも使いすぎている人をよく見ますが、読んでいてしんどくなるので使いすぎないようにお願いします。
こんな記事を書いていてアレですが、文末ばかりに気を取られてたら勢いのある文章が書けなくなります。
そもそも、文末の単調さは文章を書いているときには気づきにくいなので、まずは思いっきり好きなように書きましょう。
そして、書いたあとに文末の単調さチェックするのです!
いい文章がしょぼく見えるのは悲しすぎるので、「文末の単調さチェック」は必ずしてくださいね。