こんにちは! ヨス(プロフィールはこちら)です。
先日、わたしが実践している「夫婦別姓」について新聞の取材を受けてきました。
その取材をしてくださった方が素晴らしすぎる経験をしている方だったので逆に取材してしまいました。
どんな経験かというと、両親が夫婦別姓をしている家庭で育ったという経験です。
目次
リアルに「夫婦別姓の家庭で育った人」がいる
今回取材をしてくださった某新聞記者のHさんは26歳の男性です。平成元年生まれの人……つまりわたしが小学校6年のときに生まれた人だということ。
そして、ここが驚くところです。
なんとこのかた、完全に夫婦別姓の家庭で生まれ育ったんだそうです!
わたしは心の底から衝撃を受けました。わたしも夫婦別姓を実行していて、子どもを育てているのですが、わたしの年代が先駆けかと勝手に思っていました。
すみません。余裕で先駆者のかたがいたのです!
ご両親が「事実婚」だった家庭
Hさんのご両親は完全に夫婦別姓でした(わたしの実践している夫婦別姓は、実際にはわたしの姓が戸籍では変えられている)。
Hさんのご両親は婚姻届を出して出産後、離婚届を出したそうです。つまり「事実婚」という方法ですね。ちなみにHさんの姓はお父さん側だそうです。
そのため、本当の本当に夫婦別姓を実行されているご両親の元で育ち、現在(26歳)まで育ってきたということ。
お母様がジェンダー問題に関心を強く持っていらっしゃったそうで、お父様にも理解があったんでしょう。
夫婦別姓の元で育った子どもの心情はどうだったの?
はい、ここからが本題です。
日本では、「夫婦別姓を導入すると家族の絆が弱体化する!」という意見をよく聞きますが、それは本当なのかが気になりますよね。
まさかすでにその体験をした方が成人になって日本に存在していようとは、ほとんどの人が思ってもみないことでしょう。
結論から言いますとまったくバラバラになっていませんでした。
まぁ、わかりきったことですが……。
親が夫婦別姓で大変なことはあった?
今回は、インタビューされる立場だったわたしが、新聞記者のHさんに「逆インタビュー」をしてきたので、その内容を紹介します。
ヨス:
ご両親が夫婦別姓をしていて不安に思ったことはありましたか?
Hさん:
まったくありませんでした。本当に何の違和感もなくて、これが普通だと思っていました。
わたしの子どもたちと同じです。
親が夫婦別姓に対してネガティブなことを子どもに伝えない限り、子どもが夫婦別姓に対してネガティブな感情を持ちえるハズがないですから!
自分の家族がほかと違うことに気づいたのはいつ?
ヨス:
ご自分の家庭が「夫婦別姓」をしていること(日本ではスタンダードじゃないこと)を認識したのはいつでしょうか?
Hさん:
たぶん、小学校に入ったぐらいのころですね。学校で授業参観があって、その案内を書いたプリントに「参加する家族」の名前を書く欄があったんです。そこに母(Hさんと違う姓)が名前を書いたんです。そのときに母が「これ、先生にそのまま出したらダメだよ。ちゃんとこれはお母さんの名前です……と説明してね」と言われました。
ご両親の夫婦別姓に気づいた時にどう思いました?
ヨス:
初めてご両親が夫婦別姓だと気づいたとき、どう思いましたか?
Hさん:
かなりびっくりしました。これが普通だと思っていましたからね。「え? なんでみんなお母さんとお父さんが同じ名字なの?」って(笑)。
わたしもすごく共感します。
わたしも、同居していた祖母と姓が違っていたことを、なんの違和感も持たずに過ごしていましたから。
父方の祖母も父と名字が違っていたし、祖母とは名字が別なのが当たり前だと思っていました。
逆に友達と友達の祖父母が同じ名字なのを聞いて「すごい! 同じ名字や、珍しい!」って思いましたから。
親が夫婦別姓をしていることで悲しいと感じたことは?
ヨス:
「両親が夫婦別姓をしているとその子どもが不安になる」という心配をされる方がいますが、実際のところそう感じたことはありましたか?
Hさん:
それが全くないんです。家族仲は今も円満ですし、そんな不安を感じる余裕がないほど円満でした(笑)。
実際に夫婦別姓をしているわたしにとっては、当たり前すぎなので驚きませんが、「夫婦別姓が子どもに好ましくない」というのがいかに無用の心配なのかがわかります。
だから私はいつも言っているのです。夫婦別姓をやってない人の「妄想」と「でっちあげ」を優先するのはやめませんかと。
そもそも日本以外の国では夫婦別姓の家族って無数にあるわけです。
「人と違うこと」に対する考え方
Hさんとはむちゃくちゃ打ち解けてしまい、いろんなことをお話しましたが、Hさんが話したなかでも、もっとも印象的だったのがこちらです。
「人と違うことはいいこと」と言われながら育った。
実はコレ、わたしも子どもたちに伝えていることです。
夫婦別姓のことを意識して言っているわけではないのですが、重要なことのような気がします。
わたしの体験では、「人と違うことにネガティブな感情を持つ人」は高確率で「夫婦別姓はよくない」と言っている気がします。
逆に「人と違うことをポジティブに思う人」は「夫婦別姓は問題ない」と言っているのです。
要は「人と違うこと」「いろんな人が存在すること」に対する価値観の違いです。
今の世の中は、価値観は多様であるべきですよね。一方的に押し付けることが戦争などを生み出している悪の根源ですから。
焦点を「多様性を許容するか?」に持って行くべき
夫婦別姓の問題は、いまだに「家族がバラバラになるからやるべきではない!」という実際に体験したことのない人たちの悲観的妄想に焦点が行っています。
でも、現実を見てください。
こうやって実際に体験された人の家族はバラバラになっていないという現実があります。
わたしの家族も全くバラバラになっていません。
結局のところ「多様性を認めるかどうか」の問題でしかないのです。
知らない人が多いのかもしれませんが、法律が変わっても別姓にしたくない人はそのまま同姓でいいんですよ?
「選択的」なので、夫婦別姓を選べることを許容するかどうかなのです。
夫婦別姓と「家族崩壊」は別次元の問題
Hさんは本当にこんな状況を普通に過ごしていたので、こういうふうに世間で「夫婦別姓」が騒がれていることを知ってこう思ったそうです。
「確かに珍しいとは思っていたけどここまでレアだったとは!」
間違いなく、2015年の時点では超激レアだと思います。
わたしもビックリ仰天して逆インタビューをしてしまったレベルですから。
そして、そのレア度に気づいたときにHさんはこんなふうに思ったと言っていました。
「こんな家族でよかったなぁ」
もうこのセリフがすべてを語っていませんか?
結局のところ、反対意見を述べる人は、自分の弱体化している家族の絆を基準にしているかもしれません。
「うちの家族(夫婦同姓)ですらこんなバラバラな状態なのに、これで夫婦別姓なんて導入されたら日本の家族はどうなるんだ?!」……のように思っているのではないでしょうか?
「選択的夫婦別姓制度」が導入されても、不安だったらそもそも「夫婦別姓」にしなけりゃいいのです。
どうせ不仲になって崩壊する運命にある家族が、わざわざ夫婦別姓にしてその責任を「夫婦別姓」に転嫁されても困りますから。
迷惑な話ですよね……。それはあなたたちの家族が問題でしょ?ってことです。
追記: 夫婦別姓の家庭で育った方から感想をいただきました
この記事を読んでくださった人で、ご本人もご両親が夫婦別姓の家庭で育った方からメッセージをいただきましたので紹介します。
私の両親も夫婦別姓で、この前の夫婦別姓についての裁判でモヤモヤしていたのでネットで調べていたらこのブログにたどり着きました。
記事を読んで、今までモヤモヤしていたけれど上手く言葉にできなかった気持ちが全て文章になっていて、しかも自分と同じようなことを考えている人が他にもいるんだと分かり、とても感動しました!
我が家は事実婚で、私は母と名字が違うのですが、それで母を嫌いになるなんて考えたこともありません。
小学校のときに友達に「夫婦別姓なんだー」と言っても、「へー」くらいでからかわれたことなんか一度もありませんでした。
むしろ何の関係もない大人が変な目で見てくるので、人前ではあまり夫婦別姓のことを言わないようになりました。
テレビで「親子の絆が~」と言っているのを聞くと、私と母の絆を否定されたみたいでとても悲しくなります。
体験した人はこういう意見なんです。もう、どうすればいいか結論は見えていると思うのですが。
さて、今回は新聞記者のHさんに夫婦別姓について取材されるためにお会いしたのに、こちらから取材もしてしまったお話でした。
「夫婦の姓が違うとコドモがかわいそう」みたいなことを言う人って、単にその人がそういう理由でコドモを差別しますよ、と告白してるだけに過ぎないのだが、それに気づくことが出来ない人がそのような主張をしたり顔で述べるのでアホだなあと思う
— mojin (@mojin) November 11, 2015
そろそろボロが出てきているんじゃないですか? 夫婦別姓に反対する人たちって、単なる差別主義者だということに。
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