今の日本は「旧姓」を法的に証明できない社会です(追記: 今は証明だけは可能)

2020年10月30日追記: 夫婦別姓についての電子書籍を販売いたしました!

こんにちは! ヨス(プロフィールはこちら)です。

今回はわたしが銀行口座やクレジットカードを新たに作ろうとしたけど、「旧姓だからダメ」と却下されたお話です。

21世紀の日本は、旧姓を証明する方法がないというクソ社会なんですよ。

【2019年12月13日追記】現在は「住民票への旧姓の併記」ができるようになり、「証明だけ」はできるようになりました。

ただし、それと旧姓で銀行口座が作れるのかというと別問題で、銀行側の裁量によります……。

銀行口座もクレジットカードも作れない

ありがたいことに、わたしの仕事も軌道に乗っているため、新しい銀行口座を開こうとしたり、クレジットカードを久々に作ろうとしました。

ところが、ことごとくできない。

その理由は、わたしが「戸籍上の姓(結婚によって強制的に変更させられた姓)」ではなく「旧姓(わたしの本当の姓)」で、取ろうとしたからです。

銀行やクレジットカード会社は、何かにつけこういう書類を送れと言ってきます。

  • 免許証
  • 保険証

……が、これらの書類の中でのわたし名字は「矢野」ではないんですよ。結婚して名字が変わっていることになっていますから。

つまり、旧姓(わたしにとっては本来の姓)で申請すると銀行口座も作れないんですよね。

問題なのは、現在の日本には「旧姓」を法的に証明する術がないということです。

【2019年12月13日追記】現在は「法的に証明すること」だけはできます。

でも銀行側が旧姓での口座開設を許可しているかどうかは別問題なので、根本的に問題は解決していません。

政府は2016年に「旧姓を使えるようにする」と言った

「いや、旧姓では作れないのは当り前だろ」と思われる方もいると思いますが、2016年に政府は「旧姓をさまざまな場所で使えるようにする」と言ったんですよね。

政府が策定する「女性活躍加速のための重点方針2016」の概要が17日、分かった。住民基本台帳やマイナンバーカードに旧姓の併記が可能となるような整備を実施することや、ワーク・ライフ・バランスを推進する企業を東京オリンピック・パラリンピックの公共調達で優遇することなどを明記した。

マイナンバー:旧姓併記へ 通称使用拡大 政府が「女性活躍重点方針」 - 毎日新聞 より引用しました。

もう21世紀になって20年も経とうとしているので、多少はできるようになっているのかと思うじゃないですか。

でも、銀行でも旧姓使用で口座も作れません

地元の香川銀行はすごく対応がよく作っていただけたのですが、もっと大きな銀行の楽天銀行とか住信SBIネット銀行などはひどい対応でした。

ぶっちゃけ旧姓を法的に証明することは戸籍謄本などで可能なんですが、それを言っても、マニュアルどおりの回答「ダメです」でした。

ちなみに旧姓使用をできるようにするには100億かかる

そういえば、こんなお話をご存じですか?

全国の既存住基システム等を改修し、姓と「旧姓」の両方を併記できるようにするには100億円が必要

……という事実を。

「いや、それはないやろ?(笑)」って思いますよね。わたしも思いましたが、総務省サイトに書いてあったので間違いありません

こんなふうに書かれていました(赤太字はヨスによる)。

【その他の補正】
(1) 女性活躍推進等に対応したマイナンバーカード等の記載事項の充実等 100.0 億円
女性の一層の活躍を推進するため、希望する者に係るマイナンバーカード等において、旧氏
(旧姓)併記を可能とするよう、全国 1741 市区町村の既存住基システム等を改修

平成 29 年度総務省所管補正予算(案)の概要 | 総務省より引用しました。

ええ。ド肝を抜かれますよね。2つの名前を併記するだけでなんで100億円かかるのか謎すぎます。

100億円かけても何も変わらないのが見える…

はっきり言って、2つの姓を併記させようとするから意味がわからない労力がかかるんでしょう。

わたしは人生で、これまでもこれからも「矢野」という名字だけを使っていきたいのです。つまり、現在の戸籍上の姓は不要なんですよね。

併記していただく必要なんてありません。

……というか、2つも併記されていたら、逆にややこしくなりません? けっきょくはカッコの中に書かれた「旧姓」は二次的な役割までしか認められないのです。

つまり、政府が100億円もかけたとしても、何も達成されません

そんなゴミ箱に捨てるようなことにお金を使うぐらいだったら、若者に「ベーシック・インカム」として配ってほしい……。

【2019年12月13日追記】 実際に市役所に行ってきて旧姓を併記してきました。結論として、やっぱり意味なかったです……。

ニュー夫婦別姓なら100億円は不要ですよ

ちなみに、サイボウズ社の青野社長が提訴された「ニュー夫婦別姓」の裁判ですが、これだったら「戸籍上の姓」を変更できるので、100億円はかからないでしょう。

くわしくはこちらの記事を読んでほしいのですが、むちゃくちゃ理にかなった裁判です。正直なところ、国側には反論のしようがないと思います。

しかも、「夫婦別姓だと家族がバラバラになる」と反対する少数派の方たちにとっても、「あくまで戸籍上での夫婦別姓」なので納得がいくのではないでしょうか?

さて、今回は銀行口座開設やクレジットカード作成を久々に行って、その意味不明さに直面して書きました。

現在のところ、旧姓で決行するために一番有効なのが「ペーパー離婚」です。

一旦、離婚届を出して、免許証などを旧姓表記で手に入れて、もう一度婚姻届を出すという方法ですが、本当に労力がかかります。

役所の方にも「無意味」な業務を与えることで、我々の払う税金をムダな人件費として使っています。役所の方にももっと質の高い仕事をしていただきたいのに。

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