こんにちは! ヨス(プロフィールはこちら)です。
「日本モンキーセンター」のTwitter公式アカウントがつぶやいた投稿が炎上しました。
この件に関しては、公式に謝罪されていますが、今後もこういう炎上は絶えないと思っています。
そういう今後の炎上が減るように、今回は、このツイートを見てわたしが感じた3つの気持ち悪い点をまとめました。
企業の公式アカウントで発信をしている人の参考になるとうれしいです。
日本モンキーセンターのツイートの「炎上」とは?
「日本モンキーセンター」というのは、愛知県犬山市にあるサル専門の動物園です。
その動物園の公式Twitterアカウントで、次のようなつぶやきがありました(太字はヨスによる)。
「シロガオサキ」の『モップくん』が大好きなんです!」と来園してくださる方は素敵なお姉さまばかりだと思っていましたが、なんと!本日初めて『女子』にお会いしました!!
すごく喜んでいると思います。
モップくん担当の根本が。(鏡味)
このツイートは「ある写真」とともに投稿されていて、それを見た人が不快だということで炎上しました(現在は削除され、謝罪もされています)。
もし、いっしょに投稿されていた写真が、次のようなものだったら問題なかったのです。
この写真だったら、「普段は大人の女性しかこないのに子どもが来てくれた」という意味になりますから。
ところが、実際に投稿されていたのは、若い大人の女性の後ろ姿でした(※ 下記画像はイメージです)。
この時点で、「お姉さま」と「女子」という言葉の意味が変わってしまうことにお気づきでしょうか?
ちなみに、投稿とともに掲載されていた写真はお客さん本人の許可を得ていたそうです。
「日本モンキーセンターのツイート」が持つ気持ち悪い点×3
では、この日本モンキーセンターのツイートを見て、わたしが気持ち悪いと思った点をまとめましょう。
女性蔑視を悪気なく堂々としている
まず、女性蔑視になっていて、女性をバカにしていること。それを悪気なく堂々としている点が気持ち悪いです。
本来なら「お姉さま」「女子」という表現はこちらのような意味でしょう。
- お姉さま ……「歳上の女性」を丁寧に呼ぶ表現
- 女子 …… 小学校〜高校ぐらいまでの女の子
男性が「この2つの言葉」を対比させて使うと意味が変わる
この2つの表現ですが、大人の男性が言い、「お姉さま」と「女子」を対比させることで次のように意味がガラッと変わります。
- お姉さま ……「歳をとって醜い」「ヘタに賢くなって男性から見てめんどくさい」のようなニュアンス
- 女子 ……「若くてかわいい」「男性が操りやすい性的な対象」といったニュアンス
このツイートをした人が「意味が変わること」を知らなかったはずはありません。
「女子」という表現を「二重カギカッコ」で強調していますからね……。
「お姉さま」「女子」という2つの言葉をあえて対比させ、皮肉で言っているのです。
この2つの言葉についてのわたしの感じた違和感をまとめると次の2点になります。
- 女性は若いのが正義という空気
- 「歳をとった女性はそれをネタにいじられてもいい」という空気
「若いのが正義」という空気は日本中、いえ残念ながら世界中に漂っている空気かもしれません……(格差はある)。
でも、日本で特徴的なのは、「歳をとった女性は若くないことをいじられてもいい」という空気です。だからこそ「お姉さま」という言葉でバカにしているのです。
男性に置き換えると不自然さがわかる
こういう案件は、表現を「男性」に置き換えると、おかしいことがわかりやすくなります。
こちらをご覧ください。
「シロガオサキ」の『モップくん』が大好きなんです!」と来園してくださる方は素敵なお兄さまばかりだと思っていましたが、なんと!本日初めて『男子』にお会いしました!!
すごく喜んでいると思います。
モップくん担当の根本が。(鏡味)
なんか変じゃないですか? そもそも「この人はなんで、『お兄さま』『男子』という言葉を対比させているんだ?」と不思議に思っちゃいます。
「お兄さま」「男子」という対比が成り立たないのに、「お姉さま」「女子」という対比が成り立っているのは、先述した「もう1つの意味」があるからだったのです。
その根底にあるのが、
「女性は若いのが正義」という差別的な認識です。
「公式アカウント」で女性の嗜好を語っている
そして、このツイートが香ばしいのは、「公式アカウント」だということ。
動物園を代表するアカウントがこんなことを言ったから問題なのです。
個人アカウントだったら炎上していない
この動物園に関係のない男性の個人ツイートだったら間違いなく炎上しません。
というか、Twitter上には、この100億倍はひどいツイートがそのへんにありますからね……。
でも、公式アカウントが「若い女の子が来たよ。ウヘヘ」のようなことを言い出すから気持ち悪いのです。
このツイートを見ている人のなかに女性がいることが想像できなかったのかどうかはわかりません。
いずれにせよ「公式アカウントでこのツイートをしてもいい」と判断したのは確かです。
原因は日本が「男性社会」であること
では、なぜ「このツイートはOK」という判断をしたのでしょうか? 原因は、日本が男性社会だから。
そんな「男性が中心の社会」のなかで育つと、男性の意見が「主」になりますよね? 「男性よりも女性のほうが美しい」という価値観も男性社会だからこそ生まれたと思うし。
そして、感覚がマヒするのです。男性(=自分)の意見は、「みんな思っていることである」と錯覚するのです。
「主体が男性で、客体が女性」という認識ですかね。
下ネタを下ネタの好きな人同士で言うのはいいのですが、それをメディアで言うと下ネタが嫌いな人に不快な思いをさせるような感じでしょうか。
「男性は皆、若い女性が好き」という偏見
そして、このツイートのもう1つ気持ち悪いところは、次のようにわたしが赤字にした部分です。
「シロガオサキ」の『モップくん』が大好きなんです!」と来園してくださる方は素敵なお姉さまばかりだと思っていましたが、なんと!本日初めて『女子』にお会いしました!!
すごく喜んでいると思います。
モップくん担当の根本が。(鏡味)
なんと、「モップくん」の担当の本人の言葉ではなかったのです!
担当の人の感情を勝手に書いていたという……。
わたしの妄想になりますが、Twitter担当の男性上司が、若い男性社員をネタにいじっている姿が目に浮かびます。
なにが気持ち悪いのかというと、この担当の人は「男性=若い女性が来ればウヘヘとなる」という偏見を持っていることです。
すべての男性が、若い女性が来たらデレデレするわけではありません。それを当たり前の常識のような書き方をしているのが気持ち悪いのです。
最近、SNSで企業の公式アカウントの炎上を頻繁に見かけますよね……。
性差別が空気のように、当たり前かのように存在しているので、気づきにくいのです。
ぜひ、こちらの記事も読んでください。