こんにちは! ヨス(プロフィールはこちら)です。
今回は「ワシが若い頃はなァ心理」について語らせてください。
え?「ワシが若い頃はなァ心理」という言葉、初めて聞きました? そりゃそうですよ、わたしが考えた言葉ですから(笑)。
「ワシが若い頃はなァ心理」とは
まずは、「ワシが若い頃はなァ心理」という言葉の定義についてお話しますね。
たぶん、字面を見たら想像つきますが、こういうことを言う心理のことです。
- 最近の新入社員は、やれプライベートがとか言うがな、ワシが若い頃はなァ……
- 最近の子どもは雨が降ったらすぐ車で送り迎えか……ワシが若い頃はなァ……
- 最近の若い母親は夫が家事をしないとか言うが、ワシが若い頃はなァ……
これですよ、これ!
ちなみに、「ワシが若い頃はなァ……」のあとに続くセリフは、決まって苦労話です。「昔はもっと大変だったんだぞ!」という苦労自慢で締めくくられます。
日本のおっさんが好きなセリフですよね……。特に、序列が上である上司が部下に向かってマウンティングするときに使われます。
とくに「仕事ができない系のおっさん」が愛用するセリフという特徴もあります。
「過去の習慣の開示」以上の意味がない
この言葉ですが、「私が若い頃、つまり昔はこうだった」という「過去の習慣の開示」以上の意味がありません。
「江戸時代は刀を所持することが許されていたんだぞ」「江戸時代はチョンマゲがかっこ良かったんだぞ」とか言っているのと同じです。
あ、そうなんですね。昔の人って大変だったんだなぁ〜。
……と切り返せばいいのですが、「ワシが若いころはなァ……」は、序列が上である人から下の人へ言われることが多いので、なかなか対応が難しいです。
興味を持っているそぶりでも見せたら最後、おもしろくもない苦労自慢に拍車がかかって、墓穴を掘ってしまいます。
そもそもですが、人権意識の低かった過去や、技術の遅れていた過去と今を比べることに意味がないことに気づいてほしい。
オレの時代は大変だったのに「若いやつはズルい!」
では、なぜそんなに無意味な発言をしたがるのでしょうか? こちらの発言を例に考えてみます。
今の小学校は冷房や暖房がついているらしいな。ワシが若い頃はなァ……
なんとなく見えてきませんか?
つまり単純に「若い人がうらやましい」ということでしょう。
でも、有能じゃないおっさん達は有能じゃないがゆえに、「うらやましがる = 自分の負け」だという謎のファンタジーを持っています。
そうなると、「現在の状況を否定する」ということでしか、自分を肯定化できないのです。かわいそうに……。
原始時代はなァ、お店もなかったから自分で狩りをしなければならなかったんだぞ!
いやー、意味がない発言ですよねぇ……。
というわけで、もし「ワシが若い頃はなァ心理」が働いて、苦労話をしたくなってしまったら気をつけてください。
その話はかなりの確率で面白くありませんからね。
どうしても言いたいのであれば、ちゃんと「今の若い子がうらやましい!」と正直に言った上で「だって、ワシが若い頃はこんなにひどかったんだよ!」と続けてください。
それだけで一気に印象が変わりますので。