人間は漫画キャラじゃねえ! テレビや雑誌で「人が話しているときの言葉」を勝手に変えるな!

こんにちは! ヨス(プロフィールはこちら)です。

わたしは取材を受けるときがあるのですが、そんなときに必ず確認することがあります。

それは「一人称」です。わたしは「わたし」を使うのに、勝手に「僕」にされているんですよね……。

同じ問題として、外国人がテレビに出ているときの日本語の吹き替えや字幕、そして女性が話しているときの言葉です。

今回は、自分が話す言葉を勝手に変えるのは人権侵害だということについてお話しします。

わたしは「僕」と言うことはありえない

わたしは何度か新聞やメディアで取材を受けてきました。

そのときに、毎回チェックするのが「一人称」です。

でき上がった原稿をチェックすると
必ず「僕」になっているのです。

ヨス

取材の中で、わたしが自分のことを「僕」と呼んだことは一度もないのに!!

そのため、「『僕』を『わたし』に直してください」と必ずお願いしています。

これは「男性が話している」ので、「僕」を使ったほうが「ぽい(・・)」からでしょうね……。

でも、ひとこと言わせてください。

驚くヨス

勝手にわたしの像を作るなよ!

一人称や言葉選びは「自分」を表すものだから、勝手に作ってほしくないのです。

メディアに登場する「女性語」の問題

まったく同じ問題に「女性語」があります。

「~だわ」「〜なのよ」「〜かしら」という表現ですよね。

ええ、そうよ。明日の演技では失敗しないようにがんばるわ!

雑誌などで女性が対談などをしているとき、必ずと言っていいほど使われていますが、本当に女性語で話していたんですか?

わたしは、現実社会でこの「~よ」「~だわ」という表現を使う女性に会ったことがありません

ヨス

そのくらいリアリティのない表現です。

実際には「〜だわ」なんて言っていないのに直されていたとすれば、かなりの問題になります。

メディアが勝手にイメージを作っているということですからね。

わたしなら「僕」に直されているだけでも頭にくるのに「〜だぜ」なんて書かれていたら、怒りで惑星を1個ぶっこわしてしまいそうです。

外国人の日本語の吹き替え(字幕)がひどい

そして、女性語と同じレベルでひどいのが外国人の吹き替え、字幕です。

テレビで、外国人が話しているシーンを見ることがありますよね?

外国語のままではわからないので、声の「吹き替え」をしたり、字幕を入れたりして対処しますが、それがひどすぎるのです。

なぜなら、その人の容姿やバックグラウンドや話す内容のイメージで、その人のキャラクター(言い回し)を勝手に作っているからです。

たとえばマッチョな白人男性が出てたら、吹き替えの音声では次の例のようになります。

ああ、そのとおりだぜ。オレの本気はまだまだこれからだぜ! いいかおまえら、目ン玉かっぽじって見とけよ!

その人の外見から表現を勝手に決めている?

たとえば、テレビに出ている外国人女性が、漫画に出てくるような「ザ・女性」という雰囲気だとします。

その人がもし日本語を学んだとして「女性語」をガシガシ使うのでしょうか?

ヨス

いえ、そんな非日常的な言葉を使うことはないでしょう。

それなのに勝手に訳されて、テレビの中ではあたかも自分が言っているかのようにされているのです。

もし、性差別に強い主張を持っている女性の言葉で、「husband(夫)」が「主人」に訳されていたとすればどうでしょうか?(参考: 「主人」という言葉の問題について

女性だからという理由で、その人の雰囲気がそう見えるからという理由で、「日本人(……のおっさん)の考える女性のあるべき姿」を投影させられるのです。

その文脈に沿った話し方に置き換えられるのです。

完全に屈辱でしょう。屈辱を通り越して、完全に人権侵害ですよね。

現実の人間にはその人のポリシーがある

ほとんどの外国人は、日本語に「キャラ化させたがる文化」があるなんて知りません

吹き替えの音声を聞いても、まさかそんなふうに尾ひれを付けられているなんて思いもよらないでしょう。

たとえばあなたが、はたから見て弱々しい雰囲気の男性だとします。もちろんあなたは自分をそんなふうには思っていません。

あなたはいつも自分のことを「オレ」と言っているのに、吹き替え(もしくは字幕)で勝手に「ボクちん」に変更されていたらどう思いますか?

「オレ」が「ボクちん」に勝手に変更されるのって屈辱ですよね?
「オレ」が「ボクちん」に勝手に変更されるのって屈辱ですよね?

だってあなたはその方が絵的に似合うから!」と言われて納得できますか?

その人にはその人のポリシーがあるのです。

映画の吹き替えだったら「作品」なのでいいのです。でもね……

現実の人間は
「漫画のキャラ」
じゃねえんだよ!!

以前、テレビでフィギュアスケートを見ているときに気づいたことがあります。

10代の若い外国人の女子選手のセリフには「〜だわ」のような尾ひれをつけていないのです。

ところが、20代以上の外国人女性選手にはやたら「~だわ」を使わせたがるのです。

相手の雰囲気から勝手にカテゴライズするのは、日本メディアの醜い習慣ですよね。

それが人権侵害にあたるということを意識してほしい!