こんにちは! ヨス(プロフィールはこちら)です。
今回は世界的な縄跳びパフォーマーである縄のまっちゃんこと、粕尾 将一さんにインタビューしました。
2018年11月追記: 縄のまっちゃんが書籍を出しました!
目次
粕尾 将一さんについて
粕尾 将一さんは縄跳びのパフォーマーです。魅せるための縄跳びをしてたくさんの方を楽しませるお仕事ですね。
2015年12月まで、シルク・ドゥ・ソレイユの『ラ・ヌーバ』というショーに専属契約していたすごい方です。
シルク・ドゥ・ソレイユというのは、以前このブログでも紹介した現代サーカスで、地球上で最も有名な劇団です。つまり粕尾さんは、世界的な縄跳びパフォーマーなんですよ!!
『ラ・ヌーバ』の公式なビデオはこちらです。
今回は以前書いた現代サーカスの記事が元で繋がって、私がぜひインタビューさせて!というお話になりました。
え?「六重跳び」って言いました??
粕尾さんが縄跳びをやっている動画で私が最初に見たのはこちら。これがね、衝撃なんですよ。
イヤ、なにこれ!?
六重跳びってなに!?
先日、子供用の縄跳び比較という記事を書いたときに、うちの子(小学四年生)の三重跳びの動画を載せました。
三重跳びでも「すげー」って思ってたのにその倍を行きますか!! 衝撃すぎます。
ぶっちゃけ、この動画見て即、粕尾さんに「インタビューさせてください!」って頼みましたよ(笑)。
2016年9月18日追記: 粕尾さんの正式なプロモーションビデオができましたので紹介します。
やべぇ……超カッコいい。
ではインタビューを始めます。
いつから縄跳びに目覚めたんですか?
まずはお決まりの質問からです。
ヨス: 粕尾さんはいつから縄跳びに目覚めたのですか?
粕尾: 高校生から縄跳び競技を始めて、そこから縄跳び一本で生きてきました。大学にも縄跳びの一芸入試で入ってます!
なんと、高校のときからなんですね! 私が高校のときに周りで縄跳びやっている人なんていませんでしたよ。かなりレアですよね。
大学に一芸で縄跳びをして入ったとか、すごいですね。そのときの映像を見たいです(笑)。
小学校時代は縄跳び名人だったの?
高校の話が出ましたが、もっと昔にさかのぼってみます。
ヨス: 粕尾さんが小学校のころはどうだったんですか? やっぱり縄跳び名人でしたか?
粕尾: そうですね。小学校の頃から縄跳びは得意でした。でも最初は下手クソで、後ろ跳びしかできなかったんです。それが悔しくて1年の時にメチャメチャ練習して、結果的に学年で一番上手になっていました。
やっぱり上手かったんですねー。最初は「後ろ跳びしかできなかった」というところに非凡なものを感じます(「なぜ前跳びじゃなくて後ろ跳び??」ってツッコみたい)。
ヨス: 小学校の話になったついでに、当時は何になりたかったですか?
粕尾: 当時の将来の夢は、フワーッと科学者でした(笑)。両親が化粧品の品質管理や開発をしていて、そういう環境に親しみがあったのだと思います。
なんと!? まさかの科学者ですか!! まぁ、私も『ファーブル昆虫記』が大好きで昆虫学者になりたいとかほざいてましたからねー(笑)。
縄跳び競技の選手としてアジア大会優勝!!
粕尾さんの経歴を超簡単に説明すると、 2009年までは日本代表としてアジア大会や世界大会に出場していました。
え? 縄跳びの大会?? って思いますよねー。あるんですよ、そういう大会が。たぶん動画で見たほうが早いですね。
こちらは、「フリースタイルなわとび 第3回全日本大会」での優勝演技です。
もうビックリですよね。もうねー、最初の入場するときの「歩きながら縄跳び」ですら普通の人には不可能ですよね? 縄跳び名人の私の娘もこの動画を見て、歩き跳びをマネしていますができません。
回りながらとか、跳びながら縄を持ち替えるとか、地面に四つん這いになって跳ぶとか、もうすごすぎでしょ(笑)。「ワ……ワシの知ってる縄跳びと違う……」が、普通の反応だと思います。
そしてこちらは「フリースタイルなわとび 第5回アジア大会2009」で粕尾さんが優勝したときの演技。
始まった音楽が『笑点』でズッコケそうになりますが、それに反比例するかのような内容のハイレベルさがヤバいです。
側転とか、腕立てをしながらとか何これ?! 途中でジャグリングみたいにロープを離してキャッチしてみたり……というか、途中から速すぎて何が起こっているのかわからないレベル。アジアチャンピオンなんですね、さすがです。
そして縄跳びアーティストへ
そして、2009年を最後に縄跳びの「競技選手」としては引退しました。
2010年から5年間、先ほど説明した「シルク・ドゥ・ソレイユ」の『ラ・ヌーバ』というショーと専属契約して、縄跳びアーティストとしてサーカスのステージに立っていました。
そのときのダイジェスト映像がこちらです。
いや、二度見してしまうようなパフォーマンスの連続ですね。なんなんですかコレ!?
大縄跳び(ダブルダッチ)の中でさらに縄跳びとかしていますけどっ!!
粕尾: シルク・ドゥ・ソレイユでは、日本人2名の縄跳びアクトを演じていて、夢と現実の狭間?境界線?から異世界への入口を表現していました。
現実に行われているのではなくCG合成に見えるほどですよ(笑)。
「シルク・ドゥ・ソレイユ」に入ったエピソード
ヨス: あの世界一の現代サーカス団「シルク・ドゥ・ソレイユ」に入るなんてスゴすぎるんですけど、そのエピソードをお聞かせください!
粕尾: 高校のとき、縄跳びを始めたキッカケになった師匠(田口師永さん)が、ある日「シルク・ドゥ・ソレイユ」の『QUIDAM』というショーに出演することになりました。日本公演で日本人アーティストとして注目された初の人ですね。その影響もあって、たまたまネットで見つけた応募ページからYouTubeの演技動画を送ってみたんです。ほとんどノリで(笑)
ヨス: えええええ?! きっかけは「ノリ」でですか?!
粕尾: はい(笑)。そうしたら半年後ぐらいにシルクから直接連絡が来るようになって、2009年の8月に今のショーの契約の話をいただきました。出先で携帯が鳴ったと思ったら通知不能で、不思議に思って出たらシルクから契約の電話だったんです(笑)
今後の展望
ヨス: この12月で「シルク・ドゥ・ソレイユ」を離れ日本に帰ってくる決心をされたそうですが、今後の展望はどんな感じでしょうか?
粕尾: 今後の展開ですね。日本では大きく三つの柱で活動をしようと考えています。それぞれ「教育」「身体表現」「ブログ」の3つです。
おおー! 3つの柱! すごい、もうバッチリ計画しているんですね。しかもブログがその中の柱ですね。
その1: 全国の小学校やイベントを回る!
では3本の柱を1本1本ずつ伺っていきましょうか。まず1本目の「教育」というのはどういうことでしょうか?
粕尾: まず一本目の柱「教育」については、日本全国の小学校やイベントをパフォーマンスで回ろうと考えています。それと同時に直接縄跳びを教える機会を設けて「運動嫌い」や「運動苦手」の子どもに向き合っていきたいです。小さな成功体験と大きな感動がテーマです。
2016年2月19日 追記: 粕尾さんが小学校で「なわとび教室」をするときに密着取材しました。
これはすばらしいですね。すでに粕尾さんのブログのページに上がっていました。
参考: なわとびパフォーマンス、教室ご依頼までの流れ | なわとび1本で何でもできるのだ
同時にスポンサーも募集しているみたいです。学校側のお金の負担をゼロにするためにという素晴らしいアイデアです。企業の方、ぜひ!!
その2: 日本の舞台芸術に還元したい!
ではお次に2本目の柱に「身体表現」というのはどういう意味でしょうか?
粕尾: 身体表現では、これまで「シルク・ドゥ・ソレイユ」で培った経験を日本の舞台芸術に還元したいと考えています。
粕尾: その第一弾としてコンテンポラリーダンスの振付家の人と作品を創作予定です。上手く進めば「かがわ・いわなみ芸術祭」で発表予定です。
うおー! めっちゃ香川じゃないですか!! これは楽しみですねー。
香川、舞台芸術と言えば、田中未知子さんですよ。紹介しますので、何か面白いことやってください(← ということで紹介した)!
その3: パフォーマーが情報発信をするロールモデルに!
そして3本目の柱として「ブログ」を掲げていらっしゃいますね。
そう。粕尾さんはブロガーでもあるんですよね。しかも「THE HUFFINGTON POST」でも掲載されているという! すごい。
記事のクオリティーがハンパなく高くて、本職レベルなんですけど、粕尾さんはなぜブログを本気でやってらっしゃるんですか?
粕尾: ブログでは、アスリート・パフォーマー自身が情報発信に取り組むモデルケースになりたいと考えています。とくにマイナー競技のアスリートだと、情報発信が苦手で実力も演技も素晴らしいのに、モッタイナイ!と思うんです。
これはすばらしい! 大賛成です!! 全力で応援するので、ぜひなってほしいです!
アスリート・パフォーマーといえば、香川には私の友達の住職で現役フットバッグ日本チャンピオンのブロガー へんもさんもいますね(これは香川に来たときに会わせないと!)。
参考: HENMOBLOG | 真宗興正派善照寺住職かつフットバッグパフォーマーの「へんもさん」こと三原貴嗣が見たり聞いたり考えたりしたこと
というわけで、今回はなわとびの世界的パフォーマー 粕尾 将一さんにインタビューさせていただきました。
実は粕尾さん、私のオンラインサロンにも参加してくださっています。ありがとうございます。
2018年11月追記: 縄のまっちゃんの書籍が出ました!
追記: 粕尾さんに密着取材して学校で行われた「なわとび教室」を見学してきました。