こんにちは! ヨス(プロフィールはこちら)です。
今日、何気なく子ども用のテレビ番組を見ていて「トリック・オア・トリート」と言うのを聞きました。「ああ、ハロウィーンなんやな」ということと同時に残念な気持ちになった話です。
トリック・オア・トリート
なんでカタカナ英語の「トリック・オア・トリート」を聞くと残念な気持ちになるのかというと、理由は発音です。
「Trick or treat」は、文字で見ると確かに「trick」「or」「treat」の3つの単語なのでカタカナにするときに「トリック」「オア」「トリート」を当てはめているんですよね。これ、表記としては正しいと思うんですが、発音するときに大きな弊害になっていると思うんです。
というのは、こういうふうに「3つの単語!!」というのが強調されると、どうしても「トリック」「オア」「トリート」みたいに文章ではなく、「3つの単語」という意識で読んでしまいたくなるからです。英語では単語と単語の間にスペースを入れて書く「分かち書き」という方法をとりますから、そう見えるのも仕方がないんですけど。
日本語の例を見ると
分かりやすくするために、日本語の「分かち書き」を見てみましょう。
へんじが ない。ただの しかばねの ようだ。
上の例のようにひらがなしか使わない文章の場合は、英語みたいに「スペース」を入れてやらないと読みにくいです。なので、小学校一年生や、外国人への日本語教育では、こんな「分かち書き」が使われます。ちなみに、これはゲームの『ドラクエ』に出てくる有名なセリフです(笑)。
でも、誰も
ヘンジガ・ナイ。タダノ・シカバネノ・ヨウダ。
とは発音しませんよね? だって、この文章のスペースはあくまで表記上の読みやすさのためですよね? 読むときには意識しませんよ。ってか、意識するとロボットちっくで不自然になりますよ。
英語でもスペースは取り払おう!
同じように英語でも、読むときはこのスペースを取り払えばいいんですよ。
Trickortreat
です!カタカナにすると……
トリッコアトリート
になります。
こうやって繋げて読むと、「語」と言う意識が「文」と言う意識になりスムーズに読めるようになる手助けになると思います。
子音と母音が繋がるよ
そして、もうひとつ変わった部分があることにお気付きですか?もう一度出します。
トリッコアトリート
そう。それは、語尾の「子音」と語頭の「母音」の音声が繋がることです。
「Trickortreat(Trick or treat)」の「trick」の最後の「 k(子音)」と、「or」の最初の「 o(母音)」が合体してますよね! 「 k 」と「 o 」が繋がると、「ko」。つまり、カタカナで言うと「コ」になり、続けて読むと「トリッコアトリート」の方が実際の発音に近づくわけです。
ほかの例も見てみる
分かりやすくするために、ほかの例も見てみましょう!
通常のカタカナ英語 | 音が繋がる例 |
---|---|
How's it going? (ハウズ・イット・ゴウイング) |
How'sitgoing? (ハウジットゴウイング) |
Keep on smiling! (キープ・オン・スマイリング) |
Keeponsmiling! (キーポンスマイリング) |
This is an apple. (ディス・イズ・アン・アップル) |
Thisisanapple. (ディスィズァナップル) |
最後の「This is an apple.」は4単語の音声が合体して、かなり高度ですが、慣れてくると思います。これ、中学校で習う基礎の文章で、超不自然なことでも有名wですが、音声的に見るとかなり勉強になる「良い例文」なことに今気づきましたよ(笑)。
ちなみに「climb」の様に、表記と音声が一致しない語にはご注意くださいねー。
カタカナ英語は、英語の正しい発音を学びたいと思う時に最も邪魔をする困ったヤツです。
そういえば、カタカナ英語が日本語を勉強している英語圏の方にとって最も難しいものの一つであるという事実って意外と知られていません。こういうことを知ると、いかにカタカナ英語と本当の英語がかけ離れたものかがよくわかりますよね。
今回は細かい発音のことは完全に無視して書いてますが、英文を読む時に単語間のスペースを取っ払って読むことを意識して読んでみてください。スムーズに聞こえる英語に少しでも近づくと思いますので!