こんにちは! ヨス(プロフィールはこちら)です。
今回は人を笑うことについて。日常で「真剣にやっている人」を見て笑うのを目にすることが多いので、そのことについてまとめてみました。ちなみに、記事名に「日本人」って書いていますが、別に日本に限ったことじゃないかもしれません(← 適当)。
目次
一生懸命ポルトガル語で話そうとする少年を笑う
「人を笑うこと」について書こうと思ったのは、最近こんな動画を見たからです。
サッカーのクリスティアーノ・ロナウド選手が2014年7月に開催されたメーカーのPRイベントで来日し、出演した動画(そんなに新しくはないみたいですが)です。
この動画の中で「うひょー!! あのロナウド選手に質問できる!」的なコーナーがあり、一人の少年(日本人)ががんばってポルトガル語で質問します。
でも観客(多くが日本人の報道陣)がそのぎこちないポルトガル語を聞いて一斉に笑うんです。
それに対してロナウド選手が「上手に話せているのに、笑うべきじゃないよ」と言ってるんです。
真剣な人をなぜ笑うのか考えてみる
この動画を見て、これってなんで笑うんだろうか?と思いました。
本人が笑わせようとしているのなら「おかしいから笑う」で片付きそうなんですが、こういう場合の「笑いの理由」って複雑です。
まず思い浮かんだのは、失敗した人や下手な人を馬鹿にする笑いです。たぶん、ロナウド選手もこれが笑いの理由だと解釈していると思います。
で、中学校のときのこんな体験を思い出しました。
真剣にやっている人の失敗を笑う
中学のときの国語の時間に「汗をかく」の「汗」を「肝」と間違えて「きもをかく」と読んだんですよ。
そしたらクラス全体が大笑いです。私すっげー腹が立って「笑うな!」とでかい声でどなりました。もちろんクラスはシーンとなりましたが。
今となったらこの読み間違いはおもしろいのですが(笑)、当時真剣に読んでいた私にはそれを笑うのが許せなかったんです。
笑わせる意図がないのに笑われるのって不愉快なんですよ。
英語の授業での体験
あ、もう1個思い出したのでそちらも。こちらもまた中学の授業なんですが、英語の授業中のこと。
中学で英語が始まって間もないころ、先生に教科書の音読を当てられました。で「Hello!」というところを「ヘロー」と読んだんですね。
そしたらそれを聞いたクラス全体の人が大笑い。私は先生(← 日本人だったけど発音がマシだったと思う)が「Hello」と言ったのが「ヘロー」に聞こえたのでそのままマネして読んだだけなんです。
でもこれはカタカナ英語では「Hello」は「ハロー」と読まなければならないという暗黙のルールがあるので「ヘロー」では下手くそなんですよ。
標準じゃないものを笑う
この例の場合は、下手くそなものを笑ったというか「異質なもの(標準じゃないもの)に対する笑い」かもしれませんね。両方が入れ混じっているかな。
「コイツ何カッコつけて英語っぽく発音してんの?!(皆はやらないのに)」的なやつ。この辺は「なぜ日本人は英語が話せない?」でもいろいろ書いていますが日本人の英語レベルが低い理由の1つです。
こういう「標準じゃないものに対する笑い」はテレビを見ていると、よく見かけて嫌な気分になります。例えば、ちょっとほかの人と違う「個性的な雰囲気の人(一般の方)」が登場すると会場がその人を見て笑うとか。話し方が個性的だとそれを聞いて笑うとか。
これが意図的に笑いを取ろうとしているときや、笑わせるのが仕事の芸人だったらそこは「笑いが取れてうれしい」だと思うんですけど、本人が真剣に話しているだけ(笑わそうとしていない)なのに笑うのってどうなんでしょう?
真剣な人を笑うな!
そういえばまたしても思い出しました。私がカナダに留学していたとき、いろんな国の民族的な歌とか踊りを楽しむイベントがあったんです。
で、日本のコーナーで和太鼓が出てきて日本の方が和太鼓をたたき始めました。それを見て、一部の集団から笑いが起こっていたんですよ。
誰が笑っているんだろうと思い見てみると、観光に来ている若い日本人の集団でした。いやーな感じでしたよ。
いや、全然笑えるような場面じゃなかったんですよ。みんな真剣に太鼓叩いていたし、上手でした。この場合の笑いは、私が思うのは若い人が日本の伝統文化とかをダサいって思っていてバカにしているのかなと思います。
標準のこと(一般社会では太鼓をたたかないのが普通)からかけ離れているから馬鹿にしているのだと。
絶対に真剣な子どもを笑うな!
こうやっていろいろと考えていると、最後に今回紹介した動画の「笑い」の理由が私なりにわかりました。それは可愛いものに対する笑いです。
たぶんこれだけ聞くと「は?」ってなると思うので、幼稚園のお遊戯会を思い浮かべてください。で、ステージの上に子どもがいて、その子が上手くセリフを言えなかったり、ドギマギして黙ったままだったりするとします。
そんなときにそれを見て笑う親が多いんです! これが今回紹介した動画と同じ「笑い」の理由だと私は結論づけています。
子どもたちは真剣にやっているのに笑うんですよ。で、なんで笑うのかを分析すると、たぶん可愛くて微笑ましいからだと思うんです。子どもを馬鹿にしているのではないと思います。
でも、これって本来、声に出して笑うのでなく、可愛いものをみながら「ニッコリする」だけのもののような気がするんですよ。それなのに、声を出して笑われた方は「バカにされた」とも解釈できるため、傷つくと思うんですね。
ちなみに、うちの子が通っている幼稚園は素晴らしいので、「お子さんが上手くできなくても笑うのは傷つくのでやめてください」と劇の前にアナウンスがあります。でも、それでも笑う人が多いのが現実……。
可愛いから笑う???
「可愛いから笑う」というのを理解するのはちょっと大変でしたが、「ほほえみ」が音声として出たものだと解釈しています。
日本語で「(声に出して)笑う」も「(にっこりと)微笑む」も、普段は「笑う」という同じ動詞で表現されるため、ごちゃまぜになっているのかと推測しています(英語では「laugh」と「smile」という風に別の単語で使われます)。
ん? 逆かも。
「ほほえむ」ときも昔から声に出して笑っていたから、どちらも「笑う」っていう動詞を使うのかもしれません。
まぁ、どっちでもいいんですよ。とにかく、このポルトガル語をがんばって使っていた子どもは、「自分が下手だから笑われた」と解釈するのが普通でしょうね。私がこの子だったとしても同じだと思います。
大人にとっては「かわいいから笑った(微笑んだ)んだよ! バカにしていない!!」と反論が出るかもしれませんが、そんな見えにくい理由なんてどうでもいいんです。子どもには「馬鹿にされた」ということしか伝わってないんです。
空気が読めない?
ここまで書いてふと思いました。
最初に出した「国語の時間に私が読み間違えて爆笑された例」ですが、私がクラスメートに「笑うな!」と怒鳴ったのは、たぶん今風に言うと「空気が読めない」ということなんでしょうね。
未だに空気を読むのは苦手ですが、当時の私が怒鳴った行動はすごく真っ当だなと今でも思います。
実は、知り合いにも同じ体験をした子がいて、その子はそれ以来みんなの前で声を出すのを怖がるようになっていましたし、真剣にやっているのを笑われるのは、どんな理由があっても傷つくんです。
最後にもう1個、気になる「笑い」がありました。
ロナウド選手が「寿司が好き」と言っているのを聞いて、それをみんなが笑うんですよ。
ここって何がおかしいんでしょうね。でも「ああー、日本人ってこういうとき、みんな笑うよなー」っていうのはわかります。
まぁ、とにかく私が言いたいのは……
- 失敗した人や下手な人を笑う
- 標準じゃないものを笑う
- 可愛いから笑う
……こういうのは、笑われた方は不愉快なんで、真剣にやっている人を笑うのはやめてねということです。
ちなみにこの記事のために描いたイラストは「笑っている」ではなく「ほほえんでいる」ですね。具体的には「にんまりとしている」ですか。「笑う」って言葉はいろんな意味を含んでいるのでややこしいですねー!
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