こんにちは! 元日本語教師のヨス(プロフィールはこちら)です。
今回は英会話学校を経営しているカナダ人のカリスマ英会話教師&オーナーと日本人の英語について対談してきました。
元日本語教師で言語オタクのわたしと日本で英語を教えている外国人の対談……うはっ! おもしろそうじゃないですか??
目次
カリスマ英会話教師と対談?!
「カリスマ英会話教師と対談」とか書くと、なんかわたしがすごいみたいに見えますね(ニヤリ)。
……すみません。この表記は全然間違ってはいないのですが、対談という意識で話をしてきたわけではないです(笑)。
友達のタイラー(Tyler)とスターバックスで会って、くっちゃべってきただけです。
おしゃべりした友達が、たまたま英会話学校を経営しているカリスマ英会話教師なだけです。
「タイラー」って誰よ?
友達のタイラーは、現在香川県で
、子ども英会話を中心にめっちゃ躍進している「シナジー英会話」を経営しています。
ちょっとだけタイラーがどんな人か説明すると……。
- カナダ出身
- 2004年に日本に来て、日本在住12年目(2016年9月現在)
- めっちゃ日本LOVE
- Apple大好き!
- 日本語能力試験1級に合格している(← 激ムズ)
- 香川県の方言である讃岐弁を流暢に話す(← マジですごいレベル)
- 2人の子どもがいる
- 専門的に教育について学んでいる
正直なところ、わたしとどこで出会ったのか忘れてしまいましたが、かれこれ9年ぐらいの付き合いです。
日本人はなぜ英語が話せない?
タイラーとは大抵、アプリとかガジェットの話をすることが多いのですが、今回は成り行きで「なぜ日本人は英語がしゃべれないのか?!」という話になったんです。
おおー! なんか深そうでしょ?! まぁ、フザけながらでしたが。
というわけで、10年以上の間、日本で英会話を教えているタイラーと話した内容をまとめてみます。
学校の英語教育の問題点
まず学校の英語教育がマズいという話です。これは誰しもが「だよなー」とうなずくんじゃないでしょうか?
わたしもその通りだと思います。やっぱり「話す」という行動が一番難しいにも関わらず、授業では全く話す練習がないですもんね。
……ということを話すのかと思っていたら
タイラーからは意外な言葉が!!
それはなんと
「学校の英語の授業って厳しすぎやろ?」ということです。
文法中心の授業が「間違いが怖い」という状況を作る
どうやらタイラーが言っているのは、文法中心の授業だからという理由。例えば……
- ◯ He likes pizza.
- × He like pizza.
「 s 」があるかないかでアウト!になる授業が悪影響を与えているという考えです。
どういう悪影響かというと、間違いが怖くて話せない……という状況です。
英語に限らず、言語を話すのが上手くなるためには、とにかく発話して間違いまくることですよ。
それなのに、話す前に間違うことを怖がって、頭の中で完璧な文法を組み立ててから話そうとするんです。
そもそも日本人の英語が伝わらないのは文法がおかしいのではなく、発音が伝わらないからなのに。
日本人の「国民性(?)」
お次は日本人の国民性。
うーん。実は「国民性」という言葉はわたしは嫌いなのですが(タイラーもこの言葉は使ってはいない)、うまく表現する言葉が見つからず。
何というか、日本に住んでいると陥りやすい傾向とでもいいましょうか。もしくは慣習?
自分の意見をガンガン言わないように育てられる
例えば、日本で育つと自分の意見をガンガン言わないように育てられます。家庭や社会から。
あくまで比率が少ないだけで、わたしみたいに言いたいことは言う人もたくさんいますけどね。
タイラーが特に言っていたのは……
理解してもらうのを相手に委ねすぎ!!
……ということ。
いろんな国があるので一概には言えませんが、最低でもカナダをはじめとする英語圏の国では自分で意見を言わない限りわかってもらえません。
英語圏では「発言しない」と伝わらない
確かに! これはわたしが別の国際結婚のカップルに聞いた話ですが、家事に追われている日本人妻が食器を洗いながら「家事が忙しい」と夫に言ったそうなんです。
日本人なら「(これはオマエも家事やれよ!ということだな)」と察すると思うのですが、そのアメリカ人の夫は気づいてくれないんだそうです。
あとで「何でやってくれないの?!」と妻がキレると「ええ?? 手伝って欲しかったの?? だったら『手伝ってくれ!』と言ってよ! わかんないよ!」ということでした。
とぼけているのではなくマジで気づかないんだそうですよ!
これは極端な例だし、個人差もあると思うのですが「英語は言語で明確に表明しないと伝わらない」という側面をよく表していると思います。
高度に発展しすぎた「カタカナ英語」
そしてカタカナ英語(ここでは英語を日本語式の読み方で読むという意味です)の問題です。
すみません。これはタイラーより、元日本語教師のわたしが熱くなった話題なんですけど。
カタカナ英語が高度に発展しすぎていることが問題なんですね。
「ガール」は100%伝わらない
例えば「girl」という単語を、カタカナ英語では「ガール」と発音します。
これは日常の中で学ぶのだと思うのですが「ガール(ga:ru)」と言っても、カタカナ英語を知らない英語圏の人が聞くと100%伝わりません。
でも日本人は「girl」は「ガール」と発音しないといけない!と思い込まされているんです。
メディアや周りの大人によって。しかも困ったことに「ガール」というカタカナ英語を知っていないと逆に日本では苦労してしまいます。
「Hello」は「ハロー(haro:)」と読めという強制
わたしの実体験ですが、中学のときの英語の授業中に「Hello!」を「ヘロー!」と発音したことがあります。
先生(← 若い先生で、割と発音がよかった)が「Hello!」と言ったのが「ヘロー!」に聞こえたからです。素直に。
でもクラスメートはみんな、「いや、ハローやん!」と爆笑しながらツッコミを入れてきたんです。
そう。日本にいると「Hello」は「ハロー」と読まないといけないんですよ、ここ日本では!!
ガハハ!『英語』の授業なのに
オマエはなんで『English』を話してんの!!(笑)
……ってことです。絶対的な強制力でした。
志村けん さんのコントの忠実さよ……
これを皮肉っぽくユニークに表現した素晴らしいコントがあります。
志村けん さんが若かったころのコントですが、これ「日本の英語の授業ってそうそう!!」と超絶に納得しました。
めっちゃ面白い! 最後の締めとか最高ですね。
カタカナ英語の最も残念な特性が「日本人にしか通じない」ということです。
ぶっちゃけ、日本語のなまりがあるだけで、英語圏の人にかろうじて伝わる……のなら問題ないんですよ。
「カタカナ英語」は日本人同士では会話が成り立つほど発達しているのに、肝心の英語圏の人には全く通じないという恐ろしい特性があります。
日本人同士でコミュニケーションを取るためにしか役に立たないなんて……そんなんやったら日本語で話すわっ!というツッコミを誰か入れてあげてください。
日本語と英語が言語的に違いすぎる
ちょっと当たり前すぎるのですが、日本語と英語って言語的にすごく遠い言語なんです。
分かりやすいところで言うと、文法や表記ですね。全然違いますよね。
そして会話で重要なのが、発音です。これがあまりにも日本語と英語で違いすぎる……
英語と日本語の発音があまりにも違いすぎる
日本語と英語では音声の差がとてつもなくあるんですねー。
例えば「母音の数」でいうと、英語は3倍以上も。こちらを見てください。
- 日本語: 約5個
- アメリカ英語: 約16個
- イギリス英語: 約20個
うわー。すごい差です。ちなみに「約」と付いているのは数え方によって数が変わるためですね。
一度も発音したことのない音声を発音することは無理なので、やっぱり発音が苦手になってしまうんですね。
余談ですが日本語の母音も奈良時代までは8つあったと言われています。
音声に限ると、日本語の方が、よく言えばシンプル、悪く言うと単純な言語です。
だからこそ英語に限らず、ほかの言語を学ぶときに苦戦するんですね。
日本人は語学習得を甘く見てる
上で、日本語と英語にはどうしようもない言語的距離があることを書きました。
なので、本来なら、めっちゃ頑張らないと英語習得なんて夢のまた夢なんですよ。
週一の英会話クラスで満足!?
それなのに、日本人は言語習得をナメています。
あ、タイラーは「ナメている」という強い表現は使ってませんよ(笑)! わたしの訳です。
週に1回の英会話クラスに来て満足している人って多くないですか?
ひどいときには宿題もせずに、本当に週に1時間だけ英語に触れて満足している人が多いんだそうです。
言語習得には最低2,000時間
タイラーの話では言語を話せるようになるには2,000時間程度、その言語を聞き続ける必要があるそうです。
2,000時間!! すごいですね。
これは、週に1時間の勉強だと2,000時間に到達するのは37年以上かかります。わお(笑)。
これを毎日1時間に増やすと、5年半程度に激減します。
言語習得には努力が必要ということを知っておくことも大切ですね。英会話学校に1ヶ月通って「全然うまくならない」と悲観することも減りそうですし。
日本で英語に触れる機会が少ない
そして、これも大きな問題なのですが、日本にいると英語に触れる機会が少ないということがあります。
逆に「カタカナ英語」に触れる機会はめちゃくちゃ多いんですけどね。困ったことに。
率直に言うと日本で住むときに英語は完全に不要
シンガポールみたいな多民族国家だと、マレー語が「国語」なんですけど、中国語、タミール語を話す人達も多いため、共通語として英語を使うそうですね。
このくらいじゃないと「ペラペラ」レベルの言語習得は難しいってことかぁ。
まぁ、シンガポールとは環境が違いすぎるのでアレですが(笑)。
そもそもなんですが、日本って英語に一切触れなくても生きていける国なんですよ。
逆に「カタカナ英語」が使えないと苦労するという残念な側面もあります。
やっぱり英語漬けの環境に身を置くのが重要
そんな日本の現状ですが、とにかく英語にまみれた環境に身を置くのは何が何でもオススメです。
でもお金がかかるんですよね……。
そこでオススメなのが「オンライン英会話」です。
多くはフィリピンの英語教師とネットで英会話の授業をするのですが、これが物価の差を利用した見事なしくみです。
5,000円程度で1ヶ月の間毎日英会話の練習ができるとか……夢のようですよ。ふつうの英会話スクールなら週1回でも5,000円以上するのに。
「英語」が憧れの対象で終わっている
日本では一般的に、英語が憧れの対象で終わっている気がするんです。クリアすべき目標ではなく、あくまで憧れの対象なんです。
ほら、芸能人に憧れるけど、本気でその芸能人との結婚を目指して努力する人って非常に少ないですよね? そんな感じです。
言語とは会話するための道具
でも言語って憧れもクソもないんですよ。会話するための単なる道具にすぎないんです。
「英語を話せるのってカックイイ!」って思うのもいいんですけど、かっこいいように聞こえているその英語は単なる上司の愚痴かもしれませんよ(笑)。
英語を話すことを目的にするのではなく、英語で何を話すか、どこで話すか、誰と話すかが重要だとよく聞きますがそのとおりだと思います。
目的が超ボンヤリしているのと、明確な目的があるのでは、話せるようになるまで時間が全然違います。
というわけで、目的はしっかり持ちましょう!
今回は英語についてタイラーと話した内容が興味深すぎたために記事にしました。
タイラーは日本語がペラペラすぎるのですが、わたしもたまには英語が話したいこともあって、日本語半分、英語半分での会話でした。
……が、やっぱり自分の英語が鈍っているなーと焦りました。英語に日常的に触れられる環境を増やさないと……。
そう思ったので、わたしが昔やっていた海外ドラマで英語の勉強をする方法を再開しようかなぁと思っています。
海外ドラマが見放題のHuluが良さそう!