こんにちは! ヨス(プロフィールはこちら)です。
さて、カナダに来て5ヶ月が経とうとしているわたしに、想定外の事件が起きました。
なんと……カナダの救急車に乗ったんです。
ということで、カナダで救急車で運ばれ病院に行ったときのことをまとめます。
目次
カナダで「救急車」に運ばれました
まさか、海外で救急車に運ばれるなんて、思わないですよね。
いや、海外とか関係ありません。日本とか海外とか関係なく、救急車で運ばれるなんて想像できません。
でも、運ばれたんですよ……。
日本でも一度もないのに!
電車の中で気分が悪くなる
ことの発端は、バンクーバーからリッチモンドに戻る電車の中でした。
16:30ぐらいなので、けっこう混んでいたんですよね。いえ、混んでたと言っても東京と比べたら「ヨユーでしょ?」レベルかも知れません。
香川在住ブロガーのヨスさん@yossense が今東京に来ていて、人生初の満員電車を体験したそう。そっか、日本人でも満員電車体験したことない人いるんだよねと新鮮に感じた。ちなみにヨスさんが乗ったという6時台の大江戸線はほんとの満員電車とは言えないので、8時台田園都市線にいつか乗ってみてほしい
— はあちゅう (@ha_chu) November 30, 2017
でも、わたし的には「うわー……」というレベルでした。
しかも、ビクトリアからの旅行の帰りだったので、疲れていたのもあると思うんです。
疲れていましたが、席はもちろん空いていません。で、電車内が混んでいたのでけっこう……いや、かなり暑かったんですよ。
暑いなぁ……と思っていると、吐き気がしてきました。
吐き気 → めまい
わたしは小さな船やバスでは酔いますが、電車ではほとんど酔ったことがありません。
「うわー、気持ち悪……」と思っていたら、今度は頭痛がしてきました。いや、頭痛はビクトリアから乗った水上飛行機のあとからあったかも。
そして、あと4駅で最寄りの駅のあたりで「これはやばい……」と感じました。
貧血で倒れるような感じになってきたので、次の駅で降りることに。
これが英断だった……。あのままいたら間違いなく気を失ってました。
降りたら涼しかったので「降りてよかった」と思って、1〜2分ほど壁に持たれ、座り込んでいましたが治りません。
そこで駅員さんが近くにいたので、「気分が悪いので横になりたいのですが……」と話しかけました。
駅員さんが的確に対処
わからないんですけど、カナダの駅のスタッフは医学の資格とか持ってないとなれないんですかね?
驚くほど、的確に対処してくれました。
症状、起こった経緯を伝え、呼吸を整えるように言われ、深呼吸を続けましたが良くなりません。
だんだん、手の感覚がなくなってきて、身体が震えてガタガタが止まらなくなってきたので駅のホームで寝転がらせてもらいました。
ブランケットを持ってきてくれ、枕にして。
日本のホームと違って綺麗で助かった……。
「4回吸って→4回吐く」と言ってくれ、それに従って深呼吸していたら多少良くなりました。
指先だけでなく腕の感覚もなくなってきて、冷たくなってきたので、駅員さんは救急車を呼んでくれました。
救急車に運ばれて病院へ
救急車が来るまでの間、駅員さんはずっと「吸って1、2、3、4、吐いて1、2、3、4……」のように言ってくれてたんですよ。
電車から降りたほかの乗客が何度か、駅員さんに「手伝うことはないですか?」と話しかけているのが聞こえる。優しい……。
そら、ホームで人が倒れていたらびっくりしますよね。
救急車が来るより先に何名かの警察官がきてくれました。よくわかんないけど、3名ぐらいかな。
心配そうにまわりを囲んでくれてました。
朦朧とした中、救急車の音が聞こえてきて「おお、やっときてくれた……」と心に思ったよ。
救急車の方(2名)がきてくれ、いろいろ詳しく状況を話しました。
すごくクリアな英語で話しかけてくれたので、「あれ? わたし、ネイティブレベルになった?」と錯覚を起こすぐらいスラスラと答えられました。
こういう状況なので、ふだんより英語の能力が研ぎ澄まされてたんだと思います。
血液を指先のピンで取られ、心拍数を調べられたりして、深呼吸をあきるほど繰り返していたら、かなり状態がよくなってきました。
でも救急車の方が「この症状が初めてなんだから病院で一度検査してもらうのをオススメします」と言ったので連れて行ってもらうことに。
なので、救急車で運ばれて病院に行くことになりました!
ちなみに担架を持ってきていましたが、歩けるので歩きましたよ。
カナダの救急車の中
カナダの救急車の中ですか? こんな感じです。
ブロガーだということを伝えて、写真をお願いしたら撮ってくれました。ちょっとブレてるけど文句は言いません(笑)。
こちらはわたしが座っていたところから見た景色。
赤紫色のバッグはわたしのスーツケースです。
救急車の中はエアコンがすごく効いていたので、体調はだいぶ良くなりました。じゃっかん、病院に行く必要ないかも……と思い始めましたが(笑)。
そして、Richmond Hospital(リッチモンド病院)に到着です。
病院でのやりとり
病院では「Emergency」につれられました。
すぐに呼ばれ、まず最初に「1,040ドル(約9万円)かかるけど払える?」と聞かれました。
いっしゅんひるみましたが(笑)、ガードミーという保険に入っていたので全額返ってくるので「Yes」と返事を。
一応クレジットカードが使えるかを聞いたら「もちろん」とのこと。ガードミーは先に自分で料金を払ったぶんをあとで請求して戻ってくるシステムです。
わたしの料金の内訳はこちらですよ。
Emergency Room Visit 緊急ルーム使用料 |
$785.00 |
---|---|
Emergency Physician Fee 緊急医師の料金 |
$255.00 |
カナダ住民で健康保険に入っていたら無料なんですけど、旅行者(わたしの場合は「観光ビザ」)の場合はべらぼうにお金がかかるんですね。
保険に入ってなかったら死ぬるな……。
そのあと、「医療に文句があったら訴えることができる」みたいな書類と「1,040ドルを払います」みたいな書類にサインをして、個人情報を書く書類に住所とか電話番号などを記入しました。
「あれ? 救急隊員のお兄さんに伝えたのに、あれは意味なかったんかな?」……と思いながら。
心電図を撮る
ここからが長かった……。
1時間ぐらい待ったかな?
「忘れられてるんとちゃうの?」と不安になった頃、看護師さんが来てつれられ、血圧と心電図を調べてくれました。
結果を先に伝えると異常無し! ホッとしましたよ。
ちなみに、カナダの血圧測定の機械は日本のより長時間締め付けられます(笑)。まぁ良いんですけど。
ベッドに移る
心電図が終わり、30分ぐらい待った頃、また看護師さんが来て、「こちらのベッドで待っていてください」と言われました。
ベッドには病院の服があり、それに着替えるようにも言われました。
「ええ?! そこまでしないとダメなの?」と思いながらも、着替えることに。
こんな水色の服です。
日本だったら男性は水色、女性はピンク……みたいになっていそうだけど、こっちはそういう差別はなく全部水色でした。
そこから4時間ぐらい待ってやっと診察……
ええ、わたしはすごく軽い症状で運ばれましたよ。
ほかの方も何名か運ばれてきましたが、明らかにわたしより大変そうでした。
だからだと思うのですが、診察まで4時間ぐらい待たされました。
まぁ、しゃーないよな……。
イマージェンシーですからね……。
壁にはこんな掲示物が。
「(看護師や医者に対する)暴力や無礼な言葉、悪い行動は許されません」と書いています。
あ、そうそう。最初、ブランケットがなくて、寒いと思ってたんですね。
そしたら、たまたまのぞいてくれた看護師さんが「あ! ブランケットがないですね!」と言って、すぐにとりに行ってくれました。
そして、その方がブランケットをかけてくれるときに「Ta-da !(ジャジャーン!)」とマジックショーで布をかぶせる動作でかけてくれました。
いやー、日本だったらありえないと思うのですが、こういう遊び心好きです。
白人の若い女性の看護師でしたが、照れもなくやるから、こっちも安心して笑えます。
「まじめに仕事をする」と「楽しんで仕事をする」は対立しないという記事にも書きましたが、看護師さんも仕事も楽しんでやっているように見えました。
そのあと診察にきてくれた先生もすごく感じの良い方で、専門用語で分からない言葉があっても、Google翻訳を使い日本語で見せてくれました。
ただ、病院に来て、3回以上も同じことを聞かれたのですが、さっき伝えたのはなんだったんだろう。
うまく情報共有ができていないのは、日本と同じのようです……。
さらに血液検査を
先生が言うには、「人が密集しているような緊張するような場所で、しかも暑いところで長時間立っているとこういう症状になることがある」とのことでした。
ああ! 日本の学校で校長先生の長い話を聞いているときに倒れるのと同じだ!
まさかカナダに来て、校長先生の長い話の危険さを知ることになるとは思っても見ませんでしたよ(笑)。
海外旅行保険に送るためにもらった診断書(コピー)にはこんなふうに書かれていました。
横からすみません。vasovagal event 血管迷走神経。失神や目まいのようですよ。https://t.co/twvV9sNawx
— Papachi Yugochi🇨🇦 (@PapachiYugochi) June 11, 2019
まったく読めなかったのですが、Twitterで教えてもらったら「Vasovagal Event(血管迷走神経)」とのことです。
Twitterで教えてくださった@PapachiYugochiさん、ありがとうございます!
さらに、「血液検査も念のためにしておきたい」と先生が言うので、またしても待つことに。
30分ほど待つと、血液検査になりました。
わたしは血液をとるときや、注射をするときに横になっていないと失神してしまうので、ベッドでやってもらうことに。
そのことを採血の看護師さんに伝えると、わたしの気がそれるようにいっぱい話しかけてくれました。楽しくていい人だった。
血液検査は1時間ほどで結果が出るので、さらに1時間待つことになりましたが(これは日本でも同じ)。
先にやってくれてたら待たなくても済むのに……
……とも思いましたが、仕方ありません。
家に帰ったのは7時間半後
そして、すべて終わったのが夜中の1:30!!
なんと
7時間半も病院にいました。
まぁ、ほとんどはベッドでスマホ見て待っていましたが、これは長すぎますね。
深夜だし、倒れたら嫌なのでタクシーを呼んで帰りました。
ちなみに、「リッチモンドタクシー」は常にあんまり感じ良くないのですが、それにも慣れました。
海外旅行保険に入ってなかったらとんでもない金額に……
さて、こんな感じで、長々と書いてきましたが、とりあえず、海外旅行保険に入っておかないと大変なことはよくわかりました。
もし、3ヶ月以内の海外旅行だったら楽天カードというクレジットカード(年会費無料)を持っているだけで大丈夫です。
その旅行の一部の料金(空港までの電車料金やバス、タクシーなどの料金)を楽天カードで支払えば、3ヶ月は海外旅行保険に入ったことになります。追加料金も無しで!
ちなみにわたしは今回、保険のお世話になるのは2度目です。風邪がひどくて病院に行っただけでも15,000円ほどかかったので、保険がないとヤバすぎます(笑)。
【追記】2年後に救急車の料金の請求書が?!
以上で一件落着と思っていたのですが、なんと2年後に救急車の請求書が日本の住所に届きました。
はっきり言って意味不明だったのですが、理由がわかりました。
わたしが住んでいたカナダの住所に請求書が送られたのですが、そのときはすでに日本に帰国していたのです。
そして、救急車で運ばれてから2年後にカナダに行ったとき、わたしの住所情報が更新されたのでしょう。
やっとたどりついた請求書はこちら。
なんと「past due notice(支払遅延通知書)」と書かれている?!
支払い金額は530ドルという高額でした……。
保険会社に申請しましたが、保険期限が切れていたため、約5万円は実費で払うことに。
ということで、救急車で運ばれると高額で、しかもだいぶ遅れてから請求されることに注意が必要です。
さて、今回はカナダで救急車に運ばれたというお話でした。
あんまりこういう経験はしないと思うので、「へー」と思っていただけると運ばれた甲斐があります。
とりあえず、この記事をまとめるとこういうことです。
まとめ
- カナダ人は優しい
- 海外旅行にいくときは絶対に保険に入ってないとやばい(海外旅行保険のついている楽天カードがオススメ)
- 気分が悪くなったら英語が苦手でもひるまずに助けを求めよう
- カナダの病院は待たされるのを覚悟でいよう
- カナダの病院のスタッフは楽しそうに仕事をしている(大変なのはもちろんだけど)
- 突然、大金が必要になるかもしれないので、クレジットカードはぜったいに持っておこう