※2020年10月30日追記: 夫婦別姓についての電子書籍を販売いたしました!
こんにちは! ヨス(プロフィールはこちら)です。
先日、わたしが読売新聞に「夫婦別姓」について取材を受けて新聞に載りました。
すごく嬉しかったんですが、その記事のわたしのパート以外のところに残念すぎる箇所がありました。
今回はそこにあった「夫婦別姓をしていない人の妄想とでっちあげ」について紹介します。
目次
夫婦別姓について取材を受けた
先日、「夫婦別姓」について取材を受けたと書きました。
わたし的に、この事実自体に満足して忘れそうだったのですが、この記事はわたしへのインタビューだけではありませんでした。
全体では4名への取材で以下のような構成でした。
- 夫婦別姓体験者のコメント1(=ヨス)
- 夫婦別姓体験者のコメント2
- 大学教授(ジェンダー論)のコメント1
- 大学教授(憲法学)のコメント2
わたしの写真が載っているのでありがたいことに目立っていますが(笑)。
最後の教授のコメントがあまりにもお粗末
途中までは良かったんですよ。でも最後の日本大学教授(憲法学)のお話があまりにもお粗末だったのです。
日本大学教授の百地章さんは(憲法学)は、「夫婦別姓は親子別姓をもたらす。別姓を選んだ夫婦は満足だろうが、決定権のない子どもの気持ちや視点を忘れないでほしい」とくぎを刺す。
2015年11月13日の読売新聞より引用しました。
一番ビックリしたのは、「わたし」という「夫婦別姓をしている実例」があって、そのわたしに取材をしてるのに、こんな蚊帳の外から妄想を言っている方の意見を最後にもっともらしく書いている点です。
このブログのほかの記事でも書いていますが
わたしの家族で「夫婦別姓で家族はバラバラにならない」という結果が出ているのです。
そこをこの新聞記事では書かれていないんですね。今気づきました。
「体験者の意見」と「体験していない人の妄想」……どちらに説得力があるんでしょうね?
まぁ言わなくてもわかるでしょうが。
子どもを不安がらせる簡単な方法
その大学教授の方が書いていたのはこんなことです。
別姓にすると、姓を変えない大多数の家族と比べて、『なぜうちは違うの?』と子どもが違和感を持ったり、不安に感じたりするのではないか。いじめの要因になる可能性も否定できない」
2015年11月13日の読売新聞より引用しました。
正直言って、これが見識者の意見とは思えません。
専門分野の知識とは関係なく、感情のみで言っているようにしか見えません。
一般の人が街角でインタビューされて答えたような内容です。
この方は憲法学の専門家なので、「憲法学のフィールド」からの意見じゃなければこの方が発言する価値なんてない気がするのですが……。
ウチの家庭では姓の違う家族が住んでいて毎日愉快に過ごしていますが、やろうと思えば子どもを簡単に不安がらせる方法はあるんですよ。
それはネガティブな情報を吹き込むことです。
例えば「パパとママの名字が違うのってみんなと違うよね? 気にならない?」とか「普通はママが名字を変えるものなんだけどウチはそうしてないんだよ。それが原因で君がいじめられないかが心配だよ……」とか。
こういうことを言い続けていると簡単に不安がらせることはできるでしょうね。
つまり、そういう不幸な子どもたちを作り上げるかもしれない不安材料は、夫婦別姓についてネガティブな情報を撒き散らしている人なのです。
え? 日本の家族ってそんなに均一だっけ?
続けて、大学教授の方のこんなコメントにもツッコミどころが満載でした(太字はヨスによる)。
別姓にすると、姓を変えない大多数の家族と比べて、『なぜうちは違うの?』と子どもが違和感を持ったり、不安に感じたりするのではないか。
2015年11月13日の読売新聞より引用しました。
「なぜうちは違うの?」と子どもが違和感を持つってどういうことでしょうね?
今の日本社会で、よその家庭ってそんなに均一なんですか? すごく多様性にあふれているんですけど。
- シングルマザー / シングルファーザー
- 離婚
- 再婚
- 国際結婚
- 高齢出産
- 転勤・移住
- 多様な親の生活スタイル
こんなに十人十色なスタイルの中で「夫婦別姓」に対してだけ不安に思いすぎじゃないですか?
人間は元から多様性があります。それなのに、人と違うこと、よその家と違うことって「悪」って言っても良いのでしょうか。
こんな現実を見ていないコメントをする暇があれば、「他と違うことを認める教育」に焦点を当ててほしいところ……。
「いじめの要因になる可能性も否定できない」って?
さらに親の姓が違うという話から「いじめ」の話にまで発展しています(太字はヨスによる)。
別姓にすると、姓を変えない大多数の家族と比べて、『なぜうちは違うの?』と子どもが違和感を持ったり、不安に感じたりするのではないか。いじめの要因になる可能性も否定できない」
2015年11月13日の読売新聞より引用しました。
結局のところ「親が別姓をしているといじめの要因になる可能性も否定できないだから夫婦別姓をするな」ということを書いています。
つまり、ほかの事例に当てはめるとこういうことが言いたいんですよね?
- 田舎の方言はいじめの要因になる可能性も否定できない
だから地方出身者は東京に来るな - シングルマザーはいじめの要因になる可能性も否定できない
だからどんなにDVを受けても離婚はするな - 天然パーマはいじめの要因になる可能性も否定できない
だからストレートパーマをかけろ - 肥満はいじめの要因になる可能性も否定できない
だからどんなに太る体質でも無理して痩せろ - 親の職業が◯◯ならいじめの要因になる可能性も否定できない
だから職業が◯◯の人は子どもを生むな - 高齢出産はいじめの要因になる可能性も否定できない
だから高齢出産は禁止しろ - 醜い子はいじめの要因になる可能性も否定できない
だから整形手術をしろ! - 混血児はいじめの要因になる可能性も否定できない
だから国際結婚をするな
こういう発想なんでしょうね……。つまり言い換えると「マイノリティー排除の思想」です。
これ、どう考えてもいじめる方が悪いでしょう。完全に阻止する相手を間違っていますよね。
最後に言っておくと、うちの子たちは全然いじめられてませんので。
本当にいい加減にやめませんか? 経験者の意見を聞きもせずに
「妄想」と「でっちあげ」のオンパレードで盛り上がるのは。
追記:「別姓がいじめを作る」という発想は「私は別姓を理由に差別するよ」という宣言
Twitterですごく言い当てている方を見つけたので紹介します。
「夫婦の姓が違うとコドモがかわいそう」みたいなことを言う人って、単にその人がそういう理由でコドモを差別しますよ、と告白してるだけに過ぎないのだが、それに気づくことが出来ない人がそのような主張をしたり顔で述べるのでアホだなあと思う
— mojin (@mojin) November 11, 2015
いや、もうまさにこれですよ。
この教授は「別姓はやめましょう。さもなければ差別しますよ」と宣言しているんですよね。
「親が夫婦別姓をしている子どもは差別されても仕方がない」と言っているのと同じですね。
せっかく取材を受けて喜んでいたのに、こういう締め方なのは自分の載った記事の価値が下がるのですごく残念です。
体験していない人があーだこーだと妄想したい気持ちもよくわかります。でも、すでにわたしのような体験者がいるんですよね……(両親が夫婦別姓の家庭で育ち成人している方もいます)。
もし、ひと言だけ言わせてもらえるなら……
「自分がやってから文句言え!」
あと、この教授もわかってるんでしょうかね? 導入されるにしても「選択的」夫婦別姓ですよ?
教授にはこの記事も読んでほしいなぁ。
Twitterではこの記事のような内容のつぶやきをよくしています。
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