こんにちは! 単語登録の鬼ことヨス(プロフィールはこちら)です。
単語登録についてこのブログではいろいろと書いています。よくもこんなに書くものがあるわーと思いますが(笑)。
今回は、なぜ日本人の名前の入力が大変かというお話と、それをスムーズに入力するためのコツをご紹介します。
名前入力はなぜ大変?
日本人の名前を入力するのは大変です。
いきなり意味不明なことを口走ってしまいすみません(笑)。何が大変なのかというと、漢字変換のことなんです。
ひらがなを打って、漢字変換して、候補で出てきた漢字の中から選ぶ……という流れは、アルファベット圏のキーボード入力では生じない大変さがつきまといます。
さて、日本人の名前の入力の大変さについてですが、これがすんなりといかないのには3つの理由があります。
とにかく同音異義語が多い
まずは「同音異義語」の問題です。
同音異義語とは、音声が同じなのに、表記が違う単語のことです。たとえば「こうかい」と入力して漢字変換すると……
- 公開
- 後悔
- 航海
- 更改
……のようにこれでもかと漢字が出てきます。
人の名前を入力しているときでも同じで「敬章」と入力したいときに、「ひろあき」と打つと……
- 裕章
- 宏明
- 広明
- 博昭
……と、なんと候補が117件も出てくるんです!

こんなに多いと、探しているうちに「あれ? 正解の漢字はどれだっけ!? 」って忘れてしまいますよね。
当て字が読めない
日本語の漢字は限りなく自由度が高いときがあります。それが名前の漢字です。
日本人の名前には漢字に凝りすぎて読めないものが多々ありますよねー?
これは日本の名前に関する法律が自由すぎることに起因していますが(名前の漢字はどんな漢字をどんな風にも読ませることができる)、漫画の主人公の名前を真似たり、外国の名前を漢字にしたりすると頻繁に発生します。
俗っぽく言うと「DQNネーム」と呼ばれたりしますが、たとえば「葡萄牙」と書いて「ポルトガル」とか「錫蘭」と書いて「スリランカ」というレベルの読めない名前のことです。
漢字に旧字体と新字体がある
日本の漢字には昔一般的に使われていた「旧字体」と、簡略化などで新しく作られた「新字体」があります。例えば「惡」と「悪」のようなものです。
苗字は昔からずっとずっと伝わってきたものなので、コレ旧字体で面倒だから変えようっと!……ってノリで変えたりしません。なので日常では使わない複雑な漢字を使っていたりするのですが、中には今のパソコンでは表示できない漢字すらあります。
入力方法の比較
では実際のところ、皆さんは日本語の名前をどのように入力しているのでしょうか? そしてどのように入力すると効率が良いのでしょうか? ちょっと見てみましょう。
名前の読みのまま入力
まずは、名前の「読み」をそのまんま入力して漢字変換する方法です。
これは、昔から名前として知れ渡っているものには問題なく使えます。例えば「花子」とか「太郎」とか。でも気をつけたいのは「はなこ」も「花子」だけでなく「華子」と書く可能性もあるということです。もちろん「たろう」も「太朗」と書くこともあります。
また、四文字の男性の名前などにはかなり不向きな入力方法です。先ほども例で出た「敬章」と言う名前でも「ひろあき」と打つと、候補が117件も出てきます。「裕章」「宏明」「広明」「博昭」と、たくさん候補が出てくる中から「敬章」を探すのは、かなり気が滅入りますよね。
「ひろあき」で変換
キーを押す回数: 78回(そのときによって違うけど)
HIROAKISpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceSpaceEnter

入力→消す→入力→消す……
そして、こちらは皆さんがよくやっている方法だと思います。「敬章」と入力するときに、「尊敬」と打って、「尊」を消し、「勲章」と打って、「勲」を消して、「敬」と「章」を足して「敬章」!!という、涙ぐましい入力方法です。
確かに、117個もある候補の中から探すよりは速いのですが、入力方法に無駄がありまくるのは明白でしょう。
「そんけい」「くんしょう」で変換
キーを押す回数: 23回
SONKEISpaceEnter←Backspace→KUNSYOUSpaceEnter←Backspace→

漢字一文字ずつ単語登録
そこで、「敬」に変換するフレーズを「rp(『respect: 尊敬』の略)」で登録し、「章」は「chp(『chapter: 章』の略)」で出るようにしました。こうしておくと、「rp」や「chp」を変換したときに「バッティングする言葉」が存在しないため、変換して探す手間がゼロになります。
「rp(敬)」「chp(章)」で変換
キーを押す回数: 9回
RPSpaceEnterCHPSpaceEnter

こんな風に、変換してすぐに文字が入力できるように登録する、つまりいかにSpaceキーを押す回数を減らすかが、スピードアップの鍵となります。
名前によく使われる漢字の単語登録例
では実際に登録するときの例を見てみましょう。
一番のオススメはアルファベットの表記が混じった状態での単語登録です。
その理由は「うぃっl」のようにアルファベットを登録単語に混ざると、変換しても他の変換候補が出てこないというもの。なので、Spaceで変換して、確認せずに即Enterを押せます。ああ楽チン!
登録のコツ
例えば「志」という漢字で説明します。「志」の読みは「こころざし」か「し」です。ですが……
- こころざし → 長すぎだし、打ちにくい
- し → いろんな候補(誌・市・死・氏・師・士……など)が出るので探すのが大変
という問題があります。そこで登録するときはこちらの2つの方法がオススメです。
- 「っkz(kkz)」→ 「こ(k)こ(k)ろざ(z)し」の3文字を抜く。
- 「うぃっl(will)」→ 「will(英語で意志)」
うぃっl | 志 ※「うぃっl」は「will(意志)」です。 |
---|---|
ひgh | 高 ※「ひgh」は「high(高い)」です。 |
ryl | 貴 ※「ryl」は「royal(貴族)」の略です。 |
tれえ | 樹 ※「tれえ」は「tree(木)」です。 |
br | 明 ※「br」は「bright(明るい)」の略です。 |
fld | 田 ※「fld」は「field(田)」の略です。 |
漢字の新字体・旧字体の区別
漢字の新字体・旧字体の区別ですが、こちらは数字を付けて管理するのをオススメします。例えば、旧字体には「2」を付けるようなやり方です。
tr | 真 ※「tr」は「true(真実)」の略です。新字なので数字は付いてません。 |
---|---|
tr2 | 眞 ※「tr」は「true(真実)」の略です。旧字なので数字の「2」が付いています。 |
wd | 広 ※「wd」は「wide(広い)」の略です。新字なので数字は付いてません。 |
wd2 | 廣 ※「wd」は「wide(広い)」の略です。旧字なので数字の「2」が付いています。 |
md | 薬 ※「md」は「medicine(薬)」の略です。新字なので数字は付いてません。 |
md2 | 藥 ※「md」は「medicine(薬)」の略です。旧字なので数字の「2」が付いています。 |
単語登録方法は、私が20代のときに名前をひたすら入力するバイトをしていたことがあって、そのときに編み出した技です。
最初に登録したのは、この記事でも何度も書いている「志」です。
コイツが、男性の名前によく使われるにも関わらず、なかなか変換してくれなくてイライラしていました。「し」で変換しても200件近く変換候補が出るし、「こころざし」と入力するのも面倒ですし!
今回の登録方法ですが、別に名前以外のときにも使えます。「買う」と入れたくて「飼う」が出てきてウザい! ってときには「ぶy(buy)」で「買」が出るようにするとか、オススメですよ!
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