こんにちは! ヨス(プロフィールはこちら)です。
今回は厚生労働省が考えている「受動喫煙対策」が骨抜きすぎて目ン玉が飛び出たお話です。
簡単にまとめると……
- タバコのダメな人からすると「せまい店」ほど禁煙にしてほしい
- 政府自らが「タバコが吸えないと客が逃げる」状況を作っている
- 古い店にだけ「選択権がある」という不公平さ
です。いや、ほんとうにこの国の政治家の皆さんに読んでほしい内容です。
骨抜きすぎる政府の「受動喫煙」対策
こんな記事を読んで衝撃を受けました。
東京五輪・パラリンピックが開かれる二〇二〇年までに「受動喫煙のない社会を目指す」との目標を掲げてきた厚生労働省の受動喫煙対策が揺らいでいる。健康増進法の改正で、同省は喫煙可能な飲食店の面積を当初案より拡大する方向で調整していることが判明。原則禁煙にこだわった塩崎恭久前厚労相が退いたため、規制に後ろ向きな自民党との妥協が進んだとの見方もある。海外では法規制が進んでおり、禁煙推進派から「日本は最低レベル」との批判が強まりそうだ。
東京新聞:飲食店、喫煙可150平方メートル以下に後退 遅れる日本、禁煙派批判:政治(TOKYO Web)より引用しました。
現在出ている案をまとめるとこういうことです。
- 飲食店は原則禁煙
- 150平方メートル以下のお店は喫煙可能
- 大手チェーンの店舗は喫煙を認めない
- 新規開業の店舗は喫煙を認めない
これを見て唖然としました。
1つめの「原則禁煙」という言葉がどれだけ「字面だけ」なのかがわかってしまって。
この「150平方メートル」という数字。
ピンとこないかもしれませんが、都内の9割のお店は150平方メートル以下だそうです。
つまり、都内のお店の場合、9割のお店は今まで通りでも何も文句を言われないということを意味します。
骨抜きにもほどがあるわっ!!
ただでさえ、現在は「タバコのダメな人が行けるお店」が少ないのに、堂々と喫煙可能の印籠を掲げるお店が増えたら、ますますわたしはお店に行けません。
先日も遠出していた日の晩ごはんを外食で済ませようとしたのですが、お店が見つからなくて困りました……。
そもそも視点が完全に喫煙者
まず、そもそもなんですけど、この案って喫煙者視点すぎなんですよね。
タバコのダメな人の意見はこれです。
せまい店ほど完全禁煙にしてもらないと困るんですケド……。
タバコがダメな人とか、妊婦や子どもの健康のことを本当に考えているのでしょうか?
お店がせまいほどタバコの煙が充満し、被害も受けやすくなるんですよ。
それなのに、せまい店ほど、喫煙可能にするのも自由って……。
「新規開業店の喫煙は認めない」という謎仕様
この骨抜き具合にびっくりしましたが、もうひとつビックリしたのがこちら。
新規開業店の喫煙は認めない
ということ。
いや、意味がわからん!
なんなんですかコレ?? 古い店は良いけど、新しいお店は何が何でも完全禁煙にしないとダメって?
飲食店「禁煙にすると客が減る!」……に対してタバコのダメな人が言いたいことという記事にも書きましたが、「お店を禁煙にしたら客が減る!」ということが現実に起こるのはこちらの2つが共存するからなんです。
- 喫煙できるお店
- 喫煙できないお店
すべてのお店が完全禁煙になれば、あとは立地や味や雰囲気、ブランディングなどの実力での勝負になるので、「喫煙できること」がメリットになるお店が存在しなくなります。
「喫煙できること」がメリットになるためには「喫煙できないお店」の存在が必要なんですね。
つまり、すべてのお店が完全禁煙になれば「喫煙できない」という理由でお客さんが逃げることはなくなります。
だって、どの店に行っても完全禁煙ですからね。
お客さんが逃げたとしたら「そのお店に喫煙できること以外の魅力がなかった」ことの裏付けになるので、「ダメな店が淘汰される」という、どちらかというと良い現象になります。
古いお店だけに「選択権」があるという不公平さ
それなのに、「喫煙可能なお店」と「喫煙できないお店」の境目を「昔からある」「新しく作った」というところに持っていく理由がわかりません。
言い換えると「昔からあるお店」にだけ選択権があるということです。
こういうのをダブルスタンダードというんですけど、気付いてないのでしょうか……。
お店側の「禁煙になると客が減る!」という声(というか妄想ですが)をくみとっているはずの政府自らが、2種類を生み出し、「禁煙になると客が減るお店」を作ろうとしているのです。
これを見て思い出したのが、現在の高齢者は年金の恩恵を受けられるけど、未来の高齢者(我々)は年金の恩恵を受けられないということ。
同じ人間なのに、「あとから生まれた」とか「あとから開店した」というだけで不利な状況になるのってどうなんでしょうか?
けっきょくのところ、日本は年功序列思想が根底にあるんだなぁ……と、「おっさん主導国家」なんですね。
「古いもの」にだけ特権を作りたがる日本政府の闇に絶望を感じずにはいられません。
ということで、今回の内容をまとめます。
けっきょく言いたいのは、古いとか新しいとか、せまいとか広いとか関係なく、「すべてのお店」が完全禁煙にしないと問題は解決しないということです。
2020年のオリンピックまでに政府はどんなふうにしたいんですか?
すべてのお店の完全禁煙化は、「タバコが吸えるだけがメリット」という質の悪いお店の淘汰にもつながるし、先進国の標準にもやっと追いつくし、よいことづくしです。
今一度考え直してほしいですね。