こんにちは! ヨス(プロフィールはこちら)です。
新年に「今年こそ英語ができるようになるぞ!」と誓った方もいると思いますが、どうなっていますか? 続いていますか? 続いているのでしたら、素晴らしいです!! 5ヶ月も続けていると、けっこう英語に慣れてきているのではないでしょうか? あ、エラそうにすみません。私は続いていません!
実は私は、WEBの仕事をする前は、日本語教師として外国人に日本語を教えていました。言語学の勉強も少し専門的にしていました。偉そうに書くほどの知識ではありませんが、今回は日本で人気の言語「英語学習」について、元日本語教師の視点から、私が思うことを好き勝手に書いてみたいと思います。
目次
日本で人気のある言語「英語」
日本で最も人気のある外国語と言えば、もちろん英語です。誰もが口を揃えて言うと思います。ではなぜ、英語が人気なのでしょうか? そしてなぜ、英語を話せるようになりたいなぁと思う人が多いのでしょう。
もちろん「仕事で必要」「留学するから」といった、近い将来使う予定がある方も大勢いると思います。でも、「なんかカッコイイから話せるようになりたい」「みんなが勉強しているからなんとなくできないとダメな気が……」っていう理由が多いのではないでしょうか?
英語ってカッコいい
「英語をペラペラと話すことがカッコイイ」と思われていることですが、日本語で論理的な会話ができる賢い人ですら、そう思っていますよね。
これってなぜ??
これはメディアの影響が強いのかなと思います。特にテレビの。例えば、テレビ番組で英語をちょっとしゃべれる日本人が出てくると、周りの人が「すご~い!」と言っている光景。これってよく見かける気がしますが、これが繰り返されるだけでも「英語ができる=カッコいい」という植え付けにはなりますよね。(もちろん、深く追求すればもっと深い理由はあると思います!)
そうでなくても、政府はどんどん英語教育を低年齢化させているので、今後も英語熱は変わらないのでしょう。
でも英語の勉強、本当に必要ですか?
話せるとカッコいいと思われる言語の「英語」ですが、皮肉にも、今の日本で普通に住んでいるだけでは、日常的に使うことはありえません。大げさに言うと、日本に住んでいると、話せても全く役に立たない言語が英語です。
話せてもカッコいいと思われる以外、役に立つことはあまりありません。
そんな、使えない言語を本当に勉強する必要があるのか……今一度考えることって大切な気もします。学校で一生懸命勉強させられることも、言語学習と言えば英語……といった思考回路を生み出しているのかもしれません。だって今では小学校から英語を勉強する時代ですし。
本来ほかの能力を上げることに費やせる時間を、将来使わない可能性の高い英語に使うということは非生産的です。
もちろん、国際語という側面から見ると、今のところ英語が一番該当すると思います。でも、現実に今、日本に住んでいる外国人は、中国人、韓国人が多いです。視点を変えると、英語を勉強するよりも、中国語、韓国語を勉強した方が、使う機会がある……つまり、役に立つ可能性は高くなります。
それでも英語が話せるようになりたいんじゃい!
とは言っても、テレビで英語をペラペラに話せる人が必要以上にもてはやされている映像とか、英語を話す白人が肯定的に受け取られている映像を流され続ければ、「英語を話せるようになりたい!」と、そう思わされるのもわかります。
でも一つ考えてみたいことがあります。それは、アメリカに住んでいる人は別に「英語を話せるオレたちってカッコイイだろ!?」なんて思っていないということです。
英語は単なる言語にすぎない
何度も書いていますがが、日本では英語がすごく崇高な言語のように美化されている節があります。
ですが、世界中には5,000程度の言語があると言われ(消滅していっている言語もあるので正確な数値を出すのは不可能ですが)、日本語も英語も、その中の一つ言語にすぎません。言語は他人と意思疎通をする媒体です。つまり、他人とコミュニケーションをする道具にすぎません。本来、カッコイイもクソもないんです。
ちょっと想像してみてください。目の前で外国人(もしくは日本人)が、カッコ良く、流暢にスラスラと英語を話しています。
ではどんなことを話しているのでしょうか? 実は下ネタを言っているかも知れませんし、友達の悪口のように、耳を塞ぎたくなるようなレベルの低い話なのかも知れません。もっと「コミュニケーション手段である英語」をいかに利用して、どんな内容を話すかが肝心なのです。
憧れは届かないから憧れ
さて、英語がカッコイイなぁと思わせている感情は「憧れ」だと思います。既述しましたが、言語はそんなに崇高なものではなく、もっと日常に密着した泥臭いもの、生々しいものだと思います。
カッコイイでは、現実味がないのです。憧れは届かないから憧れなんです。つまり、現状では「英語は習得できないモノ」という意識が、日本人の心の奥底に植え付けられているんです。
日本人が英語をもっと日常に感じられる状況にならない限り、憧れで終わっている限り、政府が頑張っている学校の英語教育改革もすべて失敗に終わると断言しても良いでしょう。
「英語ってカッコイイなぁ」ではなく「英語って便利だなぁ」といった状況を上手く作れない限り。
日本語なまりの英語について
少し話題が変わりますが、日本人は日本語なまりの英語を恥ずかしいと思っています。ちょうど地方の人が、都会に行くと、方言を聞かれるのが恥ずかしい感じでしょうか。私も若いころ、四国を出て大阪で住んでいたときに、そういう経験があるので分かります。「手袋を履く」って言って、「前足かいっ!」ってツッコまれたこともあります。
もちろん方言はときどき通じないこともありますが、ほとんど問題なく日本語として通じます。当たり前ですが(笑)。
日本語なまりの英語を使える英語に
方言を日本語と呼べるのと同じで、日本語なまりの英語も「英語」と言って良いのではないかと思います。自信満々の表情で!
もちろん、今の平均的な日本人が話すなまりのある英語では、ネイティブ・スピーカーには全く通じないと思います。なのでその致命的な点は直す必要はあります。専門的になるので一例だけ言うと……「dream(夢)」という単語を例に上げてみます。
この単語に出てくる母音は本来「r」のあとにある「ea(イー)」だけです。でも日本語なまりになると「dori-mu(ドリーム)」のように「o」と「u」が追加され、母音が3つになります。ここまでくると同じ単語には聞こえないことでしょう。日本語は「閉音節言語」とされる英語とは違い、「開音節言語」という言語に分類され、すべての子音と子音の間に母音を挟む言語だからです。
そんな日本語なまりの英語を、国際語としての英語に改善させるために、英語の早期教育よりも良い方法があります。それは日本語・英語間の違いを日本語で教える授業です。
言語としての「日本語」の授業があってもいいかも?
例えば「国語」の教師ではなく、「日本語」教師を英語の授業で雇うのも面白いかもしれません。
日本語教師は本来、外国人に日本語を教える先生です。なので、比較言語学の知識や、バイリンガル教育の知識、もちろん文法から音声学の知識もあります。
そんな先生に日本語を通して英語を見せてもらったり、英語を通して日本語を見せてもらうことで、両方の言語の理解力が深まることになると思います。
特に日本語の特性を知ることで、英語の特性も知ることができ、英語の発音が上手くなるかも……?という点は、結構可能性を秘めていると思います。
それに、日本語教師という職業は人気の割には活躍する場がボランティア以外にほとんどないという状況ですから、雇用促進にもなりますし!!
なんか書いていて、本当に良い考えのような気になって来ました。ぜひ学校で実践してほしいですね~!!
さて、自由に書いていたので、話が行ったり来たりで何が言いたいのか分からなくてすみません。結局行き着いたのは、日本語教師の雇用の話になっちゃいましたが。
ちなみに私が英語に興味を持った元々の理由はかなりレベルが低いです。「白人女性かわええ! 話がしてえ!」でした。なんかレベル低すぎて恥ずかしいですが、勉強を頑張るエネルギーとしてはなかなか良かったんではないかと、今になっては思います(笑)。
理由はともあれ、今では英語を話すのも、勉強するのも好きです。と言うよりも、言語自体が好きで、時間さえあれば、もっともっといろんな言語を勉強してみたいと思っています。
言語としての「日本語」の授業があってもいいかも?
カリフォルニアの大学で日本語を教えています。その前は、15年間日本の公立中学校で英語教師をしていました。実は、この、「日本語」の授業があっていいのかも?という考えは、私が勤務している大学の日本語クラスで私が日本人の英語教師に提供しているプログラムと同じだと思うんです。日本語を学習する大学生とのクラス内外での交流を通して、日本語を客観的に見ることで、英語への理解力が確かに高まります。このプログラムでは、外国語教育という共通の立場から、教授法に対する考えや英語と日本語の対象分析のワークショップなども提供しています。英語教師だけではなくて、一般の方も参加しているんですけど。日本全国いろいろな地域出身の方に出会えることができ、これからもこのプログラムを通してたくさんの方と意見を共有したいと思っています。
あなたのご意見に共感し、一筆書かせていただきました。読んでくれてありがとう。
コメントありがとうございます! 共感していただけて嬉しいです。私も日本語教育の勉強をして初めていろんな日本語のことを知って、本当に目から鱗でした。言語を比較して初めて分かることってたくさんあります。実際にやっていらっしゃると伺って嬉しくなりました。教えて下さって、ありがとうございます。