トウループとは? このジャンプが四回転でよく使われる理由

こんにちは! スポーツ観戦はフィギュアスケートが一番好きなヨス（プロフィールはこちら）です。

今回はフィギュアスケートのジャンプで最も簡単と言われる「トウループジャンプ」がどんなジャンプかについて紹介します。

トウループジャンプってどんなジャンプ?

このトウループの「トウ」というのは「つま先」という意味です。英語の「toe（つま先）」ですね。

ジャンプの名前に「つま先」って付くぐらいだから、想像どおりつま先で跳びます。

ほら、つま先で飛んでいますよね。

四回転ジャンプでよく使われる理由

このトウループですが、実はフィギュアスケートの試合で最も見ることの多いジャンプです。

テレビではトリプルアクセルが目立ちまくるのであんまり印象にないかもしれませんが。

例えば男子の試合でよく見る四回転ジャンプも、ほとんどがこのトウループなんです。詳しくいうと「四回転トウループ」ですね。

じゃあ、なんでトウループが四回転で人気なんでしょうか?

その理由は「トウループが最も簡単なジャンプだから」です。先ほどの動画を見てください。

まず、トウループジャンプは助走の回転方向とジャンプの回転方向が同じため、勢いを思いっきりジャンプに活かせるんですね。

だから跳びやすいんですよ。

跳んだ瞬間に半回転回っている

そして上の画像の「リンクを蹴るときの左足の位置」をご覧ください。

なんか身体を回転させながら左足を斜め後ろに持っていってからジャンプしていますよね? まるで回し蹴りをしているがごとく。

実はこのジャンプはそのフォームの性質上、離陸した瞬間にすでに半回転回っているという特徴があります。

つまり、四回転トウループの場合、空中で回るのは「四回転 － 半回転 ＝ 3回転半」になるんですね!

まぁ、大雑把に書いていますけど。

だから四回転といえばトウループを選ぶ人が多く、ほかのジャンプで四回転をするのは（例えば「四回転ルッツ」）はもっともっと難しいってことです。

ちなみに、ジャンプの難易度順に見るとこんな感じ。

1. トウループジャンプ
2. サルコウジャンプ
3. ループジャンプ
4. フリップジャンプ
5. ルッツジャンプ
6. アクセルジャンプ

連続ジャンプの2つ目によく使われる

そして、もう1つ。連続ジャンプをしたときに2つ目のジャンプとして、この「トウループ」が頻繁に使われます。

そもそも、連続ジャンプをするときの2つ目のジャンプって「トウループ」と「ループ」しかできないんですね（オイラージャンプをはさむとほかのジャンプでも可能）。

ループジャンプはこちらです。

で、こちらがトウループジャンプ。

このジャンプ2つにはほかのジャンプとは違う共通点があります。それがジャンプする前に滑走するときの足です。

そうなんです。トウループとループだけ、ジャンプ前の滑走が右足なんですよ。

すべてのジャンプはジャンプ後は必ず右足で着氷するんです。

つまり、連続ジャンプをするためには右足で滑走するジャンプじゃないと次のジャンプに繋げられないということになります。

トウループは右足で滑って行き、反対の左足で地面を蹴って飛びます。ループは右足で滑って行き、そのまま右足でジャンプするんですね。

つまり連続ジャンプをするときに着地した足（右足）のままジャンプするのはループジャンプです。

連続ジャンプで2つめに持ってくるジャンプとしては、ループジャンプの方が勢いを付けられずそのままの力で跳ぶため、トウループよりも難易度が高いんですね。

同じ3回転＋3回転ジャンプのコンビネーションと言っても、トリプルルッツ ＋ トリプルループの超難易度の高いコンビネーションを決めていた安藤美姫選手はジャンプの天才としか言いようがないんですね。

トウループとフリップの違い

さて、今度は同じつま先で踏み切るジャンプとして「フリップ」との違いを見てみます。

これがフリップジャンプですね。

そしてこっちがトウループジャンプ。

なんか見比べていると「どこが違うの?!」ってなりそうですね。

実は、滑走する足とジャンプするときの足が逆です。

• トウループ: 右足で滑る → 左足で踏み切る
• フリップ: 左足で滑る → 右足で踏み切る

まあ、ややこしいですね（笑）。でも見ていると意外と見間違いません。

トウループの方は「回し蹴り」的なフォームですので。

それにさっきも書いたように、トウループの方は踏み切るときに半回転回っているほどなので、回り具合が違いますね!

こちらが、トウループに入るときの体勢です。

そして、こちらがフリップに入るときの体勢。

リンクを蹴る足が逆ですね!