こんにちは。フィギュアスケート大好きなヨス(@yossense)です。
あ、フィギュアスケート大好きって言っても、もちろん観戦する方です(笑)。

長野オリンピックで初めてフィギュアスケートにハマって、それ以来なので、ファン歴はかれこれ20年以上です。
今回は、フィギュアスケートの「華」とも言える6種類のジャンプを見分ける方法を紹介します。
フィギュアスケート6種類のジャンプの見分け方
フィギュアスケートのジャンプは6種類あります。難易度の低い順に書くとこちらのようになります。
という順でトウループが一番簡単で、アクセルが一番難しい種類のジャンプとなります。一見どれも同じに見えるのですが違うんですよね。
浅田真央 選手でお馴染みの「トリプルアクセル」は、「アクセル」という種類のジャンプです。
ちなみに「トリプル」なので3回転しています。回転数によってさらに名前が変わるんですねー。
先ほどのジャンプの種類の名前と合体させてこのように呼びます。
1回転 | シングルアクセル |
---|---|
2回転 | ダブルアクセル |
3回転 | トリプルアクセル |
4回転 | 4回転アクセル (まだ飛べる人はいないです) |
この辺に関してはフィギュアスケートのジャンプの基礎についてで詳しく書いています。
フィギュアの6種類のジャンプの違いがわかってくると、フィギュアスケート観戦も更に楽しくなってくるハズです。
だって、一緒に見ている家族とか友達の前で、「おおー! 今のルッツすげー!」→「え? ジャンプの違い分かるんか?!」→「まぁな!(ドヤ顔)」ってな感じで知ってる感を醸し出せます。

アナウンサーが「三回転ルッツ」とか言う前に「ルッツ!」みたいに言うのがコツです。
ではさっそく6種類のジャンプの見分け方を紹介していきますね。
ジャンプするのは前向きか後ろ向きか
まず最初にびっくりするかもしれないことを伝えます。
フィギュアスケートのジャンプって後ろ向きにジャンプするのを知っていましたか?
わたしもこれを知ったときはびっくりしました。

イヤ、後ろ向きって怖いやん!
って。でも、一種類だけ、前向きに飛ぶジャンプがあるんです。それが浅田真央選手の代名詞とも言える「アクセル」です。

この動画は浅田真央選手と伊藤みどり選手のトリプルアクセルを比較しているものですが、アクセル=前向きにジャンプということが分かりやすいと思います。
アクセルジャンプ以外は必ず後ろ向きにジャンプするんです。
なので、「ジャンプするのが前向きかどうか?」だけで「アクセル」とその他5つのジャンプの見分けがつきます。
3回転「半」のジャンプ?
テレビでフィギュアスケートを見ているとき、「3回転半」のような言葉を耳にしませんか?

「半」てなんやねん! 中途半端すぎや! もう半分ぐらいがんばらんかいっ!!
……って思いそうなのですが、それは無理なんです。
好きで「半」を飛んでいたのではなく、ジャンプの種類上、オマケで「半」が付くと言った方が正しいかもしれません。
まぁとにかく、「3回転半ジャンプ」は「トリプルアクセル」のことで、「2回転半ジャンプ」は「ダブルアクセル」のことです。
なんで「半」になるの?
では、なぜ「トリプルアクセル」は「3回転半」になるのでしょうか?
アクセルジャンプの特徴は、6種類のジャンプの中で唯一、前向きでジャンプすることと書きました。
でもアクセルも着地は前向きじゃなく、後ろ向きなのです。

フィギュアスケートは前向きに着氷するのは不可能なので、
どんなジャンプでも必ず後ろ向きに着地します。
そうすると、他のジャンプと違い、前向きに踏み切ってジャンプする「アクセル」は、他の5種類のジャンプ(後ろ向きでジャンプ後ろ向きで着地)よりも半回転多くなってしまう訳です。

こちらのアニメーション画像はマイケル・ワイス選手が教えてくれている動画です。
動画の1分50秒辺りから「シングルアクセル(1回転アクセル)」「ダブルアクセル(2回転アクセル)」を見せてくれます。
この動画の「1回転アクセル」のスローモーションを見ると、普通のジャンプより多めに回ってるのが分かりやすいかもしれません。ダブルアクセルなんて3回転に見えますよね。

「3回転半」のような妙な言い方をしていますが、結局「アクセルジャンプ」だということで覚えときましょう!
アクセルジャンプについてはこちらに詳しく書いています。
こちらはトリプルアクセルだけに焦点を絞っています。
つま先でリンクを蹴らないジャンプ
次の見分けは、ジャンプするときに「つま先でリンクを蹴ってジャンプするかどうか」というところに焦点を当ててみます。
そうなんです。この2種類があるんですね。
2種類のジャンプ
- つま先でリンクを蹴って飛ぶジャンプ
- リンクを蹴らずにシューズのエッジ部分で飛ぶジャンプ
6種類のジャンプを表でまとめました。
種類 | ジャンプはつま先? |
---|---|
アクセル | エッジ |
サルコウ | エッジ |
ループ | エッジ |
トウループ | つま先 |
フリップ | つま先 |
ルッツ | つま先 |
つま先でリンクを蹴らないでジャンプするのは「ループ」「サルコウ」、そして先ほど出た「アクセル」の3種類がそうです。
前向きでジャンプに入るアクセルは簡単に見分けが付くので、ここでは説明を省いておきます。


つまり問題は「ループ」と「サルコウ」の見分けですね。
でも、そんなに言うほど難しくはありません。簡単に言うと離陸する足が違います。
なんか背中から飛んでるっぽい →「ループ」
つま先でリンクを蹴らないジャンプで、なんか背中から飛んでるっぽく見えるのが「ループ」です。

そうじゃないほうが「サルコウ」です。
「ループ」は専門的に言うと、右足で滑ってきて、左足を上げて右足のエッジ(つま先でリンクを蹴らない)で離陸し反時計回りに飛ぶジャンプです。
なのでジャンプが背中から始まるように見えます。こちらのアニメ画像もご参考に。

ややこしいので、動画もどうぞ。この動画の1分23秒辺りから「シングルループ(1回転ループ)」「ダブルループ(2回転ループ)」「トリプルループ(3回転ループ)」を見せてくれます。

ほら、ジャンプする方向に背中を向けてジャンプしているみたいに見えますよね?
よく説明では椅子に座るような姿勢が見えたらループジャンプだ!って書いています(←わたし的にはこの説明はピンと来ませんでした)。
「アクセル」を後ろ向きから飛ぶのが「サルコウ」
「ループ」が右足で滑ってきて、そのまま右足で離陸する……と書きました。
「サルコウ」は逆に、左足で滑ってきて、右足を上げて、左足のエッジ(つま先でリンクを蹴らない)で離陸します。

またしても動画で見てみます。

動画の1分27秒辺りから「シングルサルコウ(1回転サルコウ)」「ダブルサルコウ(2回転サルコウ)」「トリプルサルコウ(3回転サルコウ)」を見せてくれています。
ループとサルコウは同じようなフォームですが、上げる足が逆になります。
種類 | 滑走時の足 | 踏み切る足 |
---|---|---|
アクセル | 左足 | 左足 |
サルコウ | 左足 | 左足 |
ループ | 右足 | 右足 |
トウループ | 右足 | 左足 |
フリップ | 左足 | 右足 |
ルッツ | 左足 | 右足 |
見かけが全然違うので見間違えることはあんまりないと思いますが、前から飛ぶ「アクセル」をちゃんと後ろ向きから飛んだのが「サルコウ」ということです。
安藤美姫選手が跳んでいた4回転ジャンプはこちらの「サルコウ」ジャンプです。

羽生結弦選手も見事な四回転サルコウを決めるようになりましたね。
ちなみにこの「サルコウ」という名前ですが、日本語だと「さる」っていう音声がひょうきんな風に聞こえます。
でもこれはスウェーデンのウルリッヒ・サルコウさんが初めて飛んだから「サルコウ」と呼ばれるようになっただけです。もちろん猿とは関係ないっす(笑)。
まぁ、とにかく氷を蹴らずに飛んだら「サルコウ」か「ループ」です!
連続ジャンプの2つ目以降のジャンプ
次は「トウループ」の説明をするために、連続ジャンプの話をさせて下さい。

連続ジャンプとは、その名の通り、ジャンプして、着地してすぐに次のジャンプをする技です。
この連続ジャンプを使って「トウループ」と「ループ」について説明します。


ジャンプ前に右足で滑走する
右利きの選手の場合、ジャンプは反時計回りに回ります。そして着地はどんなジャンプであれ、右足になります。
そうすると連続ジャンプの2つ目以降に使えるジャンプには一つの条件が生じます。
それがジャンプ前に「右足で滑走する」という条件です。こちらの画像を見てください。

だって1つ目のジャンプは必ず右足で着氷するので右足滑走のジャンプ(右足から始まる)じゃないと次のジャンプが飛べません。
種類 | 滑走時の足 | 踏み切る足 |
---|---|---|
アクセル | 左足 | 左足 |
サルコウ | 左足 | 左足 |
ループ | 右足 | 右足 |
トウループ | 右足 | 左足 |
フリップ | 左足 | 右足 |
ルッツ | 左足 | 右足 |
ということで2つ目以降のジャンプの見分けは「ループ」と「トウループ」のどちらかということになります。
着氷して、そのままの右足で2つ目のジャンプを飛べば、そのジャンプが、先ほど説明した「ループ」です。

着氷して即、次のジャンプに入るので難易度が高いんですね。
そして、着氷後すぐに、反対の足(左足)のつま先でリンクを蹴ってジャンプすれば、それが「トウループ」です。

上の画像のように、着氷した左足ですぐに飛ばず、左足を着いて、その反動で飛びます。
4回転で一番使われるジャンプ?
連続ジャンプの2度目のジャンプを例に挙げて「ループ」と「トウループ」の違いを説明しましたが、もちろん連続ジャンプじゃなくても飛びます。
男子フィギュアで表彰台に登るために必須の「四回転ジャンプ」はトウループの場合がほとんどですし。

なぜ四回転ジャンプに「トウループ」が使われるかと言うと、難易度が最も低いからです。

「トウループ」がなんで一番難易度が低いかというと、ジャンプのフォーム上、飛んだ瞬間にすでに半回転回っているからです。
だって、空中で4回も回る……なんて無茶苦茶な苦行をするので、ジャンプのレベルは簡単でないと無理ですもん!

最も難易度の高い4回転の「アクセル」を試合で成功させた人はいません。でもいずれそんな天才が出てくるのかな!?と楽しみにしています。
単体での「ループジャンプ」は難易度で言うと三番目に簡単って言われていますが、素人目にはもっと難しそうに見えますけどねー。
トリプルループがよくダブルループになっている選手はよくいるし。ちなみに4回転についてはこちらの記事をどうぞ!
追記: 連続技で使われる「オイラージャンプ(略: Eu)」とは?
2018年になって新しいジャンプの名前を聞くようになりました。
それが、「オイラージャンプ(略: Eu)」です。とは言っても、新しい7種類目のジャンプではありません。
先程、連続ジャンプの2つ目以降のジャンプは、ループかトウループしか使えないと書きました。
なぜなら、その他の4つのジャンプ(サルコウ、フリップ、ルッツ、アクセル)は、左足から始まるからです。

でも、1つ目のジャンプのあとに「つなぎ」のジャンプをはさんで、滑走の足を右足から左足に変更し、サルコウ、フリップを飛ぶ「新しい連続ジャンプ」もよく見かけるようになりました(昔はシークエンスと呼んでいたもの)。
このつなぎのジャンプを「オイラージャンプ」と呼びます。
以前は「シングルループ」と暫定的に呼んでましたが、着氷が右足になるしループとは違いますからね!
オイラージャンプについて詳しくはこちらを。
どこが違うの?「フリップ」と「ルッツ」
最後に「フリップ」と「ルッツ」の見分けですが、この見分けが最も難しいです。


専門的に言うと、どちらもジャンプの前は左足で滑走し、右足のつま先でリンクを蹴ってジャンプします。
この下の画像は「フリップ」に入るときの体勢ですが、ぶっちゃけ「ルッツ」もほとんど同じです。

ここまで聞くと、どれだけ同じなのかがわかると思います。
実際にビジュアル的にもほとんどやっていることは同じです。あくまでビジュアル的には。
難しいのが「ルッツ」
「フリップ」と「ルッツ」は見かけはあんまり変わらないですが、「ルッツ」の方が断然難しいジャンプです。
ビジュアル的な違いとしては「ルッツ」を飛ぶときは、ジャンプするまでの滑走距離も長く取る選手が多く、ジャンプする瞬間に足を高く上げるのが特徴です。
ちょうどこんな感じのポーズで長く助走を取る選手が多いです。


なぜ「ルッツ」は助走が長いかって? 難しいからです!!!
で「ルッツ」と「フリップ」の何が違うの?
具体的なこの両者のジャンプの違いは、助走の力(遠心力?)を活かしてジャンプできるかどうかです。
種類 | 滑走→踏み切る足 | 滑走の力を活かせるか? |
---|---|---|
アクセル | 左足→左足 | ○ |
サルコウ | 左足→左足 | ○ |
ループ | 右足→右足 | ○ |
トウループ | 右足→左足 | ○ |
フリップ | 左足→右足 | ○ |
ルッツ | 左足→右足 | × |
ルッツが難しい理由は、ジャンプをする前の滑走で滑ってきた弧の方向と逆方向に力を入れてジャンプするため、滑走のパワーを活かせないからなんです。

具体的には、ルッツは「左足外側エッジ」に体重を乗せて滑走をしてジャンプします。
英語の「J」のような時計回りの弧を描きながら滑走してきたのに、ジャンプするのは反時計回りという訳です。

そして、フリップは「左足内側エッジ」に体重を乗せて滑走をしてジャンプします。
平仮名の「し」のような反時計回りの弧を描きながら滑走してきて、その力を利用して反時計回りに回るんです。
フリップは、このアニメーション画像のように、飛ぶ前にくるっと回すようにして飛びます。

そのため、フリップはジャンプに助走の力を伝えやすいため、回転しすぎるという難しさがあるそうです(テレビで織田信成 選手が言っていた)。
回転しすぎるため、それを調整するのが難しいんですね。逆に「フリップ」よりも「ルッツ」はパワーのみでジャンプする!ので単純に回転するのが難しいんですね。
覚えた方はクイズでチェック!!
6種類のジャンプの違いを当てるクイズを作りました。挑戦してみてください!
さて、今回わたしがフィギュアスケートのジャンプについてまとめたのは、自分が調べたかったときにわかりやすい記事がなかったからです。
公式なサイトを見ても「ん……で、ルッツとフリップって何が違うの!?」って思ってましたからね。
「この記事でよく理解できた!」って言われるとうれしいです♪
ちなみに、羽生結弦選手のすごさについて書いた記事もぜひ!