こんにちは! フィギュアスケート大好きなヨス(プロフィールはこちら)です。
羽生結弦選手が世界で初めて跳んだ四回転ジャンプをご存じですか?
「四回転ループ」というジャンプです。
今回は、6種類あるジャンプの中でも素人目にはトリッキーに見えるループジャンプの紹介です!
目次
ループジャンプってなに?
このループジャンプの名前の由来はそのまんま「輪(= loop)」です。
初めてこの名前を聞いたときは「音楽をループさせる」を連想したので、なにか繰り返すジャンプかな?と思っていましたが、フィギュアの6種類あるジャンプのうちの1つの名前です。
ジャンプを飛ぶときに輪を描くように跳ぶのでループジャンプと名付けられました。
ジャンプの難易度で言うと、3番目に簡単だと言われていますが、素人目には、その評価よりは難しく見えるんですよね。
どうやったらこんなジャンプが飛べるのか!
それは得点にも現れていて……
【難易度1】4回転トウループ | 10.3 |
---|---|
【難易度2】4回転サルコウ | 10.5 |
【難易度3】4回転ループ | 12.0 |
【難易度4】4回転フリップ | 12.3 |
【難易度5】4回転ルッツ | 13.6 |
【難易度6】4回転アクセル | 15.0 |
これは6種類の四回転ジャンプの得点ですが、ほら! 難易度2のサルコウよりも難易度3のループになったとたん、急に点数が上がっていますよね?
世界で最初にループジャンプに成功したのは?
世界で最初にループジャンプを飛んだのはドイツのヴェルナー・リットベルガー選手だそうです(1回転ループです)。
1910年にドイツのヴェルナー・リットベルガーが初めて跳んだのが始まりとされている。そのため、欧州ではループではなくリットベルガーと呼ばれることが多い。
ループジャンプ - Wikipediaより引用しました。
そのため、初めて飛んだリットベルガーの名にちなんで、欧州では「ループ」より「リットベルガー」と呼ばれることが多いそうですね。知りませんでした。
三回転ループを世界で初めて飛んだ選手はアメリカのディック・バトン選手。そして四回転ループはなんと! あの羽生結弦選手なんですねー。
羽生選手は2016年10月1日にカナダ開催の「オータムクラシックインターナショナル2016」で四回転ループを成功させました。公式試合では世界初です!!
練習ではティモシー・ゲーブル選手や本田武史選手を始め、何名かが飛べていたようですが試合では成功したことがありませんでしたから。これはすごい快挙!
ループジャンプの見分け方
ループジャンプを言葉でそのまま説明すると……
- 右足で滑ってきて、
- 左足を上げて
- 右足のエッジ(つま先でリンクを蹴らない)で離陸し
- 反時計回りに飛ぶジャンプ
ということです。
動画で見るとこんな感じ。
アクセルジャンプとサルコウジャンプと同じで、つま先ではなくエッジで飛ぶジャンプです。
ちなみにサルコウ(下図)は、左足で滑走し、左足で踏み切るので、ループとは足が逆になります。
……が、そんなこと言われてもパッと分かりませんよね(笑)。
もうちょっと簡単なループジャンプの見分け方を紹介します。
背中から飛ぶように見える不自然なジャンプ
わたしがこのジャンプを見分けるときに思うのは、「不自然なジャンプ」に見えることです。
なんというか、背中からジャンプしていっているように見えます。
ほら? どうですか?
ジャンプを飛ぶときの踏み切り時のポーズが特徴的でもあります。
こんな感じで、イスに座るようなポーズが見えると「あ! ループジャンプを飛ぶな!」とわかります。
ちなみにこのあと、左足を上げて回転に入ります。
ループジャンプに入るときの体勢はこのようになります。
ジャンプの助走パワーをためるため、飛ぶ前に左にクルクルと回るような助走をする人が多いです。
……と説明しましたが、単体のジャンプで「ループジャンプ」を見分けるのは最初は難しいです。
そこでオススメなのが、連続ジャンプの2つ目のジャンプで使われるものを見て、見慣れる方法です。
連続ジャンプの2番目に使われる
ループジャンプのもう1つの特徴として、連続ジャンプの2つ目に持ってくることがあるというもの。
フィギュアスケートのジャンプは6種類あるのですが、連続ジャンプの2回目以降に使えるジャンプはたったの2種類です(「オイラージャンプ」については後述しています)。
それはこちらの2つです。
- トウループジャンプ
- ループジャンプ
なぜでしょうか? それはすべてのジャンプが「着氷は必ず右足」だからです。
つまり、ジャンプで着氷したときに、右足だけが着いている状態なんですね。
上の画像のように、トウループとループだけが「右足滑走」のジャンプなので、連続ジャンプの2つ目として使えるわけです。
ほかのジャンプと表で見比べてみましょう。
種類 | 滑走時の足 | 踏み切る足 |
---|---|---|
アクセル | 左足 | 左足 |
サルコウ | 左足 | 左足 |
ループ | 右足 | 右足 |
トウループ | 右足 | 左足 |
フリップ | 左足 | 右足 |
ルッツ | 左足 | 右足 |
表で見ると丸わかりですね。もうちょっと説明します。
連続ジャンプに使われるトウループとループの違い
連続ジャンプの2つ目に使われるジャンプというのは、1つ目のジャンプを降りた足と関係があります。
実は、すべてのジャンプは必ず右足で着氷するんですね(ほとんどのスケーターが飛ぶ「反時計回り」の場合)。
なので、1つ目のジャンプを終え、右足で着氷し、そのままの右足で飛ぶのがループジャンプです。
そして、1つ目のジャンプを右足で降り、反対の左足のつま先をカッ!と即座についてジャンプするのがトウループジャンプです。
どうでしょうか? 違いがわかりますか?
おそらく、連続ジャンプの2つ目で見ると、トウループとループの違いは一目瞭然だと思います。
トウループジャンプの方が着地して1拍間があって、ジャンプします。
ループは着地した足の力だけで、そのまま力技で飛んでいるように見えます。
やはり2つ目のジャンプとしてもトウループよりもループの方が断然むずかしいみたいで、得点も高いです。
そんな連続ジャンプの2つ目にループを入れる人でパッと思い浮かぶのは安藤美姫選手ですね。
超難しいジャンプである3回転ルッツのあとに3回転ループを成功させていましたから……。
追記: オイラージャンプ?
2018年から新しいジャンプの名前が聞かれるようになりました。それが「オイラージャンプ」。
これは、先程紹介した「連続ジャンプ」の「つなぎ」として使われるループジャンプのようなジャンプのことです。
連続ジャンプをしていて、「ん? なんか失敗した?!」みたいに見える1回転のジャンプを見たことないですか?
1つ目のジャンプを降りて1回転を回って、着氷している足を右足左足に置き換えてサルコウジャンプなどを連続で跳んでいたりしますよね。
連続ジャンプの2回目以降は「トウループ」「ループ」のどちらかしか来ないということは説明しました。
でも、オイラージャンプを挟み込み、着氷してリンクについている右足を、左足に置き換えることで、左足滑走のジャンプを連続ジャンプに入れ込むことができるんですね。
この「オイラージャンプ」ですが、以前は「1回転ループ」とか「ハーフループ」と呼んだりしていましたが、「オイラー」に統一されたということです。
オイラージャンプについて詳しくはこちらを。
さて、今回はフィギュアスケートで3番目にやさしいジャンプと言われるループジャンプについて紹介しました。
見分けるコツは「背中で飛んでいる感じ」ということです。でもそれよりも、まずは連続ジャンプの2つ目以降のジャンプで見慣れる方が早いです。
見慣れると、ジャンプをする前の助走ですぐに分かるようになりますよー!