「喫煙者・非喫煙者の共存をめざすべきだ!」という意見が絵に描いた餅すぎる件

こんにちは! タバコの煙が大嫌いなブロガー ヨス(プロフィールはこちら)です。

ほんとにタバコの煙ってイヤですよね。身体に悪いのもそうですが、そもそも悪臭ですから。

日本でもやっとすべての飲食店で「完全禁煙」への動きが出てきていますが、反対をする人がいまだにいます。

そんな人の中に「喫煙者・非喫煙者の共存をめざすべきだ!」という一見まともそうなことを言う人がいるのですが、今回はその意見が「絵に描いた餅」すぎるというお話です。

喫煙者と非喫煙者の共存は不可能

喫煙者と非喫煙者の共存はできるのでしょうか? いえ、ムリですよね。

どちらかが我慢しなければ成り立ちません

ここでの「共存」とは、

  • 喫煙者 →
    いつでも好きなときにタバコを吸う
  • 非喫煙者 → 常にタバコの煙のない空気を吸う

という状況です。

居酒屋にいて、わたしは目の前で喫煙者にタバコを吸われるとイヤだし、喫煙者はそこで自由に吸いたい。

お互いが納得するにはどうすればいいかというと、どちらかが空間を移動しなければなりません

  • 喫煙者がタバコを吸うときに、「非喫煙者」が外に出る
  • 喫煙者がタバコを吸うときに、「喫煙者」が外に出て吸う

このどちらかでしょう。

でも、1つめの「喫煙者がタバコを吸うときに、非喫煙者が外に出る」はあまりにも不合理なのはわかると思います。

だって、お店の中に煙は数時間残りますからね。そうなると数時間、外に逃げておかなければなりません。

しかも、自分たちのグループ以外の人がタバコを吸えば、その都度、非喫煙者が外に出なければなりません。

そうなると、非喫煙者は居酒屋に一秒もいられなくなります。居酒屋で出してもらった料理も食べられなくなるので、なんのためにお店に来たのかが謎になりますね。

ということは、喫煙者が自分がタバコを吸う数分間だけ、喫煙してもOKなところで吸うことが一番「共存」に近い状態になります。

喫煙席と禁煙席を両方設けるのは?

じゃあ喫煙可能な「喫煙席」と、喫煙を禁じる「非喫煙席」を完全分煙という形で設けるのはどうでしょうか?

これ、ちょっと聞くと……

それはいい! 喫煙者も非喫煙者も不満なく時間を過ごせる! 理想だ!

と思ってしまいますよね?

でも、これは残念ながら理想とはほど遠い、「幻想」です。

これって、いっしょに居酒屋に行くグループに非喫煙者と喫煙者が混じっていないという前提で言われています。

じゃあ、同じグループにタバコ嫌いの人とヘビースモーカーの人がいたらどうなるんでしょうか?

同じグループなのに喫煙席と禁煙席に2つのグループとしてわかれるのでしょうか?

いえ、ありえませんよ。やっぱりどちらかが我慢するしかないでしょうね。

特に今の日本の状況では地位の高い人(年配者)に喫煙者が多いです。そんな人が喫煙席に行くと言えば断れますか?

ということは、事実上、タバコがイヤな人が我慢するしかなくなります。非喫煙者の我慢の上になりたっている「偽りの共存」です。

喫煙できる店と喫煙禁止の店を完全にわけよう……は?

そしてこんな意見もあります。

「喫煙可能の店」と、「完全禁煙の店」を完全にわけて、喫煙者も非喫煙者の共存をめざそう!

ちゃんと両方をわけて、お店の前に「喫煙可能」とか「禁煙」という表示をするんですね。

これも一見解決しそうに思えますが、完全に「きれいごと」です。さっきの話と同じになりますが、自分の意志で行く場合なら問題ないんです。

でも外食に行くのって本当に全部自分の意志ですか?

ほとんどが「誘われるとき」じゃないですか? わたしはほぼそうです。

タバコの苦手な「ノマド的節約術」の松本さんとかに誘われたら素直に喜べるんですけど(100%禁煙の店を指定するから)、そうじゃない友達から誘いがあったときは一瞬、心の中が曇るんですよね。

うわ……行きたいけど、喫煙の店だったら、店を変えてもらうのをお願いするのが面倒だなぁ……断ろうかなぁ……って。

つまり「喫煙する友達」に喫煙の店に誘われる事例です。もちろん悪意もなく。

わたしなら「そこは喫煙の店だからほかの店にしよう」と言えますが、ほとんどの方は言えませんよね?

とくに相手の方が年上だったり、社会的地位の高い人だった場合、「断ることが失礼」とか「せっかく選んでくれた店なのに変更させられない」のような感情が出るのは当然です。

じゃあ、どうするのかというと、タバコの煙がイヤだけど我慢するんですよ。

中にはわたしのように、身体的にタバコの煙がダメな人もいます。でも我慢する以外ないんですよね。

そういう人たちに向かって「ちゃんと自分の意見を言わないのが悪い!」と言い放てるんですか?

「喫煙者と非喫煙者の共存」は日本の悪文化である「年上や地位の高い人を必要以上に敬う(見た目上は敬っているように見せかける)文化」がなくならなければ不可能ってことです。

そっちをなくす方が難しいでしょ。

働く人がタバコの被害に

海外で飲食店が完全禁煙になった理由に「店員の健康を守るため」というものがあります。

日本でこの理由がほとんど聞こえてこないのがビックリですけど。だって、高校生が飲食店でバイトすることなんてザラですから。

未成年の喫煙を禁止しているのは健康のためです。でも、未成年の受動喫煙に対して完全スルーなんですねー。

未成年の健康を守りたいのではなく、「タバコを未成年が吸うのはなんかむかつく」「未成年にふさわしくない」とかそんな雰囲気的なレベルで考えているということでしょう。

むしろ日本だと「タバコが嫌なら喫煙の店に応募するのが悪い」とかそういうジャイアンみたいな意見を言う方がいるんですね。

生活費が必要で、働かなくてはならない方がいます。いや、みんなそうですね。

でも運悪く、喫煙可能の店にしか雇ってもらえなかった場合はどうするんですか?

「喫煙の店で働くのはイヤ!」とか言っていられない状況の方もいるはずですよ。とにかく面接を受けて何が何でも働かないといけない人にとっては。

じゃあ、そういう人に、「能力が低い自分が悪いから自分を磨け!」と追い打ちをかけるのでしょうか?

やっぱり全部の店を禁煙にしないと、そういう立場の弱い方の人権は守れません。

立場の強い政治家のおっさんの意見に合わせてるのが今の日本です。

お金がないと食べ物も買えず人間は死んでしまいますが、政治家のおっさんがタバコを吸えなくても死ぬことはありません

むしろ健康になるんですけどね……。なんでわからないのかなぁ。

全店禁煙にしたうえで「喫煙屋」を設置

たとえば、解決作として「喫煙屋」というお店を設置するのはどうでしょうか?

飲食店ではなく「喫煙するためのお店」です。まぁ、水とかコーヒーぐらいは出てもいいと思いますが。

あくまで飲食店ではないのがポイントです。

これによって、上司が飲みに誘うことはなくなりますよね。いや、それでもアホ上司は喫煙屋に非喫煙者を誘いそうだな。

そういや、日本語の「喫茶店」という名称もダメだったんですよ、きっと。

なんか喫煙と飲むことが切り離せなくなっているように見えるので「カフェ」っていう外来語に負けたんですね。

「喫茶店」という名称だと「禁煙」にしにくいですからね(笑)。

全店が一律で完全禁煙にしない限り非喫煙者の健康は守れない

最後にまとめますが、日本中の全飲食店が一律で完全禁煙にしないと、非喫煙者の健康は守れないということ。

それに、こっちの店が吸えるのにこっちの店が吸えない……という状況こそが、「潰れる店」を出す元凶ですよ。

「うちの店がつぶれたら責任をとれるのか?!」とかいっている人がいますが。

じゃあ、すべてのお店が完全禁煙になったら、喫煙者がいっさいお店に入らなくなるとでも思うんですか?

「タバコの吸えるお店」が存在すれば、そっちに流れますが、すべてのお店が完全禁煙になれば、間違いなく完全禁煙の店に来ますよ。

今まで、非喫煙者が喫煙可能のお店に行って我慢をしてきたのが逆になるだけです。

国民の8割が非喫煙者という現在。その8割の非喫煙者が我慢しているのが今の日本です。

うーん。どちらかが我慢しなければいけないとなると、どう考えても2割の喫煙者が我慢する方が合理的じゃないですか?

どうですか? 政治家の方。

完全禁煙化に反対している人なんて、「このオレに指図する気か?」が口癖になっているような傲慢な方ばかりでしょうね。はやく滅んでくれないかなぁ。

さて、オリンピックを2020年にひかえていろいろ話題になってきている飲食店の完全禁煙化の話。

「和式便器」を思い出して下さい。20年前まではほとんどの公共施設のトイレでは「和式便器」オンリーでした。若い方が知ったらビックリするでしょうね(笑)。

当時、ちょっとずつ駅の中に「洋式便器」が登場しはじめ、みんなが「こんな誰が座ったかわからないような便器にお尻を置くなんてありえない……」と思っていたでしょう。

でも今はどうでしょうか?「和式便器」みたいな不合理な便器ありえない……になっていませんか? わたしの中ではそんなふうに価値観が180°変わりました。

タバコに話を戻しても、昔は電車やバスの中でもタバコが吸えていたんですよ。

社会ってそんなもんなんです。数年後には「昔はレストランでもタバコが吸えてたんだって!」「うそー?!」という会話が飛び交うようになりますから。