こんにちは! ヨス(プロフィールはこちら)です。
今回は「高校野球」という単語から連想すると10個以内に出てくるであろう「連帯責任」についてです。今って戦時中だっけ?と錯覚を起こしそうですね。
部室で喫煙 → ぼや
こんな事件がありました。
21日午前11時20分ごろ、佐賀市水ケ江の龍谷高校の部室棟から出火、野球部室を一部焼損した。室内からたばこの吸い殻が見つかった。佐賀署によると、部員数人が出火前に部室で喫煙したことを認めており、詳しい原因を調べている。
龍谷高校野球部室でぼや 部員数人、喫煙認める|佐賀新聞LiVEより引用しました。
簡単に言うと、高校の野球部室で生徒が喫煙してて、出火したんだそうで。
その責任を取って、今年の夏の大会の途中(甲子園出場まであと2勝)だったにも関わらず辞退したとか。
まじか! まだやってんのか、そういう昭和臭のすることを(笑)。
喫煙は問題だけど、数人の生徒のせいで全体が裁きを受けるのは、どう考えても理不尽ですよね。
そんな理不尽な連帯責任ですが、実はわたしも受けたことがあります。
わたしが中・高校のときに受けた「連帯責任」
わたしは中学でバスケットボール、高校でサッカー部でした。まぁ、どっちもBW(ベンチウォーマー=補欠、)というポジションですが(笑)。
高校のときですが、ある日、1歳上の生徒1人(俗に言う「センパイ」)がなにか不祥事を起こして、連帯責任で丸刈りにさせられたんですねー。
わたしは丸刈りは超イヤでしたが、サッカーを続けるにはそれしかなく我慢してやりました。本当に嫌でたまりませんでしたねー。
(中学校のときにも同じようなことがありました。詳細は全然覚えてないので高校のときの話にクローズアップしていますが)
丸刈りの強制は人権侵害
「野球児に丸刈りをさせたがるのは偏った性癖」でも書きましたが、頭髪を強制することは人権侵害です。
頭髪は身体の一部であり、しかも衣服と違って学校内外で変えることができません。そこで、頭髪をどうするかは、憲法13条によって保障される自己決定権のひとつととらえられています
高校野球は「丸刈り」が当然? 生徒に「特定の髪型」を強制するのは違法ではないか より引用しました。
よく考えると、野球部員って、こんな「罰」に使われる髪型を強制させられているんですね……。野球をすることがもはや「ざんげ」を求められてんのか?
そして、もう一つ焦点を当ててほしいのは「サッカーがやりたかったのに、丸刈りがイヤだから辞めていった部員」です。
丸刈りとサッカーに関連がないことは、よく考えなくてもわかりますよね? そんな中に突如現れた「サッカーを続けたいなら丸刈り」という理不尽なルール。
ただ単にサッカーがしたかっただけなのに、辞めざるをえなくなった仲間たちがいたんですよ。これって人権侵害ですよね。
もしかしたら超うまくなって活躍してた部員がいたかもしれません。その可能性を削除するとか、何を考えているのか謎すぎる。
ちなみに「丸刈りぐらいで辞めるなんてその程度だろ」と言う意見は論点がズレてるので禁止ですよ。昭和生まれで根性論が好きな人はそういう野蛮なことを言いたくてウズウズしてそう(笑)。
というか、なぜ連帯責任にする必要があるんでしょうか? もはや理解不能というレベルを超えすぎていますが、がんばって考えてみました。
なぜ連帯責任?
おさらいしますが、「連帯責任」とは、一部の部員が起こした不祥事なのに、それを拡大して全部員に罰を与える……ようなことを言います。
じゃあ、なんでこんなことをする必要があるのでしょうか?
わたしの経験では、問題を起こした生徒に罪悪感を与えたかったからだと断定できます。先生はこういう感じですよ。
「おまえのせいで、ほかの皆に迷惑がかかったんだぞ!」と。
うわ……。悪趣味きわまりないですね。
直接的に引き金を引いたのは教師側
そもそもですが、迷惑をかけたのはその生徒ではなく、教師のゆがんだ決断です。
教師がわたしたちに「丸刈り」を強制しなければ、迷惑な被害(強制的丸刈り)を受けなくてよかったんです。直接引き金を引いたのは教師なのに、「こいつのせいだ!」と完全に責任転嫁してますよね。
さらに言うと、「ほかの生徒に嫌われるきっかけ」や「いじめを生み出すきっかけ」を教師側が意図的に作り出しているとも言えます。
真面目に練習していた、わたしのような普通の部員ならこう思います。
あのアホのせいで丸刈りにしなくてはならなくなった!
あのクズ野郎さえいなければ!!
いや、本当は教師の決断が「悪の根源」なんですけどね。わたしも超未熟だったので、まんまとだまされていましたよ。
世間に対して示しがつかない
……と、まぁ過去の話を書いていますが、この丸刈り事件はわたしが高校のときだから20年以上前の話です。でも2016年になってもこんな話が聞けるなんて……。
ニュースで見た「野球の大会への出場を辞退」の話に戻しますが、3年生なんて今回が最後の大会だったはずですよね。かわいそうすぎる……。
この事件のことを考えると「世間に対して示しがつかない!」という考えが根源にあるのかも……?「さらし首効果」と言いましょうか。
まぁ、つまり学校のメンツってやつですね。学校の敷地内で不祥事が起き、それを把握できなかった学校の信頼はガタ落ちです。
そこで、世間の不信感を和らげるために学校側に必要なのは「問題は学校側ではなく生徒だったのだ!」と世間に思い込ませること。これは手っ取り早いですね。
だって、「生徒に制裁を加えるだけ」で済みますから。生徒を裁くことで「悪は生徒側に一方的にあったんです! 学校も被害者なんですよ!」というクリーンなイメージに見えます。
「生徒に制裁を加え、生徒に責任転嫁する裏ワザ」です。残業をしていると仕事を頑張っている雰囲気が出る裏ワザと似てますが、だまされてはいけません。
さて今回はいつの時代の遺物やねん!とツッコみたくなる「連帯責任」について書きました。
ここまで読んでもらえればわかると思いますが、「連帯責任」では何一つ問題は解決しません。
学校側の責任を生徒に転化できること、不祥事を起こした生徒に罪悪感を植えつけること(← さらにその生徒への憎しみを増強)ぐらいです。
ほんとにお願いします。連帯責任なんて旧世界の野蛮な風習なんて早く辞めてください。