こんにちは! フィギュアスケート大好きなヨス(プロフィールはこちら)です。
今回はフィギュアのジャンプの基礎的なところをまとめてみました。ジャンプの基本知識や、ジャンプの種類による点数の違いとかご存知ですか?
目次
フィギュアスケートのジャンプについて(基礎編)
フィギュアスケートのジャンプにはいろんな種類があります。試合を観ていると「トリプルアクセル」とか「四回転サルコウ」のようなものをよく耳にしますよね?
このジャンプの種類ですが、細かく見ると2つの要素があります。
- ジャンプの回転数による違い
- ジャンプの跳び方による違い
ジャンプの回転数による違い
フィギュアスケートのジャンプは現在のところ1回転から4回転まで存在します(まだ5回転ができる選手は存在しません)。
その回転数によってジャンプの名前が違います。
- 1回転 → シングルジャンプ
- 2回転 → ダブルジャンプ
- 3回転 → トリプルジャンプ
- 4回転 → 四回転(クアド)ジャンプ
四回転は「クアド」とも呼ばれますが、聞き慣れないため「四回転」とそのまま呼ぶのが普通です。
あと、「3回転半」のような表現も聞きますが、こちらは下記記事で詳しく書いています!
ジャンプの跳び方による違い
フィギュアスケートのジャンプは、跳ぶときの足、跳ぶ前の助走の足、跳ぶときの向き、跳ぶときの足の部位によって6つの技に分類されています。
難易度の低い技 → 難易度の高い技 の順に紹介すると……
という順でトウループが一番簡単で、アクセルが一番難しい種類のジャンプとなります。一見どれも同じに見えるのですが違うんですよね。
ジャンプ6種類の違いについてはこちらの記事で超詳しく書いています。
ジャンプの回転数 + ジャンプの種類
さて「ジャンプの回転数」と「ジャンプの跳び方」という2つの要素を見ましたが、この2つを組み合わせたものがジャンプの名前となっています。
先ほどのジャンプの種類の名前と合体させて、例えばアクセルジャンプなら……
- 1回転 → シングルアクセル
- 2回転 → ダブルアクセル
- 3回転 → トリプルアクセル
- 4回転 → 四回転(クアド)アクセル
……と呼びます。ちなみに四回転アクセルに成功した人はまだ存在しません。
真央ちゃんでお馴染みの「トリプルアクセル」は、「3回転するアクセル」という種類のジャンプというわけですね。
ジャンプの得点について
ではお次はジャンプの得点についてです。
ジャンプの基礎点
ジャンプにはそれぞれの種類によって細かく点数が決められています。
名称 | 基礎点 |
---|---|
1回転トウループ | 0.4 |
1回転サルコウ | 0.4 |
1回転ループ | 0.5 |
1回転フリップ | 0.5 |
1回転ルッツ | 0.6 |
1回転アクセル | 1.1 |
2回転トウループ | 1.3 |
2回転サルコウ | 1.3 |
2回転ループ | 1.8 |
2回転フリップ | 1.9 |
2回転ルッツ | 2.1 |
2回転アクセル | 3.3 |
3回転トウループ | 4.3 |
3回転サルコウ | 4.4 |
3回転ループ | 5.1 |
3回転フリップ | 5.3 |
3回転ルッツ | 6.0 |
3回転アクセル | 8.5 |
4回転トウループ | 10.3 |
4回転サルコウ | 10.5 |
4回転ループ | 12.0 |
4回転フリップ | 12.3 |
4回転ルッツ | 13.6 |
4回転アクセル | 15.0 |
これを見ると真央ちゃんの「トリプルアクセル」が「ダブルアクセル」と比べ、いかに高度で評価が高いかがわかります。
四回転はさらにその上をいく難しさなんですね。
回転不足による減点について
フィギュアスケートのジャンプは回転が多いほど得点が高いです。そのため、誰もができるかぎり多く回りたいと思います。
ですが、回転が足りない場合は得点が減らされます。ただし、4分の1までの回転不足は不足にはならず、得点も減らされません。回転の不足分が4分の1を超えると「アンダーローテーション」、2分の1を超えると「ダウングレード」という評価になります。
アンダーローテーション(1/4~1/2の回転不足)
ジャンプの回転が4分の1~2分の1の場合(と判断された場合)は、アンダーローテーションと呼ばれる回転不足と認定されます。ローテーションというのは「回転」という意味です。
この場合、挑戦したジャンプの本来の基礎点の70%(四捨五入)が得点になります。
つまりトリプルアクセル(=8.5点)なら5.9点に減点になります。
ダウングレード(1/2を超えた回転不足)
そして回転が2分の1以上足りない場合はダウングレードという評価になります。つまり1つランクの低い回転になります。
トリプルアクセル(=8.5点)ならダブルアクセル(3.3点)として判定されるという意味です。これは痛いですね。
ジャンプの転倒による減点について
ジャンプで転倒した場合は、基礎点から1点の減点があります。
トリプルアクセルなら8.5点なので、1点マイナスされ、7.5点になるというわけです。
ただし、そこに回転不足でダウングレードなんかされると……ダブルアクセルと認定され(=3.3点)、さらに転倒による減点(-1点)により、なんと2.3点になるということです。すごく低いですねー。
ジャンプで知っておくとよいこと
最後にフィギュアスケートのジャンプで知っておくと楽しさがアップする知識を簡単にまとめています。
選手が挑戦するジャンプの傾向
国際大会に出るレベルの選手は6種類のジャンプで全部3回転以上を跳べるのが当たり前になっています(女子はアクセルのみ2回転が通常)。
男子はそこに加え、できるものは四回転にグレードアップします。最低でも最も難易度の低い「トウループ」は四回転にしないと上位ではお話にならないレベルです。
例えば中国の金博洋 選手は「トウループ」「サルコウ」「ルッツ」の3種類で四回転が跳べます。これはとんでもなくすごいことです。
Boyang Jin from China! 176.50 points, 263.45 overall. Climbs up to 3rd. ¡Now Javi and Hanyu! #GPFBarcelona pic.twitter.com/yYJ8c2w2kM
— GPF Barcelona 2015 (@gpfbarcelona) December 12, 2015
「3回転トウループ → 4回転トウループ」、「3回転サルコウ → 4回転サルコウ」、「3回転ルッツ → 4回転ルッツ」にグレードアップさせ3つの4回転ジャンプをプログラムに組み込んでくるんですね。すごすぎます。
連続ジャンプについて
フィギュアスケートにはジャンプコンビネーション(連続ジャンプ)というものがあります。
連続ジャンプで使われるジャンプ
連続ジャンプの2つ目で使われるジャンプは「トウループジャンプ」か「ループジャンプ」のどちらかです。
なぜかを簡単に言うと、ジャンプで着氷するときは必ず右足なので(反時計回りの回転の場合)、ジャンプする前に右足をリンクに接しているジャンプじゃないと物理的に跳べません。
種類 | 滑走時の足 | 踏み切る足 |
---|---|---|
アクセル | 左足 | 左足 |
サルコウ | 左足 | 左足 |
ループ | 右足 | 右足 |
トウループ | 右足 | 左足 |
フリップ | 左足 | 右足 |
ルッツ | 左足 | 右足 |
というわけで、連続ジャンプの2つ目以降はトウループか、ループになります。
連続ジャンプの得点は?
連続ジャンプの得点はそのまま2つのジャンプの得点を足したものになります。なので、2つめ以降のジャンプの特徴では……
- 回転が多い方が良い(3回転以上)
- トウループより「ループ」が良い
になります。得点表をまとめると……
名称 | 基礎点 |
---|---|
2回転トウループ | 1.3 |
2回転ループ | 1.8 |
3回転トウループ | 4.3 |
3回転ループ | 5.1 |
というわけで、3回転ループを2つ目、3つ目のジャンプに持ってくるのが難易度が高く得点も高いということになります。
連続ジャンプは3つまで
国際スケート連盟のルールではジャンプコンビネーションの回数には3回までという制限があります。
だからなんですねー、3回転-3回転-2回転-2回転-2回転とかを試合で見たことがないのは! だってできそうなのに。
さて、今回はフィギュアスケートのジャンプの基本的なところをまとめてみました。難易度とか得点表とかは「おおー!」じゃないかなと思います。