こんにちは! フィギュアスケート大好きなヨス(プロフィールはこちら)です。
フィギュアスケートにはいろんな種類のジャンプがあります。その中でも最も有名なのが「トリプルアクセル」ですよねー。
今回は公式試合でトリプルアクセルを成功させた女子選手をまとめました。
トリプルアクセルを公式試合で成功させた女子選手
現段階で、公式試合においてトリプルアクセルを成功させた女子選手をまとめました。
伊藤 みどり(日本)
トリプルアクセルをフィギュア女子で世界で初めて成功させたのが伊藤みどり選手(下の写真で右端)です。
初めてのトリプルアクセル成功は1988年11月のNHK杯でした。
そして、長野五輪で私をフィギュアスケートに夢中にさせたスケーターの1人です。
伊藤みどり選手のジャンプはすさまじい高さでした。本当に。
フィギュアスケートはスポーツなんだ!と言わんばかりの身体のバネで、ものすごく飛びます。
ぶっちゃけ、男子のジャンプ力を超えています。この人以上のジャンプを飛ぶ人を未だに私は見たことがありません。
トーニャ・ハーディング(アメリカ)
伊藤みどり選手の後、史上2人目となったのはアメリカのトーニャ・ハーディング(Tonya Maxine Harding)選手。
1991年に開催された「全米選手権」でトリプルアクセルを成功させました。
トーニャ・ハーディング選手はトリプルアクセル成功という名誉よりも、負の歴史の方が有名になってしまいましたね。
俗に言う、ナンシー・ケリガン襲撃事件です。
1994年1月6日、リレハンメルオリンピックの選考会となる全米選手権の会場で、練習を終えたナンシー・ケリガンが何者かに襲われる事件が発生した。俗にいう「ナンシー・ケリガン襲撃事件」である。ケリガンは膝を殴打され怪我を負い全米選手権を欠場、ハーディングはこの大会で優勝を果たした。
トーニャ・ハーディング - Wikipediaより引用しました。
トーニャ・ハーディング選手が関与していたんですが、スポーツでこういう事件があるのは本当につらいです。
このあとも、ボーイフレンドへの暴行など問題行動を起こしていましたが、現在はボクサーをやっているそうです。これまたびっくり!
中野 友加里(日本)
中野友加里選手は、伊藤みどり選手、トーニャ・ハーディング選手に次ぐ史上3人目の女子トリプルアクセルジャンパーです。
美しいドーナツスピンなど、表現力の高さでも人気でしたね。現在はレポーターとしても活躍されています。
トーニャ・ハーディング選手が公式試合でトリプルアクセルを決めたのが中野選手が成功させた年の10年前。
つまり、中野友加里選手が成功させるまで、10年もの間、誰一人として成功した人がいませんでした。
10年間も!! このエピソードからもいかに難しいジャンプかが分かりますね。
ちなみに中野友加里選手が公式戦でトリプルアクセルを決めたのは、2002年 スケートアメリカです。
リュドミラ・ネリディナ(ロシア)
1つ前で紹介した中野選手が3人目のトリプルアクセルを決めた女子選手なのですが、ちょうど同じ日にもう1人成功させた選手が現れました。
それは、中野友加里選手の後に滑ったロシアのリュドミラ・ネリディナ(Ludmila Nelidina)選手。
フィギュア女子の歴史において、これはとんでもない出来事です。
だって、トリプルアクセルはトーニャ・ハーディング選手が跳んで以来、女子では10年もの間、誰も飛べなかったジャンプ(公式試合においては)ですから。
同じ日にドドーンと2名も成功させるなんて……。ありえない(笑)。
浅田 真央(日本)
そしてトリプルアクセルをオリンピックで跳んだ2人目となった浅田真央選手です。
こちらは公式練習でのトリプルアクセルですが、見事ですねー。
史上最多5度目の優勝なるか!?浅田真央選手のショート公式練習の映像を一部公開!GPファイナル「男子ショート」は、今夜8時からテレビ朝日系列にて放送!(一部地域では放送開始時間が異なります) #フィギュアスケートhttps://t.co/uI7Ylfb7I6
— テレビ朝日 フィギュアスケート (@figureskate5ch) December 11, 2015
トリプルアクセルを試合で一回決めるだけでも難しいのに、浅田真央選手はバンクーバーオリンピックで、ショートプログラムで1回、フリーで2回飛ぶというとんでもない偉業を達成しました。
そして、ソチ五輪ではフリーでトリプルアクセルを成功させ、女子では初のオリンピックで2大会連続トリプルアクセルに成功した選手になりました。
エリザヴェータ・トゥクタムィシェワ(ロシア)
2015年3月にロシアのエリザヴェータ・トゥクタムィシェワ(Elizaveta Sergeyevna Tuktamysheva)選手が、女子シングルで史上6人目としてトリプルアクセルに成功しました。
世界選手権のショートプログラムでの快挙です。
フリーでも1位になり、かの大スターことイリーナ・スルツカヤ以来10年ぶりに世界選手権で金メダルを勝ち取ったロシア人女性スケーターとなりました。
トゥクタムィシェワが成功したトリプルアクセルは、回転も高さもバッチリで、もちろん完全に降りていました。
練習で成功した人はほかにもいましたが、公式試合で成功した人としては6人目なんですね。
「リスクがあるとわかっているが、フィギュアスケートが進化していくために必要
」と言っていましたが、まさにそうですよね。でも大切な本番でこのリスクを取るのは簡単にできることではありません。
トゥクタムィシェワは今後もかなり期待できますね。容姿的にも大スターになる匂いがしますよ。
それにしても、女子シングルはロシアが強くなってきましたねー。まぁ、強くなったというか強さを取り戻してきたという方が正しいですが。
紀平 梨花(日本)
そして、日本人から4人目のトリプルアクセルジャンパーが誕生しました。紀平梨花
選手です。
上の写真の中央の方がそうなんですが、なんと紀平梨花選手は16歳(2018年12月10日 現在)です。
紀平選手は、2016年に行われたジュニアグランプリシリーズ第5戦スロベニア大会でトリプルアクセルを成功させました。
これで史上7人目の女性トリプルアクセルジャンパーになりました。
練習では1日に5回も成功したという話も聞いていたのですが、ついに公式試合で成功させたんですねー。
2018年グランプリファイナルでトリプルアクセルを2度成功し優勝
2018年12月8日にカナダ・バンクーバーで開催されたグランプルファイナルで紀平選手が、平昌オリンピック金メダリストのアリーナ・ザギトワ選手を破り優勝しました!
その中で、トリプルアクセルを2回(ショートで1回・フリーで1回)成功させました。
練習で10回跳んだうち9回成功させるなど、浅田真央選手並の成功率です。
2022年北京五輪の期待の星
実は紀平選手は、2018年の平昌オリンピックには年齢制限で出場できませんでした。
2022年の北京オリンピックに向けて来季には四回転ジャンプを演技構成に組み込む予定だそうです。
これは、楽しみすぎますね!!
長洲 未来(アメリカ)
そして8人目のトリプルアクセルのジャンパーとなったのは長洲 未来選手! 女性で8人目というだけでなく、オリンピックでは史上3人目という快挙です。
またしても日本人……と言いたいところですが、正確には現在は日本国籍はなく、アメリカ国籍になっているため、アメリカ人ですね(ご両親は日本人です)。
長洲未来選手は、アメリカ生まれ、アメリカ育ちの日系アメリカ人で、本名はMirai Aileen Nagasuだそうです。
2017年9月、アメリカ開催のUSインターナショナルクラシックで、史上8人目としてトリプルアクセルに成功しました。着氷が乱れたためマイナス評価でしたが、「トリプルアクセル」として認められました。
2018年の平昌オリンピックの団体戦で完璧なトリプルアクセルを成功させました。
しかもなんと、24歳という年齢での成功です。選手生命の短いスポーツとも言われるフィギュアスケートでは24歳は「ベテラン」と呼ばれる年齢なんです。
浅田真央選手を見てトリプルアクセルを目指した
長洲選手は、バンクーバーオリンピックで浅田真央選手のトリプルアクセルを見て、自分もその大技を目指すようになったそうです。
そのバンクーバー五輪では長洲選手は16歳で、4位という快挙でした。
実はわたし、長洲選手のことをデビュー当時から密かに応援していましたが、本当に苦労してきた選手です。
身体の成長によりジャンプが跳べなくなっていたそうで、ソチ五輪では代表にも選ばれませんでした。
そのあと、年齢的にも最後のオリンピックとなる平昌五輪を明確な目標にして「オリンピックでトリプルアクセルを跳ぶ」ことのみを考えてやってきました。
そして、団体戦でついにその夢を叶えたということです。
上の写真の「喜び」を見ても、わたしとしてはこっちまで涙が出そうになるほどの伝わってくるモノがあります。
おめでとう!と直接伝えに行きたいです。
アリサ・リウ(アメリカ)
アメリカのアリサ・リウ(Alysa Liu)選手が、2019年9月1日ジュニアグランプリのアメリカ大会で、トリプルアクセルを成功させました。
さらにいうと、同じ試合で4回転ルッツも成功させています! とんでもない14歳です。
インスタグラムのフォロワーも35万人……。やばいですね。
アメリカ内だけでなく、世界的に人気者になりそうです。今後も期待しています。
アリョーナ・コストルナヤ(ロシア)
ロシアのアリョーナ・コストルナヤ(Alena Sergeevna Kostornaya)選手が、2019年10月13日に行われた2019年フィンランディア杯でのフリーで、2本の3回転アクセルをプログラムに組み込みました。
そのうちの1本であった3回転アクセル+2回転トウループのコンビネーションを成功させ、女子のトリプルアクセル成功者として10人目になりました。
16歳での偉業達成です。
さらには2019年11月3日に行われたグランプリシリーズ第3戦フランス杯ではフリーの演技で2本のトリプルアクセルを成功させ、その成功率の高さにも驚きです。
女子でトリプルアクセルの成功は日本人の特権……だったのはもう過去のことになりましたね。
劉永(ユ・ヨン: 韓国)
韓国の劉永(ユ・ヨン)選手が2019年10月25日、グランプリシリーズの第2戦「スケートカナダ」にてトリプルアクセルを成功させました!
韓国からついに15歳の新星ですよー! しかもショートプログラムでの挑戦です。
同じ大会のショートプログラムで紀平選手もトリプルアクセルを成功させましたし、すごい大会になりましたね。
ちなみに紀平選手と同じコーチは浜田美栄さんです。
番外: 井上 怜奈(ペア: アメリカ代表)
こちらはシングルではないのですが、ペアの井上怜奈選手もトリプルアクセルで快挙を成し遂げました。
井上怜奈&ジョン・ボルドウィン選手のペアが世界で初めて「スロー・トリプルアクセル(男性が女性を投げてトリプルアクセルするペア独自の技)」を決めたんです。
ここも日本人女子ですよー! そりゃー、みんなトリプルアクセル、トリプルアクセル言うのも無理ないです。
ちなみに井上怜奈選手、アルベールビル五輪では日本からペア代表として出場し、次のリレハンメル五輪では日本女子シングル代表として出場。
そしてペア相手のジョン・ボルドウィン選手からの「氷上のプロポーズ」で話題になったトリノ五輪では、アメリカからペア代表としての出場でした。
トリプルアクセルについて
トリプルアクセルは、6種類あるジャンプの中の「アクセル」という種類のジャンプです。
ジャンプの難易度で言うと最も難しいジャンプになっています。
そのジャンプで3回転するものを「トリプルアクセル」と呼んでいます。
日本でトリプルアクセルが有名な理由
日本で「トリプルアクセル」というジャンプの知名度が高いのはフィギュア女子が発端です。
フィギュア女子では、トリプルアクセルが飛べる人なんてずーっといませんでした。
そんな高度なジャンプはムリだと思われていました。そう。伊藤みどり選手が世界で初めて飛ぶまでは。
女子では、日本人が初めてトリプルアクセルを決めたから、日本でこのジャンプが有名になったんです。とにかくとんでもない快挙なんですよ。
上でも紹介しましたが、現在女子の公式試合でトリプルアクセルを決めたことがある人はこちらの11人です。
- 伊藤みどり
- トーニャ・ハーディング
- 中野友加里
- リュドミラ・ネリディナ
- 浅田真央
- エリザヴェータ・トゥクタムィシェワ
- 紀平梨花
- 長洲未来
- アリサ・リウ
- アリョーナ・コストルナヤ
- 劉永(ユ・ヨン)
たった11人だけです。しかもその11人中、日本人選手が5人も入っている(長洲選手は、今は国籍がアメリカですが)んです。
だから今でも日本で注目されているんですね。
男子でも難しいジャンプ
このトリプルアクセルですが、男子では試合で飛べないと話にならないレベルになっています。
じゃあ男子にとっては簡単なのかと言われるとそんなことありません。男子にとっても激ムズのジャンプです。
男子を見ていると、誰でもヒョイヒョイ飛べるジャンプに見えてしまうのですが、そんなことないんですね。
だってほとんど4回転に近いし、やっぱり前向きにジャンプして後ろ向きに着氷するという、このジャンプのややこしさも難易度を上げているんでしょうね。
初めてトリプルアクセルを飛んだ男子スケーターはカナダのヴァーン・テイラー選手です。
そしてオリンピックで初めてトリプルアクセルを成功させたのはブライアン・オーサー選手です。この名前、聞き覚えがありませんか?
そう。今で言うとコーチとしての方が有名ですね。
バンクーバー五輪で金メダルを取った韓国のキム・ヨナ選手のコーチです。そして、羽生結弦選手のコーチでもあります。
さて、こんな理由で、日本ではトリプルアクセルが有名なんですね。だって日本人の女子選手がこんなに飛んでいるんですから。
公式戦では上記の人たちしか成功していませんが、公式じゃない試合(国内の試合)や練習などを合わせると……
- 恩田美栄 選手
- ティファニー・チン選手
- キミー・マイズナー選手
- 吉田陽菜 選手
のようにほかにも成功させている選手がいます。試合で成功させるのが難しいんですよね……。
先日書いたアクセルジャンプの記事もどうぞ!
人気記事の「6種類のジャンプの違い」もぜひ!