ZEALANDIA(ジーランディア)夜のツアーでニュージーランドの生態の歴史を学んできた

こんにちは! ヨス(プロフィールはこちら)です。

今回はニュージーランドのウェリントンにある「ZEALANDI(ジーランディア)」の紹介です。

ZEALANDIAの建物
ZEALANDIAの建物

それと合わせて、ニュージーランドの動物たちの歴史についても紹介します。

ウェリントンにある「ZEALANDIA」とは?

ZEALANDIA(ジーランディア)というのは動物の保護区域です。

世界初の、完全に四方八方をフェンスで囲まれた都市型エコサンクチュアリーと呼ばれるものです。

ZEALANDIAのフェンス
ZEALANDIAのフェンス
ヨス

なんでフェンスで囲まれているの??

このフェンスの理由は、ここにいる動物の「天敵」が入れなくするためです。

こちらの写真のように、山の奥もずーっとフェンスが続いています

ZEALANDIAは四方八方が完全にフェンスで囲まれている
ZEALANDIAは四方八方が完全にフェンスで囲まれている

すごいですね。

何の動物を保護しているの??

では、ZEALANDIAではどんな動物が保護されているのでしょうか? 気になりますよね−。

それは主に鳥たちです。

この鳥、有名なので知っていますよね?

飛べない鳥の代名詞でもある「キウイ」
飛べない鳥の代名詞でもある「キーウィ(Kiwi)」

ニュージーランドにしかいない「飛べない鳥」の代名詞でもあるキーウィ(Kiwi)です。

そして、こちらも飛べない鳥である「takahe(タカヘ)」。

飛べない鳥「takahe(タカヘ)」
こちらも飛べない鳥「takahe(タカヘ)」

どちらも絶滅の危機にある貴重な動物です。

実はニュージーランドは人間が移り住む前は鳥の楽園だったと言われています。

ヨス

実際のところ、今でもニュージーランドには鳥が多いです。ウェリントンは鳥だらけでした。

びっくりすることに、人間が住むまでは哺乳類が存在しない島だったんだそうです!

そう。人間が移住するまでは。

人類以前は哺乳類のいない島だった!

このZEALANDIAの建物の中の大きなスクリーン映像で、その歴史について詳しく紹介してくれます(英語でですが)。

ニュージーランドの歴史についてスクリーンで説明
ニュージーランドの歴史についてスクリーンで説明

映画レベルでめっちゃ凝っていました。

簡単に言うと、人間が移住してきたときにネズミやネコやオコジョなどを持ち込んだんだそうです。

その動物たちによって、キウイやタカヘのような「飛べない鳥」たちはひ弱な標的になっていったというわけです。

ヨス

ニュージーランドには、それまで天敵(哺乳類)がいませんでしたからね。「飛ぶ」という能力が不要なほどに。

ちなみに、人間の手によって絶滅した動物もいます。

その代表が3メートルもある巨大な鳥ジャイアントモア(Giant Moa)です。

Giant moa
Joseph Smit [Public domain], via Wikimedia Commons

この鳥も「飛べない鳥」だったようで、捕獲が簡単だったんでしょうね。

ちなみに、ZEALANDIAにはジャイアントモアの等身大の模型がありました。

左に写っている鳥の模型(?)が絶滅したモアという巨大な鳥
左に写っている鳥の模型(?)が絶滅したモアという巨大な鳥

上の写真の左に写っているのがそうです。ううっ、ちゃんと撮るのを忘れた……。

哺乳類を入れさせないためのフェンス

人間の持ち込んだ哺乳類動物たちはどんどん増え、気がつけば生態系が逆転していました。

先ほどのキウイやタカヘのような弱い動物たちが、あっという間に絶滅の危機に陥ったのです。

そこで作られたのがZEALANDIA(保護区)であり、このフェンスです。

ZEALANDIAのフェンス
ZEALANDIAのフェンス

このフェンスがスゴイんです。見てください。

いろんな動物の侵入を防ぐ工夫
いろんな動物の侵入を防ぐ工夫
  • ニュージーランドに現存するすべての哺乳類でも越えられない高さ
  • もしよじ登ったとしてもひっくり返るようになっている屋根
  • ウサギのように穴を掘る動物が越えられないように地中深くまでフェンスが埋まっている

という設計です。

こんなフェンスが延々と続いているんですよ! スゴイですね。

ZEALANDIAにはこんな表もありました。「Maximum jumping heights(ジャンプの最大の高さ)」と書いています。

  • ネコ …… 1.8m
  • ポッサム …… 1.5m
  • オコジョ …… 1.2m
  • ラット …… 0.9m
  • マウス …… 0.5m
  • イタチ …… 0.3m

2.2メートルという高さは、一番ジャンプ力のあるネコでも越えられない高さなんですね。

もちろん、ZEALANDIAに入るには厳重な扉があります。

ZEALANDIAに入るには厳重な扉を越える
ZEALANDIAに入るには厳重な扉を越える

フェンスの内側に入って、建物を振り返って見るとこのようになっています。

フェンスの内側に入って振り返ったところ
フェンスの内側に入って振り返ったところ

【夜のツアー】に参加するときの注意事項

今回は、ZEALANDIAの「夜のツアー(ZEALANDIA by night)」に参加してきました。

スタートは日没前の30分ほど前です。わたしが行ったのは真冬だったので、5時ぐらいだったと思います。

ZEALANDIAの入り口から入ったところ
ZEALANDIA建物に入り口から入ったところ

夜のツアー(ナイトツアー)が始まったときはこんな明るさでしたが、30分ほどで真っ暗になります。

こんな注意事項がありますので参加前に知っておくといいですね!

  • ツアーは2時間半ほど
  • ツアー開始は日没の30分ほど前(予約時に確認)
  • 参加できるのは12歳以上
  • 1回のツアーに参加できるのは12名まで
  • 天候に関係なく行われるので、応じた服装を着てくること
  • 舗装されていない道や階段もあるので注意
  • 懐中電灯は準備してもらえる(動物に悪影響のない赤いライト)
人類以前の状態に戻すという目標
ZEALANDIAのフェンス内

ほかにもツアーに参加するとき、動物をびっくりさせたり悪影響を与えないための注意事項があります。

  • 外部からの動物・植物を防ぐため荷物検査あり
  • ゴミは各自で持ち帰ること
  • 雑音は最大限に抑える
  • 写真のフラッシュは使わない
  • 携帯電話の電源はOFF
  • 提供される懐中電灯以外は使わない
  • 全面禁煙

どれも常識の範囲の内容ですけど。

【夜のツアー】の流れ

実際に「夜のツアー」の流れを紹介します。

まずは、ニュージーランドの動物の生態ストーリーを学べる映画を大きなスクリーンで見ます。

ニュージーランドの歴史についてスクリーンで説明
ニュージーランドの動物の生態についてスクリーンで説明

完全に英語ですが、この記事で書いている流れ(人間が動物を島に持ち込みどうのこうの……)が分かっていたら英語ができなくてもなんとなく理解できると思います。映像の力はすごい!

あとは、ボランティアのガイドさんの案内でフェンス内に囲まれたサンクチュアリー内を散策します。

メインのガイドさんのあとをついていき、動物がいたら教えてくれ、説明してくれます。もちろん英語ですが。

なんていう鳥だっけ?
なんていう鳥だっけ?

ガイドさんは2名います。

メインのガイドさんが説明をしてくれながらいっしょに進んでいくのに対し、もう1人のガイドさんは動物たちを探して教えてくれる役目です。

ZEALANDIAの動物たちは、動物園みたいにオリに入っているわけではないので、自分たちで見つけなくてはなりません。

もちろんガイドさんたちはどういうところにいるのかを熟知しているので、効率よく見つけてくれるんですね。

【夜のツアー】で観察できた動物たち

では、わたしが参加した8月末に観察できた動物たちを紹介します!

こちらはニュージーランドにしかいないTui(トゥーイ)という鳥です。日本語でエリマキミツスイというらしい。

Tui(トゥーイ)という鳥(日本語でエリマキミツスイ)
Tui(トゥーイ)という鳥(日本語でエリマキミツスイ)

上手く撮れなかったので、Wikipediaの写真で。

Prosthemadera novaeseelandiae -Waikawa, Marlborough, New Zealand-8 (2)
By Sid Mosdell from New Zealand (Tui on HarakekeUploaded by snowmanradio) [CC BY 2.0], via Wikimedia Commons

きれいな鳥ですねー!

この鳥はオウムのように人の声の真似をすることができるそうです。ウェリントンの山道を散策したときにも声を聞きましたが、いろんなおもしろい鳴き声をします。

そして、こちらは「pied shag(マミジロウ)」です。

pied shag(マミジロウ)
pied shag(マミジロウ)

鵜の仲間だそうですね。水辺近くにいましたよー。

そして飛べない鳥の「takahe(タカヘ)」。

飛べない鳥「takahe(タカヘ)」
こちらも飛べない鳥「takahe(タカヘ)」

けっこう人に慣れているみたいで、ガイドさんがエサをやるのを待っていました(笑)。かわいい。

ニワトリほどの大きさですが、色が青く、不思議な感じですね。

そして今回のツアーで一番見たかったのが「tuatara(トゥアタラ)」。日本語ではムカシトカゲという名前だそうです。

「tuatara(トゥアタラ)」の赤ちゃん
「tuatara(トゥアタラ)」の赤ちゃん

上の写真は赤ちゃんで、飼育槽の中に入っていました。

貸してくれる赤いライトで照らすので動物にとって眩しくないそうです。

野生の「tuatara」は見られないのかなぁ……と思っていると!

野生の「tuatara(トゥアタラ)」
野生の「tuatara(トゥアタラ)」

ちょっとわかりづらいですが、真ん中の方で向こう側を向いているのがわかりますか? 大きいです!

今度は水の中の生物です。「longfin eel(ニュージーランドオオウナギ)」!

longfin eel(ニュージーランドオオウナギ)
longfin eel(ニュージーランドオオウナギ)

これ、写真では比較対象がないため、伝わりにくいかもしれないですがめっちゃ大きいです。

ちなみに、ガイドの方がツナをエサとしてやってたら、近くのカモがそのエサを食べに来て、このウナギが怒っていました(笑)。

そして、今度は昆虫です。

「weta(ウェタ)」と呼ばれるコオロギとかカマドウマのような虫なのですが……。

weta(ウェタ)
weta(ウェタ)

これが大きいんですよ! これまた写真では比較できないのでわかりづらいんですけど……。

wetaの中でも、これは「wellington tree weta」だそうです。

そういえば、ZEALANDIAの建物の中にあるこの模型は「weta」だったんですね。

wetaの大きな模型
wetaの大きな模型

これまた大きいな(笑)。

そして、こちらは昆虫の「stick insect(ナナフシ)」。

stick insect(ナナフシ)
stick insect(ナナフシ)

……と、あとは写真に撮れなかった「glowworm」とかすごかったですね。たぶん芋虫なんですか? ホタルみたいに光っていました。

よく考えると、わたしが行ったのは冬なのに、こんな昆虫たちがいるなんて?!

ニュージーランドの国鳥キーウィは?

そして、最後に見られたのが……

飛べない鳥の代名詞でもある「キウイ」
飛べない鳥の代名詞でもある「キーウィ(Kiwi)」

キーウィ!

実は、ちゃんと見られたのですが、うまく写真に撮れなかったんですよ……。なので、上のはZEALANDIAのパンフレット写真。

臆病な鳥だそうで、めっちゃ隠れていました。でもこの目にはそのモコモコした姿が焼き付いています。

なにせ夜行性で、この「夜のツアー」でないと見られないので貴重ですよ。

ちなみに、屋内でキーウィーのぬいぐるみを売っているのですが、これにオスとメスがあるんですね。

キーウィのぬいぐるみ
キーウィのぬいぐるみ

で、このぬいぐるみを押すと鳴き声がでる仕組みでして。

キーウィはまず、オスが甲高い声でクゥークゥー(?)と鳴いて、メスが低い声で応えるのですが、そのオスとメスの声がちゃんと再現されているんですよ!

ということで、2羽ほしいところですね(笑)。

そうそう、書くのを忘れていましたが、星空が超きれいでした!

ZEALANDIAの星空は超きれい
ZEALANDIAの星空は超きれい!

実は、ニュージーランドの南島にある星空で有名なテカポ湖に行ったのですが、天候が悪くまったく見られなかったんですね。

でも負けないほど美しい星空がZEALANDIAで見られたので本当によかった!

さて、今回はニュージーランドの生態の歴史について触れ、ウェリントンにある「ZEALANDIA」について紹介しました。

このZEALANDIAですが、ウェリントン渓谷の森林と淡水生態系を、できるだけ人類以前の状態に戻そうという目標を持っています。

500年先を見据えて作られたんだそうで、気が遠くなるような壮大なプロジェクトですが、すばらしい!

ニュージーランドに行ってきて、こういう自然を大切にする気持ちを持っている人が多いと感じました。

この「ZEALANDIA」、本当にすてきなところなので、ウェリントンに行った際にはぜひ訪れてください!!

住所
53 Waiapu Rd, Karori, Wellington 6012 ニュージーランド
入園料
【夜のツアー】

  • 大人: 85ドル
  • 子ども(12〜17歳): 40ドル
  • 12歳未満: 参加できません

【昼のツアー】

  • 大人: 55ドル
  • 子ども(5〜17歳): 27.50ドル
  • 5歳未満: 無料

【一般入場】

  • 大人: 18.50ドル
  • 子ども(5〜17歳): 10ドル
  • 5歳未満: 無料

※ 家族割引やメンバーになるともっと安く行けたりしますので、公式サイトでチェック

営業時間
【一般入場】 9:00〜17:00
【Rata Cafe】
平日: 9:00〜16:30

土日: 9:00〜17:00
休園日
クリスマス
電話
+64 4-920 9213
備考
公式サイト