こんにちは! ネットで文章を書いて21年のヨス(プロフィールはこちら)です。
AIに書いてもらった文章を読んで、「なんか偉そうだな」「無駄に難しいな」と感じたことはありませんか?
たとえば、こんな一文です。
例
よく読むと、たいしたことを言っていないのに、やたらと立派に、そして他人行儀に聞こえるんですよね……。
その正体は、簡単な言葉をわざわざ難しく「格上げ」していることにあります。

今回は、なぜAIが簡単なことを難しく言うのか、そしてどうすればスッと伝わる文章に戻せるのかを解説します。
そもそも「和語」と「漢語」ってなに?
AIの文章が難しくなる理由を知るには、まず「和語」と「漢語」という2種類の言葉をおさえておきましょう。
和語と漢語の違い
ざっくり言うと、和語は日本にもともとあった、やわらかい言葉です。
「決める」「使う」「話す」のように、ふだんの会話で自然に口から出てくる言葉ですね。
訓読みをする言葉は「和語」ですね。
いっぽう漢語は、大昔に中国から入ってきた、かための言葉です。
「決定」「使用」「会話」のように、書類やニュースでよく見かけます。

おもしろいのは、同じ意味なのに、和語と漢語の両方がそろっている言葉が多いことです。
| 和語(やわらかい) | 漢語(かたい) |
|---|---|
| 決める | 決定 |
| 使う | 使用 |
| 話す | 会話 |
どちらも意味は同じですが、和語は近くてやわらかく、漢語は遠くてかたい印象になります。
「読み」で見分けられる
自分の文章から漢語を見つけるには、その言葉の「読みかた」に注目しましょう。
漢語は、多くの場合「削減」「決定」のように漢字が2つ連なった熟語です。
「サクゲン」「ケッテイ」のように、音読み(中国から来た、かたい響き)で読みますよね。
「音読みの漢字が続く」のが、漢語を見つけるサインっスね!
反対に和語は、「減らす」「決める」のように、訓読み(日本のやわらかい読みかた)で読み、うしろに「送り仮名」がつくのがふつうです。
AIは和語を「漢語」に格上げしたがる
AIは、和語をわざわざ漢語に置き換えて、文章を立派に見せようとします。
たとえば、こんな具合です。
例
どれもAIがよく使うやつっスね……。
意味はまったく同じですが、漢語になったとたん、急にお役所の書類みたいに距離が遠くなったような感覚になりませんか?
これを、わたしは「言葉の格上げ」と呼んでいます。
なぜAIは難しく言いたがるのか
では、なぜAIはこうも言葉を格上げしたがるのでしょうか。
理由の一つは、AIが「人間が書いた無難な文章」のパターンをそのまま反映しているからです。
ビジネスや公的な場では、断言を避けて言葉を濁す表現がよく使われますよね?
AIはそういった「傾向」も学習しているのです。
もう一つの理由は、AIが誰かを傷つけたり失礼な態度をとったりしないよう、「フォーマルで丁寧な言葉遣い」を優先して出力するように調整されているから。
その結果、かえって堅苦しい表現になってしまいます。
【対策】「和語に戻せないか」を疑う
難しい言葉を見つけたら、まず「これ、和語に戻せないかな?」と疑ってみましょう。
漢語の名詞を動詞に戻す
漢語は、もともと「名詞」として中国から入ってきた言葉です。
「改革」「削減」のように、ものごとや概念をあらわします。
AIは、この漢語の名詞を「の」でつないで、どんどん積み上げていく傾向があります。
「費用の削減」「意思決定の迅速化」といったふうに。
そして、かたい言葉(=漢語)が連なるほど、文章は難しく、偉そうに見えてしまうのです。
そこで、名詞のかたまりを、やさしい和語にほどいてあげましょう。

例
「削減」が「減らす」に変わっただけで、ぐっと近く、やわらかくなりますよね。
漢語の動詞を和語に戻す
漢語が文章を難しくするのは、名詞のときだけではありません。
漢語は、うしろに「する」をつけると動詞にもなります。「改革する」「活用する」のように。
もともと名詞の漢語を、日本語の動詞として使うための仕組みで、文法では「サ変動詞(サ行変格活用)」と呼びます。
AIは、この「漢語+する」の動詞も好んで使います。こちらも和語に戻しましょう。

どうでもいいですが、RPGで魔法の釜にアイテムを入れたら、デザインが急激に変わって強くなる……みたいな設定、めちゃくちゃですね(笑)。
例
和語にするだけで、ぐっと読みやすくなりますね。
さきほどの一文も、戻してみましょう。
例
読みやすくなると、「実はたいしたことを言ってないこと」が浮き彫りになります(笑)。
【例外】あえて難しい言葉を使う場面
ただし、いつでも和語に戻せばいいわけではありません。
え?! 難しい言葉って、悪モノじゃないんスか?
専門家同士で話すときや、正確さが命の文書では、漢語のほうが速くて正確なこともあります。
たとえば、「心筋梗塞」を毎回「心臓の血管が詰まる病気」と書いていたら、かえって読みにくいですよね。
要は、目の前の相手に伝わる言葉を選ぶ、それだけですね。
なお、こうした難しい言葉が「画面を黒く重く見せる」という見た目の問題については、漢字をひらがなに開く話でくわしく書いています。あわせてどうぞ。
まとめ
AIの文章が偉そうで難しく感じるのは、簡単な言葉がわざわざ格上げされているからです。
「意思決定の遂行」を「決める」に戻す。それだけで、文章は驚くほど読みやすくなります。
送信する前に、「これ、もっと簡単な言葉で言えないかな?」と、疑ってみてくださいね。





