こんにちは! ヨス(プロフィールはこちら)です。
先日「丸亀まちづくり夢カフェ」という丸亀市のイベントに参加してきました。今回は、そのレポートです。
「丸亀まちづくり夢カフェ」って?
簡単に言うと、私の住む丸亀市(香川県)が皆にとって住みよいまちになるために、 その未来の可能性について市民が集まってワイワイやる……という丸亀市が企画したイベントです。

丸亀市合併10周年記念ということで企画されたそうです。「丸亀まちづくり夢カフェ」という名前ですが、「カフェ」ではありません(笑)。
カフェ的な「肩の力を抜いて、みんなであーだこーだとしゃべる」というイメージから名付けられたそうです。ジュースとお菓子は出ましたけど♪

プログラムはこちら。
- 講演「つながる」ことで生まれる!まちづくりの力
- ワークショップ1「20年後にも残したいまちの宝物・まちのなかで困っている事」
- ワークショップ2「テーマ別 丸亀の夢・未来について考える」
- グループ発表と意見交換(テーマ別グループ毎に発表)
という内容です。

なんと定員が100名だったのに、当日の飛び入りもいっぱいいらしたようで予定していたよりも大勢の方が参加されたそうです。
正直に言います。すみません、参加する前はナメていました!! 香川の人って冷めている印象で、こういうイベントに、そんなに人が集まらないと思っていました。ホントにすみませんっ! はっきり言って、引いてしまうほどの熱気でした。
丸亀まちづくり夢カフェのレポート
現場に着いて最初に、白、ピンク、青、黄色など、いろんな色の中から紙を選んで、自分の名前を書いて名札にしました。
で、その色のテーブル、私の場合はピンクの名札を選んだので、ピンクのテーブルに座る……という流れでした。
では「丸亀まちづくり夢カフェ」のレポートです。13:00から始まり、17:00までの4時間もの内容だったのですが、かなり充実しててあっという間に時間が過ぎた印象です。
講演「つながる」ことで生まれる!まちづくりの力
今回のイベントで期待していたのが、実は一番最初の講演でした。

今回のイベントの頭を飾ったのがこちらの、武田重昭(@takedashigeaki)さんの講演「『つながる』ことで生まれる!まちづくりの力」です。
最初に出てきた重要キーワードが「シビックプライド(civic pride)」でした。

私も初めて聞いた言葉ですが、シビックプライドというのは「市民のまちに対する誇りや愛着」のことです。これがまちの魅力づくりの根幹だということです。
シビックプライドを表すものとして一番分かりやすいのは建築物だそうです。大阪の人にとっては「大阪城」とか。建築物は思いっきり目に見えますからねー、わかりやすいです。
で、今現在ではそういう象徴的な物体よりも「ひと」に注目しているというのが今回のお話の一番のポイントでした。
魅力あるまちのキーワードは「ひと」
スライドで出てきた中に、ほかの国での「シビックプライド」を高めている上手なキャッチフレーズの紹介がありました。

「I amsterdam.」というのがうまいなーと思いました。アムステルダム(オランダの首都)の「am」と「I am」の「am」をつなげて、「私のアムステルダム!」というのを上手く表現していますよねー。素敵やー。
魅力あるまちを作るには「キーワードは人」と書きましたが、それを象徴するスライドがこちら。

わかりづらいかもしれませんが、魅力あるまちの要素として、水、樹木、地形といった「自然」と建物、照明、ベンチといった「人工物」が揃い、魅力的な空間がスライドの中に映っています。
この「空間の魅力」が取り揃っていることは大切ですが、これだけでは不十分なんですねー。

そう。人がこなければ何一つ意味がありません。スライドに追加されたオレンジ色の矢印が人です。例えば「ベンチでくつろぐ人」がいなければ「ベンチ」の価値はゼロです。見てくれる人がいなければ展望台もお金の無駄なんです。
「空間の魅力」と「生活の魅力」が合わさって初めて「魅力的なまちの風景」になるんです。
つくる側の自己満足ではイタい
そのために創る側は「スゲーって言われるおしゃれな空間を創るぞ!」を目標にするのではなく、その場所が愛され、実際に使ってもらえることを目標にする必要があります。
「ブラジリア症候群」という面白い話を例で出してくださいましたが、ブラジリア(ブラジルの首都)ではまさにつくる側が車による交通やデザインをかなり意識して、完成度の高い環境をつくったそうなんです。
ところが実際に住む人にとっては、使いづらすぎて「ムキー!」だったようなんですね。残念ですが、こういうことって往々にしてありそうですね。
これはデザインやWEBの世界でも同じです。以前「『デザイン=無意味な装飾』と勘違いしてません?」って記事でも書きましたが、ちゃんと本来の目的を見失わずにしないと残念な結果になるってことです。
日本の公的空間は最貧困
そして、こちらのスライドです。

「プライベートな生活は最裕福」「パブリックな生活は最貧困」と書かれていますが、今の日本の現状です。もちろんわかりやすく誇張しているのだと思いますが、なるほどなーと納得する方が多いのではないでしょうか。
海外の公園で人々が楽しんでいるような風景をテレビで見たりしますが、こういうのが「使ってもらっている」ってことなんでしょうね。私の住む丸亀に置き換えても、先日書いた記事で紹介した「水辺の楽校公園」も使ってもらえているとはお世辞にも言えません。
まぁ、ぶっちゃけですが、私の場合は人が少ないのが魅力になっていてよく行っているんですけど(笑)。
こんな面白い例も
使ってもらえる空間というテーマでこんな面白いスライドもありました。

日本の公園(?)にある「芝生に入らないで下さい」と書かれた注意書きと、「WELCOME」と書かれたサイン。
ただの例なのか本当にあるのかわかりませんが、公園で「芝生に入るな」とかありえないですよね(笑)。意味不明。
そんな空間をつくるには?
ではそんな使ってもらえる空間をつくるにはどうすればよいのでしょうか?
やっぱり「そこに住む人」が絡まないとだめですよね。口で言うのは超簡単ですが、これはすっごく難しいことです。

そのために開催されたのが、今回の「丸亀まちづくり夢カフェ」です。このイベントをわかりやすく理解できた見事な講義でした。ありがとうございました!
ワークショップ1「20年後にも残したいまちの宝物・まちのなかで困っている事」
講演の次は「ワークショップ」です。私はピンクのテーブルの人たちと一緒にワークショプをすることになりました。ランダムに集まった人たちなので、年齢もバラバラ、仕事もバラバラです。ただひとつ、丸亀市をよくするために何かしたい!っていう想いだけが共通点です。
ワークショップの流れはこんな感じです。
- 問題点を出す: 皆が関心のあるものをあぶり出す
- カテゴリに分ける: 出てきた関心をカテゴリに分ける
- 専門分野に分かれる: 出てきた関心のカテゴリをテーブルごとに決め、興味のある分野のテーブルに分かれて話し合う
ポストイットにアイデアを
まず最初にやった作業は、手元のポストイット(付箋)に、アイデアを書くことです。

黄色いポストイットには「20年後にも残したいまちの宝物」を、水色のポストイットには「まちのなかで困っていること」を書き出します。わかりやすい表現ですが、要は丸亀市の「ポジティブポイント」と「ネガティブポイント」ですね。
いろんなアイデアが出るわ出るわ
この「ポストイット」に各自が書き出すという作業は、以前勤務していた会社の会議でアイデアを出すときにも使っていましたが非常に有用です。
タイトな制限時間(3分とか)、絶対に書かなければならない枚数(10枚など)も決めておくとさらに効果的です。

ちなみに私が書いたのは……
- 20年後にも残したいまちの宝物
- 田んぼ
- 森
- 自然公園
- 川
- まちのなかで困っていること
-
- 公園での犬の放し飼い(散歩)
- まちの中、イベント、飲食店のタバコの煙
- 丸亀市内の情報がネット上に少ない
- 市のお手伝いをしたくてもシステムがない
残したいものとしては、断然「丸亀城」という意見が出まくりました。「丸亀城」は丸亀市民にとってはシビックプライドの象徴みたいですね。
一枚の紙にまとめます
今度は出てきた内容をグループごとにわけます。

建物に関するもの、自然に関するもの、人間に関するもの、産物に関するもの……といった具合にです。
みんなであーだこーだと楽しかったです。ちゃんとファシリテーター(グループ活動を客観的な目で見て、導いたり、促進させてくれる人)がいらっしゃったので、迷子にもなりませんでした。
ワークショップ2「テーマ別 丸亀の夢・未来について考える」
さて休憩を挟んで、今度はさきほど、各テーブル(全部で11テーブル)で出てきたアイデアで皆の関心が高いテーマを10個にしぼりました。ファシリテーターさんたちが休憩時間に相談して決めたそうです。
こんな10のテーマにしぼられた
そして選ばれた10のテーマがこちらです。

わかりにくいので文字に起こしますね。
- 丸亀城・歴史文化観光
- 人があつまる場
- 山や田んぼ等自然環境
- 交通マナー・利便性
- コミュニティ・人のつながり
- 人口減少・次世代計画
- 子育て・こども環境
- 駅前・まちの回遊性
- 空家・空地
- 情報発信・PR
この10個のテーマです。
このスライド内でのカテゴリーの配置は、この部屋の中のテーブルの位置に対応しています。
私は「子育て・こども環境」がめっちゃ気になっていましたが「情報発信・PR」に一番貢献できるんじゃないかなと思って、そっちにしました。なので一番後ろのテーブルへ移動です。
ちなみに「丸亀城」の人気が凄まじかったみたいで、「丸亀城・歴史文化観光」のテーマだけ2テーブル分です。
自分の得意分野なので熱気がすさまじく
さて、全員が各テーマの中で自分が興味があるテーマのテーブルに行きました。

最初のテーブルはランダムだったので、皆の興味や得意分野がバラバラでした。でも今度は違います。自分の得意分野のテーマを自分で選んで話すので、話す内容も濃いです。
丸亀がどんな情報発信をしていけばよいかについて話し合ったんですけど、私のテーブルでは、大きなイベントの企画をしていた方や、丸亀市議会議員の方を始め、ほんとにバラエティーに富んでいておもしろかったです。
グループ発表と意見交換(テーマ別グループ毎に発表)
そして各テーブルで出てきたアイデアをまとめ、発表します。

ええ。正直なところ、どのグループも発表はグダグダでした(笑)。まったくまとまってないし、制限時間も守れないし、そもそも何を言っているのか意味不明なグループもありました。
でも、初めて集まった人たちが、初めて本気で向き合ったテーマについて話して、その結果を発表なんて、うまくいくはずがありません。
でもいいんですよ。主催側としても、この発表は目的ではないはずですから。重要なのは、その過程ですよね。丸亀の未来についてこんなにも多くの人が集まって、こんなにも真剣に熱く議論ができたなんて、大成功じゃないですか?
ただ、今回の一回きりで終わってしまっては意味がないです。こういう集まりを、熱が冷めないルーティーンで継続させていくことが大切だと思います。
さて、私がブログを本格的に始めて、2年ほどになりました。ブログを始めた当初は「地域のことを発信するぞ!」とか「もっと香川のことを知ってもらいたい」とか、一切考えていませんでした。
でも日本全国にいるブロガーの仲間たちと交流するに連れ、徐々に自分が「香川県のブロガー」ということを意識するようになってきました。あんまりいないですもん(笑)。
そしてこのブログが毎日1万人以上の方に見られるようになってきてからは、このブログを使って、もっと何かできるんじゃないか?と思うようになってきていました。今回のこのイベントへの参加は、今後の私のブロガー人生においても刺激になりました。
丸亀市でブログで飯食っている人がほかにたくさんいるとは到底思えないので(笑)、きっと私にしかできないことってあると思うんです。ということで、こういうイベントへの積極的参加を始め、自分にできることをいろいろ考えていきたいと思っています。

この記事、おもしろかったわ。ほかに似た記事ないん?

「丸亀市のカテゴリ」にあるきん、そっち見てや。