こんにちは! ヨス(プロフィールはこちら)です。
今回はニュージーランドのクライストチャーチに住むブロガー はっしー さんとの対談です!
目次
NZのクライストチャーチ在住のプログラマー・ブロガー
今回対談をした はっしー さんといえば、日本の劣悪な労働環境に物申しまくるブロガーです。

わたしも先日「仕事がキツくて死にたい」と思ってる方は退職届けを出そう!という記事を書きましたが、発端は はっしー さんの記事に触発されたことです。
その はっしー さんは、現在ニュージーランドに移住してプログラマーをされています。
先日、ニュージーランドに行ってきたときに実際にお会いしてきたのですが、本当に楽しい毎日を過ごしているのが伝わって来ました!

というわけで、今回はアイコンの似顔絵にそっくりでびっくりした はっしー さんとの対談をまとめました。
はっしーさんがブログを始めたきっかけ
ヨス
はっしー さん、こんにちは!
はっしー
Kia Ora! ヨスさん、こんにちは!
ヨス
おお! ニュージーランドで頻繁に見かける「マオリ語」ですね。たしか「こんにちは」でしたね(笑)。
では、はっしーさん、まず最初に簡単に自己紹介してもらえますか?
はっしー
はっしーです。ニュージーランドで働くプログラマです。
ブログ「NZ MoyaSystem」を運営してまして、主にニュージーランドのライフスタイルやIT業界、仕事論などについて書いてます。

ヨス
ブログタイトルですが、なぜ「モヤシステム」なんですか?「モヤシ」+「システム」ですか?
はっしー
お察しの通りです(笑)。
もやし & システムということで。鼻で笑ってください!
ヨス
ええ。ご自分のことを「モヤシっぽい」って言ってましたから!
では、はっしー さんが、その「モヤシブログ(笑)」を始めたきっかけは何ですか?
はっしー
ブログを本格的に書き始めたのは、2015年の6月頃です。
ちょうど、留学していた大学を卒業して、ニュージーランドで仕事を探し始めた時期ですね。
就活中って一日中予定があるわけでもないので結構ヒマですから、何かやることがほしいなと思って。
そこで、海外就活の記録をリアルタイムで残しておけば、誰かの役に立つだろうと思ったのが、ブログを始めた大きな理由です。
もうひとつの動機として、日本のストレスフルな労働環境で疲弊している人たちに対して、「そんな働き方はおかしい、もっと人生を楽しもうぜ!」というメッセージを伝えたかったというのがあります。
ヨス
そのメッセージ、いつもウンウンとうなずいております。本当に共感することばかり!
はっしー
ありがとうございます。そもそも、僕がニュージーランドにやってきたのも、日本で馬車馬のように働くのに疲れてしまったからですから(笑)。
NZでプログラマになり、残業ゼロの働き方を実践している姿を見せることで、誰かが人生を変えるための一歩を踏み出してくれればいいなと思ったんです。
ブログの想定読者は「過去の自分」
ヨス
なるほど、こんな人生もあるんだぞ!というのを実践で見せているわけですね。説得力があります。
はっしー
僕のブログの想定読者はかつての自分なんですよ。
20代後半のサラリーマン、仕事には慣れてきたけれど、残業や休日出勤にはうんざりしている。
でも職場改善や転職を行う勇気はなく、何もできずに毎日悩んでばかり、というような。
でも、それだと生きていてもなんにもおもしろくないじゃないですか。昔の自分に「おい、人生もっと楽しまないと損だぞ、悩んでないで行動しろ」と呼びかけるつもりで記事を書いてますね。
ときどき、読者の方から「はっしーさんのブログを読んで海外に行くことを決めました!」という声をいただくと、ほんとにうれしいです。
ヨス
うわー、それはうれしいですよね!
ある意味、その人の人生を変えるきっかけを作ったわけですから。下手したら命を救ったかも?
日本から「脱出」した理由
ヨス
では、はっしーさんが日本を出てニュージーランドに渡ってきた(脱出してきた)ことについて詳しく教えてください。
はっしー
先ほども言いましたが、ニュージーランドにやってきたそもそもの理由は、「日本で働くのに疲れたから」です(笑)。
元々、僕は大学を卒業して某IT企業に就職して、システムエンジニアをやっていたんですよ。
ITの仕事自体は肌に合っていたんですが、研修を終えて配属された現場が、会社の中でもトップクラスに残業の多い職場でして……。
月の残業時間が、平均して70時間くらい、多いときでは100時間も当たりまえ。最高で200時間近い残業をしたこともあります。

ヨス
に……にひゃく時間ですか!? 20日で割ると(たぶん出勤日数はもっと多そうだけど)1日10時間じゃないですか!?
はっしー
夏休みや正月休みが潰れるのもしょっちゅうでした。いわゆる「IT土方」の生活です。
残業代はちゃんと満額出たので、給料はそこそこありました。でも仕事のストレスがあまりにきつすぎて、全然幸せじゃなかったです。
会社に行くのはつらいし、自殺願望などの鬱症状も出てきて、この生活がずっと続くなんてありえないと。
ヨス
ひええぇぇ……!
めちゃくちゃ危険だったんですね。

はっしー
はい。けっこう危なかったです。
ところが、インターネットで調べてみると、海外のIT業界は残業はほとんどなく、有給休暇もしっかり取れて、エンジニアが人生を謳歌できる環境だということが書いてあったんです。
これは素晴らしい、自分もこんな環境で働きたいと強く思いました。
また、文学部出身なので、ITを大学で専門的に勉強していないことに対するコンプレックスもずっとあったんです。それで、まず大学留学して、それから現地で就活するという計画をたてましたね。
2013年、28歳のときに会社を辞めて、2014年にニュージーランドの大学に入学。翌年卒業して、約5ヶ月の就活後に仕事が見つかり、2016年の2月から今の会社で働いています。
ヨス
おお! ニュージーランドの大学に入って1年で卒業できたんですか!
それってすごくないですか!
はっしー
いえいえ、別にすごくないです(笑)。1年間だけのコースがあるんですよ。
Graduate Diploma という、すでに大学を卒業している人向けのカリキュラムです。1年授業を受けるだけで、学部卒相当の学位がもらえるんです。
ニュージーランド国内の大学を出ていると、永住権取得の上でも有利にはたらくので、移住を目指す日本人には人気のあるカリキュラムなんですよ。
ニュージーランドに来たときの英語力は?
ヨス
なるほど。知りませんでした!
あえてニュージーランドの大学を出ることが移住を目指す上でメリットになるんですね。
ニュージーランドの大学に入れたということはかなり英語の勉強はされていたんですよね? ということは英語は大丈夫でしたか?
はっしー
ニュージーランドに来たときには、TOEIC で880点をもってましたし、IELTS というさらに難しい英語の試験でも 9.0点満点中 6.5 を取っていて、大学への入学要件を満たしていました。なので、正直、英語力には自信がありました。

ヨス
すごすぎるっ!! 今まで海外で暮らす方にたくさん会ってきましたが、最初っからそんなに英語が話せてた方ははっしーさんが初めてかも!
じゃあ、英語はまったく問題なかったんですねー。
はっしー
でも、ニュージーランド人の英語って、ものすごく訛っている上に早口でぜんっぜん聞き取れないんです!
英語ネイティブですら聞き取れないことがあると言われているくらいなんですよ。当然、同級生や教授とのコミュニケーションにもとても苦労して、英語への自信はあっという間に無くなりました(笑)。
いまだにニュージーランド英語の聞き取りは苦手です……。
はっしーさんオススメの英語勉強法
ヨス
なるほど。はっしーさんが日本で英語を勉強するときにやったことで、「これはみんなやった方がいいよ!」という勉強法についても教えてください。めちゃくちゃ気になります!
はっしー
一番オススメなのはオンライン英会話ですね!
日本人は受験英語の勉強を通して、基礎的な単語や文法は学習しているんですが、話す練習がとにかく足りていないので、英語でのコミュニケーションが苦手なんです。
オンライン英会話で、毎日15分ずつでも話す機会を作っていけば、スピーキング能力の向上をすぐに実感できるはずです。
何より、話す相手がいると楽しいですから、無理なく続けられますよ。
ある程度慣れてくると、文法の知識が足りないなとか、ボキャブラリーが少ないなってことがわかってくるので、そこから文法書や単語帳を買ってさらに勉強していけばいいんじゃないでしょうか。
留学先をニュージーランドに選んだ理由
ヨス
わたしも会社勤務をしていたころ、ほぼ毎日、お昼休みにスマホでオンライン英会話やってましたよ。たしかに効果的ですよね。
では、はっしーさんがニュージーランドを留学先に選んだ理由はなんでしょうか?
はっしー
ニュージーランドを選んだのは、留学後に現地でITエンジニアとして就職するというキャリアが最も現実的な国だと判断したからです。
まず、留学は「TOEFL」と「GMAT」が必要なアメリカよりも、IELTSだけで要件を満たせる旧イギリス圏の方が、働きながら目指しやすいんです。
さらにその後の就職は、イギリスではとても難しいと語学学校のスタッフから聞きました。
一方、オーストラリアやニュージーランドでは比較的実現可能性が高い。さらに予算を勘案して、ニュージーランドを選んだというわけです。
ヨス
なるほど。ニュージーランドに憧れて……ではなく、「日本を脱出する!」がまずあったというのがよくわかるエピソードですね!
では、ニュージーランドの中でも「クライストチャーチ」という町を選んだ理由って何ですか?

はっしー
一言で言うと、予算の都合です(汗)。
ニュージーランドには大学が8つあるんですが、結構学費に差があって、年間で1万ドルくらい違うんです。
僕が留学を決めたときは運悪く超円安で、100万円近い差になっちゃったんですね。
それで、なるべく学費の安い大学を探したところ、リンカーン大学というクライストチャーチ近郊にある大学に落ち着いたというわけです。やけに現実的な理由ですみません……。
ヨス
生々しいお話をありがとうございます(笑)。

はっしー
でも、今はクライストチャーチの暮らしがとても気に入ってます!
クライストチャーチのいいところは、都市の規模が都会すぎず田舎すぎずちょうどいいところですね。
人口は40万人程度ですし、街自体の密度が低く広いエリアに広がっているので、雰囲気がとてもおだやかで、時間の流れが遅く感じられます。
一方で、ショッピングモールや大型アジア系スーパーなど買い物する場所にも困らず、シネコンやゲームセンターなどのアミューズメント施設もちゃんとあるので、退屈することもないです。
2011年のカンタベリー地震以降、廃墟になっていた中心街の復興も本格化して、今後ますます楽しい街になっていくと思いますよ!
ヨス
わたしも3日ほどクライストチャーチに滞在しましたが、いい街ですね。先日、はっしーさんとお会いしたのが最終日だったのでバタバタしていましたが、もうちょっと居たかったです。
では、ニュージーランド全体としてはどうでしょうか?
はっしー
ニュージーランド全体だと、空が綺麗なところです。
テカポ湖の星空は日本でもかなり有名になりましたが、昼間の空もまた格別です。

はっしー
ニュージーランドの空って、日本より深い青色をしているんですよ。快晴の日に空を見上げると心が洗われます。
特に、クライストチャーチは平野な上に高い建物が少ないので、空が広いのがいいですね。
ヨス
テカポ湖も最高でしたが、たしかに全体的に空がきれいでしたね。山というか大自然も最高だし。
はっしーさん、移住して正解でしたねー!
ブログから書籍の話も?!
ヨス
そういえば、書籍の話があると言っていましたが、そのことも最後にお聞かせください!
はっしー
そうなんです。ブログ「NZ MoyaSystem」の書籍化企画が進行中です!
まだ出版確定ではありませんが、現在は担当編集さんと内容について議論を進めている段階です。詳細はブログで報告していきますので、楽しみにお待ちください。
ヨス
なんと! なんと!!
これはすごい!絶対買います!
ブログを続けて来たからこその話ですね! 期待しています。
日本の政治家の皆さんに知ってほしいことがあります。
はっしーさんの海外へ渡った動機というのが、はっきり言って日本経済にとっては損失なんですよね。
ですが、残念なことに、スキルのある人材を流出させる土台があるのでどうしようもありませんが。
というわけで、日本の会社で消耗している方は海外の会社で働くことも視野に入れてみてもいいかもしれません。
もちろん、その壁は険しいと思いますが、ブラック企業で死と隣り合わせで生きていくことを考えると……全然アリですね。