2016年3月1日

「親の過干渉はNG!」かぐや姫プレイパーク運営の竹森康彦さんにインタビュー

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こんにちは! ヨス(@yossense)です。

今回は香川県仲多度郡まんのう町にある「かぐや姫プレイパーク」を運営する竹森康彦さんにインタビューしてきました。まんのう町というのは日本一のため池「満濃池」のある町ですね。

竹森康彦さんについて

今回ご紹介する竹森康彦さんは、昭和40年ごろから県庁の児童相談所で青少年に関わる仕事に携わってきました。

当時は子どもの引きこもり、不登校が問題視され始めたころで、竹森さんはその原因の一つに「子どもと自然との触れ合いが減ってきたからではないのか?」と思うようになったそうです。

竹森康彦さん
竹森康彦さん

そこで、竹森さんは昭和48年(1973年)に野外教育センター「わらべの里」という子どもの集まる場を作りました。自然の中に醤油樽を使ってロッジを作っていたそうです。

「わらべの里」は25年ほど運営された後、おやめになったそうですが……その後、竹森さんは再び新しい場所をオープンさせました。

かぐや姫プレイパークとは?

その新しい場所というのが「かぐや姫プレイパーク」です。

まんのう町佐文地区で3,000平方メートルの竹林を整備し、平成19年(2007年)に子どもたちが自然とおもいっきり触れ合える場所というコンセプトで作られました。

かぐや姫プレイパーク
かぐや姫プレイパーク

現在では自然の中で子育てをしたいという親たちの間で広まってきて、年間では述べ2,000人を超える人がここに来ています

わたしも子どもを2012年から連れて来て遊ばせています。主に田植え体験やカカシづくり、凧づくりなど季節に合わせて行われるイベントへの参加です。

かぐや姫プレイパークで遊ぶ子どもたち
かぐや姫プレイパークで遊ぶ子どもたち

ということで、けっこう長い付き合いになる竹森さんに最近の子どもや親について、いろいろとインタビューをさせていただきました。

最近の親について

竹森さんにインタビューしました
竹森さんにインタビューしました

ヨス「最近の親で気になることってなんですか?」

竹森「やっぱり過干渉ですね。

何も言わなくても子どもは本来、自分で考えて行動できるのに、親がああしろこうしろと言いすぎなんですね」

ヨス「過干渉ですか! いきなり親としては耳が痛い(笑)」

大人が子どもをどう放っておけるか
大人が子どもをどう放っておけるか

竹森「大事なのは、子どもが自分の力で一歩踏み出すのを親がどうほっとけるか?

もちろん、こんなとこ歩いてたらケガせんかな……と心配になりますが、そこを我慢してほしい!」

ヨス「なるほど。でも、頭ではわかっていても難しいんですよね。子どもにケガされたくないですから(笑)」

竹森「はい。もちろん私も人の親なのでその気持ちわかりますよ(笑)。

肝心なのは、子どもへの声掛けです。たとえば、最近では子どもが木登りみたいな遊びをしたときに『危ないやろ! そんなことしたらダメ!』と怒る親が多い

でも、ここでグッとこらえて『すごいね! そんなことができるんや!』と褒める。この差が大きいです」

過干渉が「指示待ち人間」を作り出す

竹森さんは親の過干渉が気になると言っていますが、これってどんな問題があるのでしょうか?

ヨス「親の過干渉がもたらす問題って何がありますか?」

竹森「ずばり、『指示待ち人間』ですね。

今の社会に指示待ち人間が多いのは、親の過干渉が原因です。子どもが何かするたびに『それはダメ、これもダメ』と言っていると、なんでもかんでもやる前に親の顔色を見るようになるんですよ」

「かぐや姫プレイパーク」にあるたくさんの竹でできた「秘密基地」
「かぐや姫プレイパーク」にあるたくさんの竹でできた「秘密基地」

ヨス「なるほど。判断基準が自分ではなくなると?」

竹森「そうです。何かをやりたいと思っても『これはやってもいいのかな? お母さんに怒られるかな?』という判断基準になります。

そうなると誰かの指示がないと自分で判断できなくなる。まさに指示待ち人間のできあがりです」

ヨス「確かに! それはすごく納得できます」

実は竹森さんのおっしゃっている「親の過干渉」「指示待ち人間」というキーワードですが、かぐや姫プレイパークに来るとまず目につく場所にスローガンとして掲げられています。

入り口には「脱・指示待ち人間 親の過干渉NG」とのスローガンが
入り口には「脱・指示待ち人間 親の過干渉NG」とのスローガンが

でーんと「脱・指示待ち人間 親の過干渉NG」って書いていますが、かなりインパクトがあるでしょ?

最初これを見たとき「なんじゃコリャ?!」と思ったのは内緒です(笑)。

体験を通して「危険を見分ける力」を

スローガンの話になりましたが、「かぐや姫プレイパーク」のモットーを書いたこんな看板も入り口にあります。

子どもには危険を見分ける力をつけてもらいたい
子どもには危険を見分ける力をつけてもらいたい

告!(お知らせ)
この公園は「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーに運営している冒険遊び場です。子ども達が自由に遊ぶためには小さなケガなどはつきものです。だからといってこれを禁止するのではなく、体験をつみ重ねつつ、危険を見分け、避ける力を身につけるのがネライです。
全国冒険遊び場づくり協会・かぐや姫プレイパーク

今度はこちらのモットーについて質問してみます。

ヨス「このモットーについて詳しく聞かせてください!」

竹森「さっきの過干渉の延長になりますが、親の監視下ではなく、子どもには自由に遊んでほしいです。それを『冒険』と言っていますが、冒険って危険と隣合わせなんですね。

子どもには自然の『キワキワ』を体験させたいんです。

ヨス「キワキワ(際)というのは、自然の中で体験する『危険との境目』という意味ですか?」

竹森「はい。(危険と隣合わせである)自然の中に入っていくと良い虫がいれば悪い虫がいる。

もし悪い虫(毛虫とか)に触ってしまってケガをするのも、自然の中では当たり前のことなんですよ」

「かぐや姫プレイパーク」にあるたくさんの竹でできた手作り遊具
「かぐや姫プレイパーク」にあるたくさんの竹でできた手作り遊具

ヨス「たしかに。自然の中ではケガはつきものですね。

それもわかっていますが、社会の流れでは危険を子どもから遠ざけようという動きがあります。

危ない遊具は撤去するとか。その中であえて『危険と隣合わせな状況』を体験させることの意味ってなんでしょうか?」

竹森「自然の中では虫だけではなく、川に落ちたり枝で手を切ったり。失敗やケガがあるからこそ子どもたちは注意をして遊ぶんです

ここで遊んでいる子どもたちを見てたらわかると思うのですが、子どもって親が思うほどムチャはしないんです」

けっこうな高さになる2階建ての「天空の城」
けっこうな高さになる2階建ての人気遊具「天空の城」

ヨス「なるほど! 目の前のものが危険かどうかを、子どもなりに見極めているってことですね」

竹森「そうなんです。

子どもは『これは自分の能力で乗り越えられるか?』を考えながら遊んでいるんですね。これが大事です。

危険があるからこそ冒険心や挑戦心も育つし、ケガをするからこそ自分を守る術を身につけます

斜面に配置された手作りの遊具
斜面に配置されたタイヤを使った手作りの遊具

ヨス「危険をあらかじめ排除するのではなく、あえて置いておくことで学ぶと」

竹森「そうですね。もしそういった危険をすべて撤去してしまったらどうなると思いますか?

子どもは何も考えずに何に対しても『安全だ』と思い込みます。そんなことは世の中ではありえないですよね。

私は、ここで遊びを通して子どもたちに生きる力を学んでほしいんです」

「危ない公園」ですけどよろしければどうぞ

「かぐや姫プレイパーク」の長い坂
「かぐや姫プレイパーク」の長い坂

ヨス「香川県でもどんどん自然はなくなってきていますから、ここで体験できることって貴重だと思います。

わたしもここには自然の中でいろんな体験をさせたくて通わせていますし。

けっこういろんなところから子どもを来させたいという要望もあるんじゃないでしょうか?

竹森「個人単体では矢野さん(わたしヨスのことです)みたいに来てくれるんですが、それが教育関係の幼稚園、保育所、小学校になるとダメです。

ここに見学に来て、担当者が気に入って学校に戻り、ここの写真を上の人に見せると100%却下になるんです。

写真左中央が入り口で、折り返しで長い坂がある
写真左中央が入り口で、折り返しで長い坂がある

ヨス「えー!? そうなんですか!?」

竹森「だって、こんな斜面ですからね(笑)。

危険でケガでもしたらどうするんだ!となるんです」

ヨス「まぁ、たしかにそうなりそうです(笑)。

ケガをさせると学校が非難される。そんな可能性があるんだったら行かさない方が無難ですからね 」

竹森「だから最近はそういう話があって、見学に来たいという話があったときにこう言っているんです。

『危ない公園』ですけどよろしければどうぞって(笑)」

『危ない公園』ですけどよろしければどうぞ
「危ない公園」ですけどよろしければどうぞ

ヨス「竹森さんらしい(笑)。『危ない公園』なんて言われるとどんな公園かと思いますよ!」

竹森「でも学校関係ではなく、親たちは1回来ると気づくんです。

最初見たときは『大丈夫かな?』と思っていても、子どもが遊んでいるのを見ると『あれ? 思ってたより大丈夫なんだな』と。

そして『また来たいです』と、笑顔で言ってくれるんですね」

山の斜面にいろんな手作り遊具が
山の斜面にいろんな手作り遊具が

そうなんです。竹森さんのお話でも出てきましたが、この「かぐや姫プレイパーク」はけっこう急な斜面になっています。まぁ、山ですから。

下の写真のように、竹を使って転げ落ちないように多少はやっていますが、それでも危険です。

「かぐや姫プレイパーク」はけっこうな斜面
「かぐや姫プレイパーク」はけっこうな斜面

ただ、何度も行っているわたしの意見では、危険だけど気をつければふつうの人なら問題ないレベルです。

3歳の子どもでも手を繋いでいれば普通にてっぺんまで登れますから。

実際に、小学生にもなると余裕で登ったり下りたりしまくります。ほんとに余裕なんですよね。

ナイフのような道具を使えるように

のこぎりで竹細工を作る竹森さん
のこぎりで竹細工を作る竹森さん

ヨス「危険といえば、ここではナイフやナタも自由に使わせてもらえますよね」

竹森 「はい。普段使わないような道具にできるだけさわれるようにしています。

私は、子どもたちにナイフとかナタみたいな道具を『手の延長』として使えるようになってほしいんです」

ナイフで竹の箸を作る
ナイフで竹の箸を作る(小学2年生)
のこぎりで竹の器を作る(小学4年生)
のこぎりで竹の器を作る(小学4年生)

竹森 「たとえばナイフにしても、昔の子どもができていたのだから今の子どもにできないはずがないんです。

じゃあ何でできないかというとやらせていないから

ここに来る子どもたちにはそういう道具を自由に使える環境を与えたいですね」

たけのこ掘りでも道具は大活躍
たけのこ掘りでも道具は大活躍

春になると「かぐや姫プレイパーク」にはタケノコがたくさん生えてきます。それを採るのも楽しい活動の一つです。わたしも毎年タケノコ掘りに参加させてもらっています。

そのときもスコップやナタ(←これはさすがに親も同伴で)も使わせてもらえます。これが超楽しいんですね。道具を使って自分で採ったタケノコ。

「はんごう」でたけのこご飯を炊く
「はんごう」でたけのこご飯を炊く

それをはんごう炊飯で実際に調理して食べる。この体験です。ステキでしょ?

たけのこご飯を竹の容器と竹箸で
たけのこご飯を竹の容器と竹箸で

この日は子どもたちが実際にのこぎりやナイフを使って「竹の容器」と「竹箸」を作りました。

いやー、最高ですよ。こんな体験、普段できませんからねー。「道具を使える子どもになってほしい」……これには、わたしも同じ思いです。

子どもって3歳児でもハサミが使えたり、小学校低学年でもミシンを使わせてみると意外と使いこなせたりしますよね。子どものころにいろんな体験をさせるのは重要だと感じています。

竹森さんが思っていること

実は竹森さん、子どもたちと50年以上も関わっているので、その想いがすさまじいんです。せっかくなので思っていることをいろいろ話してもらいました。

竹森「さきほど『指示待ち人間』の話をしましたが、学校ではまず最初にチャイムをやめてほしいです。

子どもは時計を見れば自主的に行動できるのに、チャイムの音を聞いて受身的に行動させているんです。自主性を学ぶ機会をチャイムがジャマをしているんです。

初夏には田植え体験を、秋にはその稲を刈る
初夏には田植え体験を、秋にはその稲を刈る体験も

竹森「あと、45分の時間割なんかも要りません。90分ぶっ続けで授業をしたっていいし、午前中は全部同じ授業でもいい。

授業の途中にトイレ行きたいなら行ったらいいし。

教科の区切りも社会、国語をいっしょにした教科とかもいいですね。国語の授業の流れから途中で『社会』に移るとか面白いですよね」

なるほど。学校の先生って、決められたカリキュラムに追われていますからね。本当に大変そう……。

子どもだけでなく先生自身も「やらなければいけない」ことばかり。よく問題にされますよね。

こんなカゴも楽しい遊具に早変わり!
こんなカゴも楽しい遊具に早変わり!

竹森「学校の遊具もどんどん減らされてます。

子どもの怪我があれば学校が責められるので撤去されるんですね。

学校でも遊びの選択肢が減ってるんです。つまり学校で危険意識を学ばせる場も減っているということです」

いやー、この記事もけっこう長くなっていますが、子どもの教育について語らせたら竹森さん、ほんとに止まりません(笑)。

今後やっていきたいこと

では最後に竹森さんに、今後「かぐや姫プレイパーク」でやっていきたいことについてうかがいました。

ヨス「来るたびに遊具が増えてたり、最近ではピザ工房を作ったりといろんなものが増えていますが、今後『かぐや姫プレイパーク』で作りたいものなんかはありますか?」

竹森工房がほしいなぁと思っています。

子どもが興味持ち出した『作る活動』をいくらでもできるような工房です。

誰か大人が教える『講座』みたいなものではなく、子どもたちが自由にやって自然に覚えるようなのがいいですね」

「かぐや姫プレイパーク」では竹が豊富なので、いろんなものに活用
「かぐや姫プレイパーク」では竹が豊富なので、いろんなものに活用

竹森「あと親が一生懸命になれるものを用意したいですね」

ヨス「え? 子どもではなく、親がですか??」

竹森「大きく『親の過干渉NG』と書いていても、やっぱり子どものやっていることが気になるんですよ。

だから親には親が一生懸命になれるものを用意して、子どもを監視しないで放っておけるような環境を作りたいんです」

親が子どもの活動とは別に活動することで子どもへの監視がなくなる
親が子どもの活動とは別に活動することで子どもへの監視がなくなる

なんと! こんな発想になったことはありませんでした。さすが竹森さんです。

だって、焚き火をしているところに子どもが来たら、第一声で「ほれ、火をつつけ!」ですからね(笑)。ふつうの親は逆を言いそう。

竹森「あと、私は遍路を6周目をやっているところですが、親子で歩く『ちょっとした遍路体験』をやってみたいですね。

お寺を1箇所だけ決めてそこまで歩いて行って、途中で出会うお遍路さんと交流したり……楽しそうです」

ほかにもこの3月(2016年)の春休みには、まんのう町内で10箇所の場所を回ってスタンプを集めると豪華な「福袋」がもらえるスタンプラリーも企画されているそうです。こちらも楽しみです。

まんのう町の大自然の中で「自分で判断できる子」に育ってほしい
まんのう町の大自然の中で「自分で判断できる子」に育ってほしい

インタビューを通して、竹森さんのおっしゃることは一貫していました。とにかく「子どもがいちいち親の許可を得ずに自分で判断できるように育ってほしい」。

だから、危険もある自然の中で「自ら考える」ことを通して、それを身につけてほしいと考えています。

かぐや姫プレイパークの情報

「かぐや姫プレイパーク」の情報はこちらです。

住所
〒769-0301 香川県仲多度郡まんのう町佐文817
電話
090-6889-0312
運営協力費
子ども: 200円
おとな: 100円
営業時間
土日・祝日・夏休み・冬休み・春休み
10:30~15:30
休園日
平日
備考
※自然の中で遊ぶので、必ず長袖、帽子、長ズボン、くつ着用でおいでください。
※子どもの学校がお休みの日は基本的に営業していますが、お休みが不定期で入ります。必ずお電話でご確認してからおいでください。

今回インタビューさせていただいた竹森康彦さんとはもう2012年からお世話になっています。現在79歳ですが、本当にパワフルな方です。

季節に応じた「田植え」などのイベントのほかに、タケノコのオーナー制度も設けています。子どもを自然の中で育てたい方が来る場所なので、親同士も気が合うことが多いですよ~。

わたしもちょくちょく参加しているのでお会いするかも(笑)。

こちらは竹森さんが企画して子どもの長期休暇に開催されている「スタポンラリー」についての記事です。

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