2015年11月9日

現代サーカスを香川から世界に! 第一人者の田中未知子さんにインタビュー

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こんにちは! ヨス(@yossense)です。

ジャグリングを始めた私ですが、今回はそのジャグリングに深い関係のある「現代サーカス」について、第一人者の田中未知子さんにインタビューしてきました。

現代サーカスの第一人者:田中未知子さん

今回インタビューさせていただいた田中未知子さんは、日本における「現代サーカス」の第一人者です。

田中未知子さん
田中未知子さん

田中さんの経歴をさらっと紹介します。

田中さんは北海道出身の方で、北海道新聞社事業局に勤務していた2004年に仕事でフランス現代サーカス公演を企画しました。これが現代サーカスとの運命の出合いだったそうです。

一瞬にして現代サーカスのとりこになった田中さんは、その3年後には退職し、「現代サーカスの魅力を日本で広めることに人生をかけたい」と思ったそうです。

そして、なんと! 単身でフランスに渡りました。 フランス各地を取材し、その内容を本にする……など、とんでもなくエネルギッシュな方です。ちなみにこちらが田中さん著の書籍です。

現代サーカスって何?

あ、そうそう。「現代サーカス」って言葉。今普通に使いましたが、日本ではあまり馴染みがないと思うので紹介させてください。

乱暴に言うと「動物が出てこないサーカス」と言えますが、どんなものか動画で見ていただきたいです。スゴイので。

これは2012年に開催された香川県高松市にある仏生山町で行われた現代サーカスです。

私は最初、サーカスって言葉に引きづられすぎてて、色んなパフォーマンスを見られるぐらいのイメージだったんですが、この動画を見て一瞬で考えが変わりました。

そうです。「現代サーカス」というのはまさにアートです。まずストーリーがあって、生演奏があって、その流れの中ですごい技を魅せる! これは総合芸術ですよね。

つまり「現代サーカス」というのはアートとしてのサーカスです。

現代サーカスについて田中さんに質問!

というわけで現代サーカスについて、田中さんにいろいろと質問したいと思います。

ヨス「 現代サーカスの背景を簡単に説明していただけますか?」

田中さん「現代サーカスは元々の発祥はフランスです。70年代ごろに始まって、今ではフランスに200ものサーカス学校があります。

フランスでは学校の放課後のレクレーションとしても活動したりするほど普及しているんですよ」

現代サーカス公演「naimono」での空中ブランコ
現代サーカス公演「naimono」での空中ブランコ(Tomoko Albaさん)

おっと! いきなりびっくりしました。フランスではここまでメジャーなんですね。日本でメジャーなスポーツといえば野球ですが、野球の学校ってないですよね!?「野球学校」みたいなのがあるレベルなんですかね。すごすぎます。

ヨス「ではこの現代サーカスが日本に入ってきたのはいつですか?」

田中「最初に日本に入ってきたのは90年代です。

でも全然知られていませんよね。やっとこの2、3年で少しだけ知られるようになってきた感じです。

ちなみに現代サーカスで今一番有名なのは「シルク・ドゥ・ソレイユ」というカナダ・ケベック州で設立されたサーカス劇団です」

日本では90年代ですか! やっぱり新しいんですね。

2015年12月15日追記:「シルク・ドゥ・ソレイユ」でパフォーマンスをしていた粕尾将一さんにもインタビューしました。

現代サーカスに惹かれた理由

現代サーカス公演「naimono」での一場面
現代サーカス公演「naimono」での一場面(綱渡りは清水ひさおさん)

ヨス「元々は全く関係のないお仕事をされていた田中さんですが、そもそも現代サーカスのどの部分に惹かれたんでしょうか?」

田中「日本には、社会常識や規則、制限から感じるストレスって多いですよね?

私もそういうものを感じていた1人だったんですが、現代サーカスと出合って解放された気持ちになったんです。

自由でアーティスティックで……その素晴らしさにどっぷりとハマってしまいました」

なるほど! スカッとしたんですね!!(← はしょりすぎ!)でも、それすごくわかります。

現代社会と全く違った空間が演出されていますからねー。この異世界感は現代サーカスの一番の魅力だと思います。夢中で見ていると完全に忘れさせてくれる「凄み」が現代サーカスにはあります。

移住先を香川県にえらんだ理由

香川県出身で「シルク・ドゥ・ソレイユ」の登録アーティストの長谷川愛実さん
香川県出身で「シルク・ドゥ・ソレイユ」の登録アーティストの長谷川愛実さん

さて、香川の地元人の私としてはもっとも気になっていることがあります。それはなんで田中さんが香川に移住してきたか?です。

ヨス「現代サーカスを普及させようと思うのなら、どう考えても東京にいた方がよさそうな気がするのですが、なぜ香川県を選んだのでしょうか?

香川と現代サーカスには何の接点もない気がするのですが?」

田中「香川に来たきっかけは2010年の瀬戸内国際芸術祭です。

私は舞台芸術の運営に携わっていて、仕事として香川に来たのが最初です。そしたら香川に惚れてしまった感じです(笑)」

ヴァロンタン・ベロさんのパフォーマンス
「naimono」に出演するためフランスから来日したヴァロンタン・ベロさんのパフォーマンス

ヨス「ええ?! 何ですかそれ?(笑)

讃岐うどん目的で香川に惚れる人は多いですが、まさか讃岐うどんですか?」

田中さん「讃岐うどんは好きですが違います(笑)。

香川に来たときに農村歌舞伎や獅子舞を見たんです。

小豆島の農村歌舞伎、東谷の農村歌舞伎・祇園座、獅子舞は勅使の一人獅子を」

ヨス「農村歌舞伎ですか? 香川県民ですが知りませんでした」

田中「歌舞伎なのですが、普通とは違うんです。私がびっくりしたのは、それを演じている方たちが普段は会社勤めをしているという点です。

彼らの『芸能』と暮らしの距離がないことに気づき、『普通の人の倍ぐらい豊かな人生を送っている!』と思ったんです。

そして『拠点にするのは香川しかない』と決心しました」

ヨス「正直なところ、地元の人間である私にはこの視点は新鮮すぎます。

これもフランスを渡り歩いて見てきた風景と何かがリンクしたんでしょうか?」

田中「そうですね。テントのサーカスは暮らしと密着していて、演じる場所の横に生活があり、土の上で行われることであり、家族の声がする感じです。

また観る側からすると、情報を得るのに苦労するところも似ています!

大々的に広報があるわけでないので、人づてや問い合わせで調べてようやくたどり着く感じ。でも苦労してたどり着いたら絶対に歓迎してもらえる、というところも似ています。とても人間的ですよね。

なるほどー! これはまさに田中さんならではの視点ですねー。 面白いです。

今後の展開について

ヨス「現在は香川を拠点に「瀬戸内サーカスファクトリー」を主宰し、現代サーカスの普及に力を注いでいらっしゃる田中さん。将来的には活動をどのように発展させていこうと思ってらっしゃいますか?」

田中年間を通じてサーカス創作ができる場所を持ちたいですね。

国内外のアーティスト、現代、伝統のアーティストがいて、プロ、アマチュアが交流できる場所でもあって……。

地元の人に愛され、自分たちの町で『世界に旅立つサーカス』が生まれているという誇り、そして親しみを持ってもらえるようなものを形にしたいです!」

現代サーカス公演「naimono」での一場面
現代サーカス公演「naimono」での一場面

ヨス「いやー、素晴らしいですね。そんなサーカスが「香川から」発信されると考えると、もうワクワクが止まりません!」

田中「世界各地の人々も訪れるし、地元で大切にされている地域芸能などにも触れることができる『最先端でありながら最も土着』というものを目指しています

大都会ではできないことが、逆にここでできると思っています……というか、そうでなければ意味がないですね(笑)」

すばらしいお言葉ありがとうございます。 「最先端でありながら最も土着」というなんとも印象的な表現ですが、なんか好きですこれ。

そして田中さんにひとこと言いたいです。香川に移住してくださってありがとうございます!! 香川から現代サーカスが盛り上がっていくのを見ていけるのが楽しくて仕方ありません。

さて今回は日本の現代サーカスを引っ張っている田中未知子さんにインタビューしてきました。

私も自分がジャグリングを習い始めるまで、香川で現代サーカスが盛り上がっていっていることなんて知りませんでした。

だからこそ思いました。私みたいなブロガーの力が必要なんじゃないかと。というわけで、香川の現代サーカス情報の拡散に今後は力を入れていきます。

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