【バセドウ病闘病記: 4】アイソトープ治療1(食事制限)

こんにちは! 元バセドウ病のヨス(プロフィールはこちら)です。

私はバセドウ病になって、始めのうちは「メルカゾール」という薬を飲んでいました。ところがその薬の副作用で肝臓を悪くし始めていました。というかバセドウ病よりも問題になっていたんです。

今回はバセドウ病の治療の一つ「放射線治療(アイソトープ治療)」に向けての入院と食事制限について詳しくまとめます。

放射線治療に向けての入院と食事制限

副作用がひどいため薬物療法ができなくなった私は結果的に「放射線治療」という選択肢を選ぶことになります。ではまずは、その経緯について。

薬物治療から放射線治療へ

バセドウ病を直すつもりで飲んでいた「メルカゾール」が私の身体に合わないため、逆にダメージを受けていました。なので甲状腺専門の先生から、ほかの治療方法へ切り替えなければ命に関わると言われました。

「飲むだけで治るんや?♪」っていう考えは甘かったんです。

選択肢は「放射線」OR「手術」

さて、すかさず先生は次の選択肢を迫ってきました。だってこの日からさっそく薬の処方が禁じられているからです。

ダメージを受けているとは言え、薬によって多少改善している今、早く次の手を打たないとまたしても振り出しに戻ってしまうことが目に見えているからです。

なのでまとめるとこういうわけです。

  • 薬物治療禁止
  • 放射線治療
  • 手術

そうです。「放射線治療」か「手術」を選ばなくてはならなくなりました。

選択の余地はなかったんす

実はこのとき私には選択肢はありませんでした。どうやら私は手術は不可能なんだそうです。

手術は、全身麻酔をしなければいけないため(そら、首やもんな!)、私みたいに甲状腺の数値が高くなっている人にはできないんだそうです。

通常、手術をする場合、ある程度メルカゾールなどの薬で数値を下げてから行うそうです。でも私はメルカゾールにアレルギーがあるので下げられません。

その上、そのメルカゾールによって肝臓がかなり悪くなっていたことも手術のできない理由でした。手術の前後で必要になる薬や麻酔も肝臓に負担がいくそうですので。

放射線か……?!

そう。私に残されたのは「放射線治療」のみです。3つの治療法の中で一番謎で、怖いイメージのある「放射線治療」です。

放射線ってどういうことなんやろ!? ビームみたいなんを当てるんやろか……と思っていましたが、どうやら違うみたいです。

なんと! 放射線を飲むそうです。うぉー、何か怖そうな話になってきましたね。

放射線治療のために入院

バセドウ病の「放射線治療」とは、放射線を飲むことでした。簡単に言うと甲状腺にだけ放射線が集まるようなカプセルを飲むんです。身体の外からではなく、身体の中から直接甲状腺を治療する方法です。

ベッドが空きましたので……

そして先生は続けて言いました。

「今日、ちょうどベッドに空きができました。なので、本日から入院することをおすすめします

ん……!? 入院!? ええ?? まさか、肝臓がそんなにやばくなってんの?!

正直、この診察のときはビビリまくりでした。突然聞かされた副作用の話から、放射線へ、さらには入院の話まで。

入院の理由とは

入院の話ですが、肝臓がひどくなっているわけでも、バセドウ病の症状がそこまで深刻だからというわけではありませんでした。

「放射線治療」のために2週間の入院が必要なんだそうです(絶対ではないそうですが)。まとめるとこういう日程です。

  • 食事制限のために一週間
  • 私から放射線が出るため隔離で一週間

謎は深まるばかりですねー。詳しく説明します。

入院中の任務

私が入院中にする任務はただ一つ

入院一週間後に「アイソトープ(放射性ヨード)」というカプセルを3つ飲むことです。たったそれだけ!! たったそれだけのために10万円以上払って入院するんですw。

こんなに楽な入院ってあるのか?! って思われても仕方ありませんねw。放射線という言葉にビクビクしてたのはありましたが、割と元気だったのでものすごく楽でした。

入院中の食事制限について

今回の入院の2つの理由のうち1つが「食事制限」です。

「アイソトープ(放射性ヨード)」を飲む前の1週間、「ヨードを一切取らない食事」で生活します。

ヨード制限食(ヨードを一切含まない食事)

こんなヨード制限食で過ごします。見かけは普通ですが、ヨードを一切含んでいません。

ヨードって何?

ヨード」というのは元素の名前です。ヨウ素って言った方がわかりやすいかも知れません。

海藻類に多く含まれる物質で、うがい薬にも含まれています。「ヨード卵」っていうのがありますが、あれは鶏のエサに海藻粉末を入れて、自然に卵の中にヨードが含まれるようにしてある卵なんですね。

このヨードというものは、体内で甲状腺ホルモンを合成するのに必要なため、人間の身体にとっても不可欠な元素です。

ヨードは甲状腺に取り込まれる

ここで重要なのはヨードの栄養的価値ではなく、「ヨードが甲状腺だけに取り込まれる」という性質です。

そのヨードに放射線を乗せて、バセドウ病の原因である甲状腺に届けるのが放射性治療と呼ばれる「アイソトープ治療」です。甲状腺に届いた放射線は、甲状腺の細胞をやっつけます。見事にピンポイントで甲状腺だけに放射線が届くわけなんです。

そのため、ヨードと放射線は全く関連はありません。もう一度まとめると……。

  • 「ヨード」は甲状腺(バセドウ病の原因)で取り込まれる
  • なのでヨードに放射線をくっつけた「アイソトープ(放射性ヨード)」を飲む
  • 「アイソトープ」は甲状腺に届き、原因の細胞をやっつける

という流れです。

ヨードを制限する必然性

この「アイソトープ(放射性ヨード)」ですが、含まれているヨードの量がすっごく少ないんです。

なんと! 昆布1gに入っているヨードの3万分の1しか入っていないんだとか! 少なっ。

なので食べた食事の中にヨードが入っていると、そっちも甲状腺に取り込まれるため、邪魔されることになります。「アイソトープ」を甲状腺にちゃんと取り込めなくなるんですね。

ヨードが含まれている食事をシャットアウトすることで、放射線治療の効果を最大限に高めることができます。

ヨードの多い食べ物って?

ヨードは海藻類に多く含まれます。なので和風だしを使った日本食には、かなり注意が必要です。だって昆布などの海藻がだしで使われていますから。それだけでなく、防腐剤にもヨードが入っていることもあるので、普通に日本に暮らしていてヨードを取らない方が難しいんですねー。

飲み物も、ペットボトルで売っているお茶には「昆布茶」が使われているものもあるため、ブレンド茶はだめだし。あ、ちょっとビックリしたのはポカリスエットはOKで、アクエリアスはヨードが入っているのでダメってことです。

難しいですが、ヨードを完全にシャットアウトできる方は、この入院が必要ありません

では、ヨードの含まれている食品の一例を挙げます。

絶対に避けるべき食べ物

まずは絶対に避けるべき食べ物です。

海藻類
昆布、ワカメ、海苔、ひじき、もずくなど
海藻を使った食べ物
おつまみ、佃煮、漬物などにも昆布が入っているものがあるので注意が必要です。
和食の調味料には頻繁に昆布だしが使われています。例えば、だしの素、醤油、味噌、酢などです。煮干し、かつお節、味の素には含まれていないようです。あと、ヨード卵ももちろんダメです。
ヨードの入った飲み物
昆布茶のように昆布エキスが入ったお茶にはご注意ください。ほかには十六茶のような複数のお茶がブレンドされたものには昆布茶がミックスされているものが多いので、ご確認を!
ほかにはスポーツ飲料、カロリーメイトのドリンクタイプアクエリアスにも含まれています(ポカリスエットは大丈夫です)。

なるべく避けるべき食べ物

こちらは1回食べたからダメってことはなく、できるだけ避けるべき食品です。アイソトープの効力を最大限にするためにも、すべて避けるほうが無難ですね。

海藻加工品
ところてん、寒天、ようかんには海藻が入っていますのでなるべく避けましょう。コンニャクは着色のためにひじきを使うそうです。
魚介類
基本的に魚介類は避けておいたほうが無難です。タラを使った練り食品(かまぼこ、ちくわなど)にも注意です。
肉類(内臓部位)
ホルモン、レバー、モツにはヨウ素が含まれているそうです。
ヨウ素添加食塩を使っているもの
ポテトチップス、ナッツ、ハム、ベーコン、コンビーフ
そのほか
ゼリー、プリン、ヨーグルト、豆乳、ドレッシング、アイスクリームなどにも含まれています(すべての種類ではないそうですが)。食品ではありませんが、サプリメントの一部や、うがい薬のイソジンなどにも入っています。

さて、今回は私が放射線治療のために入院することになった話でした。

もう一度おさらいすると、この入院の目的は「アイソトープ(放射性ヨード)」と呼ばれるカプセルを3錠飲むことです。

そしてアイソトープを飲む前1週間の間は「ヨード制限食」に徹底することで、ちゃんと放射線が病気の元に届くように促します。

次回はアイソトープの気になる放射線について詳しく書いてみたいと思います!