2015年2月7日

マジで衝撃っ! 日本語に2つの「が」があったなんて!?

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こんにちは! 元日本語教師のヨス(@yossense)です。

今回は日本語の「がぎぐげご」についてのお話です。実は「が行」の発音は2種類あるんです!

普通の「か・ぎ・ぐ・げ・ご」

実は日本語の「が行」の音声には2種類あるんです。普通の発音は……

が・ぎ・ぐ・げ・ご

音声では、こうです。

普通ですね。

この発音とは違う「鼻濁音の『が』」というものがあるんですよ。

日本語にあるもう1つの「が・ぎ・ぐ・げ・ご」

ではお次に本題の日本語にあるもう1つの「が・ぎ・ぐ・げ・ご」を見ていきましょう。

まずは文字で書いてみますね。

が・ぎ・ぐ・げ・ご

いや、一緒やん!」ってツッコミが来ますよね。そりゃあそうですよ。でも表記が同じで発音が違うから、書けないんですよ。では音声で聞いてみます。

ほら、全然音が違うでしょ?

へ?? 何この変な「が・ぎ・ぐ・げ・ご」??

きっとね、「え? 何のこと!? こんなの聞いたことないし!」って思う方も多いと思います。西日本の方に住んでいる方、もしくは若い方ではないでしょうか?

実は「私」の「が」のような「格助詞の『が』」は、鼻濁音の「nga」として発音するのが正しい日本語となっています。文章を音声で聞いてみてください。こんな感じです。

ほら!「私ヨスです」と言っています。「が」とは音が違って「んが」っぽく聞こえますよね?

実は私も知りませんでした

私は四国生まれの四国育ちなので、この事実を知ったのは日本語教師の勉強をした20代半ばです。

そうなんです。この2つの「が」の区別ってどんどんなくなってきているんですよ。私の生まれた地域では「鼻濁音の『が』」なんて完全に消滅しています。上の音声では無理して言っていますが、普段使わないのですごく違和感を感じます(笑)。

テレビでも同じで、ほとんどの方が使わなくなっていて、完全に使いこなしている代表的な人はNHKのアナウンサーです。ぜひNHKを見るときに、意識してアナウンサーの話す「が行」の発音を聞いてみてください。私は衝撃を受けました。

ちなみに元日本語教師の私でも、この区別を操るのは無理! ものすごく訓練しないとできないと思います。

本当は表記も区別したらいいんだけど

ちょっとマニアックな話ですが、なんで「鼻濁音の『が』」が消滅していくかと言うと、表記上の区別がないことも要因だと思います。

例えば……

か゜・き゜・く゜・け゜・こ゜

こんな感じで、鼻濁音のときは「か゜」って平仮名を使うようになっていれば、消滅しにくかったかもしれません(鼻音化するルールは後で詳しく紹介しています)。

がいしけいきき゜ょうか゜がんがんきえていきました(外資系企業がガンガン消えていきました)

でも「は」を「wa」と読んだり、表記と音声の不一致でも残るものは残っていますけどね(笑)。

アルファベットにしてみる

これでも発音が分かりにくいのでアルファベット表記(英語表記)にしてみますね。まずは普通の「が行」。

ga・gi・gu・ge・go

そしてもう1つの「が行」の発音です。

nga・ngi・ngu・nge・ngo

「king」の「ng」が子音になっているんです。発音記号で書くとこんな感じです。

鼻濁音の「が・ぎ・ぐ・げ・ご」の音声記号
鼻濁音の「が・ぎ・ぐ・げ・ご」の音声記号

子音「ng」の発音については英語の「ng」の発音についての記事を以前書いたので、そちらを参考に!

鼻濁音の「が」の発音

この「鼻濁音の『が』」は、発音記号でいうと、「ng(下図)」を子音として採用して、それに母音の「あ・い・う・え・お」を付けたものなんですね。

「ng」の発音記号
「ng」の発音記号

なので「んが・んぎ・んぐ・んげ・んご」っぽく聞こえます。

「ガ行」が鼻濁音化するルール

最後に鼻濁音の「が行」を極めてやるぜ!という方のためにどんなときに鼻濁音化するのかをまとめてみます。

  • 語中・語尾のガ行音は原則として鼻音化する
  • 「私が~しましたが」のような格助詞や接続助詞は必ず鼻音化する
  • 数詞の「五」は人名(「熊五郎: くまろう」など)や名詞(「七五三: しちさん」など)として使われるときだけ鼻音化する
  • 連濁の場合(「大金持ち: おおねもち」など)は鼻音化する
  • 複合語の場合、語中・語尾でも必ずしも鼻音化しない(「高等学校: こうとう / っこう」のように、2つに分けられる場合は鼻音化しない傾向がある)
  • 音象徴語などの同じ語の繰り返しは鼻音化しない(「がらら」「ごろろ」など)

「ヨスは難しいことよく知ってるな!」と褒めていただけるのはうれしいのですが、これは勉強していたときに授業中にメモしたやつを入力しただけです。いやー、難しいですね。こんなの使いこなせませんよ(笑)。

さて、今回のお話は日本語のネイティブにとっても衝撃の内容だったかもしれません。私はそうでしたから。

実はこの2つの「が」の区別ですが、言語によって重大な差の場合があります。モンゴル出身の生徒(← たぶん)に「日本人で『が』を使う人と『か゜』を使う人がいますが、なぜですか?」と聞かれたことがあります。

私には全然違いがわからないのに、母国語に区別がある人にとっては、全然違う音に聞こえて気になるんやなー!と目からウロコだったのを思い出します。

こちらの記事も読むと、日本語の「が」も英語の「ng」もよく理解できます♪

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